ミネバ・ラオ・ザビ
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Mineva Lao Zabi 声:伊藤美紀(テレビ版『Ζ』・『ΖΖ』) / 平本亜夢(劇場版『Ζ』) / 藤村歩(『UC』・『NT』) / 宮下早紀(『U.C. ENGAGE』) 宇宙世紀0079年9月2日、父ドズルと母ゼナとの間に、一人娘として誕生。一年戦争以後、ザビ家の血統で唯一生き残った人物。宇宙世紀を舞台に映像化されたガンダムシリーズの5作品に登場する。容姿は中性的かつ端整(小説版『Ζガンダム』ではカミーユがミネバの美しさに驚く描写がある)。『機動戦士ガンダムUC』ではヒロインを務める。 初出作品である『機動戦士ガンダム』では乳児として登場。ソロモン陥落時に父の計らいで母と共に脱出に成功し、バロムによって月のグラナダへ送り届けられる。 漫画『C.D.A. 若き彗星の肖像』では、ア・バオア・クーへ送り届けられたあと、一年戦争終結前後にマ・クベ及びシャア・アズナブルの手助けで同要塞を脱出、小惑星アクシズへと逃れる。 漫画・OVA『THE ORIGIN』では、ルウム戦役前にすでに誕生、漫画版のソロモン防衛戦前夜には1歳を迎えようとしており、ドズルらがズム・シティでの誕生会を計画している。 漫画『MSV-R 虹霓のシン・マツナガ』では、9月にソロモンで生誕祭がおこなわれ、デギンとキシリアも参加している。また、『C.D.A.』と異なり、一年戦争終結直前にデギンの密命により、シン・マツナガ大尉らの護衛でグラナダからアクシズへ向かう。 『機動戦士Ζガンダム』では、幼くしてザビ家の正統後継者に祭り上げられ、アクシズの傀儡的君主となっている。当初、皇室警護官としてミネバの養育にあたっていたシャア・アズナブルは、彼女が普通の子供としてのびのび育つことを望んでいたが、摂政となったハマーン・カーンにより歪んだ帝王学教育を施され、ザビ家による支配こそがスペースノイドの真の繁栄につながるという思想を宿して育つ。ミネバはハマーンに対して「良く尽くしてくれる」と感謝はしていた。またロザミアがハマーンに対し「あんたのところには帰りたくないみたい」と言ったときは「それは違う」と言っている。親愛はあまりなかった様子で、ハマーンの前では笑顔を見せたことがなかった。その一方で、観光コロニー「モルガルテン」で知り合ったシンタとクム、ロザミア・バダムとは、同コロニー内にある湖でのボート遊びに興じたり、エゥーゴの指導者となっていたクワトロ・バジーナことシャアには生前の両親の思い出話を聞きたがったりするなど、ハマーンの息のかかっていない人間に対しては素直に喜怒哀楽を表している。宇宙世紀0087年、アクシズの拠点である小惑星アクシズ自体を移動させて地球圏へ帰還し、グリプス戦役に第三勢力として介入するが、実質的指導者はハマーンであった。小説版では自身が艦隊旗艦に座乗することで兵の士気が高まることを指摘するなど、幼いながらに父ドズルの血筋を覗かせるその将器にハマーンが畏怖を覚える描写もあった。 『ΖΖ』でも、グリプス戦役による混乱に乗じ勢力を拡大してネオ・ジオンを僭称するようになったアクシズの傀儡的君主となっている。ネオ・ジオンが地球連邦の首都ダカールを制圧した際にはハマーンと共に地球へ降下し、地球連邦要人とのパレードやパーティに出席している。最終回、ネオ・ジオンとエゥーゴとの第一次ネオ・ジオン抗争(ハマーン戦争)がネオ・ジオンの実質的指導者ハマーン・カーンの戦死により終結した際に、ミネバはグリプス戦役最終決戦直後にシャア・アズナブルによって連れ出され消息不明となっており、ネオ・ジオンでは影武者をたてていたことが明かされる。シャアに連れ出された後、しばらくはスウィート・ウォーターに匿われていた。なお、『ΖΖ』の後日談にあたる『GUNDAM EVOLVE../10』では、木星に向かうジュピトリスIIが、追われている「M」という要人を保護するエピソードがあるが、この人物がミネバであるかどうかは明確にはされていない。また、劇場版『機動戦士ΖガンダムIII A New Translation -星の鼓動は愛-』では、シャアによって連れ出されておらず、グリプス戦役終結直後に勉学のためサイド3経由で地球に降下する旨をハマーンが宣言している。 機動戦士ガンダムUC 『UC』では、第二次ネオ・ジオン抗争(シャアの反乱)後、ネオ・ジオンの航宙貨物船ガランシェールにて逃亡生活を送っていたとされる。宇宙世紀0096年、16歳になったミネバは、ビスト財団とネオ・ジオン残党軍「袖付き」との間で行われる「ラプラスの箱」の取引を阻止すべく、単身、工業コロニー「インダストリアル7」に潜入し、そこでバナージ・リンクスと運命的な出会いを果たす。 取引を阻止しようとする連邦軍と「袖付き」の武力衝突に巻き込まれ、避難民としてネェル・アーガマに収容される。オードリー・バーンという偽名を名乗って脱出の機会を伺っていたものの、ほどなくして正体が露見、人質として連邦軍に拘束される。移送される前に、連邦軍ロンド・ベル隊に所属するリディ・マーセナスの手引きで脱走。彼の父親で連邦政府中央議会の上院議員ローナン・マーセナスに助力を請うべく、リディの搭乗する可変MSデルタプラスに同乗し、ネェル・アーガマのパラオ攻略作戦に紛れ地球に降下する。 しかし、ローナンからは期待していた助力を得られないばかりか、政治的な駒としてマーセナス邸に軟禁される。折りしもローナンから「ラプラスの箱」の真実を聞かされ苦悩するリディから事実上のプロポーズを受けるが拒絶。失望の念を覚えたミネバは屋敷を抜け出す。逃亡中、立ち寄ったダイナーの老主人と交わした会話を切っ掛けに、ミネバは弱腰になっていた自分を悔い改め、課せられた運命と対峙する覚悟を決めるが、ローナンの手の者に捕えられ、ビスト財団に引き渡される。 財団当主代行マーサ・ビスト・カーバインから財団との結託を要求されるも、マーサの欺瞞を看破したミネバはこれを拒否。人質として巨大輸送機ガルダで移送される途上、バナージ・リンクスとスベロア・ジンネマンらガランシェール隊の活躍の甲斐あって脱出に成功。再会を果たしたバナージとは相思相愛の仲に発展する。大気圏を離脱したガランシェールで再び宇宙へと上がりネェル・アーガマと合流、さらにネェル・アーガマの応援に駆け付けた袖付きとも行動を共にする。その後、バナージより箱の所在を知る。ネェル・アーガマクルーと袖付きの雰囲気が険悪な中、ミネバはフロンタルが用意した軍服を身にまとって共和国軍兵士たちの前に姿を現し、彼らを熱狂させる。士気高揚を狙ったフロンタルの策略に対し、自身の象徴としての立場を嫌悪していたシャアの真意を知るミネバの態度は冷ややかであった。ミネバは座標と引き換えに、フロンタルから箱を狙う真の動機を聞き出す。そしてその目的の意外な卑小さと自らを人の総意に従うのみの器と定めてはばからないフロンタルに、「私の知っているシャア・アズナブルは本当に死んだ」と絶望したミネバはバナージらと協力してネェル・アーガマの「奪還」に成功。ネオ・ジオンよりミネバを選んだガランシェール隊とも協力して待ち伏せるネオ・ジオン艦隊を突破し、忠実な部下マリーダ・クルスを失いながらも、始まりにして終焉の地であるインダストリアル7に到着する。 バナージとともに財団宗主サイアム・ビストの下を訪れ、ついに箱の正体に辿り着く。全世界の放送をジャックした電波に乗せ、ミネバは「箱」の真実を公表する。事態の収束のため、マーサの命令で放たれたコロニーレーザーから仲間たちと「箱」を守るため、バナージはリディと共に、命を賭して未曾有のサイコ・フィールドを発動、そのレーザーを相殺する。その結果、バナージはユニコーンガンダムに取り込まれ自意識を喪失しかけるが、最後は愛するミネバとの約束を思い出し一人の人間として帰還した。 なお『UC』において、彼女が使った「オードリー・バーン」の偽名は自らをお忍びの王女になぞらえたもので、映画『ローマの休日』でアン王女役を演じたオードリー・ヘプバーンに由来する。正体発覚後に、他の登場人物からの呼称が「ミネバ」になってからも、主人公のバナージだけは最後まで「オードリー」の名で彼女を呼び続ける。 アニメ版『UC』では小説版の展開と一部が異なる。ミネバがリディにより連れ出されたのはネェル・アーガマではなく輸送艦アラスカであり、マーセナス邸に軟禁中にその間、連邦の貴族社会においてアースノイドが抱くスペースノイドへの偏見を目の当たりにし、次第に自身の在り方を見失ってゆく。また、ダイナーでの会話後に彼女を捕らえた部隊も異なる。終盤の戦いも、三つ巴の戦闘となっている。 機動戦士ガンダムNT 『機動戦士ガンダムUC』の出来事である『ラプラス事変』において、最終的にミネバは『箱』の解放を決断し、箱の正体(U.C.0001に失われた宇宙世紀憲章)を全世界に向けて明らかにし、これは後にラプラス宣言と呼ばれる事となった。そして、『ラプラス宣言』後、ミネバは姿を隠す。その後、ミネバはユニコーンガンダムとバンシィの人智を超えた能力を危険視して、地球連邦軍と共同で封印・解体することを決断、機体そのものだけでなくサイコフレーム研究も含めて封印する協定を結んだ。この頃から、航宙戦艦メガラニカ内のビスト邸に移り住んでいる。 上記の各作品中、ニュータイプとしての素質があることを窺わせる描写があるが、MSパイロットになることはなかった。 その他の作品 上記の『UC』、『NT』とは設定、及び時系列に不整合が生じる、パラレルワールドの物語となるが、成長したミネバが登場する他の作品として、漫画『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』や漫画『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』がある。これらいずれの作品においても、容姿の美しさは母親似、気性の強さは父親似という点は共通している。ただ、本人であるという確証はない。
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「ハマーン・カーン」の記事における「ミネバ・ラオ・ザビ」の解説
前述のようにシャアとの対立原因となったのがミネバの教育方針である。ミネバはハマーンに対して養育と保護に対する感謝は表しているものの、どこか顔色を窺っている様子が見られる。ハマーンの前では笑顔を見せることが無かったのか、民間人と遊ぶミネバの笑顔を見たハマーンは驚いている。
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