戦術核
戦術核兵器(Tactical Nuclear Weapon)
【戦術核兵器】(せんじゅつかくへいき)
戦場で通常兵器と同じ用法で使用する事を想定された核兵器。
一般に核兵器の中では比較的威力の低いものを指すが、実際の分類は運用方法や射程による。
ミサイルやロケット弾、航空機で投下する爆弾、車載や設置型の無反動砲、あげくには地雷に至るまで、様々なバリエーションが存在する。
冷戦時代、核兵器による抑止力を小規模な戦争にも適用する事を目的として製造されたのだが、この目論見は成功しなかったというのが一般的な見解である。
戦術核が実戦で使用された事はなく、また通常兵器による戦争を抑止する効果があったとも考えにくく、核兵器保有国の(相互確証破壊理論に立脚する)抑止力の一部として利用されるのみに留まっている。
その背景にはもちろん核兵器特有の倫理的問題が横たわっているのだが、それを別としても「あまりに強大な破壊力ゆえ、戦場に味方や民間人が存在する状況ではどう注意して運用しても誤爆を避けられない」という、作戦運用上かなり致命的な欠陥を抱えていた点も無視できないだろう。
余談だが、戦術核はその背景にある思想が比較的単純であるため、漫画やアニメ・ゲーム・映画・小説といった「フィクション世界」に登場させるのが容易である。
一般的な日本人がフィクションで見知っている「核兵器」は、たいてい戦術核のことであり、これに対して戦略核兵器は、
「キノコ雲のような爆発とともに世界を滅亡させる装置」
としか描写されない事が多い。
戦術核兵器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/16 00:10 UTC 版)
戦術核兵器(せんじゅつかくへいき)は、戦場単位で通常兵器の延長線上での使用を想定した核兵器である。戦略核兵器や戦域核兵器(中距離核兵器)に対して射距離が短い。米ソ間の核軍縮協定などでは射距離500km以下のものが戦術核兵器であると定義されている。
- ^ 戦術核兵器と小型核兵器 原水禁HP
- ^ “[地球を読む]サイバーと倫理 国際紛争防ぐ規範必要…ジョセフ・ナイ(国際政治学者)”. 読売新聞朝刊. (2017年5月1日)[リンク切れ]
- ^ 松山健二「日米安保条約の事前協議に関する「密約」」『調査と情報』第672号、国立国会図書館、10頁、2010年3月9日。doi:10.11501/3050369。NDLJP:3050369。
- ^ “核弾頭がヤミ市場に?”. ニューズウィーク日本版(1991年12月12日号). TBSブリタニカ. (1991-12-19). p. 37.
- ^ 2011年防衛白書
- ^ 防衛省 (2019). 令和元年版防衛白書 資料編 資料1 各国の核弾頭保有数とその主要な運搬手段 (Report). 2020年3月15日閲覧。
- 1 戦術核兵器とは
- 2 戦術核兵器の概要
- 3 概説
- 4 関連項目
「戦術核兵器」の例文・使い方・用例・文例
- 戦術核兵器
- 戦術核兵器類.
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