音声・音韻とは? わかりやすく解説

音声・音韻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:59 UTC 版)

日本語」の記事における「音声・音韻」の解説

詳細は「日本語の方言#音韻・音声」を参照 発音の特徴によって本土方言大きく区分すると、表日本方言裏日本方言、薩隅(鹿児島)式方言分けることができる。表日本方言共通語に近い音韻体系を持つ。裏日本式の音韻体系は、東北地方中心に北海道沿岸部新潟県越後北部関東北東部茨城県栃木県)と、とんで島根県出雲地方中心とした地域分布するその特徴は、イ段ウ段母音中舌母音用いることと、エが狭くイに近いことである。関東のうち千葉県埼玉県東部などと、越後中部佐渡富山県石川県能登方言裏日本式と表日本式の中間である。また薩隅式方言は、大量母音脱落により閉音節多く持っている点で他方言と対立している。薩隅方言以外の九州方言は、薩隅式と表日本式の中間である。 音韻の面では、母音の「う」を、東日本北陸出雲付近では中舌寄り非円唇母音(唇を丸めない)の [ɯ] または [ɯ̈] で、西日本一般では奥舌で円唇母音の [u] で発音するまた、母音は、東日本北陸出雲付近九州無声化しやすく、東海近畿中国四国では無声化しにくい。 またこれとは別に近畿四国(・北陸)とそれ以外での対立がある。前者京阪式アクセント地域であるが、この地域ではアクセント以外にも、「木」を「きい」、「目」を「めえ」のように一音節語を伸ばして二拍発音し、また「赤い」→「あけー」のような連母音の融合起こらないという共通点がある。また、西日本九州山陰・北陸除く)は母音強く子音弱く発音し東日本九州子音強く母音弱く発音する傾向がある。

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音声・音韻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/27 04:04 UTC 版)

奈良田方言」の記事における「音声・音韻」の解説

音声また、奈良田方言特異なものにしている。奈良田方言音声には以下の特徴がある。 拗音に/je/ の系列があり、/e/とは別の音節として区別されている。 サ行子音/s/はシを除き無声歯摩擦音[θ]。ザ行子音/z/もジを除きその有声音である[ð]。シ/si/・ジ/zi/の子音および拗音系列の子音/sj/・/zj/は歯茎口蓋化した摩擦音そり舌音があり、タ行子音はチを除き無声そり舌破裂音の[ʈ]。ダ行子音もその有声音である[ɖ]。ナ・ノ・ヌの子音はそり舌鼻音の[ɳ]。チ/ti/・ヂ/di/の子音および拗音系列の子音/tj/は歯茎硬口蓋化した破擦音。 以上より四つ仮名、すなわち/zi/と/di/、/zu/と/du/は区別されている。 ラ行子音硬口蓋側面接近音[ʎ]。 声門閉鎖音[ʔ]を頻用する。

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音声・音韻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 09:18 UTC 版)

東北方言」の記事における「音声・音韻」の解説

イ段ウ段母音中舌母音[ï]・[ɯ̈]で発音されるこのうち「し」対「す」、「ち」対「つ」およびその濁音「じ」対「ず」(「ぢ」対「づ」)は大半地域区別がなく、方言学ではこのことを「ズーズー弁」的発音裏日本式音韻)と呼んでいる。北奥羽方言では「し・ち・じ」に近い発音南奥羽方言は「す・つ・ず」に近い発音になる。例えば「寿司・煤・獅子」は、ともに北奥羽方言で「シシ[sïsï]」、南奥羽方言で「スス[sɯ̈sɯ̈]」と発音される傾向がある。さらに南奥羽方言では、これらのウ段拗音でも、「しゅ」が「す」に、「ちゅ」が「つ」に、「じゅ」が「ず」に統合され、たとえば「習字」が「スーズ[sɯ̈ːdzɯ̈]」と発音される。現在、これらの区別が無いのは高年層に残すのみとなり、青年層では共通語音声になっているまた、エ段母音共通語よりも狭くイ段に近い発音になる。共通語ではエ段母音は[ɛ˔](基本母音の[e]と[ɛ]の中間)であるが、東北方言エ段母音は[e]に近い。特に母音単独拍では、北部日本海側などを除いてイ/i/を欠いており、共通語でイにあたるものはエ[e][e˔]と発音されイとエの区別がなくなる。子音結合した場合には、イ段エ段区別される。 さらに東北地方日本海側北端部では、共通語におけるウ段音がかなりの程度オ段音になる。 カ行タ行子音は、母音挟まれ場合に「マド[mado](的)」のように有声化濁音化)が起こる。ただし子前後母音無声化起こした場合有声化しない。その一方で、本来の濁音前には、「マンド[ma ̃do](窓)」のように「入り渡り鼻音」と呼ばれる鼻音伴うため、語彙混乱見られなかった。ただし現在の中年層以降ではこの入り渡り鼻音失われ音声上の区別はない。 以上のような、イ段ウ段中舌母音、イとエの統合カ行タ行濁音化は、東北地方新潟県北部だけでなく、北海道南部沿岸部茨城県栃木県千葉県北部にも及んでいる。また「し・ち・じ」と「す・つ・ず」の統合は、東北地方三陸海岸福島県南部除く)と新潟県北部北海道沿岸部分布している。濁音の前の入り渡り鼻音東北地方大部分新潟県北部北海道沿岸部分布している。 また、「き」を無声硬口蓋摩擦音伴って、[kçï]と発音したり、さらに口蓋化して[cçï](チ)や無声硬口蓋破裂音で[ci](チ)と発音する例もよく見られる東北北部では、特殊音素である長音(ー)、撥音(ん)、促音(っ)が、アクセント単位として独立して数えられない東北北部では、モーラ(拍)ではなく音節単位となっており、促音撥音長音共通語比べて短く発音される。 広い地域で、連母音[ai]が融合して[ɛː]、[æː]、[ɛ]、[æ]などになり、[eː]とは区別されるそのような地域では、[i]、[e]、[ɛ]([æ])、[a]、[o]、[u]の6母音体系持っている

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音声・音韻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 03:21 UTC 版)

播州弁」の記事における「音声・音韻」の解説

他の近畿方言同じく、1音節の語は「木→きい」「目→めえ」のように長音化することが多い。一方で、「行こうか→いこか」「早うなる→はよなる」のように、本来長音のものが短くなることがあるまた、西播方言においては連母音アイ」が「エー」になる。 丹波同じくザ行ダ行混同見られる。「あぜみち畦道)→あでみち」、「ぜんぶ(全部)→でんぶ」、「ぜんぜん(全然)→でんでん」「どうぞ→どうど」「せんざい前栽)→せんだい」「熱いぞ→熱いど」など。ラ行になる場合もある。「精だしていこう→精らいていこう」など。

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音声・音韻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 06:47 UTC 版)

美濃弁」の記事における「音声・音韻」の解説

美濃弁音韻体系はほぼ共通語共通するガ行鼻濁音はあるが、語中語尾でも[g]の場合もある。母音の無声化目立たない西美濃を中心に名古屋弁同じような以下の連母音融合起きる。 ai→æː [例]咲いた→せぁーた、どえらい→どえれぁー ɛːやeːになる場合もある。 ae→æː [例]名前→なめぁー、帰るけぁーる oioeːまたはœː [例]青い→あおぇー、遅い→おそぇー ai比べてae融合しない場合がある。これらの融合はいずれ丁寧な発音では元に戻るものである東美濃西部土岐市瑞浪市多治見市など)では以下のように融合する。この現象愛知県瀬戸市連続している。 ai→aː [例]赤い→あかー oi→oː [例]青い→あおー ui→uː [例]暑い→あつー 一方東美濃東部恵那市中津川市など)では連母音の融合はあまり起こらない。また美濃北部でも起こらない

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音声・音韻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/07 08:49 UTC 版)

埼玉弁」の記事における「音声・音韻」の解説

東部にはやや東北方言的な発音特徴があるが、それ以外では東京下町言葉発音に近い。 北東部では母音イが中舌の[ï]で、エも狭め発音になる地域がある。この地域ではシ、チ、ジも子音口蓋化起きずに[sï]、[tsï]、[dzï]で現れる県東部では子音伴わない語頭のイとエの混同がある。 狭母音i, uは、東京方言同じく無声子音挟まれたり無声子音後で語末にある場合無声化起きる。 連母音ai, ae, oi, oe, ieがeːに変化する。「たけー」(高い)、「みねー」(見ない)のような主に形容詞助動詞語尾で起こる現象だが、「でーく」(大工)のような名詞や「けーた」(書いた)のような動詞活用語尾でも起こる地域もある。連母音uiがiːに変化する現象みられるawaのwが脱落してaːとなる現象みられる。「かーら」(川原、瓦)、「まーる」(回る)など。 ajuai変化する「まい」(繭)、「かい」(粥)など。さらに連母音の変化起きて「めー」「けー」にもなる。 シュジュがシ、ジになる現象みられる語中ガ行子音は、東南部では東京方言同じく鼻濁音[ŋ]で現れるが、他の地域では[g]である。 「かわっぷち」「あおっぱな」のように、複合語であることを示すのに 促音ッが挿入される場合がある。

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音声・音韻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 07:21 UTC 版)

山口弁」の記事における「音声・音韻」の解説

山口方言音声は、共通語比較的近いとされ山口方言特徴的な発音はあまり見られない音韻また、共通語との類似性が高い。「ジ・ヂ」「ズ・ヅ」の四つ仮名区別存在しない主な特徴次のとおりである。

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音声・音韻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 05:49 UTC 版)

但馬弁」の記事における「音声・音韻」の解説

子音 ガ行鼻濁音ほとんどない一方で豊岡市南部養父市北部中心に「しずかんだ」(静かだ)、「好きんで」(好きで)、「かんぞえる」(数える)、「きんのう」(昨日のような「ん」が多く聞かれ、かつての鼻母音名残がある。「せ」「ぜ」をそれぞれ「しぇ」「じぇ」と発音することは、美方郡中心に残っている。(例:しぇんしぇー(先生)) 連母音の融合 但馬連母音の融合が盛んである。一般に連母音の融合近畿方言では少なく但馬でも朝来市南部では少ない。 「アイ」「アエ」は美方郡豊岡市中心に「エァー[æː][ɛæ]」または「アー」、養父市中心にエー」になる。 「ウイイー」が養父市以北みられる。例:寒い→さみい、熱い→あちい 「オイエー」はほぼ全域みられる。例:遅い→おせえ、黒い→くれえ 「イエエー」は全域みられる。例:見える→めえる、教える→おせえる このほか、「塩→しょお」「試合→しやい」などもある。助詞も前の名詞融合し、「酒を→さけえ」「荷物を→にもつぉお」「遊びに→あそびい」「豊岡へ→とよおかあ」のように言う。さらに美方郡南部などには「を→とりゅうのような中国方言的な融合がある。また、「買うっちゅうて」のように、「と言う」は「ちゅう」になる。なお、1の融合については江戸時代初期にも記録がある(#沢庵和尚の方言記録参照)。 アウアーアウアー」の変化は、上記融合とはやや性格の違うものである京都において、古代「アウ」連母音は、室町時代には通常のオー」よりもやや大きく口を開く[ɔː] という発音になった京都を含む多く地域では、江戸時代にはこれは「オー[oː]」に変化したが、山陰丹後久美浜から島根県出雲地方まで)においては[ɔː]は「アー」に変化した。この変化は、次のような言い方現れ山陰方言大きな特徴となっている。「~ai」型の形容詞形容詞助動詞連用形は、「たかあない」(←たかうない←高くない)、「なあなる」(←なうなる←無くなる)、「いきたあて」(←いきたうて←行きたくて)のように活用する五段活用動詞・形容詞・五段型助動詞意志形推量形は、「いかあ」(←行かう=行こう)、「たかからあ」(←高からう=高いだろう)、「だらあ」(←だらう=だろう)のように活用する。 「~au」型の五段活用2音節動詞とその複合語において、音便形が「かあて」(←かうて=買って)、「でああた」(←であうた=出会った)のように活用する。 「さあな」(←さうな=そうな)、「やあな」(←やうな=ような)。「さあな」は美方郡香住のみ。 一部名詞。「あはあ」(あほ)、「ばあず」(坊主)など。 「アウアー」の変化は、但馬では美方郡豊岡市(旧出石郡東部を除く)と養父市北部見られる。ただ1の変化出石郡東部養父市南部でも聞かれるし、「買あて」も養父市南東部の畑で確認されている。これらはいずれ近畿中央部ではオ段変化しているものであり、終止形の「買う」「会う」などを「かあ」「ああ」と言うわけではない朝来市では「高うない」「行こう」「買うた」のように言う。 音韻交替 近畿方言見られるように、マ行バ行変化するものがある(ひも→ひぼ、狭い→せばい→せべぁあ・せべえ、漏る→ぼる)。サ行ハ行交替もある。また、朝来市東部から隣接する丹波にかけて、「座布団→だぶとん」のようなザ行ダ行交替が多い。「数える→かずえる」「ほじくるほぜくる」「動く→いごく」のような母音交替もある。

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音声・音韻

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 07:57 UTC 版)

中世スペイン語」の記事における「音声・音韻」の解説

中世スペイン語音韻体系現在のもの比べてずっと他のロマンス諸語音韻体系近かった間違いなく再建できる古い体系変化のなかったおよそ10世紀から14世紀の間保たれていたと考えられる。この体系では音韻的に区別される無声有声の3ペア歯擦音があったと考えられる無声歯茎破擦音有声歯茎破擦音の/ts/ ・ /dz/ (IPA: /ʦ/ ・ /ʣ/)。前者はa/o/uの前ではç、e/iの前ではcで、後者はzで表された。 無声歯茎摩擦音有声歯茎摩擦音の/s/と/z/。音節前者音節最初語末ではsで、母音間ではssで、後者母音間においてsで表された。 無声後部歯茎摩擦音有声後部歯茎摩擦音の/š/ と/ž/ (前者は英語のsh後者カタルーニャ語フランス語のj。IPA: /ʃ/ y /ʒ/)。前者はxで、後者はj、e,iの前ではgで表された。 中世スペイン語には現代スペイン語ではもしくはe、iの前での記される無声軟口蓋摩擦音[x]や今日やe、iの前での記される無声歯摩擦音[θ]は存在しなかった。 vは常に有声摩擦音として発音された。ただし、正確な発音両唇音だったのか唇歯音だったのかは確実に分かっていない。当時スペイン語不一致一つとしてfと書いてある場合実際にfの音を表すだけでなく、英語のhのような気音を表す場合もあり、後にこの気音無音となった表記上は語源的なhとして表されている。例えばfacer(今日のhacer(作る) )、 fablar (今日のhablar(話す) )。 イスパノアメリカスペインの場所によって今でもこのhを発音するため、hierro()をjierroのように発音する。[要出典]中世スペイン語いくつかの時期特徴的な現象としていわゆる語尾消失がある(es:Apócope en castellanoカスティーリャ語における語尾消失)を参照)。

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