行政 行政の概要

行政

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/18 02:12 UTC 版)

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定義

行政学上の定義

「政治体系において権威を有する意思決定者によって行われた公共政策の決定を実行することに関連する活動」[2]などと定義される。

行政法学上の定義

法律学においては立法司法と並ぶ一つの国家作用である[3]立法権司法権と並び、統治権の一つとして、行政を行う権能を行政権という。軍事作用は含まれない。

実質的意義の行政

国家作用が作用自体の性質という点に着目して立法、司法、行政に三分類されるとき、これらはそれぞれ実質的意義の立法、実質的意義の司法、実質的意義の行政と概念づけられる[4]

実質的意義の行政とは何かという点については、現代の行政は複雑で多岐な内容にわたっており、これに必要かつ十分な定義を与えるのは、容易でない。そのため、行政の定義については、内容的に定義することを放棄し、消極的に定義するにとどまる控除説消極説)と、なんとか行政の内容を積極的に定義してその内容を明らかにしようと努める積極説が対立する。

控除説(消極説)
日本の公法学上は、国家作用のうち、立法作用と司法裁判)作用を控除した残余の作用を指すとする見解(控除説、消極説)が支配的である。
このような控除説による説明は、内容的な定義づけを放棄しており、意味がないようにも見える。しかし、君主が有していた包括的な国家権能のうちまず立法権が議会に移譲され、その残りである執行権のうち司法権がさらに分化され、君主に残された権能が行政とされたという沿革に対応している。さらに、現実問題としても、行政と観念される作用には様々なものがあり、それらを漏れなく包括する必要もある。したがって、控除説は一般的に支持されている。
積極説
控除説のような消極的な定義づけに満足せず、積極的な定義づけをする試みもある。代表的な見解は田中二郎によるものであり、「法の下に法の規制を受けながら、現実に国家目的の積極的実現をめざしておこなわれる全体として統一性をもった継続的な形成的国家活動」とするものである。だが、行政の特徴等を大まかにイメージしたものに過ぎないという批判もある。

実質的意義の行政を主たる任務とする機関を行政機関というが、実質的意義の行政は、行政機関のみならず、立法機関や司法機関にも存在する。

形式的意義の行政

行政府に属する一切の作用の総称をいう。

国家作用は作用自体の性質という点に着目すると実質的意義の立法、実質的意義の司法、実質的意義の行政とそれぞれ概念づけられるが、個々の国家作用が現実にいずれの機関に配当されるかは憲法の体制・個別の法律により異なる[4]。そこで、現実に配当されている機関という点に着目して国家作用を分類したものが形式的作用である[4]

日本の場合、政令の制定は実質的意義においては立法作用であり、また、恩赦の決定や行政審判は実質的意義においては司法作用であるが、行政府に属する権限とされるため、形式的意義においては行政に含まれることになる[5]

行政法

行政法は、行政の組織・機構に関する行政組織法、行政の手続に関する行政作用法、違法な行政活動によって不利益を被った国民の救済に関する行政救済法の3部門に大別される[6]

行政組織法

行政主体とは「行政という国家作用を担当する行政機関が帰属する法主体」[7]と定義され、また、これと対をなす行政客体とは「行政主体の行う行政の相手方となる法主体」[7]と定義される。行政主体の代表例は国(中央政府)と地方公共団体(地方政府)である。

近代統一国家の下では立法・行政・司法などすべての国家権力は国に集中するが、地方分権主義が進むにつれ地方公共団体が国と並ぶ重要な行政主体となるに至っている[8]

行政作用法

行政主体が行政機関を通じて私人に対して行う行政活動をめぐって生ずる権利義務関係を規律する法であり、行政救済法を除く「行政外部の法」を意味する[9]。行政作用法は行政機関による「立法」作用(いわゆる行政立法)をも「行政作用法」の対象としてきており、行政作用法の対象となる「行政作用」は、行政立法をも含む広義の形式的意味をしている[10]

行政組織法や行政救済法と異なり、行政作用の領域には、まとまった統一的な法律が少ない[11]

法治国家ないし行政の原則の下においては、法に従ってなされることが要求される[12]

行政救済法

行政法において、市民の権利が行政によって違法か適法かを問わず侵害された場合、その権利を救済する。




  1. ^ 上原行雄ほか『用語集 政治・経済 第3版』2016年9月、97頁
  2. ^ 竹尾『現代行政学理論』5頁
  3. ^ 塩野『行政法1 第4版 行政法総論』2頁
  4. ^ a b c 塩野『行政法1 第4版 行政法総論』6頁
  5. ^ 伊藤正己『憲法 新版』弘文堂、1990年、504頁、ISBN 4-335-30036-0 
  6. ^ 原田『行政法要論 全訂7版』14頁
  7. ^ a b 塩野『行政法1 第4版 行政法総論』328頁
  8. ^ 原田『行政法要論 全訂7版』45頁
  9. ^ 稲葉・人見・村上・前田『行政法 第4版』20頁
  10. ^ 稲葉・人見・村上・前田『行政法 第4版』21頁
  11. ^ 稲葉・人見・村上・前田『行政法 第4版』51頁
  12. ^ 原田『行政法要論 全訂7版』82頁


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