史実性の議論とは? わかりやすく解説

史実性の議論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 21:43 UTC 版)

坂上田村麻呂伝説」の記事における「史実性の議論」の解説

岩手県宮城県福島県中心に多数分布する大方は田村麻呂観音など特定の神仏加護蝦夷征討鬼退治果たし感謝してその寺社建立したというものである伝承田村麻呂が行ったと思われない地(青森県など)にも分布するが、京都市清水寺除いて、ほとんどすべてが後世付託考えられる。その他、田村麻呂見つけた温泉田村麻呂休んだ石など様々に付会した物や地が多い。 坂上田村麻呂伝説について高橋崇は、討征譚縁起譚の他に口誦伝説多く征討のさいに腰をかけて休んだ石や、矢をかけた矢掛奥州誕生説を説いて産湯使用した泉など「だれの場合にもつきものの採るに足らぬ俗説も多い」とし、伝説どのようにして作られいかなる方法流布したかなども考慮しなくてはいけないとしている。また後世東北地方田村麻呂称え、思募していることについて、田村麻呂本人にとってはあずかり知らないことであるが、後世の人々伝説受け入れたのは確かであるとしている。

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史実性の議論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/22 23:39 UTC 版)

悪路王」の記事における「史実性の議論」の解説

高橋崇著書坂上田村麻呂』において、史実におけるアテルイ降伏対し史料裏付け乏し解釈には慎重でありたいと願う」と史料に基づく記述への配慮をしつつ、それと同時に悪路王など坂上田村麻呂伝説全般について「採るに足らぬ俗説」としている。また新井白石について『読史余論』で陸奥の夷高丸駿河の国清見が関まで攻め上がり田村丸はこれをうち取り、北に追って陸奥神楽岡で斬ったと記述していることについて「合理性実証重んじた史学者として白石らしからぬ叙述」と批判している。 桃崎有一郎著書武士の起源解きあかす: 混血する古代創発される中世』において、『吾妻鏡』での悪路王田村麻呂と利仁の2人討伐されたとあるが、2人は同じ時代人物ではなく悪路王実在した可能性がほぼないとしている。また『吾妻鏡』記述についても、頼朝段階別のいい加減な伝説語られていたとしている。

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史実性の議論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 19:03 UTC 版)

奥州七観音」の記事における「史実性の議論」の解説

仙台藩士・佐藤信要が寛保元年1741年)に記した『封内名跡志』では、長谷大悲閣長谷観音)について田村麻呂観音には長谷寺移したとあるものが多いが田村麻呂信仰したのは山城清水寺であるとして「事実を弁せず妄りに田村の建というは尤も疑ふべし」、馬頭閣(観音)について田村麻呂東征時にこの地を通過したことは正史旧記見えないとし「尤も疑ふべし」と断じている。また江戸時代安永年間1772年 - 1781年)に相原友直が仙台藩風土記した平泉雑記』の「田村将建立堂社」でも、田村麻呂建立観音は「大同2年」が多く悉く信用不足していると述べている。

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史実性の議論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 18:20 UTC 版)

坂上田村丸」の記事における「史実性の議論」の解説

『吾妻鏡』では、頼朝教えられ内容として、田村麻呂鎮守府八幡宮祀り達谷窟では田村麻呂利仁等が悪路王高丸討伐して毘沙門堂建立したと、史実における田村麻呂事蹟とは異な記述がされている。『吾妻鏡』記述田村麻呂没後、約370年経過した頃となり、おそらくはアテルイ事蹟反映して伝説化さされた架空の人物である悪路王登場させ、有名な武将建立とさせるなど、漠然と史実似て非なる点を含んでいる。 松本盆地一帯魏石鬼八面大王伝説では、妻の紅葉鬼神ともども伝説上の人物である田村利仁によって討伐されたという『信府統記』の記述に基づく伝説が残る。しかし『仁科濫觴記』に見える、田村守宮大将とする仁科の軍による、八面鬼士大王首領とする盗賊団征伐元に産まれ伝説であると考えられているため、史実上の人物である坂上田村麻呂による征討という史実性はない。 栄一郎は、熊野鬼退治伝説は、坂上田村麻呂熊野遠征している事で成立しているが、史実において田村麻呂熊野遠征し歴史的事実確認できないとしている。金平鹿伝説では、先に時の権力抵抗する勢力鎮圧した伝承があり、時代と共に伝承中身主役入れ替わったではないかとしている。『熊野山略記』には、「桓武天皇の頃に熊野山蜂起し併せて南蛮の乱も起き熊野三党榎本氏宇井氏、穂積氏藤白鈴木氏))に征伐せよとの勅命下ったとある。嵯峨天皇弘仁元年810年)、熊野三党大将の愛須礼意孔子討ったが、悪事高丸討ち逃した東国逃げた高丸坂上田村丸征伐した」とある。『熊野山略記』では熊野三党主役田村麻呂脇役であるが、「南蛮」が「鬼」に、「榎本宇井鈴木」が「田村麻呂」に入れ替わったのが熊野坂上田村麻呂伝説ルーツではと推測している。 高橋崇は、田村麻呂建立寺社伝説も、鬼神退治物語も、後世の人々がそれを受け入れていたことは確かであるとしながらも、田村麻呂本人与り知らぬことであるとしている。

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史実性の議論

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アーサー王」の記事における「史実性の議論」の解説

詳細は「アーサー王史実性英語版)」を参照 アーサー王伝説歴史性学者によって長期にわたり議論されてきた。最初アーサー言及9世紀ラテン語テキスト見られる『ブリトン人の歴史』『カンブリア年代記』記述根拠に、アーサー実在人物で、5世紀後半から6世紀初めにアングロサクソン人戦ったローマン・ケルトの指導者だったとする説がある。『ブリトン人の歴史』は、ウェールズ修道士ネンニウスの作とされる9世紀ラテン語歴史書で、いくつかの写本残されている。これにはアーサーブリトン人王達と共にサクソン人との12回にわたる戦を行った事、最後の戦バドニクス山(ベイドン山)の戦いでアーサー側の一度襲撃により一日960人の敵を倒し大勝利終わった事が書かれている。しかし、最近の研究では『ブリトン人の歴史』信用性疑問投げかけられている。 もうひとつアーサー史実性証明する史料は、10世紀『カンブリア年代記』である。これもアーサーをバドニクス山の戦い関わりのある人物としている。『カンブリア年代記』によると、この戦いが行われたのは518年のことで、メドラウド(モードレッド)とアーサー討ち死にしたカムランの戦い539年起きたとされる従来はこの記述『ブリトン人の歴史』記述信用性保証するものであり、アーサー本当にバドニクス山の戦い行ったことを証明するものとされてきた。しかし、『ブリトン人の歴史』補強する史料として『カンブリア年代記』利用することに対しいくつかの問題指摘されている。最新の研究によると『カンブリア年代記』8世紀後半ウェールズ年代記元にしているという。しかし、『カンブリア年代記』複雑な経緯経て成立した作品で、アーサー記述8世紀後半時点存在していたことを確かめることは困難である。本来この記述はまった存在せず10世紀になってはじめて他の資料参考にして追加され可能性がある。逆に、バドニクス山の箇所『ブリトン人の歴史』由来するのかもしれないのであるこのようにアーサー歴史性証明する信頼できる初期史料は非常に乏しい。そのため現代多く歴史家ローマ影響時代ブリテン島歴史叙述アーサー除外している。歴史家トーマス・チャールズ=エドワーズは、「現段階では、アーサーという人物はいたかしれない、としか言いようがない。歴史家としてアーサー評価することは不可能である」としている。このような見方最近比較一般的な見解である。少し前の世代の歴史家はもっと楽観的で、歴史家ジョン・モリス著作アーサー時代』でアーサー統治時代ローマ帝国以後ブリテンアイルランドの歴史初期段階置いている。ただし、モリス歴史上アーサーについてほとんど何も記述していない。 以上のような、限定的にせよアーサー王史実性認める説に対しアーサーという人物歴史上全く存在しなかったと主張する説がある。考古学者ノーウェル・マイヤーズは前述モリスの『アーサー時代』に対し、「歴史と神話境界に立つ人物歴史家時間を費やすようなことは一度たりともない」と述べている。6世紀ギルダスの『ブリタニア略奪征服』は、バドニクス山の戦い記憶がまだ残る時代書かれたものである。にもかかわらず戦い自体記述はあるもののアーサーについては何も書かれていない『アングロサクソン年代記』にもアーサー記述はない。もうひとつポスト・ローマ時代ブリタニア重要な史料である8世紀ベーダの『英国教会史Historia ecclesiastica gentis Anglorum)』も、バドニクス山には触れているがアーサーの名は書かれていないそれどころか、400年から820年書かれあらゆる写本にはアーサーは名前すら登場しないのである歴史家デーヴィッド・ダンヴィルは次のように書いている。「われわれはアーサー関し、非常に簡潔に事を済ませることができると思う。彼が歴史書登場するのは「火の無い所に煙は立たぬ」と考え学者いるからである。この問題実際のところ、アーサー歴史性証明する証拠はまった存在しないという、ただそれだけのことだ。アーサー歴史書書き加えてならないし、アーサーに関する本を歴史書と呼ぶべきではない。」 アーサー最初から民間伝承フォークロア)の架空英雄だったのだ、と主張する学者もいる。ヘンギストとホルサ(本来はケント氏族神で馬を司る神だったが、後世歴史上の人物とされた。ベーダの『英国教会史』では、この二人5世紀アングロサクソン人によるブリテン島東部征服指導した人物になっている。)との類似点指摘してアーサーも実は半ば忘れ去られケルトの神で、後に歴史上の出来事結び付けられたとする学説もある。なお、初期史料によると同時代の人々アーサーを王と考えてなかったらしい。『列王史』や『カンブリア年代記』には彼の称号として「王(rex)」が使われておらず、『列王史』では「戦闘指揮官(dux bellorum)」、あるいは単に「兵士miles)」と呼ばれているにすぎないポスト・ローマ時代史料とぼしく、そのためアーサー歴史性問題明確に答えを出すのは困難である。12世紀以降数多く遺跡や場所が「アーサー時代のもの」とされてきたが、考古学的には、しっかりした年代測定碑文調査を通すと名前以上のことは何も明らかにできていない1998年コーンウォールティンタジェル城遺跡で「アーサーの石」なるものが発見され話題になったが、実際に無関係であることが証明された。「グラストンベリー十字架」など、他のアーサーに関する碑文資料いずれも贋作疑い逃れるものはない。アーサー原型となった人物として数名歴史上の人物の名が挙げられているが、どれもそれらがアーサーであることを裏付ける確実な証拠発見されていない具体的には、2世紀ないし3世紀ブリタニア進駐していたローマ人将校ルキウス・アルトリウス・カストゥス簒奪マグヌス・マクシムスローマ影響下のブリタニア統治したとされる数名人物、リオタムス(Riothamus)、アンブロシウス・アウレリアヌス、オウェイン・ダヌイン(Owain Ddantgwyn)、アスルイス・アプ・マウリグ(Athrwys ap Meurig)など)。1136年にはウェールズ人ジェフリー・オヴ・モンマス書いたブリテン列王記』が初めアーサー全生涯詳しく述べているが、これはすでに著者空想多く部分占めている。

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史実性の議論

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高丸 (人物)」の記事における「史実性の議論」の解説

上記のとおり高丸鎌倉時代末期の『元亨釈書』で創出され実在しない人物である。 高橋崇著書坂上田村麻呂』において、新井白石が『読史余論』で陸奥の夷高丸駿河の国清見が関まで攻め上がり田村丸はこれをうち取り、北に追って陸奥神楽岡で斬ったと記述していることについて「合理性実証重んじた史学者として白石らしからぬ叙述」と批判している。

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