歴史性
歴史性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 22:06 UTC 版)
『タラス・ブーリバ』が書かれた1834年、ゴーゴリは「世界史講義文案」や「小ロシア形成史概観」などの論文を発表し、歴史への関心を高めていた。歴史的題材を扱ったゴーゴリの作品には、『タラス・ブーリバ』のほか、「ディカニカ近郷夜話」第二部(1932年)に収録された『恐ろしき復讐』、未完に終わった長編『ゲチマン』、焼却されて現存しない戯曲『削られてしまった口髭』などがある。 16世紀後半にウクライナがポーランドに併合されたことで、ポーランドに対するウクライナ民族の反抗が激化した。しばしば起こった反乱の中心をなしたのがドニエプル川の中流から下流地帯にかけて勢力を持っていたザポロージャ・コサックであり、彼らの本拠地がザポロージャ・シーチ (en:Zaporozhian Sich) だった。コサック軍は、ポーランドのみならずオスマン帝国やタタールからも恐れられていた。その英雄的な闘いの勇士としてナリワイコ、ロボタ、タラス、トリヤスイロ、グーニャ、オストラニツアらの名前が歴史にとどめられているが、『タラス・ブーリバ』の物語自体はゴーゴリの創作であり、必ずしも史実に忠実というわけではない。ウクライナの16~17世紀を舞台とするが、特定の年代を描いてはいない。しかし、ゴーゴリは執筆にあたって、コニスキー『ロシア民族史』、ムイシツキー『ザポロージャ・コサック史』、ボプラン『ウクライナ記』、サモグーデツ及びグラビヤンカの手稿になる『ウクライナ年代記』などを読んで参考にした。
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