音韻・音声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 06:42 UTC 版)
与論島方言には以下の音素が認められる。 子音音素/p, b, m, w, t, d, n, s, ɾ, c, ɟ, j, k, g, ʔ, h/ 短母音音素/a, i, u/ 長母音音素/aː, eː, iː, uː, oː/ 特殊音/N, Q/ 子音表両唇音歯茎音硬口蓋音軟口蓋音声門音モーラ鼻音 m n QN 閉鎖音p b t d k ɡ ʔ 破擦音 c ɟ 摩擦音 s h 接近音 w j 弾き音 ɾ 注釈 /p/の音声は、[p]のほか、無声両唇摩擦音[ɸ]で発音されることもある。 子音がない/∅/こともある。声門音/h/ および /ʔ/と対立する。 /h/は /i/の前で無声硬口蓋摩擦音[ç]、/u/の前で[ɸ]となる。 /si/、/se/はそれぞれ [ɕi](日本語のシと同じ)、[se]〜[ɕe](セ〜シェ)となる。 /c/、/ɟ/の音声はそれぞれ[t͡ɕ]、[d͡ʑ]である。 /N/と/Q/ は成音節要素である。(それぞれ鼻音と促音である)
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音韻・音声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 22:29 UTC 版)
発音の特徴によって本土方言を大きく区分すると、表日本方言、裏日本方言、薩隅(鹿児島)式方言に分けることができる。表日本方言は共通語に近い音韻体系を持つ。裏日本式の音韻体系は、東北地方を中心に、北海道沿岸部や新潟県越後北部、関東北東部(茨城県・栃木県)と、飛んで島根県出雲地方を中心とした地域に分布する。その特徴は、イ段とウ段の母音が中舌母音となること、エが狭くイに近いことである。関東のうち千葉県や埼玉県東部などと、越後中部・佐渡・富山県・石川県能登の方言は裏日本式と表日本式の中間である。また薩隅式方言は、大量の母音脱落により子音で終わる音節(閉音節)を多く持っている点で他方言と対立している。薩隅方言以外の九州の方言は、薩隅式と表日本式の中間である。 またこれとは別に、近畿・四国(・北陸)とそれ以外での対立がある。前者は京阪式アクセントの地域であるが、この地域ではアクセント以外にも、「木」を「きい」、「目」を「めえ」のように一音節語を伸ばして二拍に発音し、また「赤い」→「あけー」のような連母音の融合が起こらないという共通点がある。 また、西日本(九州・山陰・北陸除く)は母音を強く子音を弱く発音し、東日本や九州は子音を強く母音を弱く発音する傾向がある。馬瀬良雄らによると、文法に関係して東西対立する諸要素は、この事と関連がある。すなわち、断定の助動詞が東日本で「だ」、西日本で「じゃ」「や」となることや、動詞・形容詞の音便の違い(東日本では「白く」「落とした」「払った」、西日本で「白う」「落といた」「払うた」)なども、東日本の子音優位・西日本の母音優位の性質によるものと考えられる。
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音韻・音声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 16:49 UTC 版)
音韻体系、音声特徴は他の近畿方言と共通しており、共通語と大きな違いはない。母音は丁寧に発音され、無声化は起こらない。「蚊」「日」などの一音節語は長音化する傾向や、「がっこ」(学校)、「かこ」(書こう)のようにオ段長音が短くなる現象も、他の近畿方言と同様、認められる。 伝統的な伊賀方言では「ai」連母音が融合して「ae」または「æi」「æe」と発音される(例:たえ(鯛)、あかえ(赤い))。志摩の島々(坂手島・答志島・菅島・神島など)や南牟婁の一部では、連母音「ai」「ui」「oi」に融合がみられることがある。それ以外の三重県内では融合しない。また、連母音「ie」は、「eː」に変化することがあり、「見えへん」→「めーへん」のように、動詞の場合は県全域で起こり、南三重では名詞でも変化がみられる。 ザ行・ダ行・ラ行の混同は、和歌山県で著しいが、三重県でも志摩から牟婁の高齢層を中心に聞かれる。ラ行音の撥音化、促音化や子音脱落は、「あんのに(有るのに)」、「ふってっさけ(降ってるから)」、「すーな(するな)」など、広く見られる。 志摩では、「けんが」(怪我)、「ひんげ」(髭)のように、ガ行の前に規則的に「ん」が現れる地区がある。鼻濁音が痕跡的に残ったものと考えられる。 南三重の高齢層には「せ・ぜ」の発音として、「しぇ・じぇ」が残っている。合拗音クヮ、グヮは現代の三重県では聞かれない。
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音韻・音声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/01 09:26 UTC 版)
大鳥方言では、東北方言一般とは異なり、母音/i/は東京方言の/i/とほぼ同じ、前寄りの[i]である。またズ/zu/とジ/zi/、ツ/cu/とチ/ci/は区別され、いわゆるズーズー弁ではない。柴田武によると、/u/は東京方言よりもかなり広く、中舌化の傾向があり、/o/は東京方言よりも奥で、/e/は東京方言よりもかなり狭く基本母音の[e]に近いという。 大鳥方言では、オ列「開合」の区別がある。すなわち、現代共通語で/oo/と発音するもののうち、中世の京都で/ɔɔ/であったもの(開音)を/oo/とするのに対し、/oo/であったもの(合音)を/uu/とする。例えば、「塔」は/too/だが「十」は/tuu/である。同じ対応は九州方言にもみられる。また新潟県の中越方言では開音が/ɔɔ/、合音が/oo/となっており、柴田はそこからɔɔ>oo、oo>uuの変化があったと説明している。 また上記にも一部例がある通り、大鳥方言には、/tu/、/du/、/di/の音節がある。このうち/tu/、/du/は普通、長音として現れる(例:[haduː]「鳩」)。また/di/は[diː](下座敷)、[çiː ̃di](一日)という限られた語にしか現れず、/ti/を含む語は見つかっていない。大鳥方言には/cu/[tsu]、/zu/[zu]、/ci/[tʃi]、/zi/[ʒi]もあり、区別されている。三面方言には音素/ti//tu/が存在する。[要出典] 大鳥方言では東北方言一般と同じく、語中のk、tは有声化が起きる。また語中の濁音に入り渡りの鼻音がある。
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音韻・音声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/20 12:31 UTC 版)
キ・ク・チ・ツ・ビ・リ・ルなど、語頭以外のイ段・ウ段音の促音化が顕著である。長崎本土では促音化は動詞語尾「る」などに限られる。(例)ツッ(月)、ミッ(道)、オドッ(踊り) また語頭以外のギ・グ・ジ・ズ・ニ・ブ・ミ・ムなどは撥音化しやすい。五島弁を表す代表的な例として 標準語:「右の耳に水が入って耳が聾になった」 五島弁:「ミンのミンにミンの入ってミンのツンボになった」 というものがあり、この例では「右」「耳」「水」が全て「ミン」に変化している。 語頭以外のシ・スはヒになりやすい。(例)イヒ(石)、ムヒコ(息子)
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音韻・音声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 23:02 UTC 版)
母語転移が最も起きやすいのは発音である。日本語学習者には以下のような母語転移がみられる。 [a],[i],[u]の3母音体系であるセブアノ語話者が、5母音体系の日本語を習得しようとする際、母語に影響されて半狭母音→狭母音([e]→[i]、[o]→[u])の音変化が多く起こる。 母音調和を持つトルコ語やモンゴル語の母語話者が日本語を習得しようとする際、母音調和の規則に従って音のズレを生じる。 言語交替の際に基層言語の話者が起こす発音の母語転移が、音変化の一因とされる。
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音韻・音声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 08:13 UTC 版)
東北方言に共通する特徴として、以下が挙げられる。 /i/、/u/ともに中舌母音[ï]・[ɯ̈]であり、/e/も/i/に近い狭めの母音である。「息」と「駅」、「苺」と「越後」のような母音単独拍ではイとエが統合される傾向にある。シ、チ、ジがス、ツ、ズに統合される傾向があり、例えば「梨」と「茄子」、「辻」と「知事」と「地図」などが同音となる。 語中・語尾のカ行・タ行子音が有声母音に挟まれた場合に有声化する。例:カギ(柿)、マド(的)。一方で語中・語尾のガ行子音は鼻濁音[ŋ](か゜行で表記する)である。例外的に「行く」は、内陸方言では「えく゜」/eŋu/である。また、ザ・ダ・バ行子音は直前に軽い鼻音が挿入される。 このほかに、山形県内陸方言の特徴として以下が挙げられる。 ヤ行子音/j/は摩擦が強く、他の地域の者には「山形」が「じゃまがた」のように聞こえる場合がある。 ヤ行エ段音/je/が存在する。[jẽba](餌)、[jeru](選る)、[jẽdamame](枝豆)などの少数の語に現れる。 キは[kçi]のような音声であり、他地域の者にはチのように聞こえる。ただし元々のチは内陸方言でツに統合するため、混同することはない。 クは、サ・シャ・セ・シェ・ソの前において、キになる。(例)[kɨsa](草)、[kɨso](糞) セ・ゼはシェ[ʃe]・ジェ[dʒe]となる。また村山地方北部から最上地方ではさらに、セがヒェ・ヘとなる。 連母音ai、aeは、最上方言では融合してɛːとなりやすい。村上方言と置賜方言ではそれほど融合しない。連母音ieは、「める」(見える)、「ける」(消える)のように、eまたはeːとなる。連母音ueは、「うぇる」(植える)、「くぇ」「けー」(食え)のように、weまたはeːとなる場合がある。 最上方言(や庄内方言)では、ハ行子音に無声両唇摩擦音[ɸ]が現われる。
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音韻・音声
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 16:04 UTC 版)
一般に西関東方言の音韻体系は共通語とあまり変わらないが、連母音の融合が盛んである。「アイ」「アエ」は融合して「エー[eː]」や「エァー[ɛː]」となり、「オイ」は「エー」に、「ウイ」は「イー」になる。母音の無声化が顕著で、これは首都圏方言にも影響している。また、群馬県邑楽地区・栃木県足利市付近・埼玉県東部・千葉県北部では、イとエの混同や、語中・語尾のカ行・タ行の濁音化があり、東関東方言的な要素がある。 共通語では語中・語尾のガ行音は鼻濁音[ŋ]で、埼玉県南部・東京都・神奈川県・山梨県郡内地方でも[g]との区別は明瞭であるが、群馬県・埼玉県(南部以外)・千葉県(北部以外)では鼻濁音がなく、破裂音[g]または摩擦音[ɣ]で発音される。
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