食品衛生 [Food hygiene(日,英),Food sanitation,Food control (米)]
(1)食糧の生産段階(栽培、収穫、養殖、漁獲)
(2)食品の製造・加工工程(設備、材料、機械、容器、包装)
(3)食品の流通過程(貯蔵、運搬)
(4)販売段階(包装、保存、販売)
(5)消費段階(調理、保存)
などの各過程が対象になり、その過程で食品への汚染、変質、腐敗などを防ぐ衛生対策がなされる。そのほかにこれらの過程での整備、指導、監視などが行われる。
食品衛生の対象となる生物や物質は (1)有害微生物(病原微生物、腐敗・変質微生物など)
(2)生物がもっている有毒成分(動植物毒、細菌・真菌毒素、発癌性物質など)
(3)化学物質(食品添加物、有害物質など)
(4)寄生虫
(5)その他(放射能、異物、死骸など)である。
食品衛生の検査法については昭和22年(1947年)に制定され、その後改定された法律「食品衛生法」に基づいて、厚生省で設けられた専門委員会によって作成、改定された「食品衛生検査指針」があり、この指針とは別に試験法として日本薬学会協定の「衛生試験法」がある。また、上記の法律に基づいて、食品の製造業務上では「食品衛生管理者」をおくことが義務づけられており、公的には都道府県や政令都市で任命された「食品衛生監視員」が食品の監視業務に当たっている。現在では食品の製造・加工や流通の多様化にともなって、衛生上の問題もきわめて多岐にわたっているので、公害や食中毒など環境衛生や医療衛生と密接に関係している。最近、各種食品の製造過程での衛生管理を徹底させるために、危害分析重要管理点(ハセップ)とよばれる世界的レベルでの品質管理方法が各国で指導・実施されようになった。
食品衛生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/14 16:55 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動食品衛生(しょくひんえいせい)は、食品を安全な状態に保ち、飲食によって起こる衛生上の危害を防止するための知識、技術をいい[1]、公衆衛生の一分野である。
概要
具体的には、飲食物および関連する添加物、器具、包装容器などを衛生的な状態に保ち、汚染や変質を原因とする事故を防止することをいう[1]。
日本においては、国立公衆衛生院院長(当時)の古屋[2]は、「食品衛生とは、食品の純正を保ち、その汚染変質等を防止することを主眼とする。食品の汚染変質により食中毒を起こすことが多いが、食中毒の原因を調べその予防対策を講じることが食品衛生の実際面である。」とする。
また、千葉大学腐敗研究所・助教授(当時)の柳沢[3]は、「食品衛生とは飲食物によって健康が害されぬようにする衛生にして、すなわち食品を純正に保って悪変、汚染、危険を防止することに主点がおかれている。飲食物そのものだけの衛生のみに限局せず、それに直接、間接に関連する衛生の問題を含まねばならぬ。」として、古屋よりも広く定義している。
世界においては、1956年、WHOの環境衛生専門家委員会(Expert Committee on Environmental Sanitation)の第4次報告書で、食品衛生(Food hygiene)の定義を「”食品衛生”とは、生育、生産、製造から最終的に人に摂取されるまでのすべての段階において、食品の安全性、健全性、および正常性を確保するために必要なあらゆる手段を意味する」と定義している。
The following definitions were adopted for the purpose of this report : (3)"Food hygiene" means all measures necessary for ensuring the safety,wholesomeness,and soundness of food at all stages from its growth,production,or manufacture until its final consumption.
公衆衛生の他の典型的な区分としては疫学、生物統計学、医療制度がある。環境・社会・行動、職業なども重要な分野である。
脚注
注釈
出典
- ^ a b 食品保健研究会(編) 1989, p. 27.
- ^ 古屋芳雄編「公衆衛生学」第1輯、日本臨牀社、1948年1月
- ^ 柳沢文徳「食品衛生」共立出版、1952年6月、p.1
参考文献
- 『知っておきたい食品衛生 六訂版』食品保健研究会(編)、厚生省生活衛生局食品保健課(監修)、大蔵省印刷局、1989年。ISBN 978-4-17-217507-0。
関連項目
食品衛生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/09 14:49 UTC 版)
イリノイ州ヴァーノン・ヒルズ(英語版)のチリーズ・グリル・アンド・バーで2003年に起きた深刻なサルモネラ中毒事件と1993年にジャック・イン・ザ・ボックスで4名の死者を出した腸管出血性大腸菌O157中毒事件を受け、テレビニュース番組デイトライン・NBC(英語版)が2004年に米国で人気のファミリーレストランの食品衛生について調査を行ない、立ち入り調査ごとに明らかになった重大な違反の件数を調べた。これによると、ワッフル・ハウスには立ち入り調査一回につき平均1.6件の重大な違反が認められた。それに対し、ワッフル・ハウスは、全ての食事はオープンキッチンで調理されているため、消費者は食品の安全性を確保する手段をその目で見ることができると反論した。
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