大和トム・キャッツ
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「キャットルーキー」の記事における「大和トム・キャッツ」の解説
モデルは当時の近鉄バファローズ。第1部では赤字により消滅の危機にあったが、リーグ優勝する活躍により黒字経営に戻り、危機を脱する。12球団中唯一、日本一になったことがなかったが、第3部で達成することになる。親会社は「オスネコヤマト」という運送業(ヤマト運輸がモデル)。 なお連載終了後ではあるが、2005年3月に近鉄バファローズはオリックス・ブルーウェーブに統合されオリックス・バファローズとなり、第1部で描かれた「身売りではなく球団消滅」に近い形となってしまった。 雄根 小太郎(おすね こたろう) 投手。第一部の主人公でドラフト1位入団。トム・キャッツのエースであり、球界一、二を争う剛球投手。トルネード投法から最高球速164km/hのストレートを繰り出す。気持ちで球を投げるタイプの投手で、気分次第で球速が大きく変化する。テンションが低いときの球速は130km/hにも満たないが、オールスターゲームの登板で映画「メジャー・リーグ」を模した演出でマウンドに登った際は「毎回これをやってくれれば30勝はできる」と豪語し、セリーグの打者を三者三球三振に討ち取った。体力も高く、シーズン終盤になると中2日や連投の登板もこなす。第一部では消滅寸前だったトム・キャッツをリーグ優勝に導き、以来「トム・キャッツ(=雄猫軍団)」のリーダーとして描かれている(なお、彼の名前「おすね・こたろう」を読み替えると「雄猫・太郎」となる)。頬のネコヒゲがトレードマーク。背番号「百」。 神童 仁志(しんどう ひとし) 投手。雄根と同期入団でドラフト2位。トム・キャッツのストッパーであり、エースの雄根に対して「裏エース」とも呼ばれる。球界ただ一人の左のサブマリン投手で、多種の変化球と勝負度胸で危機を乗り切る。また、「イカサマストッパー」の異名を持ち、ヤスリやワセリンを使った、不正投球を得意とし、かつてはなんと甲子園のマウンドで不正投球を行い清本に見抜かれた過去がある(ただし、第2部以降は投球に関してのイカサマを行った様子は描かれていない)。金にならないことはしない主義であるが、何よりも負けることを嫌う。雄根とは犬猿の仲であるが、その実誰よりも雄根を理解していると思われるフシもある。背番号01。 四方 二三矢(しっぽう ふみや) 二塁手。第二部の主人公。ニックネームは「しっぽ」。ドラフト7位。超人的な集中力の持ち主。身長165cmと小柄な体格ながらも、集中力を高めることで瞬発力を引き出し、爆発的な長打力を持つ。しかし、力を出しすぎると身体能力の限界を超えてしまうため故障が多く、選手生命は長くないことを本人も自覚している。四方家は安倍晴明の流れを汲む陰陽師の家系である。父親の職業は易者。高校時代は野球部員ながら、故障などのため公式戦出場経験はほとんどなく、無名であった。卒業後、父親の手伝いをしながらぶらぶらしていた時に、テレビで雄根の力投を見て感動し、トム・キャッツの秋季二軍キャンプを訪れて、自ら入団テストを申し入れる。背番号4。 寅島 球地(とらしま きゅうぢ) 捕手。第三部の主人公。通称「トラ」。頭脳明晰でデータを生かしたリードをする。公立高校の弱小野球部を甲子園出場に導いた実力を、トム・キャッツスカウトの無田に買われ、ドラフト3位(高卒としては最高位)指名を受ける。肘の故障のために投手を諦めた過去がある。甲子園で対戦した三ヶ月に、自分の夢を実現できる力を見出し、バッテリーを組むことを条件にトム・キャッツに入団。自ら考案した魔球を三ヶ月に投げさせる。理数系科目に強く、数式を思いつくと所構わず計算式を落書きする。夢はNASAに就職し、月に行くこと。背番号9。 三ヶ月 心(みかづき しん) 投手。第三部のもう一人の主人公。通称「ミケ」。高校まで野球未経験であったが、母親の病気の治療代を稼ぐためにプロ野球選手になることを目指した。野球部では控え投手だったが、甲子園でただ一度登板した際に対戦した寅島の口添えにより、トム・キャッツに入団する。野球をするのはあくまでも金のためであり、野球を愛してはいないと公言していたが、寅島との交流により少しずつ変わっていく。建物の3階から飛び降りても怪我をしないほど柔軟な体を持ち、「球に回転数を与える」才能を持つ。また、他人のフォームを真似るのが早い。寅島の考案したウィザードと呼ばれる魔球を投げる。魔球には、ウィザード・ドライブ、ウィサード・ライザー、ウィザード・バイパーの3種類があり、いずれも"打者の目を欺く"ことを基本コンセプトにしている。また、トルネードクイックという投法も使う。背番号03。ウィザード・ドライブ(TypeⅠ):雄根のフォームをコピーしたトルネード投法から繰り出される超カーブで、右打者専用の「消える魔球」。右打者にとって眼の近くで高速移動するため、ボールを眼で追うことが非常に困難な球である。但し、左打者には消える効果は無く、また、球質がとても軽いという欠点がある。三ヶ月は高校時代から極稀に、これに近い球を投げていたが、寅島の助言による下半身強化とトルネード投法を取り入れることにより、意識して投げられるようになった。 ウィザード・ライザー(TypeⅡ):神童のフォームをコピーしたアンダースローにトルネード投法を加えた、独自のフォームから繰り出されるライズボールであり、対左打者用に編み出された球。左打者の眼に向かって飛んでくるため、ボールの距離感を失わせる効果のある魔球である。但し、投球後に、毎回転倒するという欠点がある。 ウィザード・バイパー(TypeⅢ):130キロを越す高速ナックル。"空間イレギュラー"を起こし、蛇(=バイパー)のように蛇行する魔球である。通常のナックルよりもブレの間隔が数センチ広いだけであるが、スピードが乗っているため打者の眼には稲妻が走ったように見える。 トルネード・クイック:モーションが大きく盗塁されやすいトルネード投法の欠点を補うために三ヶ月自身が考案した超クイックモーション投法。軟体体質を生かし、脚をほとんど振り上げず上半身のみをひねって投げる。素早い投球フォームのため、打者の虚を突く究極のチェンジアップとなる。 加縫 勇治(かぬい ゆうじ) 遊撃手。四方と同期でドラフト3位。馬鹿力で能天気。打撃に関するセンスとパワーは申し分なく、特にストレート打ちに関しては四方をも超える能力を発揮する。守備面ではゴロの処理に難がある上に暴投癖があり「エラーマン」と評されるが、広い守備範囲と強肩で時折信じられないようなファインプレイも見せる。雄根によく殴られる。背番号25。 酒希 洋(さかき ひろし) 投手。四方と同期でドラフト“ハズレ”1位(トム・キャッツが抽選で外した海道の代わりに1位指名された)。当初はドラフト下位の四方を馬鹿にしていたが、後にその実力を認める。速球、変化球ともに優れ、投手としての能力は高い反面、精神的に細いところがある。入団当初は味方(加縫)のエラーにくさったり、スタンドからのヤジに負けてしまうほどの脆さを持っていたが、そのような場面を潜り抜け、やがてトム・キャッツの「左のエース」となるまで成長していく。背番号17。 ハッチ・ボーンズ 一塁手。第2部から登場。元メジャーリーガーの助っ人外国人選手。第1部にトムキャッツに所属していたトルーバー(モデルはジム・トレーバー)の替わりで獲得した選手。左打ち。安打狙いの通常打法と、長距離狙いの一本足打法を使い分ける。メジャーでは首位打者を獲り、優勝も経験したが、足に怪我を抱えてから成績を落とし、日本でも怪我を再発させてしまい、それ以降は音信不通の状態だったが、とある出来事から試合に復活して、チームに貢献する。第2部ではシーズンで2本しかヒットを打たず、翌年もホームランは0だった。しかし第3部ではその怪我も癒え、長距離ヒッターとしても復活。自称「ギャンブラー」であり、野球に関しての勝負勘は一流であるものの、日本に来てから実際のバクチで勝ったためしがない。背番号80。 重吉 建(しげよし けん) 三塁手。第3部から登場。社会人野球出身でドラフト2位。寅島、三ヶ月と同期だが、雄根と同い年である。スイッチヒッターであり、力に押されない広角打法と巧みなバットコントロールで確実なヒットを狙う。パワーヒッターの多いトム・キャッツにおいては貴重なアベレージヒッターである。背番号28。 井手(いで) 外野手。第1部から登場。ドラフト3位。チーム一の俊足を誇る。通称、トム・キャッツの8マン。雄根・神童と同期であるが、その二人が入団式の時にどつき合いを始めたため、これでは目立てないという理由で彼のトレードマークであるスキンヘッドは生まれた。小日向のデータによると「足はあるのに、(打撃では)打ち上げる癖がある」とのこと。モデルはたけし軍団の井手らっきょ。背番号8。 石伊(いしい) 一塁手。第1部から登場。4番打者として活躍。第2部の終盤でシャークスの伊部から死球を受け離脱した。モデルは石井浩郎。また第2部ではチームキャプテンも務めていた(第3部で判明)。背番号3。 エディ・ブライアン 外野手。第1部では本塁打王を獲得した。チーム一のスイングスピードと、独特のアッパースイングを持つ。東京エッグ球場の天井スピーカーに打球を当てたこともある。左打者で日本語にあまり馴染みのない外国人選手であったが故に、ファルコンズの沢井が仕掛けた「サイレンス・オブ・ザ・トム・キャッツ(雄猫たちの沈黙)」に、序盤から試合に出場していたトム・キャッツの打者の中では唯一影響を受けなかった。モデルはラルフ・ブライアント(ちなみにエディはブライアントの愛称)。背番号16。 鐘村(かねむら) 三塁手。第1部から登場。主に2番で出場していた、トム・キャッツのチームリーダー的存在。荒井引退後の第2部では選手会長も務めていた(第3部で判明)。モデルは金村義明。 三山(みつやま) 捕手。第1部から登場。モデルは光山英和。1・2部ともペガサスとの優勝をかけた一戦の試合中にケガをして途中交代となってしまう。第2部と3部の間にチームを離れたと見られるが、寅島が入ってくるまで雄根の全力の速球を難なく取ることが出来る捕手がいなかった(捕手に怪我人が続出した)。 仲村 紀武(なかむら のりたけ) 第2部から登場。モデルは中村紀洋。背番号66→6。実際の中村は三塁手であるが、この作中での仲村は主に外野を守っている。(第3部での紅白戦ではサードで出場もしている) 皆口(みなぐち) 第2部から登場。モデルは水口栄二。背番号は32→10。実際の水口は主に二塁手(もしくは遊撃手)だが、こちらも四方・加縫が居る関係で外野での出場が主である。(控えの捕手が居なくなり、四方が捕手を務めた際には二塁も守った)。ちなみに2部では井手と共に独身寮居座り組。 砂野(さの) 第2部から登場。モデルは佐野重樹。背番号は14。トム・キャッツの中継ぎエース。2部の中盤以降は特に出番が多く、終盤は先発のマウンドにも立った。牽制が上手い。また、頭髪の後退が激しいが、自分でそれをネタにするような一面も見られる。 山元 和紀(やまもと かずのり) 第1・2部はフェニックス(1部は前身のイーグルス)の主力打者で登場、3部はフェニックスを自由契約になり古巣のトムキャッツに入団。モデルは山本和範。トムキャッツに入団したときは41歳のベテランで、主にDHで出場。 山崎 鉄(やまざき てつ) 第3部から登場。トレードで阪新ライガース(モデルは阪神タイガース)から移籍。フォークが武器のベテラン中継ぎ投手。ウィザードドライブ、ライザーを攻略された直後の三ヶ月から相談を受ける。モデルは必殺シリーズの山崎努演じる念仏の鉄から。 前河(まえかわ) 第3部から登場。モデルは前川勝彦。登場時は高卒2年目の投手ながら、ローテーションの一角に食い込む。左投で茶髪。また、モデルとなった前川の背番号は28だが、重吉が28を着けているため、作中での前河は背番号26で登場する。 藤村 虎生(ふじむら とらお) 第1部のトム・キャッツ監督としてチームをリーグ優勝に導く。第2部シーズン序盤で腰痛のためリタイア。水原に監督業を受け渡した後も、チームを見守り続ける。雄根の能力を見抜き、ドラフト1位に推したのも彼である。現役時代は「初代ミスターライガース」として活躍、年間最多安打の日本記録を持っていた。モデルは藤村富美男。背番号99。 水原 駿祐(みずはら しゅんすけ) 二軍監督→一軍監督。四方の入団テストの申し出を受けて入団させる。その後、前監督・藤村のリタイアに伴い一軍監督に昇格、四方を切り札として一軍昇格させる。普段はとぼけた表情をしているが切れ者であり、四・五手も先を読む戦略を立てる。四方いわく「悪魔の知恵者」。現役時代は左の天才スラッガーとして鳴らした。背番号75。 荒井 弘昌(あらい ひろあき) トム・キャッツの打撃コーチ。第1部では選手会長(右打ちの二塁手、モデルとなった新井宏昌は左打者であり、主に一塁や外野)として活躍し、優勝決定戦で決勝2点タイムリーを放つなどリーグ優勝に貢献。現役時代は通算2038本安打を記録した。彼の現役時代の背番号は寅島に引き継がれた。背番号9(現役時)→90(コーチ時)。 無田 雅孝(なしだ まさたか) トム・キャッツスカウト。現役時代は名捕手として活躍、水原と同じ年に引退した。寅島の才能を見抜き、トム・キャッツに入団させようとするが、寅島は三ヶ月の入団が絶対必要条件としたために、振り回されてしまう。また、重吉をスカウトしたのもこの人物。名前のモデルは梨田昌孝。
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