その他の法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 01:47 UTC 版)
「古代ギリシア語の文法」の記事における「その他の法」の解説
法には直説法のほか、命令法・接続法・希求法がある。 命令法 (imperative mood) には3つの時制がある(現在、アオリスト、現在完了)。アオリストは、行為を即座に行ってほしいときに用いる。例:δότε μοι(dóte moi 「それを私にすぐ下さい!」、"give it to me at once!")。3人称の命令法もある。例:ἀπαγέτω τις αὐτὴν(apagétō tis autḕn 「誰か彼女を連れていけ!」、"someone take her away!")。 接続法 (subjunctive mood) には命令法と同じく3つの時制がある(現在、アオリスト、現在完了)。独立文では「何かが起こるべきだ」("should happen")という話者の意志を表し、「私は何をすべきか?」("what should I do?")という疑問文にもなる。また、条件節や時を表す節で用いられる(「仮にこれが起こるならば」<"if this should happen">、「それが起こるときはいつでも」<"whenever this happens">)。さらに、目的や恐れの表現にも用いられる(「これが起きるのではないかと心配する」<"I fear that this may happen">)。接続法では語尾に η (ē)、ω (ō) の長母音が現れる。例:ἴωμεν(íōmen 「行きましょう」、"let's go")。 希求法 (optative mood) は第一には「希望」を表す法で(「それが起こりますように!」、"may it happen!")、仮定の表現にも用いられる(「それが起こるかもしれない」、"this would happen")。また、過去における不特定の時の表現(「それが起きるときはいつでも」、"whenever it happened")や、過去における目的・恐れの表現、過去における間接話法にも用いられる。語尾に οι (oi), αι (ai), ει (ei)が現れるのが希求法の特徴となっている。例:μὴ γένοιτο(mḕ génoito 「それが起こりませんように!」、"may it not happen!")。
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