「原子力平和利用三原則」の提唱とは? わかりやすく解説

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「原子力平和利用三原則」の提唱

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:47 UTC 版)

武谷三男」の記事における「「原子力平和利用三原則」の提唱」の解説

占領下日本において原子力研究禁止された。1952年4月28日講和条約発効すると、占領下禁止されていた原子力研究再開する機運日本学術会議において物理学者の間で盛り上がった同年11月原子炉建設に際して前提とすべき諸条件を武谷は次のように規定した。すなわち、原子爆弾唯一の被害者ある日本人は、平和的な原子力研究行なう権利を最も有するとした上で、「日本行なう原子力研究一切公表すべきである。また日本行なう原子力研究には、外国秘密の知識一切わらない。また外国との秘密な関係は一切結ばない日本原子力研究所いかなる場所にも、いかなる人の出入り拒否しない。また研究のためいかなる人がそこで研究することを申し込んで拒否しない。以上のことを法的に確認してから出発すべきである」と述べた著作集3『戦争科学』pp.154-155)。この武谷の発言は「公開民主自主」を3つの柱とする「原子力和利三原則」の原型となった1953年12月8日アイゼンハワー米大統領国連総会において、「アトムズ・フォア・ピース」のための国際管理機関の設置及び核分裂物資国際プール案を提案した。これを受けて日本では1954年3月3日改進党代議士中曽根康弘中心に、2億3千5百万円の原子炉築造予算上程され直ち可決された。学術会議直ち対抗し、まず伏見康治によって「原子力憲章」が作成され3月20日には学術会議原子核特別委員会朝永振一郎委員長)において原子核物理学者意見集約された。そして4月23日日本学術会議第17回総会において原子力和利用を保証する公開民主自主」の三原則訴え声明が発せられたのである三原則文言1955年12月原子力基本法取り入れられた。しかし、肝心な点で妥協があった。原子力研究と利用に関する一切情報の完全公開」が「成果公開」に。ここから原子力開発既成事実累々と積み上げられた。さらに、福島第一原発事故(2011.3.11)後、原子力規制委員会設置法成立(2012.6.20)と同時に、「原子力基本法第2条に第2項追加された。現行の原子力基本法第2条:「原子力利用は、平和の目的限り安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果公開し進んで国際協力資するものとする。2 前項安全の確保については、……我が国安全保障資することを目的として、行うものとする」。ここで、安全保障とは軍事用語であることに留意。すなわち、今日において重要なのは「原子力和利三原則」を支え科学・技術思想そのものである。

※この「「原子力平和利用三原則」の提唱」の解説は、「武谷三男」の解説の一部です。
「「原子力平和利用三原則」の提唱」を含む「武谷三男」の記事については、「武谷三男」の概要を参照ください。

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