ヤザワの同級生
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 08:54 UTC 版)
「カメレオン (漫画)」の記事における「ヤザワの同級生」の解説
矢沢 栄作(やざわ えいさく) 本作の主人公。作中では「ヤザワ」や「エーサク」とカタカナ表記されることが多い。中学時代には「ロデム」と呼ばれ凄惨なイジメを受けていたが、成南進学にあたりヤンキーデビュー。身長が130cm(3年生の際は140cm)しかなく、容貌は下膨れの不細工面。眼が大きく「宇宙人のような顔」とも称される。 自らの意志とは関係なくトラブルに巻き込まれてしまうが、土壇場で強運に恵まれることと持ち前のハッタリで次第にカリスマ性を高めていった。相沢と椎名を和解させた功績から、成南の番長として周囲に認められ、後に暴走族「OZ(オズ)」を結成、初代総長となる。小学生の女の子にやられてしまうほどケンカは弱いが、ニーヤを秒殺したりゲンにあびせ蹴りを喰らわせたりと、自分の意思では発揮できないものの、強運を呼び込むことによる秘めた力は非常に高い。釣りやゲームなど、ケンカ以外では多才な面を持っており、特に魚釣りに関しては日向にも引けを取らないプロ級の腕前である。後に妖乱との抗争にて神元 仁の霊に取り憑かれた際は、驚異的なドライブテクニックを発揮した。また、非常に打たれ強く、回復も早い。滝沢とのタイマン戦の際は、中鉢を二発で轟沈した滝沢のパンチを何度喰らっても、ボロボロになりながらも立ち上がり、最後には逆転勝利に繋がった。ハッタリの際の言葉は、周囲の状況や相手の本性を冷静に見極めた上での、核心を突いた言葉であり、決して嘘という訳ではない(初期の頃は保身のために強引にこじつけていることも多いが)。 悲惨なイジメの過去を背負っているが、非常に楽天的な性格。また、学力こそ低いもののIQは140と知能は高く、危機に瀕する度に瞬間的に打開策や対抗策をひらめかせ、どんな苦痛も覚悟でそれを決行するなど、かなりの発想力と度胸を持つ。頭の良さが学業の成績に結びつかないのは、興味の対象がすべて性に向いているからであり、学問に対し性的興奮を与える暗示をかけられた際には驚異的な学力の向上を見せた。その性欲はすさまじく、淫声CDを渡された際には部屋中をティッシュで満たすほどのめり込むほど。また、姉がいるのだが、彼女から「姉弟の壁などあっさり破って関係を迫るはずだ」と放言されるなど、親族としても全く信用されていない。男根の大きさは(ギャグ的な描写もあるが)人外の領域。童貞なのだが、イジメで女子の胸を揉まされた際には、女子の方から求めさせてしまうほどの性技を持つ。 仲間に対しては口では良い事を言っていても、成り上がりと保身に凝り固まった腹黒い心理描写がされていたが、OZを結成して以降は仲間を思いやる描写が増え、ハッタリだけでなく本音で相手にぶつかることも多くなった。特に羽村や藤丸に対してはハッタリなしの説得を試みており、後に錯乱した藤丸に殺されそうになった久米を間接的ではあるが自らの意志で助けたり、下心があったとはいえ演習場の爆撃の中からイリオモテヤマネコの子猫を助けるなど、人間的にも成長しているそうで変化は無い。浮気しているような台詞を時折並べながらもヒカルのことは真剣に思っており、彼女が危機に追い込まれた時は、本気で自己を犠牲にしてでも救おうとしている。 黄泉との抗争終了後、自らが開催した「ヤザワ祭り」にて(相沢と椎名の企みによる)成り行きから東大受験を目指すことになり、ヤンキーを引退。苦節の末ヒカルと恋人同士となり、何とか自分の力で受験に挑み、(これまた成り行きからの)人命救助の功績で特待生扱いで合格に成功する。ただし、強運を発揮した後の不運によるしっぺ返しが凄まじく、最終回ではふとした不注意から校長の顔に他人の退学届を叩きつける大失態を犯して合格の権利を放棄したとみなされ、さらに相沢、椎名、坂本が先導して全校生徒を煽ったことで引くに引けなくなり、成南を卒業式の日に自主退学するというあまりにも惨めなしっぺ返しを食らうと同時に、全校生徒の前で泣きながら走り去るという赤っ恥をかかされる羽目になってしまった。 しかし、東大への道を蹴るという成功ルートを失うこの行為が「東大程度では納まらない」と捉えられた結果周囲に更に讃えられ、後にヒカルとの間に一子・栄光(えいこう)をもうけ、ヤザワの栄光は未来へと語り継がれる事となる(相沢曰く「ガキになんて名前背負わせやがるテメー」)。 浅岡 ひかる(あさおか ひかる) 本作のヒロイン。名前は「ヒカル」とカタカナ表記されることが多い。また「浅岡 光」との表記もある。正義感が強く、純粋で優しい性格。寝ている椎名の頭に、どうしても我慢できないと言って口紅でイタズラをする一面もある。ヤザワから想いを寄せられ日常的に異常な愛情表現を受け、トラブルにも巻き込まれるため辟易している。同時に危機から救われることも重なって、次第にヤザワを異性として意識するようになり、終盤では相思相愛の恋人同士となった。高校卒業後すぐにヤザワと結婚したようで、息子の栄光を産んでいる。 相沢 直樹(あいざわ なおき) 成南の生徒でヤザワと同学年。親友である椎名と並びヤザワファミリーのナンバー2的存在。両親は不在(父親は事故死したが母親は不明。13巻には「仏壇に二人分の位牌と遺影らしきもの」が描かれている)で妹の純菜とアパートで2人暮らし。女顔の美形であり、中学時代から数々の浮名を流していた。女に対しては優しく、ナンパの成功率もかなりのもので、高校生であるにもかかわらずホストクラブで働いている。不良の総本山といわれる住吉中出身で、そこではトップスター扱いだった。登場当初は残忍な性格で、些細な理由で坂本に凄惨な拷問を加えるほど。親友の椎名の彼女であるチカに手を出して(実際は相沢を忘れられないチカが彼を酔わせて誘い、無理矢理関係を持ったことによるもの)仲違いするが、ヤザワのおかげで椎名と和解し、その後は性格も丸くなっていった。 数々の修羅場を経て強い部分も弱い部分もハッタリすら認めた上で、椎名以上のヤザワの理解者となる。ヤザワの揉め事に手を貸したがる椎名とは異なり、気紛れには付き合いきれないから巻き込むななどといった突き放した発言を見せるが、いざというときはしっかり盾となっていた。横浜黄泉との抗争では重傷を負い拉致されるも最後までヤザワの奇跡を信じ、その姿は自分の未来に絶望した藤丸の心さえ動かした。ただしヤザワの奸計に陥れられるといった失敗も目立ち、不器用な面もあるなど美形ながら三枚目の役割も果たす。連載時は坂本に嵌められメーテルのコスプレをしたこともあり、これが原因で付き合っていたナオミにふられてしまう。なおコミックでは、これが削除されて、妖乱編の最後に登場した中性少年に手を出したことに替わっている。ただ、モテすぎて調子に乗るため、性病をうつされたり、AV出演してしまったりなどの醜態でヤザワをも呆れさせたことが度々ある。また椎名やユウと酒を飲んでいて寝た際、いたずらで女子高生に女装させられ、訪ねてきたヤザワに唇を奪われたことも。小学生時の夢はF1レーサーになることで、その夢を何度か思い返した際には正気を失った行動をしている。愛車はカワサキ・Z400FX。 最終回では大失態によって醜態を晒したヤザワを「期待通りの大バカ」と嘲笑し、「高校最後の伝説がオメーを待ってんぞ」と煽ってヤザワを退学に追い込んだ。その後、白バイ警官(最終回での階級は巡査長)となり、作者の次作『ポリ公マン』にて再登場を果たす。 椎名 雄二(しいな ゆうじ) 成南の生徒でヤザワと同学年。ヤザワに心酔した最初の人物で、ヤザワと初めて接触した時点で彼に対してはクン付けで呼び、敬語で話す。スキンヘッドに額の傷が特徴で、その頭を亀頭に見立てたギャグも数回披露。相沢とは親友同士でコンビを組んでの登場機会が多い。父子家庭(母親については離婚か死別かは不明)であるが家は裕福。しかし親の金には頼らずアルバイトによって自分の金は稼ぐなど自立心は強い。彼女であるチカが原因で親友である相沢との間に深い溝を作ってしまうが、ヤザワの体を張ったハッタリのおかげで、相沢とよりを戻すことができた。以来ヤザワのことも親友として接し、もっとも忠実な仲間となる。 空手使いでケンカの腕は相沢と互角だが、強敵が次々登場する中で倒されることも多い。学生証狩りで病院送りにされた際はヤザワに「出てくる不良に負けグセがついてる」と言われ、黄泉との抗争においてもヤザワから(クジで選ばれた)メンバーの中で頼りないと思われていた。 義理人情に篤い性格で、ヤザワに対しては度を超えて疑うことを知らない。しかし(勘違いも含めて)ヤザワの裏切りに激怒し敵に回ることもあり、ヤザワを変装した坂本や自分の頭にいたずら描きした犯人と勘違いし、一方的に叩きのめしたこともあった。怒るとしばしば耳のとがった化け物顔へと変化し、ヤザワを大いに震え上がらせる。しかしそのような事があってもヤザワに対する心酔は揺るがない。工藤静香のファン。後にチカのため、旧車ヤマハ・XJ400から新車のヤマハ・XJRに乗り換える。 最終回では大失態によって醜態を晒したヤザワを大爆笑しながら真っ先に嘲笑した。後に『ポリ公マン』で消防士として再登場した。相沢とは紅白コンビと呼ばれる。その後『くろアゲハ』では消防士を退職し居酒屋経営者として登場している。 坂本 昌明(さかもと まさあき) ヤザワのクラスメイト。ヤザワがヤンキーデビュー当初より従える舎弟で、彼を「エーちゃん」と呼び慕う(ヤザワをエーちゃんと呼ぶのは坂本のみ)が時には裏切る事も(実際二度ほどヤザワを自主的に裏切った)。ヤザワと同等に弱い唯一の人物。相沢や椎名からは「茶坊主」と呼ばれ、パシリの扱いである。2年生以後は、時折キツいツッコミを入れられるものの割と普通の友人関係になった。ヤザワと体型、顔の輪郭がそっくりで、変装で相互に入れ替わることが可能。作中ではヤザワの分身・影武者扱いもされており、遠隔で彼の苦しみを共有したことも。ヤザワを平気で裏切る言動をしばしば見せるが、基本的にはヤザワを慕って信じきっている。それが過ぎて、ヤザワの名を広めてやろうなどと考えることから、頻繁に厄介事を起こすトラブルメーカーであり、その点にはヤザワも辟易している(ヤザワ曰く、ハプニング製造マシーン)。偶然の出来事により、ヤザワに先んじて「オトナの仲間入り」を果たす(それを機に、その事に関してヤザワに見下す発言をしばしば)。 また、『バーチャファイター』の達人で、ゲームセンターの大会で優勝したことがあり、優勝賞品の『バーチャファイター2』の筐体が自宅にある。ゲーマーからは、「アーサー坂本」と呼ばれる。アニメファンであり、終盤では声優を目指して専門学校に通っていた。モデルは作者の高校時代の友人(弓道部所属)。 宮園 蘭丸(みやぞの らんまる) ヤザワのクラスメイト。バンドを組みライブハウスなどで演奏している。女にフラれたことがなく、文通からひと月で肉体関係にもっていけるという。ミュージシャンの必需品と称してコンドームを常備していた。後に音楽に専念するために3年の初めに成南を中退し、一流を目指す。終盤、ミュージシャンとして成功を収めた彼の姿が描かれており、インタビューでヤザワに尊敬の念を抱いていることを明かした。 吉岡 久憲(よしおか ひさのり) ヤザワのクラスメイト。見た目はヤンキーだがヤザワ、宮園、坂本らと気が合う。友達がいないことで有名で、暗い小中学校時代を送っていたらしい。些細な理由で相沢に殴られる、ニーヤたちによる学生証狩りの被害に遭うなど、トラブルに巻き込まれることが多い。ヤザワや坂本と同様、クラス内で数少ない童貞だったが、ソープランドにて先にオトナの仲間入りを果たす。ヤザワが成り上がるに連れ、出番が減っていくことを自覚しており、蘭丸が中退する際にも置いて行かれることを嘆いていた。作者の高校時代の友人がモデル。 渡部 理恵(わたなべ りえ) ヒカルの友人。愛称は「リエチン」。ヒカルと並んで「スッピンコンビ」と呼ばれた。ヒカルをかばうためとはいえヤザワのカバンに大人のオモチャを入れて罪を着せ、それで平気でいるなど、ヤザワを完全に見下していると同時に、ヤザワの事を「ヒカルに付きまとう悪い虫」としか見ていない。容姿は良い方なので男の子からはモテるようだが、本人が浮気性なのか、男が期待外れだったのかほとんど長続きしないでいる。初期にはヒカルと同程度の学力のようであったが、余り進路に対し積極的でなかったらしく進級するにつれ差が開いていったことを内心気にしていた。モデルは宮沢りえ。
※この「ヤザワの同級生」の解説は、「カメレオン (漫画)」の解説の一部です。
「ヤザワの同級生」を含む「カメレオン (漫画)」の記事については、「カメレオン (漫画)」の概要を参照ください。
- ヤザワの同級生のページへのリンク