紅茶の妖精の世界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 04:36 UTC 版)
ゴパルダーラ アッサムの養父。人間嫌いで強欲な下等生物と蔑んで紅茶王子の仕事を忌み嫌い、人間に使役されるのが嫌になって父王の存命中に王位に逃避した。溺愛している遠縁のダージリンを人間の世界に渡すまいとする独占欲に端を発してアリヤを女官から王妃とし、ダージリンを主人殺しの罪人として幽閉し、ダージリンの子は死産したと偽り結婚後に産まれたアッサムを自身の息子だとアリヤとダージリン幽閉に協力した他の王を欺いた。その後、ディンブーラの死の隙を突いて脱出して奈子の父・健児に召喚されたダージリンを主人の死後も人間界に留めた。アッサムと奈子が惹かれ合っていることを察し、奈子を紅茶の国に拉致して時間の流れが異なる紅茶の国に彼女を拘束し、老いさらばえて死ぬ姿を見せてアッサムに人間に対する情を捨てさせ王位に就けるつもりでいた。しかし、アッサムの実父ダージリンの入れ替わりの帰還とこれ以上の犠牲を厭う他の王達の説得により、アッサムを人間にして記憶の消去を受け入れた。 アリヤ アッサムの母。癖毛の黒髪と紫の瞳をした褐色の肌の女性。スリランカ出身。人間であるため、時間の流れと加齢速度が異なる種族ゆえに紅茶の国では瞬く間に老女となり死亡した。周囲にはゴパルダーラが人間であることを隠して女官だったのを王妃にしたことになっており、妊娠中の体調不良から倒れた時に死産したと言われるも信じようとはせず、錦上添花に信じ込まされても産まれた子がダージリンの種だと気づいた。しかし、紅茶王子・王女が人間になるための条件を聞いてダージリンを忘れるのは嫌だと我が儘を言ったことが発端だと自覚していたため、結局はダージリンの息子であるアッサムをゴパルダーラの王子として育てることに同意した。人間だと知らない周囲には数年で老いさらばえて死んだことは呪いだと囁かれていた。 後日譚の1つ『紅茶王子の姫君』で、嫁であるアッサムの妻・奈子に息子のことを思い出して貰おうと孫娘・杏梨の元を訪れたが、奈子が思い出して以降は孫の元を訪うことはなかった。 プリンストン アールグレイとペコーの父で王。ゴパルダーラの親友。陰謀の中心にいたが、アッサムがダージリンの息子であることは知らなかった。数名の側室がいてアールグレイとペコーの他に庶子の異母兄弟・異母姉妹を儲けている。アールグレイ曰く「人数はわからない」と正妃クインマリー以外の側室との間の子供の数は多数である。 クインマリー アールグレイとペコーの母。プリンストンの正妃(正室の王妃)で、愛称は「クイニー」。親友同士のゴパルダーラとプリンストンの些か度が過ぎる友情が原因で愛娘ペコーをアッサムと婚約の口約束をし、ダージリンの再度の幽閉の鍵としてセイロンを即位させるためにアッサムとの婚約を解消して彼と婚約させた夫に激怒し、いずれも自身に話をするのが後回しだったことで堪忍袋の緒が完全に切れた。その過程でアリヤ・ディンブーラ・添花と長生きして幸福になるべき者達が失われたため、今迄にもましてゴパルダーラを中心とする王達の陰謀に猛反対した。 ディンブーラ セイロンの父で先代の王。故人。 ケニルワース セイロンの母で、夫の死後に王位を継いだ女王。愛称は「ケニー」。退屈でつらい生の糧にダージリンを憎んだが、息子に諭される以前から憎悪することに疲れ果ていたため、アッサムが人間になるのに特に反対はしなかった。苦しみのあまりダージリンを憎もうとし、夫の忘れ形見である愛息すら道具としか看做していない感情のない王たらんとしたが、かなり無理をしていたらしくセイロンの説得に苦悩が顔に出ていた。プリンストンはアッサムがダージリンの種だと知らなかったが、ゴパルダーラに聞くまでもなくアッサムがダージリンの息子だと気づいていた。 錦上添花(ジンシャンティアンファン) 紅牡丹の母。故人。ゴパルダーラの婚約者だったが、彼がアリヤを王妃にした後に周囲の反対を押し切って牡丹の父の側室になった。ダージリンとアリヤを人間界にとゴパルダーラの説得を試みるが、最終的には彼の企みを受容してアリヤにダージリンの子は死産だったと偽りを告げた。夫王には、ゴパルダーラとランクの違いがあり、彼に並ぶのに足りなかった3つ「財力と家柄、世継ぎ、心の拠り所」を側室として夫王に与えたことにより、夫王は何とかゴパルダーラなどの上位の王達の仲間入りに叶ったのだった。それでも長年のコンプレックスは拭い去れず、息子に波及した。
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