各国の流出内容
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「アメリカ外交公電ウィキリークス流出事件」の記事における「各国の流出内容」の解説
欧州への核兵器配備確認文 オランダやベルギーなどに米軍戦術核兵器の配備を確認する文書が含まれていた。文書によれば2009年11月にドイツを訪問したフィリップ・ゴードン国務次官補(欧州担当)がドイツのクリストフ・ホイスゲン首相補佐官との会談内容でゴードン次官補が「ドイツ、ベルギー、オランダからすべての核兵器を撤去すると、トルコにとっても保有し続けるのが政治的に困難」と述べたとされている。 ドイツ 武装勢力と間違えたドイツの一般男性を拉致したCIA係官に対する逮捕状を発布しないようドイツ側に「脅すつもりはないが対米関係の影響を見極めるべきだ」と警告。 パキスタン 2007年以来兵器などの転用を恐れパキスタンの研究用原子炉から高濃度ウランを取り除く秘密活動。パキスタン側もこれを認めた。 北朝鮮 アメリカ・韓国の両政府が北朝鮮の体制が崩壊した場合の南北統一の見通しを協議 モンゴル政府との協議の中で、北朝鮮は中国とロシアを繰り返し批判 ミャンマー軍事政権に核・ミサイル施設建設で協力していた疑惑を示す複数の証言 海底に新たな核施設があるとの情報 西洋音楽の国内流布を禁じているのに2007年、金正日の次男・金正哲がファンだという理由で、イギリス人のエリック・クラプトンのコンサートを平壌で開催できるよう、在韓アメリカ大使館に調整役を依頼していた イラン 北朝鮮から中距離弾道ミサイル19基を入手 親米派のアラブ諸国がイラン(ペルシャ人主体の非アラブ国)に対して警戒感を増していることが明らかになった。しかしアラブ諸国内では意見が統一できず、包囲網形成が困難になっていることも伝えられた。 サウジアラビア アブドゥッラー・ビン・アブドゥルアズィーズ国王が核開発阻止のため米政府に対イラン攻撃を促進。 サウジアラビアはイスラム教の戒律が厳しいはずだが、ジッダのアメリカ総領事館で「地下ハロウィーンパーティ」が開かれ酒や売春が繰り広げられていた。その場には王族も参加したと報告している。 中国 何亜非外務次官がアメリカ大使館当局に対して日本を国際連合安全保障理事会の常任理事国とすることに反対を伝えた。 武大偉に対して、韓国の政府高官と見られる人物が「英語もできないくせに横柄なやつだ」と露骨に馬鹿にしたような評価をしていた。 中国政府がアメリカ・インターネット検索会社大手のグーグルのコンピュータサーバへの侵入を指示。 王家瑞対外連絡部長が「北朝鮮の行動は常識では予測不能」と発言。 2009年6月、北朝鮮のウラン濃縮技術について「まだ初期段階」と過小評価。 劉暁波の釈放を求めるアメリカに対して「人権問題ではない」「内政干渉は直ちにやめよ」といった内容の返信をしていた。 李克強副首相が、在中国アメリカ大使クラーク・ラントに「中国のGDPは人為的で、当てにならない」と述べたことが2007年3月の文書で明らかにされた。 2009年7月の公電で、中国の指導者の政策決定は主として利益と権力が物をいい、中国共産党政治局常務委員会の決定過程は、企業のように、持ち株が多いほど決定権が大きくなること、中国上層部の序列は、血筋や経歴で決まることを指摘していた。 日本 2009年4月に訪中した麻生太郎首相が「温家宝首相は経済危機の対応で疲れていた」と関係者に発言。 アメリカと韓国の高官は、民主党政権は自由民主党政権とは全く異なるとの見解で一致していた。 シンガポールのトミー・コー(許通美)外務省無任所大使が、日本を「The big fat loser」(デブの負け犬)と酷評していた。同大使には旭日重光章が授与されており、日本政府がシンガポールおよびアメリカ政府協力の下調査したところ、実際は「負け犬」表現の使用はなかったと判明。 シンガポール マレーシアのナジブ・ラザク首相に対して「日和見主義者」。他にも外務省幹部が「役に立たない政治家によってマレーシアの危険な転落が助長される」「マレーシアが人種対立の可能性により混迷と危険性を増している」「マレーシアの一番の問題が真のリーダーシップ欠如」などと。 インド シンガポールの無初任大使が「ASEANに一つだけ欠けているのは、愚かなインド人の友人だ」発言。 スロベニア アメリカがグァンタナモ米軍基地のテロ容疑者の収容所を閉鎖するために「オバマ大統領と会談したければ収容者を受け入れるべきだ」とスロベニア側に迫っていたことが明らかになった。 アメリカ合衆国 ヒラリー・クリントン国務長官が各国外交官のクレジットカード番号等の収集を指示 国務省が2010年2月17日、欧州連合(EU)各国のアメリカ大使館に対し、EUの対中国武器禁輸措置の解除の動きを阻止するよう指示していた タイ ラーマ9世(プミポン国王)が2006年の軍事クーデターに肯定的だったことが明かされた。国王の当時の様子を駐タイ米大使は「くつろぎ、満足そうで終始笑みを浮かべていた」と報告している。 ロシアの元軍人ビルトル・ボウト被告のアメリカへの身柄引き渡しをめぐり、ロシアが賄賂を使って身柄引き渡しを妨害しようとしていたことがわかった。 韓国 外交通商部第2次官千英宇(チョン・ヨンウ)は、中国の政府高官2人と行った会談において、「中国高官2人は朝鮮半島は韓国の主導の元で統一されるべきだと信じており、この意見は北京の指導者層の間でも次第に支持され始めた」と、2010年2月駐韓アメリカ合衆国大使に語った。 イギリス イングランド銀行のマーヴィン・キング総裁がデーヴィッド・キャメロン首相に対して経験不足を懸念。 アフガニスタン ヘルマンド州のマンガル知事が2009年1月、同州に駐留するイギリス軍に対して「英部隊が行ったのはキャンプを作っただけ」と激しく非難した。 イスラエル エフード・バラック国防相が2009年5月、北朝鮮の二度目の核実験の直後、「北朝鮮を相手にするときは、いかなるオプションも排除してはならない」とアメリカ合衆国上院議員らに強い対応を求めていた。 イタリアのベルルスコーニ首相がゲーツ・アメリカ国防長官に伝えた話として、イスラエルがイランに対して核兵器を使用する可能性があるとしていたことが、12月12日のイタリア国営放送による発表で明らかになった マレーシア 国内の民間企業2社がイランが中国からミサイル技術を購入するためのネットワークに関与していた。 アンワル・イブラヒム副首相の同性愛事件は捏造されたものだとの主張。 ミャンマー ジャングル内に北朝鮮が支援して核施設を建設していると報告。 タン・シュエ議長の孫、マンチェスター・ユナイテッドFCを買収するから10億ドルを用意するよう、議長にねだっていた。 軍事政権についてシンガポールのリー・クアンユー元首相が、「間抜け」「愚鈍」発言。 リビア 2009年、カダフィ大佐が高濃度ウラン5.2キロをトリポリ近くの滑走路上に投棄するよう指示していた。同年9月にニューヨークを訪れた際、宿泊用のテント設置を当局から断られたことに不満をもったことが原因とされる。 エジプト ホスニー・ムバーラク大統領が「イランが核兵器を保有するならばエジプトも核開発を行う可能性がある」とアメリカ側に伝えていた。 バチカン 米外交官の公電によれば、ローマ教皇庁の多くの聖職者は電子メールを使わず、文書にも旧来の暗号を用いているなど「数々の失策」を招いていると指摘。聖職者のほとんどがメールアドレスを持っていないという。 国際原子力機関 (IAEA) 天野之弥事務局長がアメリカの大使に対して「高官人事からイランの核兵器開発疑惑まで、あらゆる戦略的な重要決定について、断固として米側に立つ」と米国に偏向した行動をとると表明したとされる。この疑惑に関して天野事務局長は2日に会見し「間違ったことはしていない」と反論。 北大西洋条約機構(NATO) NATOが2010年1月にバルト三国をロシアの脅威から守る秘密計画を立てていた。
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