『⊿』長編の主要人物
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向井 雄一郎(むかい ゆういちろう) 演 ‐ 渡部康大 ACT 4「未完の人々」の主要人物である高校生。早朝の通勤ラッシュを狙った鉄道テロ事件の実行者。中学時代は科学部に所属していたことから爆発物を作る技術を持っており(鉄道テロ事件に味を占めて化学兵器も作ることも考えていた)、レンタル倉庫を借りて材料の保管と製造をしていた(そのため自宅には警察が来ても証拠が見つからなかった)。家族構成は父親との二人暮らしで、母親は中1の時に亡くなっている。父親は仕事で一緒にいる時間がほとんどないため、父親を「自分の財布」としか認識を持っていなかった。そのせいか他人の生き死に頓着を持っていない。 事件当日、手前の駅で降りたことや事件に便乗した国際テロ組織の犯行声明を見て嘲笑う姿を見て不審に思った女子高生、山城静香(やましろ しずか)が警察に(雄一郎が実行犯であることを)説明したが、証拠がなく取り合ってくれなかったため現場で救助作業にあたった修らに闇狩人を探してもらうよう依頼し、静香が突き止めた情報から爆発物を作ることのできる倉庫を見つけ出したことから闇の仕事の標的になった。 その後、街中で修に自首しろと忠告されるも、修がニュースに映ったホームレスであることを知り、修の寝床にカセットボンベを使った罠を仕掛けて殺害しようと企てる。そこに髭剃りを返しに来た健さんが罠の巻き添えになったため、修の闇狩人としての初仕事として始末される。 後述になるが、この事故の半年後に父親がこの一件に絡んだ事件に巻き込まれることとなる。 白神 直也(しらがみ なおや) ACT 5 - 8「北に果てる」編の主要人物のひとりで、望月美緒の血のつながりのない父親。50歳。元風神組構成員で組解散後は暴力団の依頼専門の殺し屋となり、5年前に殺人事件の犯人として指名手配されると同時に離婚していた。白髪でオールバックのヘアスタイル、顎に傷があり普段はマスクで顔を隠しており、背中には弥勒菩薩の刺青が入っている。使用している武器は旧ソ連製のPSSという消音拳銃で、命乞いする者に対しても容赦をせず、降りかかる火の粉は完全に消し去る戦闘スタイル。瑠璃曰く、間や大介と似た空気を感じていた。 娘の美緒が修学旅行で北海道に来ていることを知り、瑠璃に落とし物と称して美緒へハンカチを渡すよう頼む。そのハンカチには待ち合わせ場所のメモを入れており、それを見た美緒と小樽で再会。再会し別れた直後に美緒が中国マフィアに拉致され、監禁場所である解体中のホテルに単身で乗り込み、屋上にいた男以外すべて始末した。屋上にたどり着き再度再会した美緒に別れを告げ姿が完全に見えなくなったことを確認した上で大介との対決となり、拳銃で大介の動きを止めるものの背後にいた瑠璃にカラス口で刺される。しかし詰めが甘かったため致命傷にはならず、瑠璃のコートの襟を掴んだ際に足を踏み外して瑠璃共々屋上から落下するが、瑠璃に美緒の面影を見て掴んだ襟を放して転落。そして瑠璃らにしばらく見つからない場所に自分の死体を捨ててくれと頼み息を引き取る。 一柳 賢也(いちやなぎ けんや) ACT 9(「北に果てる」編のエピローグ)で間の10年前の回想に登場したユキエの元婚約者。ネット関連企業の社長で実業家。29歳(回想当時)。 なんでも新品でないと気が済まない男で、好意を持った女性の過去が気になって仕方がないと口にする。好意を持った女性が過去に他の男と何らかの関係を持つこと=中古品という見識を持ち、部下の男(氏名不詳、パーマヘアーの一見ホスト風、間は当初興信所の人間だと思っていた)を使って交際していた男の身辺調査をさせたり、自ら食事に誘って二人がどこまでの仲だったかを聞くくらいの執着ぶり。 回想時から3年前、有田春奈(ありた はるな)という女性と結婚を考えるも「中古品」であることを理由に殺害し、元彼だった男も部下によって殺され、凶器の刃物をポケットに入れた状態での春奈への未練による(入水自殺に見せかけた)無理心中として処理されていた。同様にユキエのファーストキスを奪われたという理由だけで間を拉致して殺害しようと企てるも部下の男共々返り討ちに遭う。 片桐(かたぎり) ACT 14-19「標なき旅」編に登場した主要人物の一人である老人。96歳。下関でひ孫である奈緒との二人暮らしで、毎日響灘の海を眺めて暮らしていた。同居前は一人暮らしであることを心配され、同居している奈緒が大学に合格したら家族のいる京都の家で暮らすよう説得されている。 京介の探していた「お宝」=第2次世界大戦中に旧日本軍が開発していた「原爆」の制作者の一人で、海底に沈む妙高型重巡艦の中に潜む伊403型潜水艦の中に隠されていた原爆を搭載したグライダーの回収と処理を長年国に嘆願していたが無視され続けていたため京介に回収と処理を依頼していた。京介が回収の報告に訪れた際、アメリカ人組織の銃弾に巻き込まれるが、木所による咄嗟の対応で辛うじて一命を取り戻し組織からの更なる銃撃から難を逃れる。しかしその木所が銃弾に倒れ命を落としたことは知らされず最後まで正体を知らなかった。 この一件が解決した後は怪我も回復して退院し、奈緒の実家のある京都で暮らしている。 木所(きどころ) ACT 14-19「標なき旅」編に登場した主要人物の一人で、国家公安調査局の職員。「田中」という偽名を使って片桐家の隣に18年間住んでいた。 祖母の兄である門倉一太郎(かどくら いちたろう)が片桐の戦友であることを偶然知り、若き門倉に容姿が似ていることから公安上層部が片桐の監視役として付けていたが、京介が現れることを聞き片桐家に訪れた公安職員を襲撃したアメリカ人組織との銃撃戦で凶弾に倒れ、その銃撃戦で殉職した他の公安職員と共に海外公務中の事故による殉職として処理された。銃撃戦になる直前に緊急措置として奈緒を京介に託し、祖母の兄の戦友でもあり長年の隣人である片桐を命懸けて守ろうとした。 キルゴア ACT 14-19「標なき旅」編に登場した主要人物の一人。初老のアメリカ人組織の指揮官で元CIA幹部。 当初は京介が見つけ出した「お宝」を狙い、それを奪って外交の切り札(=ゆすりの道具)に利用しようと計画していたが、結果的には京介の時間稼ぎに利用され、部下達に京介の殺害を指示。その一方で浜口らを殺された京介の裏の仕事の標的となり、東京での京介との交渉に敗れた後(この直後、部下達は間らに始末された)、ワシントンに戻った際に待ち構えていた京介によって始末される。 ワシントンに愛人と思われる女性がいるが、「自分の弱みを作るようなもの」と結婚することは考えていなかった。 ゴードン / ブラウニー / シルバ ACT 14-19「標なき旅」編に登場したキルゴアの部下でアメリカ政府の特務部隊。 刈上げの髪型で拳銃をメインに使用している男性がゴードン、口の周りに髭を生やしており、ライフルをメインに使用している男性がブラウニー、日本語も話せる長髪の女性がシルバ。 京介とキルゴアの交渉時に観光客に成りすまして周辺にいたが、交渉が決裂したことて京介に攻撃を仕掛ける。そこにたまたま観光に訪れていた間も巻き込まれることとなる。その後「表の仕事」の最中に京介の仲間を殺されたことによりキルゴア共々京介の裏の仕事の標的となる。 東京での決戦では、遊撃隊としてシルバのサポート役を務めるゴードンは瑠璃が囮になりその隙を修に、交渉の仲介役を務めたシルバは京介に、京介を狙撃しようとしたブラウニーは間によってそれぞれ仕留められる。 浜口 友和(はまぐち ともかず) ACT 14-19「標なき旅」編に登場したクレーン船の乗組員。39歳。口の周りと顎に髭を生やしている。 京介とは表の仕事で長年組んでおり、京介と初めて組んだ時に生まれた高校生の息子を大学に進学できるまでの報酬を得ていた。息子とは違い中卒の学歴しかないが、京介からは「学歴だけのバカとは違って頭がいい」と評されている。 京介が探し求めていた「お宝」を引き上げの最中、キルゴアの部下による海面からの攻撃により直立した状態の船外に投げ出され、命綱代わりになっていた無線で京介と連絡を取るも助かる見込みはないと悟り、涙を浮かべながら「最期に話せてよかった」との言葉を残して転落し命を落とす。他にも3人の仲間が命を落とし、このことがキルゴアらを標的とした京介の裏の仕事として間へ依頼することとなった。 後日、すべての仕事を終え四十九日の墓参りに訪れた京介は彼の息子が語った夢を聞き、「発想は妄想から生まれるから行くところまで行け」とアドバイスした上で将来の投資を約束した。 片桐 奈緒(かたぎり なお) ACT 14-19「標なき旅」編に登場した片桐のひ孫で浪人生。アホ毛のあるショートヘアーで眼鏡をかけている。 前年に大学受験に失敗しており、曾祖父である片桐との同居を条件に浪人活動をしている、曾祖父の行動については気になっていたが、原爆の件については知らされていなかった。曾祖父を訪ねてきた京介のことは30代半ばだと思っていた。大学受験のために東京に向かうところだったが、行き当りの事情で京介らと東京まで行動を共にする。 事件が解決した後は大学に合格した模様で、東京での生活をスタートさせている。 向井 誠一郎(むかい せいいちろう) ACT 4の半年後を描いたACT 20「残された人々」の主要人物。鉄道テロ事件の犯人である息子の向井雄一郎の父親で「ダンラン食品」に勤めるサラリーマン。雄一郎亡き後に彼が起こした鉄道テロ事件の賠償を支払い続けていたが、「鉄道テロ犯人の父親」とネットで晒され拡散されたことで退職と転居を余儀なくされる。 その後、公園で突然のゲリラ豪雨にもかかわらずベンチに座ったままでいたところを修が目撃し声をかけるが、いきなり現れたフードを被った男に「責罰を与える」の言葉と共に包丁で胸を刺され殺害される。 仕事でとはいえ雄一郎を始末した修としては「あんな最期を迎えさせるために息子を殺したわけではない」と仇を取ろうとするが、犯人と接点があるため、秋月の指示で標的の始末は瑠璃に任せることになり、突然のゲリラ豪雨の中背後から瑠璃のカラス口によって始末される。 一時は嘱託自殺の疑いをかけられそうにあったが、標的との接点はなかったため保険金は支払われることとなり、被害者遺族への救済に充てられることとなった。
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