紅茶王子・王女
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 04:36 UTC 版)
アッサム 声 - 渋谷茂 / 細谷佳正 アッサムの紅茶王子。人間になったことで厳密には「元」紅茶王子である。偶然にも美佳に呼び出される。みんなの兄貴分であり、慕われている。母には「アシャー」と呼ばれていたので、記憶が戻った後の奈子にも「アシャー」と呼ばれる。 人間の母アリヤと紅茶王子の父ゴパルダーラを持つハーフ。実は、禁忌の紅茶王子ダージリンの息子。実父ダージリンは白人男性のような容姿だが、ゴパルダーラの遠縁ゆえに養父によく似た色彩と容貌で強い黒髪の癖っ毛と褐色の肌。王子様ファッションはトルコ風。 身長182センチメートル、体重75キログラム。人間換算年齢20歳。『夢の中の紅茶王子』以降の作品では30歳。趣味・特技は家事全般。よく食べる。10年近くいたと語った昔の主人はジェイクという老齢の男性のことである。ちなみに、初恋は同性の男性。 対価は必要だと最終的に「みんなに忘れられる」と言う条件を受け入れ、人間になり「アッシャー・A/L・ゴパルダラ」を名乗り奈子と大学で再び出会い、その後結婚。コミックス23巻の「TSP.133 王様の子ども達」でダージリンとアリヤを巡る真相をプリンストンから聞き、自身がゴパルダーラの子ではなく彼の遠縁の紅茶王子で主人を殺して封印されたというダージリンこそが実の父親であることを知る。 酒に弱いのに、町内会などで勧められて飲んで酔っ払って帰宅することが多々ある。娘の杏梨を可愛がっている。奈子の父親が残した喫茶店を経営している。『桜の花の紅茶王子』で自身は忘れ去られた存在ゆえに向こうは覚えていないが、既知のサクラを懐かしげに見つめた。杏梨関連でサクラらと言葉を交わすことがあり、記憶の無いサクラには馴れ馴れしいという感想を抱かれている。サクラとジョルジが紅茶王子の小さい姿でいる時は呼び出したことのない普通の人間のふりをしなくてはならず、人間界にいたころのダージリンと同じ苦労をしている。昔、サクラの愚痴を紅と一緒によく聞かされた。自身の記憶が消えたサクラと人間界で再会し、彼の危うさを感じ取って「黄山紅牡丹」の茶葉を奈子を介して健太に託す。 アールグレイ 声 - 鈴木千尋 / 花江夏樹 アールグレイの紅茶王子。奈子に呼び出される。人間界では「アールグレイ・プリンストン」と名乗る。ふわふわの金の巻き毛と緑の瞳であり、提灯ブルマーのいわゆる王子様ファッション。オレンジペコーの兄。同腹の妹はペコーだけだが、腹違いの兄弟・姉妹は人数を把握できないくらい大勢いる。アッサムには「アル」と呼ばれる。酒に弱い上に酒癖が悪い。加熱時間と比例して味の破壊度がUPする煮物、爆発する揚げ物、ナマモノは命の危険がある壊滅的な料理の腕の悪さだがその自覚が皆無であり、趣味で作りたがる。身長175センチメートル、体重53キログラム。人間換算年齢17歳。バラエティ番組が大好き。 「金のクピド」ではステラと言う女性の下に居たが、事故死した恋人アル(アルベルト)の代用品だった。彼女なのか、他の女性の主人のためなのかは不明だが、人間になろうと決意するも「皆が自分のことを忘れる」という条件を受け入れられなかったことと紅茶王子としての自身を捨てきれずに諦めてしまう。そのため、アッサムと奈子が惹かれ合う様が明らかになるにつれ、忘れてしまった方がいいのかもと不穏当な発言をして奈子を不安に陥れ、2人を引き裂こうと笑顔で間に割って入るようになった。 奈子がアッサムと結婚後、『桜の花の紅茶王子』のスペシャルショートで、妊娠中の杏梨を流産しかけた奈子を救うため最後の願い事を使い、紅茶の妖精の世界「カメリス・シネンシア」に帰還した。 オレンジペコー オレンジペコーの紅茶王女。アールグレイの妹。通常はペコーで通っており、幼馴染のアッサムからはピィと呼ばれる。アッサムの許婚だったが、後に王達により婚約を解消され新たな許婚にセイロンを定められた。語尾に「〜ですわ」などを付けるお姫様らしい話し方をするが、アッサムの口調が移ってしまい怒ると少し言葉使いが荒くなる。奈子達の高校の生徒会長・菊花に偶然にも呼び出された。2月の雹混じりの雨の被害に遭った温室を元に戻すことを最後の願い事として叶え、菊花と別れた。お祭りが大好き。最終話直前、セイロンの主人となる熊笹と一緒におまじないをした菊花の妹・皐月に召喚された。人間換算年齢16歳。 セイロン セイロンの紅茶王子。アッサムを連れ帰るべく学校では「セイ・ケニルワース」と名乗り、転入生としてやって来た。とてもそっけなく淡白な態度を取るが、アッサムにべったり。ライナスの毛布の如く乳児時代のブランケットの切れ端をハンカチに仕立て直した"ねんこーふ"を肌身離さず持っており、これがないと夜眠れない。5歳くらいの時、紅牡丹の異母姉の一人で当時既に人妻だった白牡丹(パイムータン)が初恋だった。コミックス第24巻収録の番外編「タイニー・リトル・ウィッシュ」で小児科の研修医に召喚され、ぐっさり胸に突き刺さる言葉の刃を放ちつつ表面上は淡々と仕事をやり遂げた。作中で紅茶王子として活動するのは、番外編1作と最終話直前のみである。人間換算年齢14歳。 憎しみに道を誤り息子である自身をも道具と看做す母の姿に心を痛め、道具でもいいから苦しみの原因の1つに自身に対する愛情があるなら捨てて、それが出来ないなら無理に感情のない王にならないで欲しいと懇願した。 黄山紅牡丹(ファンシャンホンムータン) 知名度の低い工芸茶「黄山紅牡丹」の紅茶王子。その茶葉はタワシに酷似しており、険悪だったころのアッサムによく「タワシ王子」と言われた。そめこに呼び出される。とても長い黒髪の持ち主。そめこからは「紅(ホン)ちゃん」と呼ばれている。 他の4人に比べて呼び出される機会がとても少ないため、それを狙って呼び出された。アッサムとは不仲だったが、後に和解した。ゴパルダーラの不穏な言動から、王達の陰謀にいち早く気づいた。ランクの違いから、ペコーを「姫」と呼ぶ。身長184センチメートル、体重77キログラム。 既に故人の母親は「錦上添花(ジンシャンティアンファン)」。他には父王と正室腹の姉が10人ほどいる。ゴパルダーラやプリンストンにコンプレックスを抱く父王によりゴパルダーラの息子に負けるなと競争心を植えつけられた。アッサム・アールグレイ・ペコー・セイロンの中では一番の年上の21歳。 続編『桜の花の紅茶王子』の第27話で、サクラを案じたアッサムと奈子が画策して召喚されて香椎薫を主人とし、図書館の司書教諭になった。そめこと再会した。 ダージリン ダージリンの紅茶王子。アッサムの実父。ゴパルダーラの遠縁。禁忌の紅茶王子であり、セイロンの父・ディンブーラによって長年封印されていたが、彼が他界した隙をついて脱出する。その時に偶然にも奈子の父・健児に呼び出され、奈子の叔父でもある彼の異母弟・玲一の記憶や身分を拝借して成りすましていた。奈子の初恋の相手。紅茶の国に帰還するまで「ダージリン」と名付けられた黒猫を飼っていた。ゴパルダーラにより、主人殺しの咎人とされていた。一度も我が子と呼ぶことの無かった最愛の息子アッサムと入れ替わりに紅茶の世界に戻り、表向きはスリランカに行くということにして日本(人間界)を去った。アッサムが人間になる代償として息子の存在を忘れてしまう。身長180センチメートル、体重70キログラム。 ニルギリ ニルギリの紅茶王子。サンドラに呼び出された紅茶王子で彼女の恋人。 恋人を事故で失ったステラのためにアールグレイを呼び出した。 サンドラの最後の願い事で人間になり、彼女に忘れ去られながらも再び相思相愛の恋人になった。純血の紅茶王子・王女で「みんなが自分を忘れる」と言う条件で人間になった1人。純血・混血の違いを除けば、作中でアッサムに先んじて人間になった元紅茶王子。 ルフナ ルフナの紅茶王子。何故か周りがアッサムの記憶を忘れている中、1回しか言葉を交わさなかった自身がアッサムの記憶を持っていることを不安に思っていた。絵里に呼び出されて半年、ずっと外国に居て最近帰ってきた幼馴染みという暗示を絵里の家族にかけ周囲に溶け込んでいる。 キャンディの紅茶王女という姉がおり、その姉から貰ったブレスレットを大事にしている。このブレスレットを直してもらったことがアッサムとの唯一の繋がり。絵里が一目惚れした喫茶店のマスターがアッサムだと知り逆上するが、後に人間になる代償について詳細を知る。『紅茶王子の姫君』でアッサムの娘・杏里が自身と同じようにアッサムの記憶を持っていることを知り、生まれる前の記憶を持て余す杏里をフォローした。その後、まだ全部の願い事を叶えていないので『桜の花の紅茶王子』でも絵里と一緒にアッサムの喫茶店に日参しており、たまにバイトで店番をすることもある。 キャンディ キャンディの紅茶王女。『セロ弾きの紅茶王子』で召喚された。ルフナの姉。一見とても大人しそうに見えるが、無視されるとすごい形相で怒る。自分の仕事に誇りを持っており、仕事熱心であるが、押し付けがましい所もある。和音のことを「カッコウさま」と呼ぶ。純一に呼び出された。無駄にプライドが高くて周囲を傷つける純一を叱責し、彼が八つ当たりで壊したチェロを最後の魔法で直して紅茶の世界に帰還した。 サクラ サクラティーの紅茶王子。『桜の花の紅茶王子』で召喚された。黒髪。アッサムが人間になった代償で記憶を消去された1人なので彼のことがわからないでいるが、実はアッサムとはよく知る間柄である。過去に吉乃の曾々祖母・八重に仕えたことがあり、初対面の吉乃を八重と間違える。吉乃の願い事を叶えるために周囲に「先々代のころの友人の次男坊」だと暗示をかけ、人間として下働き兼吉乃のお目付役「佐倉朔(さくら さく)」を名乗る。黒門との縁談が破談になった際、校内お目付役も命じられて自宅・校内の双方で吉乃を護衛することになった。健太が吉乃と親しげにしていると嫉妬して邪魔するが、その一方でいつまでも八重八重と連呼し吉乃を傷つける。吉乃に恋愛感情を抱き始め、徐々に紅茶王子と主人としての定義から外れてゆく。 アッサムと紅とは彼らが険悪になる前から共に過ごし、表面はともかく3人だったころを知っているだけに紅が一方的にアッサムを敵視するようになってから仲直りさせようとしても頑迷な紅の拒絶に遭い傷ついて困惑していた。主人にのめり込んで帰って来てはふさぎ込んでしまうため、危なっかしいと注意されるのが常であり、自身でもつらくて人間に呼ばれても行きたくないと幾度となく口にしていた。特に朝桐八重とは相思相愛だったため、蝶の道行(駆け落ち)だと言って父親の決めた結婚を最後の願い事で無かったことにし、一緒に逃げようと八重に言うも「みちゆきの先にあるのは心中」でありサクラが死ぬのは嫌だと八重に拒まれ、いつかまた会える時まで友達でいてと告げられ、それを3つ目の願い事として紅茶の世界に返された。朝桐家の庭にも自身の家の庭にもある有毒植物「馬酔木(アシビ)」の花を食べて自殺を図り、アッサムにより吐き出させられ一命を取り留めた。その後、奈子と共に生きるために人間になることを報告したアッサムに「約束した相手(アッサム)のことを忘れても約束したことを覚えている」という約束を交わし、どういうことかを問いただそうとした矢先にアッサムが人間になったため、彼に関する記憶を消されてしまう。 ジョルジ サクラと共に呼び出されたジョルジの紅茶王子。ロシア系。金髪。大食い。丁寧な口調だが、一人称は「俺」。カラオケに嵌まった。奈緒の「いとこ」で留学のために彼女の家に居候していると周囲に暗示をかけた。 つまらないことに魔法を使って奈緒の雷が落ちたり、アッサムが聞こえないふりをしたりするような小さな失態が多い。髪の色や髪質がアールグレイに似ているため、アッサムのことを覚えていないことに杏梨が反発して喧嘩を売られてしまうが、お互いに謝り合って仲直りした。サクラが主人としてではなく女性として吉乃に想いを寄せていることに気づき、彼の行く末を案じている。あまりに的確すぎる人選で紅茶王子を呼ぶようにアドバイスした奈子に疑問を抱く。
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紅茶王子・王女
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満月の夜、白磁のカップに銀の匙、ミルクも何も入れない紅茶「プレーンティー」に映った月の影をそっと崩して一口飲むという儀式を行うと召喚される。呼び出した人間を主人として仕え、午後のひと時の紅茶のようにささやかな、人生を左右することのない願い事を3つ叶える。紅茶の妖精の王族であり、将来王になったり王妃になったりする。ひっぱりだこの紅茶で矢継ぎ早に呼ばれる紅茶王子・王女もいれば、認知度が低くて本当にたまにしか呼ばれない者もいる。人気のある種類の紅茶の場合、呼び出されて願い事を叶える最中に他の人間が呼び出そうとしても出て来られない。呼んでも出現しない場合は他の人間の元にいるということであるため、呼び出せた人間は運が良い。紅茶王子・王女を召喚できるのは1度だけであり、その後は紅茶王子・王女を呼び出したことのある人間は他の紅茶王子・王女であっても召喚することは不可能である。新しい主人が近くにいるか出会うかしなければ、2度と会うことはない。
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