プロテスタント プロテスタントの概要

プロテスタント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 20:48 UTC 版)

: Protestant)は、宗教改革運動を始めとして、カトリック教会(または西方教会)から分離し、特に広義の福音主義を理念とするキリスト教諸教派を指す。日本ではカトリック教会(旧教[注釈 1])に対し、「新教」(しんきょう)ともいう。この諸教派はナザレのイエスキリスト(救い主)として信じる宗教[1][2]である。イエス・キリストが、神の国の福音を説き、罪ある人間を救済するために自ら十字架にかけられ、復活したものと信じる[2]。「父なる神[3]と「その子キリスト」[4]と「聖霊」を唯一の神(三位一体・至聖三者)として信仰する。

ローマ・カトリック教会正教会のような全世界的な単一組織は存在せず、聖書解釈の多様さを尊重することから数多の教派が存在し、ニカイア信条のギリシャ語原文から逸脱しない諸教派が一般的に「プロテスタント諸派」と呼ばれる。主な教派として、ルーテル教会改革派教会聖公会バプテスト教会メソジスト教会セブンスデー・アドベンチスト教会ホーリネス教会ペンテコステ教会などがある。


  1. ^ ただしカトリック教会自身は「旧教」を自称したことはなく、カトリック教会ではまったく使われない呼称である。
  2. ^ こうした分派発足のいきさつがあるため、ナザレのイエスの説いた普遍的な教条の表明と、抗争や戦争の指針とを共存しうる教派も生まれた。
  3. ^ 神の前で義とされるのは行為祭礼ではなく「信仰のみ」、聖書は神の言葉であり、信仰生活は聖書の啓示をよりどころとする「聖書のみ」、洗礼を受けた信者はすべて祭司であるとする「万人祭司」がある。(岩波キリスト教辞典P994 プロテスタンティズムの項目 川中子義勝)
  4. ^ のち、1648年のヴェストファーレン条約及びこれに伴うミュンスター条約英語版により、南ネーデルラント以外の北部7州はネーデルラント連邦共和国として成立し、またスイスも独立した。
  5. ^ 「ルーテル」はルターの舞台ドイツ語読み
  6. ^ 各教派、教団ごとの代表者、代表理事などの経営・運営上のトップは殆どの場合存在する
  7. ^ ローマ教皇庁のような、全教会政治の最高権限を有しているわけではない。
  8. ^ この場合の違いは、旧約聖書に関して、カトリック側が七十人訳聖書に準拠したラテン語訳聖書に依るのに対して、プロテスタント側がユダヤ戦争後に正典化されたヘブライ語聖書を底本とするだけの違いで、前者に含まれる一部の文書が正典化されたヘブライ語聖書から外された第二正典を旧約聖書に含むか含まないかの違いである。
  9. ^ ただし、日本語宗派の語は元来仏教用語であって、キリスト教系で使用する機会は滅多にない。
  10. ^ 日本基督教団は日本の政治的事情により結成された超教派ではあるが、戦後の再編で福音派とされる系統の教会は所属していないメインライン・プロテスタントの教団であると認識されている。
  11. ^ これ以降ピューリタンと先住民は全面的に対立するようになる。岩波キリスト教辞典P1035
  1. ^ 「キリスト教」『宗教学辞典』東京大学出版会、1973年、146頁。
  2. ^ a b 「キリスト教」『大辞泉』増補・新装版、小学館、1998年、第一版、714頁。「キリスト教」デジタル大辞泉、小学館、コトバンク
  3. ^ 「御父」(おんちち〈新共同訳聖書ヨハネによる福音書』3:35〉)。
  4. ^ 「御子」(みこ〈新共同訳聖書『ヨハネによる福音書』3:35〉)、「子なる神」。
  5. ^ protestant (Dictionary.com)
  6. ^ 岩波キリスト教辞典P90 異端の項目 木塚隆志
  7. ^ 井門富二夫『カルトの諸相 キリスト教の場合』岩波書店1997年
  8. ^ 『異端の歴史』教文館1997年
  9. ^ J.G.メルトン (1992). Encyclopedic Handbook of Cults in America. Garland 
  10. ^ 宇田進『現代福音主義神学』いのちのことば社
  11. ^ マクグラス『キリスト教の将来』教文館
  12. ^ 古屋安雄『激動するアメリカ教会』ヨルダン社
  13. ^ 詳しくはキリスト教#信徒数を参照
  14. ^ a b WVS Database”. www.worldvaluessurvey.org. 2022年3月19日閲覧。
  15. ^ WVS Database”. www.worldvaluessurvey.org. 2022年3月19日閲覧。
  16. ^ WVS Database” (英語). www.worldvaluessurvey.org. 2022年3月19日閲覧。
  17. ^ [WVS wave 7 (2017-2020): Haerpfer, C., Inglehart, R., Moreno, A., Welzel, C., Kizilova, K., Diez-Medrano J., M. Lagos, P. Norris, E. Ponarin & B. Puranen et al. (eds.). 2020. World Values Survey: Round Seven – Country-Pooled Datafile. Madrid, Spain & Vienna, Austria: JD Systems Institute & WVSA Secretariat.] doi:10.14281/18241.1
  18. ^ a b ピュー研究所『世界のキリスト教徒』(英語版)。2011年。
  19. ^ 宇田進『福音主義キリスト教と福音派』
  20. ^ 尾山令仁『クリスチャンの和解と一致』地引網出版
  21. ^ 共立基督教研究所『宣教ハンドブック』
  22. ^ 日本福音同盟『日本の福音派』
  23. ^ ピーター・バイヤーハウス 『宣教のめざす道-エキュメニカルと福音派の間-』いのちのことば社
  24. ^ 尾山令仁『聖書の教理』羊群社
  25. ^ 渡辺信夫『アジア伝道史』いのちのことば社
  26. ^ 日本伝道会議『日本開国とプロテスタント宣教150年』2009年
  27. ^ トマス・ブラウン『スコットランドにおける教会と国家』すぐ書房
  28. ^ ケアンズ『基督教全史』聖書図書刊行会
  29. ^ カナダ合同教会に歓迎!
  30. ^ 合同教会について (英語)
  31. ^ 日本聖公会大阪教区
  32. ^ 折原浩『ヴェーバー学のすすめ』未来社、2003年
  33. ^ POSITIVE PEACE REPORT Analysing the factors that build, predict and sustain peace.”. 2022年1月31日閲覧。
  34. ^ ルイ・デュモン (1993)





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