20世紀:批判理論、ポストモダニズム、実証主義の復権とは? わかりやすく解説

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20世紀:批判理論、ポストモダニズム、実証主義の復権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/27 21:48 UTC 版)

社会学史」の記事における「20世紀:批判理論、ポストモダニズム、実証主義の復権」の解説

20世紀初期にはアメリカ合衆国社会学発展し社会文化的進化関わるマクロ社会学と、日々人間社会的相互作用関わるミクロ社会学とが興隆した。ジョージ・ハーバート・ミード(1863年1931年)、ハーバート・ジョージ・ブルーマー(1900年1987年)、そして後のシカゴ学派、のプラグマティック社会心理学基づいて社会学者たちはシンボリック相互作用論発展させた。1920年代には、ルカーチ・ジェルジが『歴史階級意識』(1923年)を発表したが、一方でデュルケームヴェーバー著作死後に発表された。1930年代には、タルコット・パーソンズ(1902年1979年)が行理論発展させ、社会秩序研究マクロ要因ミクロ要因構造的自発的な面の研究統合させ、また一方では、この議論システム理論サイバネティクスの高度に説明的な文脈中に位置づけた。オーストリアで、後にはアメリカ合衆国で、アルフレッド・シュッツ(1899年1959年)は社会現象学を発展させ、これがのちの社会構築主義形成した同時期にフランクフルト学派メンバーテオドール・アドルノ(1903年1969年)やマックス・ホルクハイマー(1895年1973年)が批判理論発展させ、マルクス史的唯物論要素ヴェーバーフロイトグラムシ資本主義的近代啓蒙中心的教理からの退去だという知見統合―必ずしも名目上留まらず理論上で―した。 戦間期に、社会学表面上の政治的支配という理由全体主義政府によって傷つけられた。ロシア革命の後に、社会学ソ連の中で存在しなくなるまで徐々に政治化ボリシェヴィキ化され最終的にスターリン化された。」 中国では、社会学1952年記号学比較言語学サイバネティクスとともにブルジョワ偽科学」として禁止され1979年まで復興しなかった。しかしながら同時期に社会学西側保守的な大学でも傷つけられた。これは社会学がそれ自体目的権限通じてリベラルあるいは左派思想へ向かう生得的傾向持っているものと認識したからというのもある。社会学有機的結合社会的団結関心を持つ構造機能主義者によって創設されたと仮定すれば、この考え幾分無根拠なものとなる(が、デュルケームアメリカ大衆紹介したのはパーソンズであり、彼の解釈潜在的に保守主義であるとして批判されてきた)。 20世紀中頃には一般的な―しかし普遍的ではない―傾向アメリカ合衆国存在したアメリカ社会学当時行為理論その他のシステム理論アプローチ交流によって本性上さらに科学的になるという傾向が。ロバート・キング・マートンが『社会理論社会構造』(1949年)を発表している。1960年代転機までに、社会学的研究道具として政府企業によってますます世界的に用いられるようになった社会学者たちは新し種類量的質的研究法を発展させた。ポール・ラザースフェルドコロンビア大学応用社会学研究局を創立し、そこで社会調査の手法にも組織にも巨大な影響及ぼした社会学的方法対す多大な功績のために彼は「近代経験的社会学の父」の称号得た。ラザースフェルドによって、統計調査分析パネル法、潜在構造分析文脈解析において長足の進歩遂げられた。彼は数理社会学共同創立者一人もみなされている。彼の考え多く今日でも明らかなこととされているほど影響力が高い。 1959年に、アーヴィング・ゴッフマンが『行為演技――日常生活における自己呈示』を発表してドラマツルギー分析理論導入して各個人が自分印象他者心の中に残すために特有の表現作ろうとしていると主張したチャールズ・ライト・ミルズは『社会的想像力』を著しぼんやりした経験主義大理論を否定して人間中心主義的な言明を力づけた。1960年代には様々な社会運動興隆並行して、特にイギリスで、新マルクス主義フェミニズム第二世代のように社会的闘争強調する紛争理論の中から文化論転回起こったラルフ・ダーレンドルフラルフ・ミリバンド階級闘争先進国先駆的理論提示した。この時代に、宗教社会学世俗化テーゼグローバリゼーション、まさに宗教的実践の定義といった新し論題とともに復興した。ゲルハルト・エマヌエル・レンスキやジョン・ミルトン・インガーといった理論家宗教の「機能主義的」な定義を提示した; 言い換えれば、「宗教とは何か」と尋ねるのではなくむしろ宗教は「何をするのか」と尋ねるようにしたのである。これにより、様々な新し社会制度社会運動がその宗教的な役割という観点から調査できるようになったマルクス主義理論家類似した用語で消費者主義資本主義イデオロギー精査し続けたアントニオ・グラムシの『獄中ノート』[1929年-1925年]は最終的に1970年代初頭に英語で発表された。 1960年代1970年代にはいわゆるポスト構造主義およびポストモダンの、古典的社会科学だけでなく構造主義現象学用いた理論社会学的研究大きな影響与えた[要出典]。間テクスト性・パスティーシュ・アイロニーといった特色を持つ文化的スタイルである「後-モダニズム」としてしばしば理解されつつ、ポストモダン社会学的分析は(1)(特にリオタール作品における)メタ物語分解、(2)物神崇拝論と後期資本主義消費活動による自己の鏡像」(ドゥボール; ボードリヤール; ジェイムソン)、と結びついたそれぞれの「時代」提示したポストモダニズムミシェル・フーコークロード・レヴィ=ストロースや、より低い度合いではあるがルイ・アルチュセールマルクス主義をアンチヒューマニズムと調和させようという試みによって、人間主体という啓蒙的概念否定することとも関連付けられてきた。この運動と結びつけて考えられる理論家のほとんどは積極的にこのレッテル否定しどちらかといえばポストモダン分析手法というよりもむしろ歴史的現象認める方を好む。それにもかかわらず自覚的ポストモダン意見一般的に社会政治科学において生まれ続けている。 1980年代には、フランス以外理論家は、独立した新し時代自体よりもむしろ近代の「第二の」様相としてのグローバリゼーションコミュニケーション再帰性(英: reflexivity)に注目する傾向にあったユルゲン・ハーバマスコミュニケーション行為批判理論およびアメリカプラグマティズムによって形成し近代性に関する言明対すポストモダンからの挑戦対す応答として確立した同輩たるドイツ社会学者ウルリッヒ・ベックは『危険社会』(1992年)を近代国家組織される方法説明として発表したイギリスでは、アンソニー・ギデンズ周期的に起こる理論二分化を構造理論によって調停した1990年代にはギデンズは「ハイ・モダニティ」に対す挑戦続けとともに新たな第三の道」を提示してイギリスの「新し労働党」やアメリカ合衆国クリントン政権大きく影響したポーランド主導的な社会学者ジグムント・バウマン広範にモダンおよびポストモダン概念について、特に歴史的現象としてのホロコーストおよび消費者主義について著作活動行ったピエール・ブルデュー文化資本に関する研究続けて大きな批判的絶賛得た一方で、特にジャン・ボードリヤールやミシェル・マフェゾリのようなフランスある種社会学者錯乱状態にあるとか、相対主義陥ったなどとして批判された。 ニクラス・ルーマンのような機能主義体系理論家世紀終わりまで社会学支配的な影響力保った1994年に、ロバート・キング・マートン科学社会学における功績によってアメリカ国家科学賞受賞した今日に至るまで実証主義学派は、特にアメリカ合衆国において一般的である。社会学扱っている中で最もよく引用されるアメリカ雑誌、『American Journal of Sociology』と『American Sociological Review』は主に実証主義学派研究掲載しており、特に前者極端な多様性排除している(一方British Journal of Sociology』は主に非実証主義者の研究掲載している)。20世紀には社会学用い定量的方法発展顕著であった経年で同じ人々調査する縦断的調査発展により、研究者長期にわたる現象調査できるようになり、研究者因果関係推論する能力増大した新たな調査法によるデータセット増大伴って、このデータ分析するための新たな統計手法発明された。この種の分析は大抵SASStata、あるいはSPSSといった統計解析ソフトウェア用いて行われる実証主義学派新たなパラダイム一例として社会的ネットワーク分析がある。社会ネットワーク分析影響経済社会学(例えば、ジェームズ・クライド・ミッチェル、ハリソン・ホワイト、マーク・グラノヴェッター研究参照)、組織論歴史社会学政治社会学教育社会学といった社会学多く下位分野浸透している。より独立した、ホワイト・ミルズの精神受け継いだ経験的社会学や、スタンリー・アロノヴィッツによるミルズ研究していたアメリカ合衆国パワー・エリート研究小規模な復興見られる

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