不二家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 06:15 UTC 版)
不二家数寄屋橋店(銀座クリスタルビル1F) | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | |
本社所在地 |
日本 〒112-0012 東京都文京区大塚2-15-6 オーク音羽ビル |
設立 |
1938年(昭和13年)6月30日 (創業:1910年(明治43年)) |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 3010001034910 |
事業内容 | 菓子食品の製造販売、および喫茶・食堂の経営 |
代表者 |
代表取締役会長 山田憲典 代表取締役社長 河村宣行 |
資本金 |
182億80百万円 (2020年12月31日現在) |
発行済株式総数 |
2,577万6,200株 (2021年12月31日現在) |
売上高 |
連結:990億85百万円 単体:785億25百万円 (2020年12月期) |
純利益 |
連結:10億46百万円 単体:4億28百万円 (2020年12月期) |
純資産 |
連結:502億84百万円 単体:400億81百万円 (2020年12月31日現在) |
総資産 |
連結:713億67百万円 単体:548億94百万円 (2020年12月31日現在) |
従業員数 |
連結:2,199人 単体:1,172人 (2020年12月31日現在) |
決算期 | 12月31日 |
主要株主 |
山崎製パン株式会社 54.3% 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 3.7% 不二家不二栄会持株会 3.1% 株式会社バンダイナムコホールディングス 1.9% 株式会社りそな銀行 1.7% (2021年12月31日現在) |
主要子会社 | 関連会社の項目を参照 |
関係する人物 |
藤井林右衛門(創業者) 藤井総四郎(3代目社長) 藤井林太郎(6代目社長) 桜井康文(7代目社長) 峯野龍弘(元社外取締役) 酒井美紀(社外取締役) |
外部リンク | 株式会社不二家 |
カスタマーメッセージは「すべてを『おかあさんのきもち』で」。
概要
社名は、創業者である藤井家の「藤」と日本のシンボルである「富士山」、そして「二つと無い存在に」(不二)との意から。不二家のシンボルマークである「ファミリーマーク」のFには、不二家のイニシャルのほか、ファミリア(親しみやすい)、フラワー(花)、ファンタジー(夢)、フレッシュ(新鮮)、ファンシー(高級な・かわいらしい)の5つの意味が含まれている。デザイナーはレイモンド・ローウィ[1]。
1960年代に、インダストリアルエンジニアリング(IE)やコーポレートアイデンティティ(CI)という、当時としては革新的な経営管理手法を導入し、フランチャイズチェーンの展開へつなげた。
イメージマスコットは、ペコちゃんとポコちゃん。キャッチコピーは「おいしさは、しあわせに向かう」である。ペコちゃんとポコちゃんは、日本ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダース像に続いて、立体商標として1998年6月19日に登録された。
本社は、東京都文京区大塚に所在。後述の期限切れ原材料使用問題による業績悪化を最小限に抑えるため、東京都中央区銀座7丁目の本社ビルを売却し、2008年7月1日に現在地に移転した。
不二家では2月28日を「不二家の日」として感謝のキャンペーンを行っている[2]。
沿革
- 1910年(明治43年)
- 1914年(大正3年)- 元町店の隣に喫茶店「ソーダ・ファウンテン」を開業。
- 1922年(大正11年)1月 - 伊勢佐木町店開店。
- 1923年(大正12年)
- 8月 - 銀座店開店。
- 9月 - 関東大震災で被災、銀座店・伊勢佐木町店・元町店が火災で焼失。
- 1924年(大正13年)- 銀座店・伊勢佐木町店をバラック建てで営業再開。元町店は閉店。
- 1927年(昭和2年)1月31日 - 黒色青年同盟の暴徒が銀座を襲撃。銀座店が被害を受ける[3]。
- 1930年(昭和5年)
- 1931年(昭和6年)
- 3月 - 銀座工場完成。
- 5月 - 心斎橋店開店。
- 1934年(昭和9年)6月 - 四条店開店。
- 1938年(昭和13年)
- 2月 - 伊勢佐木町店(現・横浜センター店)を再建。
- 6月 - 株式会社第二不二家を設立。
- 9月 - 株式会社第二不二家が、合名会社不二家を合併。
- 12月 - 株式会社第二不二家が、株式会社不二家に商号変更。
- 1946年(昭和21年)8月 - 本社を東京都中央区銀座七丁目2番17号に移転。
- 1948年(昭和23年)- 藤井誠司(創業者・藤井林右衛門の次男)が2代目社長に就任( - 1969年)。
- 1950年(昭和25年)- マスコットキャラクター「ペコちゃん」制定(翌年には「ポコちゃん」も制定)。
- 1951年(昭和26年)- 静岡県沼津市の工場において、主力商品の一つとなるミルクソフトキャンディ「ミルキー」を開発。同年販売開始[4]。
- 1953年(昭和28年)10月 - 銀座に数寄屋橋店開店。
- 1954年(昭和29年)-「パラソルチョコレート」の販売開始[5]。
- 1956年(昭和31年)10月 - 藤井食品合名会社が、合名会社不二家(2代目)に商号変更。
- 1957年(昭和32年)6月 - 数寄屋橋店にフランスキャラメルの広告大看板登場。
- 1958年(昭和33年)11月 - 株式会社不二家が、合名会社不二家(2代目)を吸収合併。
- 1959年(昭和34年)9月 - 神奈川県平塚市に平塚工場完成。
- 1962年(昭和37年)
- 1963年(昭和38年)10月 - フランチャイズチェーン展開開始、フランチャイズ1号店として京都伏見店を開店。
- 1964年(昭和39年)- 桃の果汁飲料「不二家ネクター」の販売開始。
- 1965年(昭和40年)2月 - 東証、大証、名証、それぞれ第1部に指定替え。
- 1968年(昭和43年)
- 1969年(昭和44年)- 藤井総四郎(藤井林右衛門の4男)が3代目社長に就任( - 1985年)。
- 1973年(昭和48年)
- 英国ロントリー・マッキントッシュ社(1988年にネスレに買収された)と提携し、キットカットを発売する。
- 12月 - 米国バスキン・ロビンス社との合弁会社として、ビー・アールジャパン株式会社(現在のB-R サーティワン アイスクリーム)を設立し、アイスクリームチェーン「サーティワン アイスクリーム」の店舗展開開始。
- 1977年(昭和52年)- 米国ペプシコ社と合弁で不二家フリトレーを設立(1990年に提携解消)。
- 1978年(昭和53年)3月 - 子会社・株式会社不二家ロードサイドレストランを設立。翌4月、ロードサイド店舗1号店として川口青木店開店。
- 1982年(昭和57年)- 仏国パリの洋菓子店「ダロワイヨ」とライセンス契約。
- 1984年(昭和59年)12月 - 不二家脅迫事件が発生。一連の事件は「グリコ・森永事件」として有名。
- 1985年(昭和60年)- 藤井和郎(藤井林右衛門の6男)が4代目社長( - 1989年)、藤井五郎(藤井林右衛門の5男)が会長に就任(〜1989年)。
- 1989年(平成元年)
- 藤井俊一(藤井五郎の息子)が5代目社長に就任( - 1995年)。
- 6月 - ネスレ社との菓子製造販売の合弁会社として、ネスレマッキントッシュ株式会社。を設立。のち2000年10月に株式売却。
- 10月 - 完全子会社として株式会社ダロワイヨジャポンを設立。
- 1990年(平成2年)6月 - 静岡県裾野市に富士裾野工場完成。
- 1995年(平成7年)- 藤井林太郎(藤井誠司の息子)が6代目社長に就任( - 2007年)。
- 1998年(平成10年)-「ペコちゃん・ポコちゃん」人形が特許庁から立体商標第一号として認可。
- 2003年(平成15年)- 藤井義郎と藤井正郎(いずれも藤井総四郎の息子)が取締役に就任。
- 2004年(平成16年)- 不二家ロードサイドレストランが、不二家の外食部門を統合し、株式会社不二家フードサービス(初代)に商号変更。
- 2005年(平成17年)- 藤井隆三(藤井和郎の息子)が不二家フードサービスの社長に就任。
- 2007年(平成19年)
- 1月11日 - 消費期限切れの材料で一部洋菓子の製造が行なわれていたことが報道され、すべての洋菓子製品の製造販売を休止(後節にて記述)。
- 1月15日 - 期限切れ原材料使用問題により、社長の藤井林太郎が責任放棄する形で辞任表明。
- 1月22日 - 桜井康文取締役が7代目社長に就任。
- 3月26日 - 山崎製パンと資本業務提携、休止していた製品の製造販売を再開。
- 4月11日 - 山崎製パンに対して第三者割当増資を実施し、同社の持分法適用会社(35%出資)となる。
- 8月1日 - 不二家フードサービス(初代)がレストラン事業について会社分割を行い、株式会社エフアンドビイが事業承継。同時に、エフアンドビイは株式会社不二家フードサービス(2代目)に、不二家フードサービス(初代)は株式会社FFSに、それぞれ商号変更。
- 8月31日 - 銀座店閉店。
- 2008年(平成20年)
- 2010年(平成22年)8月25日 - ペコちゃんの新衣装を新宿高島屋でお披露目した。
- 2011年(平成23年)
- 2014年(平成26年)4月1日 - タカラブネやスイートガーデンを展開するスイートガーデンを、プレシアホールディングスから9億5000万円で取得し完全子会社とする。
- 2015年(平成27年)7月11日 - 平塚市美術館で「ペコちゃん展」開催。
- 2019年(平成31年)2月14日 - 河村宣行取締役が8代目社長に就任。
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和3年)
注釈
出典
- ^ ロゴの秘密|ルック|不二家
- ^ 不二家 - 「2月28日は不二家の日」
- ^ 講演会解散命令に憤慨し銀座で大暴れ『東京朝日新聞』大正15年2月1日(『大正ニュース事典第7巻 大正14年-大正15年』本編p193 大正ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
- ^ “ミルキー「発祥の地」に不二家なぜない? 地元愛で復活”. 朝日新聞 (2020年9月18日). 2020年9月18日閲覧。
- ^ 【不二家】変わらぬ“ハイカラ”さが魅力「パラソルチョコレート」(男の浪漫伝説 Vol.83) | ドリームメール
- ^ “還暦”ペコちゃん ジュニアモデル風に衣替え スポーツニッポン 2010年8月26日付ニュース
- ^ “ペコちゃん棋戦”叡王戦に不二家のお菓子ボックスが登場!早くも将棋界で大反響 abemaタイムズ 2020年11月1日付
- ^ “新業態「milky70 since1951」オープン” (PDF). 株式会社不二家 (2021年2月26日). 2023年8月28日閲覧。
- ^ “俳優の酒井美紀さん取締役就任へ 洋菓子の不二家”. 共同通信 (2021年2月10日). 2021年2月10日閲覧。
- ^ “第126期 株主のみなさまへ”. 株式会社不二家 (2021年3月30日). 2021年5月3日閲覧。
- ^ “連結子会社の吸収合併に関するお知らせ”. 株式会社不二家 (2021年2月9日). 2021年5月3日閲覧。
- ^ “カン入りジュース また大量スズ 都、六社に回収指示”. 朝日新聞. (1970年12月4日)
- ^ “不二家 不正使用発覚から10日、再開のめど立たず”. フジザンケイビジネスi. (2007年1月20日). オリジナルの2007年1月21日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ 不二家社長が謝罪、洋菓子販売を一時休止 日本経済新聞、2007年1月11日報道
- ^ “不二家が隠ぺい文書、全国894店舗休止”. 日刊スポーツ. (2007年1月12日). オリジナルの2007年1月13日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ “不二家:埼玉工場 ネズミ、実は485匹捕獲 内部文書”. MSN毎日インタラクティブ. (2007年1月26日). オリジナルの2007年1月28日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ “不二家:腹痛やおう吐を訴える苦情数件 問題発覚後”. MSN毎日インタラクティブ. (2007年1月14日). オリジナルの2007年1月15日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ “不二家、食中毒を公表せず 大阪で95年、9人が発症”. asahi.com. (2007年1月17日) 2022年9月15日閲覧。
- ^ 不二家社長に「改善」要求、厚労・農水両省 日本経済新聞、2007年1月17日報道
- ^ “「ない」はずのマニュアル確認 不二家埼玉工場立ち入り”. asahi.com. (2007年1月17日) 2022年9月15日閲覧。
- ^ 不二家、消費期限は短めに設定 農水省調査に回答 共同通信社 2007年1月18日報道
- ^ 不二家の不祥事また発覚!チョコ製品に蛾の幼虫混入とのクレーマー北海道 サンケイスポーツ 2007年1月20日報道
- ^ “不二家:チョコにガの幼虫、クレーマ4件目 回収せず”. MSN毎日インタラクティブ. (2007年1月28日)
- ^ “大腸菌回収、本社より10倍緩い基準 不二家泉佐野工場”. asahi.com. (2007年1月26日) 2022年9月15日閲覧。(実際に検出されたのは大腸菌ではなく大腸菌群)
- ^ “消費期限延長は「食品衛生法違反も」不二家巡り埼玉県”. asahi.com. (2007年1月27日) 2022年9月15日閲覧。
- ^ 東京新聞 2007年1月27日報道
- ^ “不二家製品を撤去、食品スーパーで相次ぐ”. NIKKEI NET (日本経済新聞). (2007年1月14日). オリジナルの2007年1月17日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ “不二家商品を相次ぎ撤去”. 日刊スポーツ. (2007年1月15日). オリジナルの2007年3月11日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ “ペコちゃんが泣いている!~ペコちゃん焼き販売自粛に惜しむ声続出”. JANJAN. (2007年1月17日). オリジナルの2007年3月11日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ 22日不二家が買い気配、新社長に桜井氏 ラジオ日経 2007年1月22日報道
- ^ “不二家の藤井前社長、サーティーワンの社外取締役も辞任”. asahi.com. (2007年1月27日) 2022年9月15日閲覧。
- ^ “不二家の全飲料製品、サッポロ飲料が2月から販売休止”. 読売新聞. (2007年1月30日)
- ^ “不二家、「TBS朝ズバッ」に事実誤認と申し入れ”. asahi.com. (2007年3月28日). オリジナルの2007年5月10日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ “不二家チョコ再利用報道、大筋間違いなしとTBS”. 読売新聞. (2007年3月28日). オリジナルの2007年4月1日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ 第2回「信頼回復対策会議最終報告」記者会見 株式会社不二家 ニュースリリース 2007年4月3日
- ^ 1月22日放映のTBS『朝ズバッ!』での不二家関連報道に関する問題について 株式会社不二家 ニュースリリース 2007年4月3日
- ^ みのもんたの朝ズバッ!が不二家に謝罪 日刊スポーツ 2007年4月18日報道
- ^ “不二家:4カ月ぶりにTVCM再開 ペコちゃんも登場”. MSN毎日インタラクティブ. (2007年5月10日). オリジナルの2007年5月13日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ “不二家に外資ファンドの触手も 業界再編焦点”. 産経新聞. (2007年1月17日)
- ^ 山崎製パン株式会社からの食品安全衛生管理体制の整備の支援等について 株式会社不二家 ニュースリリース 2007年2月5日
- ^ 株式会社不二家に対する食品安全衛生管理体制の整備の支援等について 山崎製パン株式会社 ニュースリリース 2007年2月5日
- ^ 株式会社不二家への支援について 森永製菓株式会社 ニュースリリース 2007年2月2日
- ^ “不二家が森永製菓株を売却、売却益は4.2億円”. Reuters. (2007年5月8日) 2022年9月15日閲覧。
- ^ “不二家が「安全宣言」、菓子の生産再開”. NIKKEI NET. (2007年3月2日). オリジナルの2007年3月3日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ “不二家、加工菓子の生産再開 洋菓子販売は23日から”. フジザンケイビジネスi. (2007年3月2日). オリジナルの2007年3月4日時点におけるアーカイブ。 2022年9月15日閲覧。
- ^ “「発売から71年」ミルキーのCMが時代によって大きく変わる理由”. FRIDAY (2022年5月1日). 2022年7月1日閲覧。
- ^ 『プロゴルファー 菅沼菜々選手とのスポンサー契約を締結』(プレスリリース)株式会社不二家(PR TIMES)、2022年8月30日 。2023年10月9日閲覧。
- ^ 『ハートチョコレートブランドより姉妹商品登場! 「ショコラウェファース袋」発売』(プレスリリース)株式会社不二家(PR TIMES)、2023年9月19日 。2023年10月9日閲覧。
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