釈摩訶衍論とは? わかりやすく解説

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しゃくまかえんろん【釈摩訶衍論】

読み方:しゃくまかえんろん

大乗起信論」の注釈書10巻竜樹著、筏提摩多(ばっだいまた)訳とされるが、7〜8世紀ごろ中国・朝鮮成立したともいわれる日本では真言宗重要な書とした。釈論


釈摩訶衍論

主名称: 釈摩訶衍論
指定番号 240
枝番 00
指定年月日 1959.06.27(昭和34.06.27)
国宝重文区分 国宝
部門種別 書跡・典籍
ト書
員数 5帖
時代区分
年代
検索年代
解説文: 時代作品

釋摩訶衍論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/11 02:09 UTC 版)

釋摩訶衍論』(しゃくまかえんろん)は、秦姚(ようしん:後秦384-417)の伐提摩多(ばつだいまた)による漢訳とも記され、『大乗起信論』に対する註釈書であり、大乗もしくは密教の龍樹菩薩の著作とされている。全十巻[1]如来蔵思想と阿頼耶識との結合を図ったものとされている。

撰述問題

本書は、龍樹作と伝えられているが、夙にその偽作説が唱えられており、日本の淡海三船が龍樹に仮託した偽書として厳しく批判した[2]最澄安然も偽作説を支持している[2]

このように伝来当時の日本でも偽書ではないかと論争が起き、その事実を知っていたはずの空海は本論を度々引用している[3][4]

仏教学者の石井公成は、『釈論』には元暁(ウォニョ)や義湘(ウィサン)の影響があり、また本文に変格漢文が見られることを指摘し、新羅撰述であるとする説を主張している[2]

真言教学との関係

真言教学史では特に重視されてきた[1]。これは弘法大師空海がこの論の中にある密教の要素に着目し、顕教と密教との峻別のための典拠としたことによる。空海真言密教の体系化に本論を用いたことによって、本覚思想が密教とともに進展した。

関連項目

脚注

参考文献

  • 石井公成「新羅成立の諸経論」『佛敎學報』第92号、東國大學校 佛敎文化硏究院、2020年、66-87頁、doi:10.18587/bh.2020.9.92.65 


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