【アメリカ空軍】(あめりかくうぐん)
U.S Air Force(USAF).
アメリカ国防総省に属するアメリカの空軍で、アメリカ合衆国における軍事組織の一つ。
航空宇宙戦力によって、アメリカ合衆国とその国益を守ることを任務としている。
当初は海軍に属さない航空兵力は陸軍(陸軍航空隊)が受け持っていたが、第二次世界大戦後の「国家安全保障法」策定で戦闘機・爆撃機などの大型機とそれを運用する部隊が陸軍の指揮下から分離され、1947年9月18日に設立された。
陸軍航空隊時代の第一次世界大戦から今日まで、多くの戦争や紛争に関わってきた歴史を持ち、2000年代現在では7,000機以上の航空機を運用する世界最大の空軍となり、世界各地に空軍基地を持つ。
戦闘機や爆撃機、輸送機の他に大陸間弾道ミサイルを擁しており、制空や航空攻撃、人員・資材の輸送、核兵器の運用による抑止力の保持が任務の中心となっている。
空軍は連邦政府の行政機構上では「空軍省」に属している。
空軍省は文官である空軍長官を筆頭に、空軍の行政面に携わっている。
また、空軍の部隊管理の責任を有しているのは「空軍参謀本部」で、トップは空軍参謀総長が務める。
空軍参謀総長はアメリカ空軍軍人のトップであり、統合参謀本部の構成員にもなっているが、統合参謀本部に加わっている他三軍のトップ(陸軍参謀総長・海軍作戦部長・海兵隊総司令官)と同様、空軍の各部隊に対する作戦指揮の権限は持っておらず、部隊管理の最高責任者として部隊・兵器の即応態勢を維持し、必要に応じて統合軍に拠出できるようにするのが任務となっている。
主要軍団
航空軍
部隊名 | 司令部所在地 | 上級部隊 | 所属統合軍 | その他 |
第1空軍 | ティンダル空軍基地 (フロリダ州) | 航空戦闘軍団 | 北方軍 | 州兵主体。本土防空を担当。 |
第2空軍 | キースラー空軍基地 (ミシシッピ州) | 航空教育・訓練軍団 | 教育・訓練を担当。 | |
第3空軍 | ラムシュタイン空軍基地 (ドイツ連邦共和国) | 在欧米空軍 | 欧州軍 | 在欧米空軍唯一のメジャーコマンド。 |
第4空軍 | マーチ空軍予備役基地 (カリフォルニア州) | 空軍予備役軍団 | 輸送機・空中給油機主体。 | |
第5空軍 | 横田空軍基地 (日本国) | 太平洋空軍 | 太平洋軍 | 在日米軍の主要空軍部隊。 |
第7空軍 | 烏山(オサン)空軍基地 (大韓民国) | 太平洋空軍 | 太平洋軍 | 韓国駐留国連軍の一組織でもある。 |
第8空軍 | バークスデール空軍基地 (ルイジアナ州) | 地球規模攻撃軍団 | 戦略軍 | 戦略爆撃機を運用。 |
第9空軍 | ショウ空軍基地 (サウスカロライナ州) | 航空戦闘軍団 | 中央軍 | |
第10空軍 | カーズウェル空軍予備役基地 (テキサス州) | 空軍予備役軍団 | ||
第11空軍 | エルメンドルフ空軍基地 (アラスカ州) | 太平洋空軍 | 太平洋軍 | |
第12空軍 | デビスモンサン空軍基地 (アリゾナ州) | 航空戦闘軍団 | 南方軍 | |
第14空軍 | ヴァンデンバーグ空軍基地 (カリフォルニア州) | 空軍宇宙軍団 | 戦略軍 | 軍事衛星の運用やミサイル防衛を担当。 |
第18空軍 | スコット空軍基地 (イリノイ州) | 航空機動軍団 | 輸送軍 | 輸送機・空中給油機を運用。 航空機動軍団唯一のメジャーコマンド。 |
第19空軍 | ランドルフ空軍基地 (テキサス州) | 航空教育・訓練軍団 | 主に飛行教育を担当。 | |
第20空軍 | フランシス・E・ワーレン空軍基地 (ワイオミング州) | 地球規模攻撃軍団 | 戦略軍 | 弾道ミサイルの運用を担当。 米軍における事実上の戦略ロケット軍。 |
第22空軍 | ドビンス空軍基地 (ジョージア州) | 空軍予備役軍団 | 空輸関係予備役部隊の統括担当。 | |
第23空軍 | ハルバートフィールド (フロリダ州) | 空軍特殊作戦軍団 | 特殊作戦軍 | 特殊作戦の支援担当。 |
第24空軍 | ラックランド空軍基地 (テキサス州) | 空軍宇宙軍団 | 戦略軍 | サイバー軍の隷下組織として、 電子戦・情報戦・サイバー戦を担当。 |
主要装備
- 戦闘機/戦闘爆撃機
- F-15「イーグル」
- F-15E「ストライクイーグル」
- F-16「ファイティングファルコン」
- F-22「ラプター」
- F-35「ライトニングII」
- 攻撃機
- 爆撃機
- 輸送機
- 電子戦機/AWACS
- 捜索救難機/特殊作戦支援機
- HC-130P/N
- MC-130E/H「コンバット・タロンI/II」
- MC-130P「コンバット・シャドウ」
- MC-130W「コンバット・スピア」
- 空中給油機
- 偵察機
- 練習機
- 無人機
- ヘリコプター
- 弾道ミサイル
- LGM-30「ミニットマン」
- その他
- VC-25A(エアフォースワン)
- WC-130「ハリケーン・ハンター」
- YAL-1
階級
給与等級 | 階級 | NATO階級コード | ||
士官 | Special | 元帥 | ||
将官 | O-10 | 大将 | OF-10 | |
O-9 | 中将 | OF-9 | ||
O-8 | 少将 | OF-8 | ||
O-7 | 准将 | OF-7 | ||
佐官 | O-6 | 大佐 | OF-6 | |
O-5 | 中佐 | OF-5 | ||
O-4 | 少佐 | OF-4 | ||
尉官 | O-3 | 大尉 | OF-3 | |
O-2 | 中尉 | OF-2 | ||
O-1 | 少尉 | OF-1 | ||
下士官 | E-9 | 空軍最先任上級曹長 | OR-9 | |
上級部隊最先任上級曹長 | ||||
E-8 | 最上級曹長 | OR-8 | ||
上級曹長 | ||||
E-7 | 曹長 | OR-7 | ||
E-6 | 一等軍曹 | OR-6 | ||
E-5 | 二等軍曹 | OR-5 | ||
兵 | E-4 | 兵長 | OR-4 | |
E-3 | 上等兵 | OR-3 | ||
E-2 | 一等兵 | OR-2 | ||
E-1 | 二等兵 | OR-1 |
【横田基地】(よこたきち)
U.S.Air Force/JASDF Yokota Air Base.
東京都の多摩中部にある在日アメリカ軍及び航空自衛隊の基地で、沖縄を除くと日本最大の米軍基地となっている。
日本の公的資料では「横田飛行場」と呼称されている。
概要
本基地は東京都福生市、立川市、昭島市、武蔵村山市、羽村市及び西多摩郡瑞穂町にまたがって所在しており、敷地の総面積は7,136km²あり、東京ドームの約150倍に当たる。
この敷地は、書類上では上記の各市町に属するが、事実上日本国の行政権が及ばない「治外法権」地区になっている。
基地内の人口は約10,000人で、内訳は軍人・軍属が約4,000人、軍人の家族約6,000人、日本人従業員2,200人となっている。
在日アメリカ軍司令部や第5空軍司令部が置かれた、極東における主要基地であり、極東地域全体の兵站基地としての機能を有している。
また、(朝鮮戦争において編成された)国連軍の後方司令部が設置されている他、2012年には航空自衛隊の航空総隊司令部などが府中基地から移駐し「航空自衛隊横田基地」が併設された。
当初、同基地は第二次世界大戦中の1940年(昭和15年)に日本軍の「多摩飛行場」として建設され、太平洋戦争(大東亜戦争)中には陸軍の航空機試験場として利用されていた。
終戦後、この飛行場はアメリカ軍によって接収され、「横田飛行場(横田基地)」と改められた。
その後、順次基地の拡張工事が行われ、1960年ごろには現在の規模になった。
拡張に際しては当時の国鉄八高線や国道16号線の経路などが変更された。
朝鮮戦争においてはB-29の出撃基地として機能し、ベトナム戦争ではアメリカ軍の補給基地として積極的に活用された。
現在でも極東地域におけるアメリカ軍の最重要拠点のひとつとして機能している他、関東地方へ向かう民間機(アメリカの航空会社が運航する機材)が羽田空港や成田空港に着陸できなくなった際、その代替着陸場として用いられたり、フランス本土とニューカレドニアなどの海外県を往復するフランス空軍の輸送機が給油・乗員の休憩などのため着陸(テクニカルランディング)することもある。
駐留する部隊
横田空域
本基地の管制塔が航空管制を行うものとして、アメリカ空軍が設定している空域。
正式には「横田進入管制区」と呼び、関東地方と新潟県、山梨県、長野県、静岡県に及ぶ極めて広い空域が含まれている。
この空域は、日本国が領空としている空域でありながらアメリカ空軍の管制下にあり、民間機はアメリカ軍に対して通過のための手続きをしなければ飛行できない。
もちろん、手続きをすれば空域内を飛行できるが、飛行経路を細かく設定する必要があり非常に煩雑なため、羽田から西日本・北陸方面へ向かう民間航空機は、この空域を避けるルートで飛行している。
このことが、関東周辺の航空路が過密化する要因のひとつともなっている。
「U.S Air Force」の例文・使い方・用例・文例
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