生命戦維・神衣関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 23:45 UTC 版)
作品の中で最も重要なキーワードになる「生命戦維」をはじめとする設定。 極制服(ごくせいふく) 皐月が忠実な生徒たちに与える、着用するだけで通常の人間を遥かに超えた力を得られる制服。第2話で皐月が語るには、日本が古来から学生に着せている制服は、軍服(男子の詰襟は陸軍のもの、女子のセーラー服は海兵のもの)を元にしている。軍服を学生服にしたこの国に対して、本能字学園は学生服を本来の意味の戦闘服と見なし、「服を着た豚たち」が作るこの国を支配するための武器としている。階級により極制服は三つ星から一つ星までランク付けされ(与えられていない生徒は無星)、委員長には三つ星、各部の部長クラスには二つ星が与えられる。通常は一つ星は全員白に近い青色、三つ星は白(だが全員同じ形状ではない)など、多少のばらつきがある。ボクシング装備の極制服を着る袋田の例の通り、各部の生徒の極制服はユニフォーム型や各部のアイテムの型になっている。三つ星極制服は通常時は普通の制服の姿を取っているが、力を解放することでそれぞれの得意分野に特化した「装」へと変身する。 かつて流子の父親が制作に関わっており、現在は本能字学園裁縫部によって制作されている。極制服の中には、赤い糸くずのような「生命戦維」(後述)が封入されている。17話では美木杉が、極制服はもとは人間の生命戦維への耐性を研究するために作られた実験服だったものが軍事転用され、本能字学園の全国支配の武器となったと述べている。また羅暁は、極制服の意義を、着用者を生命戦維の力に酔わせることにより、生命戦維への耐性が強い(服を着用した年数が短く、まだ服に対する抵抗感を残している)十代の若者がこぞって生命戦維入りの服を着るようになることだと述べている。 神衣(かむい) 流子が着用する「鮮血」や皐月の「純潔」などがこれに該当する。極制服とは違い、100%「生命戦維」で裁縫されており、「鮮血」の場合は自我や理性を持って着用者と意思疎通ができる。素肌の露出度は高い。「鮮血」の場合、「戦維喪失」させた極制服の繊維の一部を吸収する能力があるが、他の神衣も同じかは不明。着用者の血を与えないと力が発現しないうえ、完全に使いこなすには神衣と一体になることが必要であり、着用者の素肌になるという感覚が必要となってくる。 完全覚醒する時に生命戦維には強力な生体エネルギーが流れるが、一部でも欠けた状態ではその流れが止まるため戦闘形態に変身することは出来ず、着用者の皮膚を服の一部と見なして強引に変身することも可能だが、人の皮膚では生命戦維のエネルギーに耐えられる時間は1分も無い。 皐月によれば、露出度の高さには、生命戦維と肌の接触面積を減らすことで生命戦維の力を得つつその悪影響を避けるという必然性がある。一方、流子を洗脳している状態の「純潔」は露出が抑えられた形になっており、針目が第19話から縫製に取り掛かり第23話で完成させた究極の神衣「神羅纐纈」は、着用者を完全に覆い隠すような形になっている。 生命戦維(せいめいせんい) 極制服や神衣に織り込まれている特殊な繊維。文字通り「命を持った戦う繊維」で、赤白く光っている。強力な生体エネルギーを持っており、稼動中の生命戦維を片太刀バサミ(断ち斬りバサミ)以外の武器で切断するのは非常に困難とされる。一つ星極制服には全体の10%、二つ星には20%織り込まれており、神衣は100%これだけで作られている。後述するREVOCS社製造の服にもわずかであるもののそれが織り込まれている。配合率が高ければ高いほど自己修復能力が高く、得られる力も高くなるが、その代わりに実力の低い者には着こなせなくなる。そういった者が配合率の高い服を着た場合は、自我を喪失して暴れ回るほどの暴走を引き起こす。逆に着用者の実力が高すぎると、オーバーヒートを引き起こすこともある。 その正体は太古の昔宇宙より飛来した地球外生命体であり、鬼龍院家の奥にある「糸宮殿」(しきゅうでん)には原初生命戦維という巨大な生命戦維の球体が存在する。美木杉の解説によれば、人類は神経電流を主食とする生命戦維に宿主として選ばれることによってその進化を促されたとされている。生命戦維が身体に直接寄生せず衣服に織り込まれた理由は、体内に直接的に取り込むとその力が強すぎ、神経が焼き切られ死に至るため。皮膚上への寄生であれば、力は微弱であるものの、その力をコントロールできるからである。人類が発展を遂げた後は、人類に「服を作る」「服を着る」という習慣だけを残して休眠期に入っていたが、鬼龍院家によって再び呼び起こされた。 再覚醒した生命戦維は、自身によって地球を覆いつくす「繭星降誕」の達成を目的として、鬼龍院羅暁とともに人類への侵攻を開始した。 中には生命戦維と融合した人間も存在しており、羅暁、流子、縫がこれに当たる。特徴として常人離れした身体能力と首や心臓を潰しても再生するほどの生命力を持ち、心臓が生命戦維特有の模様で彩られている。現時点では断ち斬りバサミしか対抗手段がなく、通常の武器ではダメージを与えても致命傷には至らない。さらに、宿主が生命の危機に陥ると生命戦維は能力を活発化させるという特性もある。 断ち斬りバサミが対抗できるのは次のような理由による。生命戦維は切られた場所から即座に回復する性質を持っているため、一方向からの攻撃では意味をなさないが、断ち斬りバサミの様に二方向から同時に切られると再生する時に繊維が絡まり、結合できなくなる弱点を持っているからである(ただし、外部から生命戦維を織り込むことによって切断面を補修することは可能)。一方、原初生命戦維の中からは羅暁が超硬化させた生命戦維の刀を取り出しており、断ち斬りバサミおよび縛斬も、もとは生命戦維を硬化させたものであることが暗示されている。 一時は羅暁により地球中の生命戦維が覚醒させられてカバーズとなって地球を覆い、「繭星降誕」が完成されるところだったが、流子の命令により生命戦維は人間から引き離され、繭星は解体した。最終話での美木杉の推測によれば、人類に寄生できなくなった生命戦維はエネルギー源を失い、完全に活動を停止したとのこと。 絆糸(ばんし) 極制服を形作るための要の糸。服になろうという意思を持たせた生命戦維。これを切られるとすぐに「戦維喪失」されてしまうため、攻撃が届かないように幾重にもガードされている。「戦維喪失」した後に「鮮血」が最後に吸収する糸でもある。「鮮血」にも含まれているがこちらは極制服とは違い複数本であるため、1本引き抜かれただけでは破壊されない。 戦維喪失(せんいそうしつ) 極制服の着用者が、流子と「鮮血」によって身も心も敗北した状態の呼称。もしくは人衣一体状態の流子が繰り出す必殺の斬撃の名称。「戦意喪失」と「繊維喪失」のダブル・ミーニングである。極制服は木っ端微塵に粉砕され、生命戦維は「鮮血」へ吸収される。 片太刀バサミ(かたたちバサミ) 流子がもう片方を捜しているという、片方だけの巨大な裁ちバサミ(断ち切りバサミ)。対極制服用に開発された特別な武器で、流子と「鮮血」の力に耐えられる唯一の武器である。赤色と青色の2つがあり、流子は父親の身体に突き刺さっていた赤色の方を所持しており、青色の方は父親殺害現場から逃げた「片太刀バサミの女」が持って逃げている。当初は背中のギターケースに格納していたが、後にポケットサイズにまで小さく折り畳むことも可能となった。 片太刀バサミの開発者は纏一身で、生命戦維の生命を断ち切るための兵器であり、本来の名称は「断ち斬りバサミ」。縫から「ネーミングセンスが無い」と笑われた一身は「学者にウケは要らん」と返している。 刀剣や鎌、もしくは棍棒と同じ要領で使え、極制服を切り裂くことができ、生命戦維も切ることができる。 流子が完全に神衣を使いこなせた時には変形し、ハサミの間から新たな刀身が出現して巨大な刀身と化す、武滾流猛怒(ぶった切るモード)が発現した。 青色の方を持っているのは針目縫だということが明らかになるが、後に流子が奪還、その際青色が赤色に戻った。二本の片太刀バサミを使うようになった流子は、両方を同時に変形させる、弩血盛武滾猛怒(どっちもぶった切るモード)を発現させられるようになる。 決戦後、宇宙に放置されたままになっていたが、25話において裁繍防衛機関に苦戦していた流子を鮮血が助けるかのごとく彼女のもとへ降り立つ。流子はそれぞれの刃を超巨大な片太刀鋏送辞猛怒(かたたちバサミ送辞モード)と片太刀鋏答辞猛怒(かたたちバサミ答辞モード)に変形させ、それを使った技、戦維喪失卒暁式布愛成(せんいそうしつそつぎょうしきファイナル)で裁繍防衛機関を破壊した。その後、最後の役割を終え本能町とともに海へと沈んでいった。 瞬間凍結剤 生命戦維の活動を一時的に凍結させるガス。消火器の要領で噴射して使う。伊織と揃が皐月の疲労により暴走しかけた「純潔」を脱がせるために使用したり、原初生命戦維の動きを止めるべく伊織率いる裁縫部員達が使用した。効果はあくまで凍結のため、時間が経つと効果が無くなる模様。 カバーズ(COVERS) REVOCS社により服という形で世界各国で販売され、世界を覆うようになった生命戦維の総称。また、鬼龍院家の「糸宮殿」で原初生命戦維から続々と生み出され、糸宮殿の壁面に無数に並ぶ服の総称でもある。鬼龍院羅暁はその意思の代弁者であり、その完全覚醒を目指している。大文化体育祭の陰で糸宮殿を襲った裁縫部により一度は凍結させられたが、すぐに復活して服の大軍となって本能字学園を襲い、人々を糸で釣り上げて次々に飲み込んだ。 本能字学園を上空から襲ったカバーズは紳士服の姿をしており(布状カバーズ)、鬼龍院邸の原初生命戦維から長く伸びた接続糸でエネルギーを供給されて動いており、糸を切られると活動停止する。一方、人間を飲み込んだカバーズ(人型カバーズ)は、捕えた人間をエネルギー源としており、自立して歩くことができる。もし「急急救命吸引具」などで飲み込まれた人間を救出することができれば、エネルギーを失った人型カバーズも活動できなくなる。 天種繭星(あまつたねのまゆぼし) 羅暁らが進めている最終目的である。生命戦維が宇宙で増殖するには、まず母体である原初生命戦維が宇宙を放浪し、知的生命の存在する惑星に辿り着くとその星で一番進化した生命体に寄生し、自分たちのエネルギー源としてふさわしくなるまで進化を促す。その生命体が十分に進化した段階で強烈な信号を送り、信号を受けた生命戦維入りの衣服を着た生命体をエネルギー源として取り込み、カバーズとして覚醒させて惑星表面を覆いつくす。最後にその惑星自体をエネルギー源として消費して爆発させ、発生した運動エネルギーによって新たな種子を宇宙空間にばら撒き、繁殖を続けていく。惑星全体を生命戦維で覆いつくすことを天種繭星という。 強烈な信号を送るのには大規模な発信装置が必要であり、カバーズによって本能字学園のグラウンドに建てられている。これに羅暁が乗って操る原初生命戦維が接続することで信号をREVOCS社の人工衛星に送り、衛星から信号を世界中に発信する仕組みである。最終決戦では原初生命戦維も本能字学園の発信装置も破壊されてしまい、結局は羅暁が残った原初生命戦維と「神羅纐纈」を融合させて自ら宇宙に飛び立ち、人工衛星に直接口づけして信号を世界に発信した。
※この「生命戦維・神衣関連」の解説は、「キルラキル」の解説の一部です。
「生命戦維・神衣関連」を含む「キルラキル」の記事については、「キルラキル」の概要を参照ください。
- 生命戦維・神衣関連のページへのリンク