「原初生命戦維」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 23:45 UTC 版)
皐月は「純潔」を戦闘形態にした時間が長すぎたための激しい疲労の中、執事の揃 三蔵とその甥である裁縫部部長の伊織 糸郎(いおりしろう)に手当されながら鬼龍院邸へ到着する。大浴場で羅暁から疲労を癒すための禊を受けた皐月は、襲学旅行での戦いぶりを評価され、邸宅奥の糸宮殿(しきゅうでん)にある「原初生命戦維」を見ることを許される。人類は宇宙から落ちて来たこの生命体に寄生され奉仕する存在であること、服となり地表を覆うようになった生命戦維を「カバーズ」(COVERS)といい鬼龍院家はその代弁者だということを語った羅暁は、皐月に鬼龍院家と生命戦維の勝利宣言となるイベント「大文化体育祭」を本能字学園で開催するようにと命令する。 一方、流子と美木杉ら一行はヌーディスト・ビーチ基地の奥にある地下ビーチへ向かい、生命戦維の秘密が語られる。類人猿は神経電流を主食とする生命戦維に寄生されたことで急速に脳の進化を促され、人類という地上の覇者となった。生命戦維は直接体内に入ると宿主を殺してしまうために皮膚で繁殖し、人類の場合は服となって身体を覆った。生命戦維は服を着る習慣だけを人類に残して長い眠りに就いていたが、20年ほど前に鬼龍院家により復活させられた。鬼龍院家はREVOCS社を通じて微量の生命戦維の入った服を世界中へ売ったが、纏博士はその企みに恐怖を感じて鬼龍院家を脱走し、私財を投じてヌーディスト・ビーチを築いた。「鮮血」は生命戦維に対する抵抗力が特に強い流子に着せるために纏博士が作った戦闘服であり、半年前に博士が流子を屋敷へ呼んだ理由はこれを渡すことだったが、その寸前に針目に殺されたのだという。流子は自分や「鮮血」を武器としてしか見ない彼らに怒り「鮮血」を脱ぐが、マコと「鮮血」の説得で再び袖を通す。 夜の廃墟で、流子は美木杉から黄長瀬の姉がヌーディスト・ビーチによる生命戦維実験中に服へ飲み込まれて落命したことや、それを乗り越えて纏博士は流子を守るために彼女のDNAを組み込んだ「鮮血」を完成させたことを明かされる。一方、本能字学園では大文化体育祭の会場となる羅暁スタジアムの準備が進み、本能町では住民らへの礼服配布と式典への強制出席の命令が下されていた。皐月と四天王らは羅暁理事長を迎えるために水杯を交わす。美木杉らは、本能字学園の目標は制圧した全国の学生へ生命戦維入りの制服を着せること、大文化体育祭は本能町に集めた人間を生命戦維に飲み込ませカバーズの完全覚醒を図る目的であろうと説明する。それに憤った流子は、一行とともに大阪から本能町を目指す。 翌日、大文化体育祭の開会式で羅暁は演説とともに、参席者の礼服の生命戦維を起動させる。会場へ突入した流子が見たのは、満艦飾 又郎を除く参席者全員が生命戦維の繭に包まれた静寂の光景だった。そのとき羅暁を皐月が背後から突き刺すと、本能字学園が羅暁と生命戦維へ反旗を翻すことや、自分はそのために学園を作ったことを宣言する。皐月は5歳の時、父・鬼龍院 装一郎から生命戦維の真相を教えられて以来、母に従うふりをしながら反撃を準備していた。装一郎は優秀な科学者であったが、生後間もない皐月の妹を羅暁が生命戦維との融合実験に用いて死なせたことをきっかけに、羅暁と敵対したのだった。 皐月と四天王はREVOCS社の服を捨てることを唱えながら、生命戦維から生徒や住民を解放していく。肉体を生命戦維と融合させている羅暁は急速に傷を回復させ、生命戦維による「精神仮縫い」で生徒たちの脳を縛り、自分の手先に変える。皐月と四天王が生徒たちや針目と戦う中、羅暁に脳を縛られて皐月へ襲い掛かった流子は自力で頭から生命戦維を引きずり出すと、「鮮血」との完全な人衣一体を達成して針目を追い詰めるが、皐月は羅暁に圧倒されて刀を折られ、「純潔」を奪われる。鬼龍院邸から飛び立った紳士服型カバーズの大軍が上空を占める中、「純潔」を着た羅暁は流子の身体から心臓をもぎ取ると、生命戦維でできたそれを手に、流子こそが生命戦維との融合実験で死んだはずの自分の娘だったことを明かす。パニックになった流子が羅暁と針目に翻弄される一方、上空のカバーズは糸を垂らしてスタジアムの人々を無差別に吊り上げて飲み込み始め、マコまでが服に飲まれて行方不明になる。皐月は最後の気力で自爆ボタンを押し、会場を爆破した。
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