車両仕様の推移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 06:54 UTC 版)
1980年代に入ってまず行われたのが冷房車の導入で、東急における冷房車の登場は周辺他社に比べると遅い1981年度である。ただし冷房装置は一部の新製車両に試験的に設置された。新製の全車が冷房を装備するようになるのは1983年度である。その後、非冷房車のうちエンジン出力の高い車両に冷房の後付け改造(とパワーステアリング化)も実施された。 1979年以降の車両仕様の推移は以下の通り。 1979年度(250~314号車) 座席はいすゞ車と三菱車が天龍工業製のパイプ椅子タイプのシート、UD車と日野車が現行タイプのクッションシートとなる。 当年度導入車は、1985年に冷房改造・ロンリューム床施工・モケット張替え等の車内外再生工事が施工されるようになる。 1980年度(315~384号車) 1981年度(385~441号車) 東急初のスケルトンボディ路線車として、日野中型車(K-RJ170AA)を導入。一部に新製冷房車が登場(高津の日野大型車、淡島の三菱中型車のみ)。 前折戸の窓が2枚窓となる。当年式より車内外再生時に優先席が通路向きとなる。 1982年度(443~500号車)いすゞ車はフロントマスクがフェイスリフト。UD車は5Eボディとなる。新製冷房車は池上のUD中型車と弦巻のいすゞ大型車のみ。 1983年度(501~555号車)モノコックボディ車の導入が当年度で最後となる。全車が新製冷房車となる。いすゞ車は中引戸窓を大型化。 1984年度(556~603号車)全メーカーがスケルトンボディとなる。三菱車のみ黒サッシとフィンガーコントロールミッションを初採用。 1985年度(旧・600番台) 目黒に「東急バス新交通システム」専用車(三菱ふそうエアロスターP-MP618K)を21台配置、目黒通りの路線で運用。 方向幕周りを黒色化。三菱車といすゞ車に中4枚折戸を採用。いすゞ車と三菱車の天龍工業製のパイプ椅子タイプのシートを廃止、全車に現行タイプのクッションシートを採用。スタンションポール増設。日野車は座席アシストグリップ増設。 1986年度(旧・700番台)全車に中扉4枚折戸とフィンガーコントロールトランスミッションを採用。ワンロマ車が一部営業所に配属。UD一般路線車にも座席アシストグリップ増設。 1987年度(旧・800番台) 虹が丘・青葉台に団地ラッシュ対策車としてオールロングシートの長尺3扉車を配置。この年代の青葉台配属の長尺3扉車に限り、宗谷バス(2013年除籍)と函館バス(2004年除籍)に譲渡された。一部営業所に貸切用途にも対応する本格ワンロマ車を配置。 正面の「ワンマン」サボ廃止(既存車も車内外再生時に撤去)、「入口」「出口」表記を車体直書き化。降車ボタン形状変更(旧800番台のみボタン部書体が明朝書体)、吊革の形状が三角形に、角型の補助ブレーキランプがバンパー上部に装備されるなど比較的変更点が多い。日野車のみ三菱車に続きサッシが黒色に、日野車のみ降車合図がチャイムに変更。 1988年度(旧・900番台) 目黒に中型車を12台配置。UD車は7Eボディにフルモデルチェンジ。 方向幕の書体変更。長尺3扉車は引戸に変更。公式側前中扉間のシートがオールロング優先席化。メーカーが黒色のサッシと降車合図がチャイム音になる。 1989年度(旧・1000番台) 日野中型車は側面方向幕位置が車体腰部に、冷房吹出口がグレーから黒になる。この年代の日野中型車に限り阿寒バスで2019年2月現在もなお1台現役である。 三菱車は冷房吹出し口回りの形状と色が紫に変更。三菱・いすゞの天龍工業シートの形状が変更。 1990年度(旧・1100番台) 青葉台と虹が丘のオールロングシートの長尺3扉車はこの年を持って一旦打ち切り。いすゞ短尺車はU-移行を機にビッグマイナーチェンジを受ける。 中4枚折戸が廃止され引戸に戻る。客室ベンチレーター廃止。スタンションポールを増設。日野車は1800番台までブロンズガラスを採用。 1991年度(旧0番台)運転席上ベンチレーターが廃止。三菱車と日野車はサッシ周りの黒部分が増加。UD車と日野車のみこの年代のみ異なる音色の中扉ブザーを装備する。床ロンリューム柄の変更。 1992年度(100番台)前中扉間全優先席の廃止。三菱車は方向幕周りの黒色部分を増加。 1993年度(旧・1200番台) 1994年度まで一般的なシートを装備した長尺3扉車を再度導入。この年代の長尺3扉車は一切地方譲渡されなかったため現存せず。 バンパーを濃茶色に変更(既存車も車体再生時に変更)。車内にLED案内機を搭載。日野車は前換気口の開口部が大きくなる。車内外再生時に1700番台と同様の新デザインのモケットシート生地を採用。UD車は純正シートの形状が変更されるが、翌旧1300番台から天龍工業製に変更される。 1994年度(旧・1300番台) 東急バスでは初となる日野HIMRを大橋と東山田に導入(O1345・H1346。O1345は大橋営業所廃止時に目黒へ移籍しM1345となる)。この2台にはのちに東急バス10周年を記念して鉄腕アトムのラッピングが施された。 東急バスでは初となる大橋に日野製リフトバスを導入(O1348、大橋営業所廃止時に弦巻へ移籍しT1348となる)。 吊革を5角形に変更、ステップをステンレス化。当年度からUD車は天龍工業製シートに変更。 1995年度(旧・1400番台) 日野HIMRを目黒に1台増備(M1428)。 車内外再生前のスタンションポールが降車口部のみ細いタイプに変更(車内外再生時にすべて細いものに交換されたため消滅)。旧1400番台は2020年10月現在も越後交通で日野大型車といすゞ大型車が現役である。 1996年度(旧・1500番台) 日野製リフトバスを大橋に1台増備(O1534、大橋営業所廃止時に弦巻へ移籍しT1534となる)。当年度(KC-代)からいすゞ・キュービックにV8エンジン搭載。 全車マーカーランプ廃止(一部の東山田所属車を除く)、テールランプの角型化。優先席部の降車ボタン形状とチャイムを変更。 1997年度(旧・1600番台)目黒に三菱ふそう・エアロスター大型ノンステップバスを21台配置。日野車はホイールハウス回りの形状変更。 1998年度(旧・1700番台)アイドリングストップ装置を搭載し「人と環境にやさしいアイドリングストップバス」のステッカーを貼付(車内外再生時に撤去)。方向幕がローマ字併記の新書体へ変更(既存車の方向幕も新路線開設時や、2001年11月16日の神奈川県内の系統番号付与時に新書体へ変更)。非常口ステッカーをピクトグラム化。シートモケットを変更。 1999年度(旧・1800番台)ツーステップ車の導入が当年度で最後となる。日野車は冷房装置キセの形状変更。車内外再生時に床ロンリュームが黒・スタンションポールがオレンジの600番台に合わせた内装カラースキームを採用。 2000年度(旧・1900番台) 当年度以降導入の新車は全車がノンステップ・ワンステップとなる(小型バスの一部を除く)。東急バス初の西日本車体工業製車体のバスを池上に5台配置。当年度は池上のUD車5台と東山田の三菱車5台のみ新製配置。それぞれ新柄モケットが採用されたが、UD車に採用された水色基調のものが800番台まで採用された(1900番台三菱車のモケットも車内外再生時に水色基調のものに交換)。 吊革を優先席付近を除き丸型に変更(300番台までの大半と400番台の一部は後年の車体再生の際に三角形の吊革に交換)。 2001年度(200番台)コーチ車の置き換えのため、観光マスクとブロンズガラス(日野車のみ)を採用した高級中型ノンステップ車を瀬田と青葉台に導入。ワンステップのワンロマ車を導入。 - この年代までは全車除籍済み。 2002年度(300番台)全車がフォグランプ標準装備となる。前扉付近の屋根上に丸型換気扇を設置。 2022年1月現在、2002年8月導入のNI323(日野・ブルーリボンシティ)が1台のみ残存し、東急バス史上最長寿記録を更新中。 2003年度(400番台)老朽化した長尺3扉車の置き換えとして、旧1000番台以来の中4枚折戸を採用した長尺ワンステップバスを虹が丘・青葉台に配置。東急バス初の中型長尺車・KL-JP252NANを弦巻に7台配置。 2004年度(500番台)ワンロマ車にリクライニングシートが復活。いすゞ車は当番台下期にダウンサイジング直6エンジンを搭載したPJ-LV234L1が登場。三菱ふそうのメーカーサンプル車を購入したエアロスターノンステップのA585が登場(2017年2月に除籍、南越後観光バスへ譲渡)。 - この年代まで2022年1月現在、路線車は全車除籍(ワンロマ車と特定車を除く)。 2005年度(600・6600番台) 長尺ワンステップ車を東山田に初めて導入。2006年3月導入の6600番台からはUVカットガラス(熱反射ガラス)を装備。 内装の配色を大幅変更、オレンジ色のポールが採用され、降車ボタンの形状も変更される。「入口」「出口」表記をピクトグラム化(既存車も一部を除き車体再生時に変更、ワンロマ車はサボで表記するため対象外)。 2006年度(700・7700番台)車両屋根上に社番表記を追加(営業所記号は省略。例えばM1175号車の場合は「東急バス 1175」と表記)。初期導入車を除き、吊革形状を旧・800番台~1200番台と同じ三角形に変更。優先席付近の吊革は三角形でオレンジ色とする(既存車も交換、ワンロマ車は一部車両のみ)。優先席のシートモケット柄を変更。 2007年度(8700番台)東急バスでは初めて、教習に特化したUD製安全運転訓練車を高津へ新製配置(TA8730)。2007年に初代HIMR(M1345)、初代リフトバス(T1348)が除籍。 2008年度(800番台)いすゞ長尺車のみシートモケットの柄を新デザインへ変更。2008年末に最後のリフトバス(T1534)が除籍。 2009年度(900番台)一部の営業所のノンステップバスで座席削減車両を配置。シートモケットの柄を800番台いすゞ長尺車で採用した柄と、三角形の新デザインの柄に変更。当番台以降は車両によってメーカー問わずこの2種類の柄を交互に使用。 2010年度(1000番台)中扉開閉時のブザー音をチャイムに変更するとともに、泰平電機製のドア開閉ランプを設置。2011年導入車から丸型換気扇を後部にも装備。UD製車両は当年度が最後の導入となる。 2011年度(1100番台) 東急バス創立20周年を記念し、歴代塗装を復刻した記念塗装車を導入。20周年記念塗装車は次の通り。AO1130号車、S685号車、T1139号車:一般路線バス先代塗装 - S685号車は2018年2月に除籍。 SI1126号車、M1175号車:観光バス初代塗装 H1179号車、I611号車、NI1178号車:観光バス2代目塗装 - I611号車は2018年2月に除籍。 NJ1153号車、TA1136号車:観光バスマーキュリー塗装 NI3175号車:高速バスミルキーウェイ塗装 - 現在は貸切車となり塗色変更、2016年にNI3662号車がミルキーウェイ塗装で改めて配置。 レゾナント・システムズ製の右左折警報器(ウィンカーチャイム)を導入、既存車にも車体再生時に順次装備(目黒の中型車など車体再生に関係なく装備した車両もあり)。 2012年度(1200番台)三菱製ワンロマ車が久々の導入となり12台導入される。ワンステップ車はツーステップ時代の赤帯1本のカラーリングに戻る。 2013年度(1300番台) 2014年度(1400番台) いすゞ大型車は池上のみオートマチック車で導入。三菱・エアロスターがビッグマイナーチェンジを受けた新型を導入。 行先表示器が輝度の上がった新型になったため、側面表示器の緑色が濃くなった。また運転席横に設置されている音声合成装置の操作盤が据置型から埋込型に変更された。 2015年度(1500番台) 東急バスでは初めて新型エルガ・新型ブルーリボンを導入。いすゞ・日野の大型ノンステップ車は全車オートマチックとなる。当番台よりワンステップ車は虹が丘営業所のみ導入となる。青葉台に桐蔭学園特定用のトップドア仕様車を3台配置。 2015年に国土交通省の標準仕様ノンステップバスの認定要領が改定され、一部の新車は「標準認定ノンステップバス」ステッカーをピンク色に変更。 2016年度(1600番台)M1662号車は停留所名表示器がLED表示器からクラリオン製の液晶表示器に変更。のち目黒の既存車両にも導入が進み、2018年からは他営業所の車両にも液晶表示器の設置が進められている。 2017年度(1700番台)いすゞ車と日野車はヘッドライトがディスチャージからLEDに変更される。一部車両で図柄入りナンバープレートを導入。 2018年度(1800番台)導入される全車がノンステップバスとなる。 2019年度(1900番台)燃料電池バス「トヨタ・SORA」を初導入(M1999)。白色LED方向幕車を試験導入。EDSS搭載車を導入。 2020年度(0番台)新型コロナウィルス対策のため運転席後ろアクリル板を大型化。大型アクリル板は2020年10月現在、既存車両も車体再生時期に関係なく後付けで急速に設置工事が進行中。丸形ファンの中央部増設により丸形ファン3基搭載となる。白色LED方向幕を本格採用。 2021年度(100番台)特定車と日野ポンチョしか導入されておらず、一般路線用の大型車が一台も導入されなかった。
※この「車両仕様の推移」の解説は、「東急バス」の解説の一部です。
「車両仕様の推移」を含む「東急バス」の記事については、「東急バス」の概要を参照ください。
- 車両仕様の推移のページへのリンク