ルウム戦役
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/23 01:54 UTC 版)
先の一週間戦争ではジャブローの破壊という最大の目標を果たせなかったため、ジオン軍はコロニーのジャブローへの落下を再度目論み、それまで攻撃を仕掛けていなかったサイド5-ルウムへの侵攻を決定する。その情報をキャッチした地球連邦軍は、1月15日に出撃可能な艦艇をかき集めてジオン軍に総力戦を挑んだ。 OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO』では、実はコロニー落としそのものは地球連邦軍艦隊を誘い出すための囮であり、ルナツーなどに残存していた地球連邦軍宇宙艦隊の壊滅こそ真の目的だったという解釈が取られている。戦闘開始直前には、ギレン・ザビがジオン軍将兵に向けて「諸君、歴史を生むべし」と演説した。 戦力比はジオン1に対し連邦3。戦闘開始直後は艦隊戦で有利にたった連邦軍だが、その主力は宇宙戦艦やセイバーフィッシュなど宇宙戦闘機であり、戦闘中盤でジオン軍がモビルスーツを投入すると、徐々に押されていく。 さらには、大破した地球連邦軍艦隊の旗艦・マゼラン級戦艦アナンケからレビル将軍が脱出に用いたランチが、ジオンのモビルスーツ部隊「黒い三連星」の乗るザクIIに拿捕され、レビル将軍はジオン軍の捕虜になってしまう。一方で、この戦闘でジオン軍は試作艦隊決戦砲・QCX-76Aヨルムンガンドを実戦投入したが、照準補正用の観測データが送られなかったために大きな戦果を上げることが出来なかった。 結局この戦いは、ジオン軍がモビルスーツの活用により3倍の戦力差を跳ね返して優位に立ち、地球連邦軍宇宙艦隊はほぼ壊滅した。地球連邦軍は前代未聞の大敗を喫し、宇宙でジオン軍の大規模行動を阻止することは不可能になった。一方、ジオン軍はレビルを捕虜に取るなど予想以上の戦果を挙げたが、ジオン側の損耗もまた大きかった。 ジオンは先のコロニー落としとルウム戦役での戦果を背景に地球連邦政府と和平交渉に臨み、戦争の早期終結を図った。事実上の無条件降伏に等しい要求を行ったジオンだったが、連邦軍によるレビル将軍の奪還成功とレビル将軍による「ジオンに兵なし」の演説などによりその意図は頓挫する。 また、この戦いの際にシャア・アズナブル(当時中尉)が、自身のパーソナルカラーである赤に塗装された指揮官用ザクIIに搭乗し、地球連邦軍の戦闘艦艇5隻を撃沈するという戦績を挙げている。これにより彼は二階級特進し、少佐となった。それ以後シャアは自機のパーソナルカラーから「赤い彗星」の通り名で呼ばれ、地球連邦軍に恐れられることとなる。
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