ソーシャル・ネットワーキング・サービス 問題点

ソーシャル・ネットワーキング・サービス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/16 09:19 UTC 版)

問題点

犯罪被害・個人情報漏洩
  • 写真や個人情報を不用意に公開してしまうことで、最悪の場合、犯罪に巻き込まれる恐れがある[21]。一見個人情報には結びつかないものでも、過去の投稿内容や、写真に写っている被写体(背景や周囲、物体に反射して写っているもの)、写真データの位置情報などの断片的情報から、学校や職場、氏名や交友関係などが特定される可能性がある。2019年には、瞳に映る景色から住所を特定したストーカーに、女性が襲われる事件が発生している[22][23]
  • 警察庁の発表によれば、2019年にSNSを通じて事件に巻き込まれた18歳未満の子供は過去最多の2,082人(対前年比271人(15.0%)増)で、被害者は高校生1,044人、中学生847人(対前年比223人(35.7%)増)、小学生72人(この10年間で5倍になった)など。罪種別では青少年保護育成条例違反844人、児童ポルノ671人、児童買春428人、強制性交等49人、略取誘拐46人、児童福祉法違反28人、強制わいせつ15人など。SNSではTwitter807人、ひま部307人、Instagram120人、LINE81人、マリンチャット70人など。フィルタリング機能の利用の有無を確認し得た1,772人のうち一度も利用していないのは77.4%だった[24]
精神衛生
  • よく知られているように、ハーバード大学医学部は2022年5月、ソーシャルメディアと若者のメンタルヘルスへの悪影響との間に関連性があることが知られていると発表した[25]
  • 意外なことに、一部のユーザーにも気分的なメリットがあることを示す証拠がある。友人へのダイレクトメッセージの送信やプロフィール写真の更新など、積極的で自己中心的な活動は、気分を悪化させる可能性が低い[25]
  • SNS上で、他人と自分を比較して鬱状態になるユーザーが多い傾向にある。例にすると、Facebook上では多くの人が生活の中のよい出来事のみを投稿してしまうため、ユーザーは相手のハイライト・シーンと自身を比較してしまい、相手の生活がよいものに見え、そのギャップで精神的な悪影響を及ぼす恐れがある[26][27]
  • 一部のSNSでは、会社の幹部が部下に対し、友達になることや「いいね」を入れることを強要するなど、「ソーシャル・ハラスメント(ソーハラ)」行為が問題となっている[28]
  • SNS上での誹謗中傷による被害が深刻化している。ソーシャルメディア利用環境整備機構総務省法務省は、SNS事業者と共同で適正な利用を呼びかける特設サイトを2020年7月に開設。「#No Heart No SNS」をスローガンとして啓発活動を行うことを発表した[29]
情報の信頼性
  • 地震風水害などの災害時や、社会的に注目を浴びる事件・事故の発生時などに、SNSを通じてさまざまなが拡散しやすい[30][31]。SNSの流言は爆発的に拡散する[32]2011年東日本大震災2016年熊本地震2018年大阪北部地震2019新型コロナウイルス2020年アメリカ大統領選挙などでデマ拡散が問題視された。流言を打ち消す否定情報には拡散抑制効果があるが、否定情報が浸透するスピードは流言によって異なり、恐怖感情を伴った流言を打ち消す場合は浸透スピードが速い[32]。Twitterの場合、デマを拡散するユーザの特徴として、ツイートに占めるリツイートの割合が高いことが確認されている[33]。自分がデマ拡散者にならないためには、(裏が取れている)デマ拡散ユーザーリストにあるユーザーと、リツイートの多いユーザを排除することが有効である[33]
  • SNS上のニュースは信用できないという前提がある。2017年1月24日から26日に811人の日本経済新聞電子版読者を対象に行われた調査によると、「信用しない」との答えが87.1%に上り、「信用する」の12.9%を大きく上回った[34]。前者の立場に立つ者からは「大手メディアは裏取り後に情報掲載をするため、ある程度信頼感があるが、SNSのニュースはソースを含め真偽不明確が多い」(65歳、男性)「中には正しい情報もあると思うが、裏を取れない情報は虚偽の可能性があると思って受け取る」(58歳、男性)「SNSの最大の問題点がこの『偽情報』だと思う。事実とは全く異なる情報を発信する(できる)仕組みに大きな問題があると思う」(53歳、男性)との指摘があった[34]。一方で、後者の立場に立つ者の中には「SNS自体は手段でしかないので、発信元を確認する必要は他のWebメディアと大きく変わらない」(41歳、男性)「SNSという理由だけで、無条件で信じないとはしない。ニュースソースの明示状況等がちゃんとなされていれば、一定の信用性はある場合もある」(33歳、男性)など、情報源を確認することを前提に、SNSをニュース情報を入手するツールの一つとして前向きに活用する者もいる[34]

  1. ^ https://news.mynavi.jp/article/sns-1/
  2. ^ Twitterについての調査レポートP16 (PDF) - ネットマイル
  3. ^ Twitterヘルプ ツイッターとは?、2010年5月14日閲覧(2009年12月26日時点のアーカイブ
  4. ^ https://www.cnet.com/news/twitters-not-a-social-network/
  5. ^ 朝日新聞2022年2月27日 (Sunday World Economy)SNS中傷、事業者にも厳しい視線:朝日新聞デジタル
  6. ^ The Network Nation」S. Roxanne Hiltz、Murray Turoff 共著 (アジソン・ウェスレイ出版, 1978, 1993)
  7. ^ Cotriss, David (2008-05-29). “Where are they now: TheGlobe.com”. The Industry Standard. https://www.infoworld.com/news/2008/05/29/where-are-they-now-theglobe-com. 
  8. ^ Romm-Livermore, C.、Setzekorn, K. 共著 (2008). Social Networking Communities and E-Dating Services: Concepts and Implications.、IGI グローバル社. 271頁
  9. ^ Knapp, E.著 (2006). A Parent's Guide to Myspace. DayDream Publishers. ISBN 1-4196-4146-8
  10. ^ Over 200 social networking sites、インフォジュース ウェブサイト、2008年1月19日掲載
  11. ^ Steve Rosenbush 著 (2005). News Corp.'s Place in MySpace、ビジネスウィーク誌, July 19, 2005. (MySpace 閲覧数の図)
  12. ^ "Social graph-iti": Facebook's social network graphing、エコノミスト誌 ウェブサイトの記事、2008年1月19日
  13. ^ セカンドライフはなぜ失敗したのか、そしてclusterはVRリビングルームで何を目指すのか? | TechCrunch Japan
  14. ^ myprofile.jp(フレンド相互リンク機能は2003年公開。2010年終了)
  15. ^ GOCOO閉鎖[1] [リンク切れ]
  16. ^ ブログ・SNSの経済効果の推計 平成21年7月 総務省情報通信政策研究所 調査研究部 (2009)
  17. ^ a b 平成の終わりに、“日本が生んだソーシャルメディア”、mixiを振り返る | 朝日新聞デジタル&M(アンド・エム)
  18. ^ “LINE1億人突破、次の標的”. 東洋経済オンライン (東洋経済新報社). (2013年1月18日). https://toyokeizai.net/articles/-/12564 2013年1月18日閲覧。 
  19. ^ なぜ? LINEからも逃げ出し始めた若者たち : 深読み : 読売新聞オンライン
  20. ^ 最新調査によれば、今の若者は(も)Facebook、Twitterがおキライ | ギズモード・ジャパン
  21. ^ 6-4 未成年者が使う場合”. 総務省 - 財団法人地方自治情報センター. 2015年5月21日閲覧。
  22. ^ 西川義経. “瞳に映る景色で住所特定……地下アイドルストーカー「住居侵入・強制わいせつ致傷」の異常手口”. 文春オンライン. 2020年7月8日閲覧。
  23. ^ ストーカー、「瞳に映った景色」で女性の自宅を特定 日本」『BBCニュース』、2019年10月11日。2020年7月8日閲覧。
  24. ^ “SNS通じ犯罪被害の子ども、最多 昨年2082人、中学生が大幅増加:朝日新聞デジタル”. (2020年3月14日). https://www.asahi.com/articles/DA3S14402504.html 
  25. ^ a b Salamon, Maureen (2022年5月1日). “Scroll smarter to protect your mental health” (英語). Harvard Health. 2022年5月4日閲覧。
  26. ^ SNS上で他人と自分を比較してばかりいる人はうつ症状であることが非常に多いことが判明
  27. ^ フェイスブックやめると幸せに? デンマークで千人調査
  28. ^ 上司が友達申請・いいね強要…「ソーハラ」増加 読売新聞 2013年1月10日
  29. ^ SNSの誹謗中傷減らすサイト開設 法務省など”. FNNプライムオンライン. 2020年8月13日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2020年7月23日閲覧。
  30. ^ 地震でデマ情報拡散 “冷静に行動を”|NHKニュース 2018年6月18日) - ウェイバックマシン(2018年6月24日アーカイブ分)
  31. ^ 東名高速事故でデマ情報拡散 11人を書類送検|NHKニュース 2018年6月19日) - ウェイバックマシン(2018年6月24日アーカイブ分)
  32. ^ a b 福長秀彦「「北海道胆振東部地震」と流言の拡散SNS時代の拡散抑制を考える」『放送研究と調査』第69巻第2号、NHK放送文化研究所、2019年、 48-70頁、 doi:10.24634/bunken.69.2_48
  33. ^ a b 岩橋瑠伊, 矢吹太朗「SNSにおいてフェイクニュースを拡散するユーザの特徴抽出」『第80回全国大会講演論文集』第2018巻第1号、2018年3月、 113-114頁、 NAID 170000176890
  34. ^ a b c SNSのニュース「信用しない」87% 日本経済新聞 2017/1/26 2:00





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