常識とは? わかりやすく解説

じょう‐しき〔ジヤウ‐〕【常識】

読み方:じょうしき

一般社会人が共通にもつ、またもつべき普通の知識意見判断力。「—がない人」「—で考えればわかる」「—に欠けた振る舞い」「—外れ

[補説] common sense訳語として明治時代から普及


常識

作者ラフカディオ・ハーン

収載図書怪談奇談
出版社講談社
刊行年月1990.6
シリーズ名講談社学術文庫

収載図書怪談小泉八雲怪奇短編集
出版社偕成社
刊行年月1991.7
シリーズ名偕成社文庫

収載図書おとぎの国妖怪たち小泉八雲怪談集 2
出版社社会思想社
刊行年月1996.6
シリーズ名現代教養文庫

収載図書雪女 夏の日の夢
出版社岩波書店
刊行年月2003.3
シリーズ名岩波少年文庫

収載図書妖怪妖精譚―小泉八雲コレクション
出版社筑摩書房
刊行年月2004.8
シリーズ名ちくま文庫

収載図書怪談 小泉八雲のこわーい話 5 雪女・その他三編
出版社汐文社
刊行年月2004.11


常識

作者青木

収載図書
出版社近代文芸社
刊行年月1995.6


「常識」

作者F.スコット・フィッツジェラルド

収載図書若者はみな悲しい
出版社光文社
刊行年月2008.12
シリーズ名光文社古典新訳文庫


常識

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/11 02:24 UTC 版)

常識(じょうしき、英語: common sense)は、社会的に当たり前と思われる行為、その他物事のこと。社会通念ともいう[1]対義語非常識(ひじょうしき)。

いったん物事が常識として受け入れられれば、その物事は異議を差し挟まれにくくなる。そのため、常識の内実はしばしば大きな政治的価値を持つ。常識は、メディアを通じて変じることがある。常識を欠いている場合、社会生活上に支障をきたすことも多い。社会によって常識は異なるため、ある社会の常識が他の社会の非常識となることも珍しくない。これは文化摩擦などとして表面化することもある。アルベルト・アインシュタインは、「常識とは、18歳までに身に付けた偏見のコレクションである。」と、常識はは違うと指摘している。

概念史

常識の概念はアリストテレスの『霊魂論』に見える共通感覚κοινή αἴσθησις コイネー・アイステーシス:Sensus Communis センスス・コムニス)の概念に由来する。

アリストテレスは五感に共通して付帯する感覚があり、それぞれの感覚を同一の対象の感覚として統合するものとして共通感覚と呼んだ。具体的には、感覚の間の比較、関係付け、個別の感覚だけには属さない抽象的な性質である、形、大きさ、数などがこの共通感覚に由来すると考えられた。

ついで、自然法思想の起源をなし、「自然の光」に照らされた理性的判断は「万人の合意 consensus omnium」をもたらすと説いたストア派から、Sensus Communis には現在に通じる、人々の間で共通する感覚・判断という意味合いが発生した。特に、それを受けて、キケロに代表される修辞学の伝統においては、この意味における Sensus Communis が重視された。

13世紀のトマス・アクィナスはアリストテレスの意味での共通感覚の規定を受け継いで、彼自身の認識論をより詳細に展開させ、スコラ哲学はそれを受け継いだ。

17世紀のヴィーコシャフツベリ伯によって、人々の共通の感覚という意味での常識は哲学的に主題化された。

イギリス経験論、及びスコットランド常識学派において、人々が共有する本能的で(健全な)判断能力という意味での常識の概念は重要な位置を占めた。トマス・リードはその常識の観念を提示するに当たって、しばしばキケロの Sensus Communis を引用している。彼らはデイヴィッド・ヒュームのように疑わなくても、「2+2は4だろ、だれも証明したわけではないが、みなそれが正しいと思う。それがコモン・センス。美しいものを見て美しいと思うのも、善悪を判断できるのもコモン・センス・それで判断すればいい」と主張した[2]

カントにおいては Sensus Communis は「共同体感覚 ( Gemeinsinn )」という意味合いで規定され、感性的(美的)なものの普遍性・伝達可能性を支えるものとされている。

歴史的には、トマス・ペインのパンフレットコモン・センス共和主義的アジテーションにおいて常識の概念を中核に据えたことが有名である。

「コモン・センス」の訳に「識」を使ったことなどから、なだいなだ井上円了あたりの仏教徒だろうと考えられている。

小林秀雄は『常識について』を書いているが、前田陽一が戒めていた「ボン・サンス」(Bon sens「良識」で「賢い判断」位の意味)と「コモン・センス」(小林がフランス語で「サン・コマン」としているのは「サンス・コマン」(Sens commun)の間違い)を混同している[2]

系統的な文献レビューは、こうした常識を打ち破ることができる[3]

常識と真理

常識は特定の社会の成員が共有し、前提として疑わない認識のことであるから、特定の社会に限定されない普遍性を条件とする真理とは時として相違する。哲学者の三木清によれば、常識の上位概念として良識(りょうしき)があるという。彼によれば常識人が常識を無謬のものとして受容し、常識を盾にして非常識を断罪するのに対し、常識に疑問を持てる知恵が良識なのである。

かようにして、常識というものにも二つのものが区別されるであろう。それは一方、すでにいった如く、或る閉じた社会に属する人間に共通な知識を意味する。この場合、一つの社会の常識と他の社会の常識とは違い、それぞれの社会にそれぞれの常識がある。しかし他方、あらゆる人間に共通な、人類的な常識というものが考えられる。それは前の意味における常識と区別して特に「良識」と称することができる。例えば、「全体は部分よりも大きい」というのは常識である。それは「自然的光」によってすべての人間に知られるものであって、直接的な明証をもっている。それは知性の自然的な感覚に属している。 — 三木清『哲学入門

常識の規範的性格

三木清と同じく京都学派の西田左派として知られる戸坂潤は次のように述べ、常識は社会の平均的認識のことではなく、標準的認識という意味での規範的性格を持つと主張した。

今この矛盾を解くためには、この平均値という観念の謎を解く必要がある。と云うのは、この平均値を正直に単純に社会に於ける各個人の量質的な総和平均のことだと考えていては之は解けない。それが平均値であるが故に(どういう根拠だか判らないが)おのずから標準的なものであり、又理想的なものだというのでなくてはならない。リード的常識の常識的態度は恰も、之を健全という標準又は理想で以て云い表わしたのであった(bon sens という常識概念も亦、こうした標準又は理想をひそかに想定している)。健全とは無論、病気と健康との総平均などではなくて、各人の健康状態の標準であり又理想のことなのである。それにも拘らず健全さは人間健康のノルマルな常態だと考えられる。この間の消息は、健康の保持(不健康疲労物質の新陳代謝と健康恢復)というものが伝えている。即ちたえず健康を引き上げ健康さを発達させることが、人間の平均的な従ってノルマルで通常の健康状態と考えられるわけである。 — 戸坂潤「三 「常識」の分析」『日本イデオロギー論』

参考文献

関連項目

脚注

  1. ^ 日本国語大辞典, デジタル大辞泉,精選版. “社会通念とは”. コトバンク. 2020年12月20日閲覧。
  2. ^ a b なだいなだ『常識哲学』(筑摩書房 2014年)。
  3. ^ Kitchenham, Barbara; Pearl Brereton, O.; Budgen, David; Turner, Mark; Bailey, John; Linkman, Stephen (2009-01-01). “Systematic literature reviews in software engineering – A systematic literature review” (英語). Information and Software Technology 51 (1): 7–15. doi:10.1016/j.infsof.2008.09.009. ISSN 0950-5849. https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0950584908001390. 

常識

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 08:19 UTC 版)

機械翻訳」の記事における「常識」の解説

機械翻訳難しさのひとつは、自然言語の文を扱うということは統語論では完結せず常識的な知識意味論も扱わねばならないことが頻繁にある、という点にもある。 たとえば英文Time flies like an arrow. 」について、もし「統語解析を行う→可能なツリー構造全部挙げる英単語単純に日本語単語置き換えるということしかせず、意味分析や常識判断加えないと、数種類ツリー構造候補として挙ってしまい、(全然意味の異なる)翻訳文が数パターンできてしまう。たとえば「時間矢のよう飛び去る」という翻訳文以外にも、「時間は矢を好む 」「たちを計時せよ! 矢のように(素早く)!」となどという、(奇妙な翻訳文まで機械翻訳システム吐き出してしまうかも知れない。 つまり、単なる統語分析文法解析では複数候補翻訳文挙げられる場合でも、人間意味論や常識や過去言語的体験聞いた文章、読んだ文章記憶)も働かせてひとつの翻訳文選びとっているので、機械翻訳システムでも、現実世界の常識や現実世界流通している大量まともな文章照らし合わせて間違い間違いだと気付き翻訳文却下する必要があり、こうした判断機械翻訳システムにさせる工夫(つまり知識ベースや「人間の世界の常識」と照らし合わせて常識に反するものを見つけてはじく(切り捨てるアルゴリズムなど)をかませる必要がある。 たとえば「時間矢のよう飛び去る」という候補のほうは残し、「時間は矢を好む」という候補のほうはダメだ判断して排除するには、「人は時が素早く過ぎると感じられることがある」「矢は速く飛ぶ」「人々日常会話で『時間』などという語が登場したことは無い。また小・中・高・大学生などが読む教科書でも『時間』などという用語が登場したことは無い。報道文章で登場しない。」などといった言語的経験過去言語表現知識データベース)が必要となる。また「同様に、おそらく専門家文献でも『時間』などという用語は登場することは無いだろう」といった推論も必要となるかも知れない理屈の上では「時間」という用語も(統辞法的には)構築可能ではあるが、(翻訳した文章SF小説でもなく、前後文脈で、やたらとタイムマシンや、研究するマッドサイエンティスト繰り返し登場していない限り)、やはりそん文章ありえない、と機械翻訳システム判断する必要があるこのように正し翻訳を行うためには、単に統語論的に可能なツリー構造パターン網羅的挙げるだけでなく、現実世界に関する知識や、教科書報道など大量に書かれ読まれ人々頭脳刻みこまれている過去一般的な文例人間日常会話話し言葉)で使われている表現言い回しなどの頻度時代ごとの傾向に関する知識も必要となるのである。 「Time flies like an arrow.」の場合などはさらに、「時間矢のように飛ぶ」や「時間矢のよう飛び去る」などという翻訳文吐き出すだけでは、まだまだ程度が低いわけであり、もっと知識動員して日本語には「光陰矢のごとし」という決まった比喩表現があり、日本人向けの英語の教科書などではTime flies like an arrow.の定番訳として毎回光陰矢のごとし」という文が掲載されている、という知識使って、「光陰矢のごとし」という正解にたどりつくのが良いということになる。 人間でもまともな翻訳をするには、学校学んだ膨大な教科書類などの記憶や、放送聞いた膨大な量の表現家族友人から聞いた膨大な量の表現思い出しつつ、多く候補の中から翻訳文選んでいるように、機械翻訳でもそうした言語的知識膨大な蓄積や「常識」を使う必要があるのである

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常識

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:34 UTC 版)

スピーシーズドメイン」の記事における「常識」の解説

最終盤に語られ概念。個・魂・世界の常識の3つ大きく分けられる。 個の常識は一個人経験価値観によって培われる常識であり、魂の常識は輪廻転生によって複数の個の常識が魂に蓄積されることによって得られる常識である。世界の常識は世界そのものに備わる常識とされる世界上記の常識が少しずつ蓄積されることによって変化するものと考えられている。異世界では科学という常識がないために科学によって引き起こされる現象一切機能せず、そのため機械異世界持ち込んで動かない一方で異世界における常識の敷居自体低く魔法はその常識を覆す力という常識があるため、科学という実績積み重ねた堅牢な常識が世界占めこちら側において使用が困難。こちら側でも魔力源泉である龍脈というものが存在していたが、科学によって魔法塗りつぶされ結果、ほとんど枯渇してしまっている。 一般に個の集合常識と世界の常識が基盤となっている世界においてはたかだか一人がもつ個の常識によって常識が覆されることはない。例外として今まで一度輪廻転生経験していない新しく生まれた魂は常識知らず(ルールメイカー)と呼ばれ世界の常識の影響一切受けず新しい常識を生成することができる。言い換えれば、その個体自体新しい「世界」であり、その気になれば新たな種族生み出し、神や悪魔概念になったり、新たな世界の創造さえ可能とされる知性にある存在として生まれることは稀で、大概は各生物突然変異として出現し種の多様性理由となっている。安定させるには、常識を預かる者(ルールキーパー)を確立しその方向性制限する必要がある

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常識

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/02 09:57 UTC 版)

自明」の記事における「常識」の解説

いわゆる常識などもこれにあたる経験は、個人内在する情報によって導かれる暗黙知一種だが、これらは概ね生活環境同じくしている者にとっては、似通った経験内在する。例を挙げれば、「煮えた湯に手を突っ込むと熱く、やけどをする」は、多くの人が経験しているため、幼児除けば煮えた湯に手を突っ込まないようにするのが当然である。しかし、先天的に痛覚持たないものや、生まれてこの方煮える湯を見たことが無い者にとっては、「煮え滾る湯に手を入れないこと」は、自明のことでは無い。

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常識

出典:『Wiktionary』 (2021/07/15 11:51 UTC 版)

名詞

じょうしき

  1. 社会構成する一般的な人が共有し承認している、または、有すべきと考えられている価値観知識社会的ルールにかかわるものが多い。

類義語

対義語

翻訳


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