ガルフストリーム V

ガルフストリーム V(Gulfstream V)は、ガルフストリーム・エアロスペースが開発・製造しているビジネスジェット機。初飛行は1995年。生産機数は190機以上。
概要
前作ガルフストリーム IVの全面的な改良・拡大型である。1992年から開発が開始され、1995年11月28日に初飛行した。胴体の基本構造は同じであるが、全長、主翼構造とも見直され、拡大されている。基本形状は変わらず、主翼は低翼配置の後退翼であり、主翼端にはウィングレットがある。エンジンは胴体後部左右に1基ずつ設置され、T字尾翼を有する。
航続性能は非常に優秀であり、最大航続距離は10,000km以上に達する。そのため、交代乗員用の設備も備えている。
優秀な航続性能のため、民間向けVIP輸送機としてのみならず、政府機関においても重用され、アメリカ合衆国ではC-37Aとして陸海空海兵4軍のみならずアメリカ沿岸警備隊やFEMAなどでもVIP輸送機として運用されている。日本の海上保安庁では3機を採用し、捜索機「うみわし」として用いられている[1][2]。
採用国(軍/政府機関)
ギリシャ - 2024年時点で、ギリシャ空軍が1機のガルフストリームVを保有[3]。
イスラエル
日本
クウェート
モロッコ - 2024年時点で、モロッコ空軍が1機のガルフストリームV-SPを保有[4]。
サウジアラビア
アメリカ合衆国
要目
- 全長:29.4m
- 全幅:28.5m
- 全高:7.87m
- 自重:21t
- エンジン:ロールス・ロイス BR710 ターボファンエンジン(推力6.7t)2基
- 巡航速度:904km/h
- 最大航続距離:10,742km
- 乗員:2名
- 乗客:最大19名(仕様により異なる)
登場作品
- 『BRAVE HEARTS 海猿』
- 海上保安庁所属機「LAJ501 うみわし2号」が登場。大阪湾でタンカーとコンテナ船が衝突する海難事故が発生したことを受け、現場近くの航空基地まで特殊救難隊を輸送する。
脚注
出典
- ^ “大型ジェット機「ガルフV」型3番機が就役”. 世界の艦船 (2024年11月25日). 2025年2月19日閲覧。
- ^ http://wadaphoto.jp/japan/kanetu4.htm
- ^ IISS 2024, p. 102.
- ^ IISS 2024, pp. 375–376.
参考文献
- The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2024) (英語). The Military Balance 2024. Routledge. ISBN 978-1-032-78004-7
関連項目
- C-37Aのページへのリンク