探偵卿
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「怪盗クイーンシリーズ」の記事における「探偵卿」の解説
『怪盗クイーンの優雅な休暇』から登場。ICPOの探偵卿局に所属している探偵卿。 特に推理力が必要とされる事件の捜査に乗り出す。世界で13人しか認められておらず、現職の探偵卿が定年退職したり殉職した場合は助手が探偵卿に昇格する他、ICPOが新しい人材をスカウトした場合は現役の探偵卿が解雇される仕組みとなっている。クイーンも優秀と称しているが、世間からは奇人・変人の集まりや万国びっくりショーだと思われている。 ジオット・メイズ・ウインドミル 『怪盗クイーンの優雅な休暇』で初登場。イギリス人。 観察力、洞察力、推理力のすべてに優れながらも、そのどこかずれている性格故に「調子っ外れ(ホンキートンク)」の異名を持っている。その性格から助手である冥美から殺意をもたれているが、まったく気づいていない。クイーンが変装したアンジェリク・フォン・ペリゴール伯爵夫人に(一方的に)恋したこともある。 『怪盗クイーン 魔界の陰陽師』時点では退職している。 冥美(めいび) 『怪盗クイーンの優雅な休暇』で初登場。ジオットの秘書で、探偵卿見習い。『怪盗クイーンの優雅な休暇』時は15歳。 東洋人の父と西洋人の母をもつハーフ。色白で、髪は黒くて短く、小柄な少女。たまに小学生に間違えられる。頭が良く飛び級して13歳で大学を卒業している。ICPOが自分をジオットの助手にしたのは、彼のような探偵卿にさせないため(反面教師)と考えている。ジオットのわがままさなどに少し殺意を覚えており、もしジオットが殺されたら犯人は自分だろうと考えている。 『怪盗クイーン 魔界の陰陽師』時点では探偵卿に昇格しており、『怪盗クイーン ブラッククイーンは微笑まない』時点では最近売り出し中とのこと。『怪盗クイーン 煉獄金貨と失われた城』ではクイーン逮捕の為招集されると共に、とある極秘任務を帯びていたが、皇帝に妨害された。 ヴォルフ・ミブ 『怪盗クイーンと魔窟王の対決』で初登場。ドイツ人。『怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る』時点で29歳。 探偵卿の中では武闘派として異端視される。金髪のオールバック(『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』で銀髪と判明)、狼の様に鋭い目、常に白いロングコートを着ているのが特徴。武器は長刀とロングコートの裾に仕込んだ刃。ぶっきらぼうだが、ルイーゼには全く頭が上がらない。ゴキブリが苦手である。 戦闘能力は高くジョーカーと張り合える程。何度か二人で勝負している。ジーモン辺境伯への攻撃方法のヒントを皇帝に教えてもらった際は、一瞬だけ皇帝のことを「師匠」と呼びたくなったと発言している。軽薄な人間が苦手で、仙太郎とコンビを組む時は吐き気がするらしいが、周りからは「いいコンビ」だと思われている。 以前は「斑屋事件」で関西弁を喋る女性からもらった長刀を使っていたが、ジョーカーとの戦闘で壊れた為、現在は別の刀を使っている(「斑屋事件」については、『都会のトム&ソーヤ』第四巻で少しだけ触れられている)。 ドライ・ドラッヘンのローテと両思いだが二人とも不器用なためなかなか進展しない。しかし浮気をしたとローテに勘違いされた時は彼女に半殺しにされた。「ケニアの大地に立つ」ではマライカと恋愛関係にあると勘違いされ、大嫌いというメールが送られてきており、かなりショックを受けていた。 マンダリン・アタッシュ 『オリエント急行とパンドラの匣』で初登場。フランス人。『オリエント急行とパンドラの匣』時点では45歳。 細かい事実を一つ一つ集め、そこから推理を組み立てることから「つぎはぎ(パッチワーク)」の異名の持ち主。専門は密輸犯罪。探偵卿としての能力は高く、静かな動作で場の混乱を収められるほど。日本人の妻と結婚していたため、日本語を解する。 家庭を顧みなかったがゆえに妻子が自分の元から離れていったが、家族への愛情は変わらず持ち続けている。陰気な性格だが、『怪盗クイーン ブラッククイーンは微笑まない』で再登場した際には、妻子とよりを戻したせいか打って変わって明るい一面を見せた。 お礼はきちんと言う性格をしている。 花菱仙太郎(はなびし せんたろう) 『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』で初登場。日本人。『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』時点で24歳。 茶髪にピアスなど、今時の若者風な格好をしている男。頭脳派で真剣に推理を始めると瞳の色が銀色に変わることから「ダブルフェイス」の異名の持ち主(本人は瞳の色の変化には気づいていない。また、推理の最中などに瞳の色が元に戻った場合は、その推理が間違っていることを意味する)。武闘派のヴォルフとコンビを組むことが多い。モーリッツ教授達とピラミッドキャップの謎を解明した。 普段はチャラ男で、探偵卿以外にもコンビニのバイト(エジプトではピザハットでも働いていた)をよくやっているが、その才能は卓越していて彼の勤めた店は1週間後から売り上げが急上昇する。コンビニ業界では、「伝説のフリーター」と、呼ばれている。20歳の時にスカウトされたが、その時ICPOには苦情が殺到したらしい。外見や言動は頼りないが、基本的に頭の回転は速く柔軟な発想も出来、機転を利かせる場面もある。 将来の夢は「コンビニ王」であり、探偵卿としての自覚は全くなく、探偵卿の方がバイト感覚になってしまっている。よく「自分探しの旅」に出る為応急手当の心得がある。また銀行口座を作っていないのでルイーゼからの給料が遅いことに少し反感を抱いている(立て替えてほしいと言う気持ちもある)。 アンゲルス 『怪盗クイーンと悪魔の錬金術師』で初登場。ギリシャ人の青年で顔立ちは整っている。年齢は非公表だが20歳前後と推測される。 素晴らしい推理力を持つ電子工学の天才だが、ふだんはヘイトのエンド地区にあるアパートにひきこもっており、めったに外出することはない(本人曰く、「現実は敵」)。インターネットゲーム(特に美少女ゲーム)やアニメが大好きで、オンライン上では友人が多い模様。探偵卿の仕事のみならず日常生活の世話もほぼ全てマガに任せている。 マサチューセッツ工科大学に入学したものの、エネルギッシュな学生たちとの人間関係が煩わしくなり一か月で中退。その間に迷宮入りしかけた殺人事件を2件解決し、ICPOの目にとまった。しかし本人は仕事をする気がなく、ルイーゼに「自分の代わりに働いてくれるものをつくってみない?」と言われ、人工知能マガを開発した。マガ曰く「ニート引きこもり探偵卿」または「生ける屍」。 マガ 『怪盗クイーンと悪魔の錬金術師』で初登場。探偵卿の仕事を拒むアンゲルスが開発した人工知能。アンゲルスに代わり探偵卿の仕事を遂行している。 人格と仮想アバターは派手な衣装をまとった若い女性を模しており、性格はやや高飛車で勝ち気。「宇宙一の人工知能」を自称しており、その性能はRDに匹敵するほど高い。8体の分身を作ることで、耐久性と引き換えに処理速度が81倍になる拡張システムが備えられている。 ウァドエバー 『怪盗クイーン ブラッククイーンは微笑まない』で初登場。年齢、出身地不明。 ICPOに逮捕され、その後探偵卿になったと噂されている。本質的に犯罪者であるため、多くの犯罪者を逮捕することに貢献しているが、一方で違法行為の犯罪捜査を平然と行うために彼自身が捜査に乗り出すことはあまりない。莫大な財産の持ち主で事件の際に払う捜査費用はすべて彼のポケットマネーである。 怪盗クイーンの能力を「エッグ」と呼ばれる宝でコピーしている。フィニス・パクトゥンの起こった街で生まれ、10代前後まで育った。父親と母親は死んでおり、三人兄弟で一番上の姉は行方不明になり、弟は死んでいる。 パイカル 『怪盗クイーン ブラッククイーンは微笑まない』で初登場。ウァドエバーの助手。 飛び級制度を使って15歳で大学を卒業したため、「スキップ」の異名を持つ。探偵卿になることを目指している。 ウァドエバーのことを尊敬しており、彼の邪魔はしないと決めている。ウァドエバーの変装を一目見ただけで見破った。 マライカ・ワ・キバキ 『怪盗クイーン ケニアの大地に立つ』で初登場。ケニア人の女性。年齢は28歳。「マライカ」はスワヒリ語で「天使」の意味。 ハーバード大学を卒業後にICPOへと入り、すぐに探偵卿へと昇格した。マサイ族の戦士である祖父を持っている。野生の勘で犯人を見つけ、後付けで推理を考える手法をとっている。 普段は地元の小学校で教師を務めており、子どもたちの幸せな未来を願っているが、子どもたちからは「シェタニ」(スワヒリ語で「悪魔」の意味)と呼ばれている。暴力を嫌っているが、戦闘能力はヴォルフが冷や汗を流すほど高い。 ラロ 『怪盗クイーン ブラッククイーンは微笑まない』で言及され、『怪盗クイーン 煉獄金貨と失われた城』で登場。スペインの探偵卿で、二十代後半の男性。 探偵卿の中で最も優秀と言われており、普段は精神科医を務めている。日本人の祖母を持ち、同作者の『都会のトム&ソーヤ』シリーズに登場する、現在の事象から未来を予測出来る「時見」の力を有する。 イザド 『怪盗クイーン ニースの休日』で初登場。性別・国籍不明の探偵卿。 手作り感のある特撮ヒーローのコスチュームを着た人物。探偵卿の中で誰よりも正義を愛しているが、その方向性に問題がある。 ネア 『怪盗クイーン アナミナティの祝祭 前後編』で登場。本名はネア・ブラディーボ・ヴァロア。モナコに住む探偵卿で三十代後半の男性。 ヴァロア家の末裔で莫大な富があり上流社会にも繋がりがある。性格はクイーンと似て自信家で不遜な言動が目立つ「イヤなやつ」であり、世間からの評価も低い。常に退屈しているようで、探偵卿の仕事でも一度に二つ以上の指令が無ければ動かない。異名は「アヴィディテ」(貪欲)。 かつては自分本位な考えを持っていたが、執事のシドに教えられてその才能や財力を社会へと活かすべく探偵卿となり、NGO団体へ多額の寄付をするようになった。自分を変えてくれたシドには全幅の信頼を置いており、クイーンがジョーカーにするように、彼を友人とみなしている。 シド ネアの執事を務める青年。二十代前半。本名はシド・マイティ・ゼン。 口調は常に丁寧でネアにも忠実に仕えているが、主人の性格に難があることも理解している。執事としての能力は非常に高く、ネアが言いつける前に様々な手配を済ませておいたり、F1レースの運転をこなすことも出来る。ネアからは友人と称されるが、その都度「一介の執事」と訂正している。 ジョーカーと同じ収容所出身で、収容所で唯一の友人だった「T-25」その人。T-25としては『出逢い+1(プラスワン)』 【おもしろい話が読みたい! 白虎編に収録】で登場している。 北方の生まれ。年齢は明記されていないが、ジョーカーより1、2歳年上に見えるという記述がある。外見は浅黒い肌色であること、ジョーカーより背が高いこと以外には記述がない。親に売られ収容所に来た。両親の記憶がないジョーカーに対し、「親の記憶があったら親を恨むことになる」と語るが、その後、自分が売られたことで自分も家族も飢えずに済んだことを「ほんとうは感謝している」と語った。一番古い記憶は椰子の木の木陰に寝かされているところ。 ジョーカーに勝るかなり高度な戦闘技術・能力を持っていた。しかし、勝ち残りゲームでわざと早々負けるなど、収容所の訓練に対して闘争心がない。ジョーカーと戦った際、ジョーカーは殺意をもって攻撃を仕掛けていたが、T-25は「友達とは戦わない」という信念を持っていた。ジョーカーは『信じるもの』を持っている彼に根本的な敗北を悟る。その後は収容所を脱走すると言ったジョーカーに、両耳に付けていたピアスの片方を贈った。そのピアスは「生まれたときにつけ、村を出て友達に出会ったら片方を贈る」という、出身の村の風習に基づいた「友達のあかし」である。 ジョーカーが脱走した後も「収容所の大人たちに従っていれば衣食住には困らず安全」と残り続けていたが、収容所が襲撃を受け潰されたことで不本意に解放された。自分のような親に売られる子どもをなくすため、ネアにNGO団体への寄付をさせている。収容所時代の戦闘力は健在で、ネアとクイーンの鬼ごっこの際にはジョーカーと対峙し彼を圧倒するが、崖から落下しかけた所を半ば無意識下のジョーカーに救われた。
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