ギルガメス軍軍人
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「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」の記事における「ギルガメス軍軍人」の解説
ヨラン・ペールゼン 声 - 大塚周夫 元大佐。48歳。レッドショルダー部隊創設者にしてペールゼン・ファイルの作成者。「死なない兵士」による理想の軍隊創設を目指している途中、驚異的な生存率のキリコに注目し、以来彼を観察し続けている。 レッドショルダーは第三次サンサ攻略戦にて多大なる戦果を挙げ、ペールゼン自身も少将に昇進するが、その直後にレッドショルダー創設と維持のため敵味方を問わない残虐行為の数々をネハルコが送り込んだスパイにより暴かれて失脚・逮捕され軍事裁判にかけられることとなる。法廷ではひたすら無言を貫き、処刑は免れない状態であったが、ウォッカムが新たな証拠を法廷に提出した途端それに呼応するかのように錯乱状態となり、治療の名目でウォッカムの情報省に引き取られる。 錯乱状態は全て演技であり、上手く軍を欺いて軍事法廷からの脱出には成功したペールゼンだったが、今度はウォッカムによって惑星クズスクの情報省医療収容所に幽閉され、ファイルに記された異能生存体についての真実を聞き出そうとする彼から死亡寸前までの拷問を受ける。その後、ペールゼンの証言やガレアデでの観察からファイルに記された者たちが「死なない兵士」、異能生存体であると確信したウォッカムに口封じのため抹殺されそうになるも、あらかじめ部下のメンケンを潜入させておくことで難を逃れている。 モナド爆発後、分隊員達の死を報告するためにやってきたウォッカムの前に逮捕以前の健在な姿で現れる。驚愕するウォッカムに対し、彼の目前に惜しげもなくペールゼン・ファイルを差し出し、このファイルは偽のファイルでありキリコ以外の者は異能生存体ではないこと、さらに偽のデータでウォッカムの判断を狂わせ、キリコ観察のための過酷な戦闘状況を作り出すことがファイルを渡した目的だったことを語る。その目論見は的中し、ウォッカムのキャリアと引き換えに最高の「実験場」を作り出すとともに彼の失脚により復帰に成功、すべてを失ったウォッカムを置いて新たなるペールゼン・ファイルを作るべく、収容所から堂々と帰還する。 ネハルコ 声 - 渡部猛 ギルガメス軍参謀総長で、階級は大将。惑星オドンにスパイ(バージル・カースン)を送り、レッドショルダー部隊の実態を暴いた人物。ペールゼンを失脚させ、その功で地位を強化したネハルコだったが、それも束の間、今度はウォッカムが軍部において台頭してくる。情報省所属であるウォッカムの軍事への介入に反感と危機感を抱くも、簡単に尻尾を出さないウォッカムを失脚させることも叶わず、また功績の独占を防ぐ意味合いもあり渋々協力せざるを得ない立場となる。 ラーキンソン 声 - 塚田正昭 少将。ネハルコの腹心で、軍情報部に所属している。ネハルコ同様、情報省所属であるウォッカムの軍部における台頭を苦々しく思っている。 ユーグント 声 - 大矢兼臣 バーコフ分隊が所属する惑星ガレアデM7前線基地の司令官で、階級は大佐。ウォッカムからの指令によって特別に編成されたバーコフ分隊に疑問を持ち、コチャックを分隊に潜りこませて内情を報告させる。マニド峡谷の戦いから彼らの共通点である「生存性の高さ」に気づき、その能力を探るべく分隊員とギルガメス軍浄化委員会との戦闘を利用して軍警察に分隊員たちの処刑命令を下し彼らを窮地に追い込む。処刑命令そのものは異能生存体とされる分隊員達の能力を確かめようとするウォッカムからの指令によるものであったが、彼らの特異性に感づいていたユーグント自身もその実体を確かめたいと思っており、数度の危機を辛くも切り抜けた分隊員に対し遂にはM7基地のPRLタンクを故意に爆破して隊員達を爆発に巻きこませる暴挙に出る。数千度の熱の中に巻き込まれたことで分隊員達も全員死亡したと思い込むが、その予測に反して全員が生き延びており、ユーグントは驚愕しつつもバーコフ分隊員達が通常の兵士とは異なることを確信する。しかしその直後、事実に近づきすぎたとしてウォッカムの命を受けたコチャックに副官のフラー共々射殺されてしまう。 なお、彼が指示したPRLタンクの爆発によって放出されたガスが極地の太陽光を遮り、後にガレアデ放棄につながるダウンバースト発生の原因となっている。 フラー 声 - 小杉十郎太 ユーグントの副官で惑星ガレアデM7前線基地の副司令官。階級は少佐。軍上層部や情報部の現場への介入を快く思っておらず、ユーグント同様バーコフ分隊の存在意義と彼らが特別扱いされることに疑問を抱いている。しかし、ユーグントほど分隊のことを気にかけてはいなかったようで、彼らの事を知ろうとするのに基地や多数の犠牲もいとわないユーグントがM7基地のPRLタンクを爆破しようとした際には「狂気の沙汰」と必死に制止する。その後、ウォッカムの命を受けたコチャックにユーグント共々射殺されている。 ワップ 声 - 広瀬正志 バーコフ分隊が所属する惑星ガレアデM7前線基地の上級曹長。PRLの扱いに長け、第18騎兵師団(ガレアデ駐留部隊)で右に出る者はいないと豪語している。その能力は実際にATのPRL交換訓練の教官を務め、零下200度でも活動するPRLの配合にも成功しているなどあながち大言壮語ではない。しかし、人格面では美点がほとんどなく、キリコ達に嫌味を言う、部下に拷問同然の鉄拳制裁を振るう、部下の慎重な意見を全く聞き入れようとしないなど横暴な小悪党タイプの人間である。 初登場時には病室にてキリコを襲ったザキに一方的な暴行を加え、やがてフラーが中止命令を出したにも関わらず、腹いせにザキを蹴り上げる横暴さを見せる。小柄だが筋力はかなり鍛えられており、彼の宿舎に飾られた写真の中には筋肉を披露する彼の写真が飾ってあるほか、筋力トレーニングの器具も置いてある。 第18騎兵師団のガレアデ撤収の際に少尉に任官され、同時にM7基地司令官ユーグントと副司令官フラーが殺害された事件の調査のためにバーコフ分隊が赴任する極北最前線基地に単身送りこまれる。しかし実際はキリコ達の観察のための人身御供であり、昇進も死地に赴く前の餞別の意味合いもる。 極北基地到着後は自身に迫るバララント軍の襲撃と零下200度のダウンバーストの危機にも気づかずに相変わらずキリコ達に高圧的に接し、さらに事件解決後の中尉昇進を餌にされ躍起になってキリコ達を尋問するが、真犯人のコチャックを第一印象だけで犯人から除外するなどほとんど当てずっぽうで的外れな推測ばかりであった。やがてダウンバーストが間近に迫ってきたときは、分隊員達の忠告を無視して自身の経験から独自にPRLの調合を行い、危機を切り抜けようとする。彼の調合したPRLではダウンバーストによる凍結こそ免れることができたが、調子に乗って搭乗するAT(スタンディングトータス)を激しく動かしたため逆にオーバーヒートを起こしてしまい機体が爆発、死亡する。 エンディングではテレビシリーズに登場したカン・ユーと共にランニングする姿が見られ、また自身の宿舎にも仲良く写った写真が貼ってある。 劇場版では大幅に出番がカットされ、極北基地に赴任もしておらず、生死不明のまま出番を終えている。 カスケス 声 - 飯塚昭三 少佐。X2基地所属の機動部隊大隊長で、マニド峡谷を突破する3000余りの部隊の指揮を執る。ユーグントの命令で峡谷の敵基地の破壊を渋々バーコフ分隊に任せるが、分隊(主にコチャック)のミスで崖が崩落し、進軍ルートを失ったばかりか1500人以上の部下も失ってしまう。自身は同様部隊の最後尾にいたため崩落から命からがら逃れ、生還する。 粗野な印象を受ける外見だが、部隊壊滅の原因を作ったバーコフ分隊を死んだ部下たちのためにこの手で罰したいと願う部下思いの一面もある。 オーエン、マッカ 声 - 中田和宏(オーエン)、松本大(マッカ) 両名とも大尉でカスケスの部下。峡谷突破の成否を握る役目を、寄せ集め集団にしか見えないバーコフ分隊が担ったことに疑問を持つ。両名ともカスケス同様部隊の最後尾にいたため命は助かっている。 グレーゾン 声 - 有本欽隆 バーコフ分隊が極北基地への移動に使用した輸送機の機長。「死神シラスコ」ことゴダンを粛清しようとするギルガメス軍浄化委員会により輸送機を墜落させられる。浄化委員会が粛清の対象をゴダン1人から輸送機内全員に切り替えた際にはバーコフ分隊と協力してATを発進させ、彼自身もゴダンの機転により輸送機から脱出する。委員会の襲撃を切り抜けた後、バーコフ分隊と別れ極北基地へATによる徒歩で移動していく分隊を見送る。 ショキット 声 - 子安武人 バーコフ分隊が極北基地への移動に使用した輸送機の副操縦士。実はギルガメス軍浄化委員会の一員であり、中央制御盤に細工を施し輸送機を仲間のスナイパー(声 - 堀之紀)が待ち伏せる荒野へと墜落させる。墜落後も通信機を使ってスナイパーの射撃管制を行うが、中央制御盤の細工から正体が露見、ゴダンに捕らえられる。その直後、輸送機付近に着弾した迫撃砲の衝撃によりゴダンが誤って彼の首の骨を折ってしまい、即死してしまう。 死後は、ゴダンによって副操縦席に括り付けられ、死したまま操縦桿を握らされる役回りに使われる。 ログウッド 声 - 徳弘夏生 大佐。M7前線基地の司令官で殺害されたユーグントの後任。ガレアデで赴任早々撤退準備の司令を行い、ワップに少尉任官と極北基地赴任の辞令を伝える。 ノム 声 - 松本保典 中尉。ログウッドの副官。ワップに少尉の軍装、任官証、徽章を手渡す。 マナガル 声 - 大塚芳忠 惑星ガレアデ極北最前線基地の司令官で階級は中佐。赴任してきたワップに対しガレアデからワップとバーコフ分隊を除いたギルガメス全軍が撤退することを伝え、自身も基地から撤収する。 ノイドート 声 - 五王四郎 メルキア国防相で、ギルガメス軍では大将の階級を持つ。ネハルコと共にペールゼンの裁判を傍聴する。モナド攻略作戦がウォッカムにより提案された際には最高戦略会議にて反対意見を提出しようとするも、会場への途上で搭乗していたヘリが突然爆発し死亡する。反ウォッカム派として有名であり、ネハルコ等ほとんどの議員は彼の事故死がウォッカムの仕業だと気づく。しかし証拠は一切無く、かえって恐怖にかられた議員達は皆ウォッカムに賛同し、モナド攻略は全員一致で可決する。 ナラヤ小隊長 声 - 斎藤志郎 キリコがガレアデに送り込まれる以前、タイバス渡河作戦の際に所属していた小隊の隊長。部下の一人であるキリコの生死を監視するよう上官(声 - 辻親八)から理由の説明もなく命じられており、キリコを有力者の子弟かと訝しむ。数十機のAT隊を指揮し渡河作戦の先陣を切るが、彼の小隊を含めたAT部隊は別行動の本隊上陸のための囮部隊であり、敵軍の激しい攻撃に加え捨て駒である彼らには稚拙な作戦しか用意されておらず、部隊は次々と壊滅していく。その中でも戦闘終結時まで負傷しつつも生き延び、川岸で動けなくなっていたところをキリコに救助されるが、治療のため陸に上がったところで機体が地雷に触れてしまい致命傷を負う。最後は自分を心配し、救助したキリコに礼を言い息絶える。 作戦自体はキリコ達のAT部隊が敵の目をひきつけている間に別行動をとった本隊が上陸、ギルガメス軍の勝利に終わる。しかし囮となった部隊への攻撃は熾烈を極め、キリコを除いて部隊は全滅している。 第1話でルスケが見ていたデータベースによれば、ナラヤがフルネームである。 ギルガメス軍浄化委員会 声 - 石井康嗣、五王四郎ら ギルガメス軍内部に存在する組織で、軍規違反者を自らの手で処刑し、軍を「浄化」することを目的とする。劇中では「死神シラスコ」ことゴダンの命を狙い、累計数十人の浄化委員が現れ、バーコフ分隊の前に幾度となく立ちふさがる。また、ユーグント殺害事件の真相究明にも乗り出し、内偵を命じられたワップの前に現れ情報提供も行っている。 キリコ達はもとよりユーグントやフラーもその存在を知らない組織である一方で、ワップに接触した浄化委員がバーコフ分隊員たちの過去の詳細なデータを提供したり、事件解決後の昇進を約束するなど、軍内部における影響力の高さも伺える。また、極北基地移動中の襲撃時に浄化委員会が軍歌を流した際には委員会の一員であるショキットに加えコチャックも反応を見せており、不明な点の多い組織である。 ナレーション 声 - 銀河万丈
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