交通事故 交通事故の概要

交通事故

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 04:48 UTC 版)

また交通安全の施策や統計などでも、道路交通事故のほか、鉄道交通事故、海上交通事故、航空交通事故などを含む広い意味で用いられる場合もある[2]。とはいえ、道路における自動車自転車歩行者などの間に発生した道路交通事故を指すことが最も多い(社会全体では自動車・オートバイ・自転車が最も身近で最も利用される頻度が高いので、事故の件数も船舶や航空機の事故よりも多いため。)

当百科事典においては、広義の交通事故について、つまり鉄道・海上・航空・道路の全てを視野におさめて交通事故を概観できる記事は、この記事をおいて他に無いので、まずこの記事の冒頭で広義の交通事故について概観し、その下の節で、最も身近な交通事故、つまり道路交通事故の詳細についても記述する。他の種の交通事故の詳細については別に立てた記事に譲ることにし、たとえば踏切事故を含む鉄道の事故は鉄道事故、船舶の事故は海難事故水難事故川下りなど)、航空機の事故は航空事故の記事に譲ることにする。

広義の交通事故の概観

交通事故は、交通手段別に「道路交通事故(自動車事故)」「鉄軌道交通事故(鉄道事故)」「海上交通事故(海難)」「航空交通事故(航空事故)」に大別される[1]

1970年代以降、交通手段の大型化・多機能化・高速化などが進んだので、ひとたび事故が発生すると、多数の人々の命を奪ったり多くの財貨を奪ってしまうような大型の事故となる可能性が高くなった[1]。交通事故は、現代の社会不安の一つとなっている[1]

単純な統計の経年変化

たとえば、日本における広義の交通事故による死傷者統計を、種類ごとに年代を追って比較してみると以下のようになる[1]

  • 道路交通事故(死傷者):65万3582人(1984)、105万9403人(1999)、91万5029人(2009)、58万4544人(2017)[1]
  • 鉄軌道交通事故(死傷者):1538人(1984)、689人(1999)、683人(2009)、561人(2017)[1]
  • 海上交通事故(死者・行方不明者):252人(1984)、146人(1999)、142人(2009)、54人(2017)[1]
  • 航空交通事故(民間機のみ):46人(1984)、26人(1999)、9人(2009)、28人(2017)[1]

道路交通事故の類型

乗用車がに正面から衝突した単独事故
横転事故を起こしたトラックミキサ
警察による交通事故処理の現場(兵庫県西宮市
十字路での比較的軽微な接触事故
緊急走行で赤信号を通過中のパトロールカーが徐行せず、乗用車と衝突事故

交通事故には人身事故と物損事故がある[3]。また、事故類型には次のようなものがある(参考「自動車保険データにみる 交通事故の実態」)[3]

  • 人対車両
  • 車両対車両(車両相互事故)
    • 正面衝突
    • 側面衝突
    • 出会頭衝突
    • 接触事故
    • 追突事故
    • 後退時衝突事故
  • 車両単独事故
    • 道路外逸脱
    • 構造物衝突
    • 車両横転
    • 車両転落

このほかに「車両対動物」の衝突事故も発生している(詳細は轢死#ロードキルを参照)。日本自動車連盟(JAF)は動物と衝突しないための注意や、衝突した場合における警察への届け出と(可能ならば)動物の救護・除去、後続車の通行の妨げになりかねない動物の死骸を発見した時の道路緊急ダイヤルへの通報を勧めている[4]


注釈

  1. ^ 少なくとも、交通事故証明書が発行されない交通事故は警察へ届け出なくても良いと言う明文の規定が存在しない。
  2. ^ ANNGLE(アングル)の記事では世界で2番目に多いとあるが、WHOの2019年のデータでは、世界で2番目ではなく17番目であり、アジアの中で最も高い死亡率であった[15]
  3. ^ 自動車走行台キロ当たり(区間毎の交通量と道路延長を掛け合わせた値であり、道路交通の量を表す。)の死傷事故件数を表す指標で、1万台の車が1万㎞走行した場合に起こる死傷事故件数を表します。死傷事故率の減少は、道路を走行する際に事故に遭う確立が減少し、安全性が向上することを意味します。
  4. ^ 予想通りに不合理[要出典]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 『日本大百科事典』(ニッポニカ)「交通事故」
  2. ^ 平成26年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況 内閣府 2017年4月4日閲覧
  3. ^ a b 自動車保険データにみる 交通事故の実態 日本損害保険協会 2017年4月4日閲覧
  4. ^ 野生動物と遭遇、衝突したら”. 日本自動車連盟ホームページ. 2017年12月28日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 交通事故統計用語解説集”. 交通事故総合分析センター. 2017年4月4日閲覧。
  6. ^ アンケート調査に見る交通事故経験者344名の本音「ドライバーの5人に2人は初期対応に不安」 交通事故弁護士相談広場 2021年1月21日閲覧
  7. ^ 第3章 救護救出要領 サイト:総務省消防庁
  8. ^ 淳一, 北山 (2020). “二次救急医療機関でバックボードを安全に除去するために”. 日本外傷学会雑誌 34 (3): 106–110. doi:10.11382/jjast.34.3_05. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjast/34/3/34_34.3_05/_article/-char/ja/. 
  9. ^ Matsuoka et al. "Incidence and prediction of psychiatric morbidity after a motor vehicle accident in Japan: The Tachikawa Cohort of Motor Vehicle Accident Study." Crit Care Med. 2007 35:
  10. ^ 2010年4月8日号 週刊文春『チョー人気芸能人の事故はなぜ続く?』より。
  11. ^ 大杉漣、57歳で運転免許取得 タクシー運転手役で一念発起”. ORICON NEWS (2010年9月3日)
  12. ^ “芸能人の交通事故多発の原因は? 制作費削減、スター不在影響”. 産経新聞. (2010年5月8日). https://web.archive.org/web/20100511190326/http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100508/tnr1005080800002-n1.htm 2011年1月10日閲覧。 
  13. ^ Global health estimates: Leading causes of DALYs (Excel) (Report). 世界保健機関. 2020年12月. Download the data > GLOBAL AND BY REGION > DALY estimates, 2000–2019 > WHO regions. 2021年3月27日閲覧
  14. ^ a b c d Estimated road traffic death rate (per 100 000 population)”. World Health Organization (2021年2月9日). 2021年3月27日閲覧。
  15. ^ a b KEN (2015年1月11日). “タイは交通事故が世界で2番目に多い国!その防止策とは?”. ANNGLE(アングル). 2020年1月25日閲覧。
  16. ^ “https://www.thebangkokinsight.com/news/politics-general/general/1084307/(ソンクラーン休暇の危険な7日間、合計6日間で死者236人、負傷者 2,005人、事故2,008件が発生。スピード違反や居眠り運転を厳重に取り締まる。)” (タイ語). The Bangkok Insight. (2023年4月17日). https://www.thebangkokinsight.com/news/politics-general/general/1084307/ 2023年6月5日閲覧。 
  17. ^ 警察庁交通局交通企画課 (2023年5月22日). “令和5年春の全国交通安全運動期間中の交通事故発生状況” (PDF,Excel). 2023年6月5日閲覧。
  18. ^ 警察庁交通局交通企画課 (2021年4月16日). “春の全国交通安全運動期間中の交通事故発生状況” (PDF,Excel). 2021年4月20日閲覧。
  19. ^ a b c 総務省統計局 (2022-03). 総務省統計研修所. ed. “第14章 国民生活・社会保障 14-3 交通事故” (日本語). 世界の統計 2022年: 250. ISBN 9784822340858. https://www.stat.go.jp/data/sekai/0116.html#c14 2022年3月7日閲覧。. 
  20. ^ 調査年次は2017年であるが、一部の国は、2015年と2016年。45か国・地域のデータ。原資料はIRF, World Road Statistics 2019。但しアメリカはWorld Road Statistics 2018
  21. ^ 総務省統計局 (2022-03). 総務省統計研修所. ed. “第8章 運輸・観光  8-2 自動車保有台数” (日本語). 世界の統計 2022年: 146-147. ISBN 9784822340490. https://www.stat.go.jp/data/sekai/0116.html#c08 2022年3月7日閲覧。. 
  22. ^ 図録▽交通事故死の状態別比率の国際比較”. 社会実情データ図録 (2006年10月29日). 2009年8月29日閲覧。データは2004年。
  23. ^ a b 令和3年交通安全白書 参考-2 海外の交通事故発生状況 第1図 人口10万人当たりの交通事故死者数(2018年)”. 内閣府 (2021年6月15日). 2021年7月17日閲覧。
  24. ^ a b 内閣府 (20 June 2023). 令和5年版交通安全白書 第1編 陸上交通 第1部 道路交通 第1章 道路交通事故の動向 第1節 道路交通事故の長期的推移 (PDF) (Report). 2023年7月9日閲覧
  25. ^ a b c d e f 警察庁交通企画課 (7 March 2024). 交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について (Excel) (Report). 総務省統計局. 2024年4月13日閲覧
  26. ^ 一般財団法人 自動車検査登録情報協会 (31 January 2024). 自動車保有台数 (Report). 2024年4月13日閲覧
  27. ^ 警察庁 (2005). 平成17年 警察白書 第1章 世界一安全な道路交通を目指して 第1節 交通事故との闘いの軌跡 (Report). 2019年5月28日閲覧
  28. ^ 警察庁交通企画課 (2024年3月29日). “30日以内交通事故死者の状況について” (Excel). e-Stat政府統計の総合窓口. 2024年4月13日閲覧。
  29. ^ a b c d 犯罪白書>令和5年版の犯罪白書>目次>第4編 各種犯罪の動向と各種犯罪者の処遇>第1章 交通犯罪>第2節 犯罪の動向>1 交通事故の発生動向>4-1-2-1図 交通事故 発生件数・死傷者数の推移(Excel)”. 法務省 (2023年12月). 2024年4月13日閲覧。
  30. ^ 交通事故の死亡者8年ぶりの増加―2023年 : コロナ禍収束、行動制限解除が影響?”. ニッポンドットコム. ニッポンドットコム (2024年1月9日). 2024年4月13日閲覧。
  31. ^ 警察庁交通企画課 (7 March 2024). 令和5年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について 年齢層別死者数の推移 (Excel) (Report). 総務省統計局. 2024年4月13日閲覧
  32. ^ 警察庁交通企画課 (3 March 2016). 平成27年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況について (Excel) (Report). 総務省統計局. 2024年4月13日閲覧
  33. ^ 警察庁交通企画課 (2024-03-0). 令和5年における交通事故の発生状況等について (PDF) (Report). 2024-04-13閲覧 {{cite report}}: |date=の日付が不正です。 (説明)
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  36. ^ 厚生労働省 (15 September 2023). 令和4年(2022)人口動態統計(確定数)の概況 統計表 第7表 死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対) (PDF) (Report). 2023年11月12日閲覧
  37. ^ 「全国で交通死亡事故ゼロの日」4月8日に初達成 統計から53年”. 毎日新聞. 2022年3月7日閲覧。
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  40. ^ 東京だけで交通事故の死傷者一万人『東京日日新聞』昭和2年8月15日(『昭和ニュース事典第1巻 昭和2年-昭和4年』本編p230 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
  41. ^ 交通事故の現状”. 国土交通省
  42. ^ 内閣府 (July 2018). 平成30年交通安全白書 第1編 陸上交通 第1部 道路交通 第1章 道路交通事故の動向 第1節 道路交通事故の長期的推移 (Report). 2019年5月28日閲覧
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  44. ^ 自賠責保険料を引き下げへ 平均7%程度、2017年4月契約から”. ほけんJP.
  45. ^ “【独自】都内で3日間で1200人以上免許返納 池袋暴走・母子死亡後”. FNN. (2019年5月10日). オリジナルの2019年5月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190514065033/https://www.fnn.jp/posts/00417427CX 2020年5月21日閲覧。 
  46. ^ “都内で免許返納、池袋暴走事故後に8割増…大半が高齢者”. 読売新聞. (2019年11月6日). オリジナルの2020年5月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191110130937/https://www.yomiuri.co.jp/national/20191106-OYT1T50231/ 2019年11月6日閲覧。 
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  48. ^ 警察庁交通局交通企画課 (2021年4月16日). “春の全国交通安全運動期間中の交通事故発生状況  2(5)日別死者数” (Excel). 政府統計の総合窓口(e-Stat). 2021年4月20日閲覧。
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  50. ^ “交通死者数、21年で600人過少計上 愛知県警が訂正”. 朝日新聞. (2013年2月9日). http://www.asahi.com/national/update/0209/NGY201302080031.html 2013年2月9日閲覧。 
  51. ^ a b c d e f g h i 7ヶ国における交通安全政策と規制の変遷 (1950年~2010年) 国際交通安全学会 2017年4月4日閲覧
  52. ^ a b 中華民国交通部 (2018年). “主要國家交通統計比較 3-13” (PDF,Excel). 2020年5月10日閲覧。
  53. ^ a b 中華民国交通部 (2018年). “主要國家交通統計比較 3-14 道路交通事故死亡人數” (PDF,Excel). 2020年5月10日閲覧。
  54. ^ a b 中華民国交通部 (2018年). “交通統計要覽 3-15 道路交通事故及違規概況” (PDF,Excel). 2020年1月26日閲覧。






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