7研およびその関係者
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「アトム ザ・ビギニング」の記事における「7研およびその関係者」の解説
天馬 午太郎(てんま うまたろう) 声 - 中村悠一 練馬大学ロボット工学科第7研究室でロボット研究をしている大学院生。19歳。5年ほど飛び級しており、大学に入って1年で学部単位を取得し修士課程に進んだ。年齢的には大学の新入生と同世代。新型Aiであるベヴストザイン研究も進めているが、ロボット用の搭載装備やパワーユニット開発も手掛け、現在開発中の物なら「10万馬力」も可能としている。 自身の技術に絶対の自負を持つ天才タイプで、歯に衣着せぬ物言いと高圧的な態度から他人の顰蹙を買いやすい。自分の考えを超えた結果などありえないと考えているところがあり、自分の命令を守らないシックスを「出来損ない」と吐き捨てることも多い。Dr.ロロの正体も知らずに恋愛感情を持っているが、そのためのアプローチ方法は「新型A10シリーズでマルスを撃破する」であり、モトコからはなんでそういう発想になるのか疑問を持たれている。 ジャガイモ加工工場を営んでいた両親は、5年前の爆発災害で亡くなっている。この時工場内に取り残された両親の救助を「火の勢いが強すぎて、超人でもない限り突入できない」と言われたことが、ロボット開発のきっかけとなった。実は2-3歳くらいの時期に当時9-10歳くらいの博志に会ったことがあり、7研で会った時にも覚えていた。 お茶の水 博志(おちゃのみず ひろし) 声 - 寺島拓篤 練馬大学ロボット工学科第7研究室で、午太郎とロボット研究をしている大学院生。26歳。性格は善良で温厚、かつお人好し。午太郎から「コアラちゃん」とも評される顔のせいで女性にはまるでもてないが、本人はその種の欲望が薄く、気にする様子は無い。体型は長身で一見すると細いが、研究室周りの廃材整理も行っていたためか相応に力持ち。 優秀だがロマンチストすぎる面があり、情緒的すぎると評されることも多い。研究に夢中になりすぎて大学受験で2浪、留年も2回している。ロボットに対しての愛情を公言するほどだが、新しい技術を目にするとそちらに気を取られることもある。が、その着眼点と発想は午太郎からも「天才」と評されている。 午太郎とは時折口論となることがあり、その時にはお互い苗字で呼び合っている。また、身近な対象には自分なりの愛称を付ける癖がある。 アニメ版の紹介記事等では『鉄腕アトム』本編に登場するお茶の水博士の過去の姿とされる場合が多いが、本編のお茶の水博士本人ではなく、その孫であることがアニメ終了後の原作で判明している。 A106(エーテンシックス) 声 - 井上雄貴 通称・シックス。第7研究室で開発中のベヴストザインを搭載した自律型ロボット「A10シリーズ」の6号機。身長162センチメートル、体重80キログラム。ロボレスでのキャッチフレーズは「心やさしき科学の子」。なお、当初は午太郎の考えた「7つのパワーの究極超人」だったが、博志の判断で変更された。下腕部や脚部に高圧ガスで稼働する「ブーストシリンダー」を装備し、跳躍力を強化した「ブーストジャンプ」やインパクトアタックと称される拳撃、連続稼働させる「高速ビートパンチ」を使用する。 1000馬力のパワーと優れた判断力を持ち、ロボレスではその高度なAIで、対戦相手の弱点を正確に見抜く。その一方午太郎からは「不完全な出来そこない」と評されることも多い。A106自身も「自分の自我システムは完全ではない」と考えているが、バルトによって蘭が傷ついた時や、イワンの語り掛けが自分の記録を継ぎはぎしただけの代物と気付いた際には、「怒り」の感情を表し、他のロボットを修復不可能なレベルまで破壊する行為を忌避している。 堤 茂斗子(つつみ もとこ) 声 - 小松未可子 練馬大学ロボット工学科に所属する大学2年生。20歳。堤茂理也の妹。専門はプログラムなどのシステム関係。大金持ちの娘で、美人でスタイルも良い才色兼備なお嬢様。 兄の影響から当初は弄ぶつもりで7研に接触したが、博志や蘭、A106と触れ合う内に感化されて7研に出入りするようになる。特に博志に対しては、ミイラ取りがミイラになりつつあるが、本人は特に気にすることもなく「クズに感染しちゃった」とか言いながら楽しんでいる。ロボレス時の記録チェックから博志が「ロボット同士の対話」に気づくきっかけを作った。ユウランの制作から本格的に7研に参加する。午太郎とはシックスやユウランのコミュニケーションに水を差すのを腕力で止めるなど、よい意味で遠慮のない間柄となっている。 お茶の水 蘭(おちゃのみず らん) 声 - 佐倉綾音 博志の腹違いの妹で、兄たちの研究室に入り浸っている眼鏡少女。16歳。趣味は機械の分解で、よく7研のある廃材置き場から部品を漁っている。高校のロボット部に所属している。 顔立ちは兄とはまったく似ておらず、モトコからは初対面時に小学生と間違われたほど小柄。 当初はシックスの部品を抜き取ろうとしていた。しかし、午太郎たちの留守中に外見を偽装したマルスに襲われた際にシックスに救われ、以来好意をもって接する。 原作では一度も言葉を発したことがないが、アニメや小説では口数こそ少ないものの普通に会話をしていて、博志のことは「アニ」と呼んでいる。 A107(エーテンセブン) 通称・ユウラン。シックスの後継機で、A10シリーズの完成形として作られた自律型ロボット。 身長129.3センチメートル、体重58キログラム。シックスの3倍の出力とU字型ミュオンセンサー、マイクロジェットシステムによる飛行能力を持つ。一方でバッテリーの消耗が激しく、2つの予備バッテリー「スフィアタンク」を搭載している。 予算不足で開発が危ぶまれていたが、大学側からWRB出場の要請で大幅に予算を増強されたことで製作が開始された。外形デザインやプログラムに蘭や茂斗子が協力したことで女性的な要素を持ち、シックスには「妹」と紹介された。ベヴストザインも「感情」を持たせることでより進歩しているが、自身の能力を理解しているがゆえに他のロボットだけではなく人間すら見下し気味。開発者である7研メンバーに対しても猫をかぶっており、午太郎が設定した呼び方もシックスとの会話では無視している。暴走して第1研究室の試作ロボットを破壊しようとした際にはシックスに止められ、通信によるコミュニケートを一切拒否されることで初めて音声による会話を行い謝った。身近なロボットでまともに会話が成立するのはシックスのみなため、寂しがり屋な一面もある。WRBでの暴走を経て破壊される恐怖を知ったことから戦闘行為を忌避するようになり、自らマイクロジェットを始めとした機能とパワーに大きな制限を掛けた。1研の3人娘に対しても申し訳なく思い、修理の滞っていたイータのために脚部ユニットを製作した。 U字型ミュオンセンサー 午太郎が開発した新設計のセンサー。透過性の高いミュオン粒子を利用したスキャナーと増幅したセンサーパルスを全方位に発信するシステム。午太郎自身は単に高性能化したセンサーシステムという認識だったが、発信パルスに乗った「ユウランの感情(の一部)」が周囲のロボットのAIに伝播してしまう。影響を受けないのはマルスやバルトのように外部通信装置を外しているか、ノースのようにA10シリーズと同等以上のレベルに成長したAIを持っている機体のみ。 その形状から博志は「ブーメラン」と呼称しており、「U字型ブーメランセンサー」を搭載していることからA107をユウランと名付けた。 A10シリーズ シックス以前に開発されたロボットたち。シックスやユウランを含めてセンサー精度と解析能力に秀でている。午太郎によるとA10シリーズのセンサーで透視できない隠蔽システムを使用しているだけでも只事ではないと判断できるとのこと。 A101(エーテンワン)からA105(エーテンファイブ)まで存在する。A101(通称・ハル。声 - 丸山有香)はPC内に設定された対話型プログラムで、第7研究室の管理システムとして流用されている。A102(二郎)・A103(コブくん)・A104(ポチ)はそれぞれが飛行型・蛇型・犬型のドローン。A105(チョロギ)は博志はおろか午太郎すらアニメ版で「人目に触れたらロボット研究者としては終わり」と発言しており、お蔵入りしている。 F14(エフ-じゅうよん) 7研のある廃材置き場に住み着いた猫。名前は2月14日に見つけたことから午太郎が命名したが、博志がF-14トムキャットに因んで付けた「トム」という愛称の方が馴染んでいる。修理やメンテナンスのためシックスの電源を落としてある時に、勝手にスイッチを入れてしまうことが多い。 手塚治虫によるセルフパロディ作品「アトムキャット」がキャラクターモチーフである。 伴 健作(ばん けんさく) 声 - 飛田展男 午太郎たちが資金稼ぎのためにアルバイトに行った何でも屋「マルヒゲ運送」の社長。アナログなタイプでロボットやコンピュータを信用していない。 医師だった祖父のツテで構築されたネットワークで、簡単には手に入らないパーツや素材を調達できる。初対面時には気が付かなかったが、後に博志の祖父と面識があったことが明かされている。 キャラクターデザインは手塚漫画のキャラクター「ヒゲオヤジ」を元にしている。 伴 俊作(ばん しゅんさく) 声 - 河西健吾 健作の息子で高校生。父親と違いロボット好きで、ロボレスのファン。初対面時に蘭に一目ぼれしている。自称・探偵で詮索好き。護身のため家伝の実戦柔術も使う。 本作の時点では若い青年然とした姿となっている。アニメでは、目元が父親そっくりなデザインになっている。 博志と同様に、原作に登場したヒゲオヤジ本人ではなく、同名の孫である。
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