鬼龍院家
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小説版によれば、鬼龍院家は明治以来日本経済の中枢に位置する一家であり、首相の首すらすげ替えさせるほどの権力も握っていると噂され、鬼龍院家に対する抵抗や調査を行おうとした政治家や警察関係者らは核心に迫る前に排除されてきたという。 鬼龍院 羅暁(きりゅういん らぎょう) 声 - 朴璐美 皐月の母親。本能字学園理事長にして、REVOCSコーポレーションCEO。皐月が敬語を使う唯一の人間である。顔立ちは皐月に似ているが、髪の表面は薄紫色で裏面は虹色に光っている。皐月以上のカリスマ性を持ち、登場時には虹色の後光が差す。その光ゆえに彼女と対面する者の多くはサングラスを掛けていないと彼女の姿を見ることが出来ない。背中には複数の刀傷を思わせる大きな縫い痕のような傷がある。「服とは人間の原罪である」を信条としている。20年ほど前に原初生命戦維と接触してその手先・代弁者となり、一身に生命戦維の研究を行わせていた。全世界にREVOCSコーポレーションの服を普及させ、生命戦維による世界支配を手助けする。大文化体育祭にて道化師のような出で立ちで姿を現し、羅暁スタジアムに来たほぼすべての人間を生命戦維へと変える実験を行う。 装一郎を婿として迎え、彼と自分の間に出来た娘たちを生命戦維との融合の実験台にしようとしたことがあり、自らも生命戦維との融合を果たしている。体構造のほとんどが生命戦維で構成されており、心臓を潰されても再生し、首を刎ねられても糸一本繋がっていれば体は機能する。 皐月のことは信頼はしているが信用はしていないようで、「『カバーズの子』として動くのであれば」と釘を刺しているが、何らかの思惑があってわざと好き勝手にやらせている模様。「鮮血」に対しては「La vie est drôle(人生は面白い). 若い子は若い子同士、神衣は神衣同士でケリをつけろ」と皐月に一任している。禊など、傍目から見ると性的虐待とも取れるスキンシップを皐月に行っている。 大文化体育祭の最中に皐月に背後から刺され重傷を負うも即座に復活し、皐月から「純潔」を奪い本能字学園に監禁して折檻する。流子が自らの娘とわかった後は、自分に反逆を始めた皐月のことを何度となく「できそこない」「まがいもの」となじるようになる。流子を捕まえた後は洗脳して「純潔」を着せて脱走した皐月らを襲わせ、自分は「繭星降誕」のために原初生命戦維を糸宮殿から浮上させる。原初生命戦維は共同して戦う流子と皐月により機能停止させられるが、本能字学園に突入した二人を「神羅纐纈」をまとって迎え撃つ。宇宙での最終決戦で流子に敗れ、流子に生きる道を勧められるが、生命戦維が再び地球に現れることを宣告し自らの心臓を潰して自害し消滅した。 神羅纐纈(しんらこうけつ) 本能字学園制圧後、針目たちに作らせていた究極の神衣。最後の戦いで羅暁が着用する。鳳凰丸を取り込むことにより、他のすべての生命戦維を従わせることができる「絶対服従」という能力を発揮したが、「鮮血」の突入で鳳凰丸を弾き飛ばされた。その後、針目および原初生命戦維を吸収してロケット状に変形し宇宙へ発射され、再び得た「絶対服従」の能力で世界中の生命戦維をカバーズに変える「繭星降誕」を開始させたが、最終的に「鮮血更衣」に能力を吸収されて敗北した。 鬼龍院 装一郎(きりゅういん そういちろう) 詳しくは纏一身の項目参照。 揃 三蔵(そろい みつぞう) 声 - 野島昭生 皐月に仕える執事。伊織のおじ。三つ揃いにブラックタイを着用する老齢の男性。生徒会室で紅茶を入れるなど、幼少時から皐月の傍で仕える。他の者は皐月のことを「皐月様」と呼ぶが彼だけは「お嬢さま」と呼び、皐月も彼の紅茶を飲む時だけは穏やかな顔を見せている。皐月が「純潔」の封印を解こうとした際は、皐月の意思に従い、黒井戸から叱責されても反対しなかった。母に反逆しようとする皐月にとっては鬼龍院家の中で唯一の忠実な味方である。見かけによらず力持ちであり、原初生命戦維の反撃で負傷した伊織率いる裁縫部達をまとめて背負って逃げていた。本能字学園壊滅後はヌーディスト・ビーチの基地に身を寄せている。なお、彼のみ四天王や甥の伊織と異なりヌーディスト・ビーチに合流後、最後に全員で流子を受け止めるシーンまでいつもの格好を通している。 黒井戸 滝司(くろいど たきじ) 声 - 廣田行生 鬼龍院家筆頭執事。色眼鏡をかけ、黒いタキシードを着用する中年の男性。鬼龍院邸の留守を任されている。皐月の母の意向に従い、「純潔」の封印を解こうとする皐月を止める。さらに、「純潔」を着用しようとする皐月の身を案じ、懸命に思いとどまるよう訴えたが、彼の声は聞き入れて貰えなかった。羅暁側の人物であり、襲学旅行から帰って自宅に泊まった皐月によって他の羅暁側の人間もろとも縛られた。 なお、羅暁のもとから逃走した装一郎を抹殺しようとした部隊を率いていたのも彼である。 羅暁によって鬼龍院家の使用人たちともども原初生命戦維と一体化するよう命じられ、幸せの内に原初生命戦維に飲み込まれた。 針目 縫(はりめ ぬい) 声 - 田村ゆかり 鬼龍院財閥の会社・REVOCSコーポレーションに所属する「グランクチュリエ(高次縫製師)(fr)」。一人称は「僕」。金髪のカールしたツインテールで、ピンク色のハートをモチーフにしたロリータファッションのドレス風の衣装に日傘を差し、左目に「ヌイ」という形の紫色の眼帯をしている少女。「鮮血」によると異様に手が冷たい。表情は驚いた時や体を激しく損傷した時を除きほぼ常に笑顔であったが、流子に切り落とされた両腕を踏み潰された後は狂気じみたものに豹変している。 人懐っこく無邪気そうな言動とは裏腹に本性は残忍極まりなく、姿を見ただけで皐月が狼狽してしまうほどの危険人物。皐月に対しては甘えるような口調で「昼も夜も一心同体」などと言ってはいるが、皐月からは「貴様は誰とも交わらない」と吐き捨てられている。そのわがままで神出鬼没かつ予測不能な言動は羅暁から「芸術家の気まぐれはCEO(羅暁)でも制御不能」と言われている程。 羅暁から「纏一身の研究成果を奪え」という命令を受けて纏邸に侵入し、一身を殺し片太刀バサミを奪った張本人であり、左目はその際の戦闘で奪われたものである。この時は横から棘が出し入れできる布巻尺を鞭のように操り一身と戦ったが、その布巻尺はあっさりと断ち斬りバサミで破壊された。また、断ち斬りバサミに気を取られたせいで纏邸の他の場所の捜索に気が回らず、一身が作っていた「鮮血」などの神衣を奪えなかったことを皐月に責められている。 その後、今度は羅暁により本能字学園に送り込まれ、決戦闘兵に乱入。極制服無しで猿投山の攻撃を難なく受け止め、一瞬で極制服から「絆糸」を小指の爪の裏の剣山で抜き取って切断し「戦維喪失」させる等、四天王をはるかに超えるほどの実力を持つ。さらに神衣の実力を見ようと流子に勝負を挑み、もう一つの「片太刀バサミ」を見せつけた上で、一身を殺したのは自分だと告白し、流子を煽って暴走状態に追い込んだ。暴走した「鮮血」がマコによって止められた後、皐月から本能字学園への立ち入りを禁じられるが、全く従う気がない模様。 学園が襲学旅行の準備中、面白そうだからと流子と「鮮血」を殺そうと企み、「鮮血」を暴走させたことで自己嫌悪に陥り「鮮血」を着れなくなった流子に「鮮血」を着せるべく、鬼龍院と学園に刃向かい無期限停学処分中の元新聞部員・凪田信二郎(声 - 岡本信彦)に化け満艦飾家に押しかけて流子に学園の革命をしつこく説き、風紀部員に偽装した自らが操るパペットに自分を攻撃させて流子に「鮮血」を着せておびき出すことに成功。本気が出せない流子に興味が失せ「鮮血」を破壊し、流子に止めを刺そうとしたところを皐月に見咎められて退散する。その後、暇をもてあましたこともあって、羅暁の命令を受けて「鮮血」と「純潔」の戦いの視察に大阪に行き、その帰りに皐月の乗るヘリの操縦士となった。「わたしのことを理解してくれるのはあなたしかいない」と皐月に言うが、「誰の理解も拒んでいるものがよくいう」と言い返された。自分が認めたものだけを「美」だと呼ぶ羅暁に対し、ばらばらになった「鮮血」を無理やり復元する流子の乱暴なやり方を気に入っている。大文化体育祭ではペラペラの分身を大量に生産する「モンミニヨン・プレタポルテ」(mon mignon prêt-à-porter:私の可愛い既製服)という技を披露した。 皐月が羅暁の手に落ちた後は、羅暁の手下にされた裁縫部員らとともに、皐月や流子を飲み込ませるための巨大な神衣「神羅纐纈」の縫製を行っている。 第20話では、自分は流子同様に心臓など全身が生命戦維と一体化しており、羅暁による生命戦維と人間との融合実験の実験台であること、自分の場合は生命戦維でできた人工子宮で受精卵の状態から育てられたことなどを流子に明かす。 第21話では、流子のバックアップのために「裸の太陽丸」に来襲。自身が持つ「片太刀バサミ」を、味方になったはずの流子に渡してないことについて皐月に図星を突かれる。 第22話では、復活した流子に「片太刀バサミ」を奪い返され、生命戦維の活動を止める一撃を受けて両腕を失うが、鳳凰丸により助け出され本能字学園に送られ、口だけを使って巨大神衣の縫製を続ける。「神羅纐纈」の完成後は、羅暁によって生命戦維で戦闘用に両腕を復活させてもらう。高度な縫製のような繊細な作業は行えない腕だが、もはや人類がいなくなり服を作る必要もなくなる以上、これで十分と羅暁にいう。最期は流子に敗れたと思われた羅暁の呼びかけに応じて自ら首をはねて自害し、そのまま羅暁自身に取り込まれ、羅暁の一部になれることを満足しながら消滅した。 鳳凰丸 礼(ほうおうまる れい) 声 - 藤村歩 白いタキシードを着た黒人女性。常に羅暁のそばに控えている秘書のような存在。日本名であるが実際はアフリカ某国の出身で、幼い頃は内戦下で暮らしていたが、生命戦維に対する適性の高い一族の出身であることを見込んだ羅暁に命を救われ、彼女に絶対的忠誠を誓うようになる。両袖を刃のように変形させて伸ばして攻撃する。また、羅暁の前では彼女もサングラスを掛けている。大文化体育祭では羅暁の付き添いとして彼女に随行する。皐月が叛旗を翻した時はすぐに彼女に襲い掛かるが、風紀部員達によって拘束される。「裸の太陽丸」で苦戦する針目の奪還にヘリコプターで現れるが、冷静さを失い悪態をつく針目に、独断での行動で神衣縫製に必要な腕を失ったことを問い詰める。「神羅纐纈」を羅暁がまとった後は、真っ先に「神羅纐纈」に取り込まれる。これにより羅暁が「絶対服従」を使用することが可能になり神衣と極制服を無力化させたが、「鮮血」の疾風閃刃により分離され羅暁に味方する関係者の中で唯一生き残る。 25話では、復讐を決意して卒業式の際に本能字学園を襲撃。REVOCS社に残っていたすべての生命戦維を使って、無星生徒の心理に残っていた『(恐怖政治を行っていた頃の)皐月と純潔、および初期極制服の四天王』の記憶からこの5人のコピーを生み出して暴れさせ、さらに封印されていた裁繍防衛機関を起動させる。しかし、様々な経験を得て成長した流子と四天王に、過去の存在であるコピーが勝てるはずがなく、裁繍防衛機関も流子の手で破壊される。直後、自棄を起こし皐月を殺そうとするが、彼女の強い意志、大きな器に絆され敗北を悟る。
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