トップ‐ハットとは? わかりやすく解説

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トップ‐ハット【top hat】

読み方:とっぷはっと

シルクハット」に同じ。

[補説] 作品名別項。→トップハット


トップ‐ハット【Top Hat】

読み方:とっぷはっと

米国の映画1935年作。フレッド=アステアジンジャー=ロジャース主演によるミュージカルコメディー。音楽バーリンダンサー美しモデルの恋を描く。


シルクハット

(トップ‐ハット から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/06 07:46 UTC 版)

1921年大正10年)、シルクハットを被りイギリスのオックスフォード大学でボートレースを見物する皇太子裕仁親王(後の昭和天皇
オペラハット:折りたたみ可能なシルクハット
シルクハット
シルクハット

シルクハット(絹帽[1]: silk hat)は、燕尾服(テールコート)およびモーニングコート着用時に用いる、第一正礼装用の紳士帽子である。

概要

クラウンが円筒状で高く頂上がたいらで、つばの両側がそり上がり、へりが鋭角に折り返っている絹製の帽子のことをさす。作られた当初はビーバー毛皮を用いた帽子であり、ビーバーハット等と呼ばれていた[2]。後に(シルク)が使われるようになったのでシルクハットと呼ばれ、その呼称が日本では一般に定着している。

シルクを使うようになったのは、乱獲によりビーバーが絶滅寸前になったための代用である。アルバート王子の影響を受けたともいわれている。日本で一般的にシルクハットと呼ばれるものは帽子の形を指しているが、その意味では英語ではトップハット(top hat, top-hat)が一般的に用いられる。これは親しみを込めて"topper"とも呼ばれることがある。英語でのシルクハットは絹製のトップハットを指し、絹製であることを強調するために用いられる。シルクハットという言葉はあるが形を指す場合はトップハットと呼ばれる。

歴史

ジョン・ヘザリントン(John Hetherington)が1797年につくったものが最初のものといわれている。作られた当初はビーバーの毛皮を用いて作られていたが、後に絹が用いられるようになった。

アメリカではトップハットとして19世紀にはストーブパイプハット(stovepipe hat)が流行した。これはリンカーンが大統領時代にかぶり人気となったもの。トップハットにはさまざまな形があるが、これはパイプのように直線的であり、トップとボトムは広がらず、一般的なトップハットよりも高さがある。

その後、トップハットは、クラウン部内側にヒンジ付のフレームを使い折りたたむことができるようなものができた。これはオペラハット(opera hat)やジャイブス(Gibbus)ともよばれた。オペラハットやジャイブスはトップハットと同義にも、また、高さのある男性用のフォーマルな帽子に対しても使われる。1920年代にはハイハット(high hat)とも呼ばれていた。

19世紀後半になると、トップハットは、一般的なファッションとしては次第に用いられないようになる。中流階級は山高帽や、ソフト帽のようなソフトなフェルトの帽子を使うようになった。これらはシティーライフに便利であるうえ、大量生産に適していた。

トップハットは、熟練者の手作りでなければ作れなかった。トップハットは上流階級向けとなり、皮肉や批判の対象ともなった。第一次世界大戦末頃には日常生活ではほとんど用いられなくなった。1930年昭和5年)後半には、昼間のモーニングスーツやイブニング用のタキシードや燕尾服などの礼服に合わせるためだけのものとなっていた。

政治や国際外交などの特定の分野では、まだ使用されていた。誕生したばかりのソビエト連邦では外交官が国際的慣習に従ってトップハットをかぶるか否かについて激しい論争がなされ、投票により賛成派が多数を占めた。この論争の背景には、プロパガンダ用のポスターにおいて、シルクハットを被った燕尾服姿の男性がプロレタリアート(労働者)階級やソビエト政府に敵対するブルジョワジー(資本家)の象徴としてしばしば扱われていた事情がある。

トップハットは、正礼装を舞台衣装とした名残りとしてマジックショーでよく使われる。また、パーティーでの服装でも合わせられることがある。

現在もトップハットを愛用する人物としては、ガンズ・アンド・ローゼズギタリストスラッシュが有名。

現在、トップハットのウールのフェルトや綿ポリエステルなどの安価なイミテーションものが燕尾服やモーニング用に作られている。通常ストープパイプ型でフラットブリム(つばが平ら)の仕様であり、きちんと作られた毛皮や絹製のものはかなり高価なものとなる。

脚注

  1. ^ 落合直文「しるくはっと」『言泉:日本大辞典』 第三、芳賀矢一改修、大倉書店、1922年、2210頁。 
  2. ^ "ガイド 帽子の種類と名称". 帽子の通販・帽子専門店【イフティアート】. 2021年7月18日閲覧

トップ・ハット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/26 02:41 UTC 版)

トップ・ハット
Top Hat
監督 マーク・サンドリッチ
脚本 ドワイト・テイラー英語版
アラン・スコット英語版
製作 パンドロ・S・バーマン英語版
出演者 フレッド・アステア
ジンジャー・ロジャース
音楽 アーヴィング・バーリン
マックス・スタイナー
撮影 デヴィッド・エイベル英語版
編集 ウィリアム・ハミルトン英語版
製作会社 RKO
配給 RKO
公開 1935年8月29日
1936年1月
上映時間 99分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 60万9000ドル[1]
配給収入 178万2000ドル
142万ドル[1]
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トップ・ハット』(Top Hat)は、1935年アメリカ合衆国ミュージカル映画フレッド・アステアジンジャー・ロジャースによる共演第4作であり、『コンチネンタル』以来アステア=ロジャース映画でおなじみのすれ違いラブコメディである。歌曲をアーヴィング・バーリンが担当。RKOスタジオ製作。 2011年イギリスにて舞台化された。

ストーリー

公演のためにロンドンを訪れたブロードウェイダンサーのジェリーが、同じホテルに滞在するモデルのデイルに一目惚れ。一時は心を通じ合わせる二人だが、ジェリーのことを友人の夫だと勘違いしたデイルはベニスへ逃れ、当てつけにデザイナーのアルベルトと結婚してしまう。あわてて後を追ったジェリーは何とかデイルの勘違いを説き、アルベルトとの結婚も司式の牧師が偽者であるために不成立となり、ハッピーエンドとなる。

キャスト

日本語吹き替え

※ 吹き替え放映:日本テレビ『新春映画劇場三本立て』より

解説

コンチネンタル』(1934年)の大成功によって「マネー・メイキング・スター」となったアステアとロジャースのコンビの第四作として、スタジオは同作の路線を踏襲した作品を企画した。 但し『コンチネンタル』に続けて撮った第3作の『ロバータ』は、筋が込み入っているため二人の歌と踊りを十分にショーアップ出来ずに終わった為、第4作では歌と踊りを見せることに徹する、という原点に戻って作られた[2]

製作のパンドロ・S・バーマンは本作の目玉としてアーヴィング・バーリンに歌曲を依頼し、監督のマーク・サンドリッチ、共演のエドワード・エヴァレット・ホートン、エリック・ローズ、エリック・ブロアなど『コンチネンタル』のスタッフキャストを再結集した。先行して出来上がったバーリンの歌に添うように脚本が執筆されたが、共演者を『コンチネンタル』と同じような役で起用し、ストーリーよりもミュージカル・シークエンスを重視した内容はほとんど『コンチネンタル』の焼き直しに過ぎず、目を通したアステアはバーマンに長文の手紙を送って書き直しを依頼した(アステアは人見知りのつよい性格で制作会議などで発言することが苦手であったため、しばしば映画に対する要求は書簡のかたちで行われた)。バーマンは脚本の訂正を確約したが、それでもなおストーリーは『コンチネンタル』の影響を脱することができなかった。

バーリンは『トップ・ハット』のために『No Strings』『Isn't This a Lovely Day?』『Top Hat, White tie and Tails』『Cheek to Cheek(頬よせて)』を作曲。後にスタンダード・ナンバーとなった作品が多く含まれていた。さらにスタジオ側の要求でプロダクション・ナンバーにふさわしい明るい曲として『The Piccolino』を提供。バーリン自身はこの曲の出来にかならずしも満足せず、アステアも気に入らなかったため、当初の予定とは異なりロジャースが歌ったが、公開後は高い人気を集めた。

ダンスのために5週間のリハーサルを要求したアステアは、ハーミズ・パンとともに5曲のダンスに振付を行い、撮影ではいつもどおり完璧な演技を披露した。本作では驚異的なタップ・ダンスによって組み立てられた『No Strings』、1930年ミュージカル『スマイルズ』でアステアが踊った『Say Young Man of Manhattan』からヒントを得た『Top Hat, White tie and Tails』の二曲でアステアがソロをつとめ、『Isn't This a Lovely Day?』『頬よせて』がジンジャーとのペア・ダンスであった。なおウディ・アレン監督『カイロの紫のバラ』(1985年)のラスト・シーンには『頬よせて』のシークエンスが用いられ、本作へのオマージュとされている。また、フランク・ダラボン監督『グリーンマイル』(1999年)では、主人公ポールが老人ホームのテレビでたまたま放送されていた本作をきっかけに回想を始めるという、作品上重要な役割を担っている。

『頬よせて』のための衣装として、スタジオは1500ドル分のダチョウの羽をあしらったドレスをロジャースに用意するが、衣装リハーサルに入るとドレスの羽が大量に抜け落ち、舞台上は「コヨーテニワトリを襲ったような」[3]吹雪」となり、目や鼻に入った羽のためにアステアはくしゃみが止まらなくなった。衣装係は羽をすべてドレスに縫いつけると確約し、翌日再度リハーサルが行われるが、依然として羽は抜け続け、怒ったアステアがロジャースとその母親(ロジャースの母は有名なステージママで、撮影には必ず同伴していた)に当り散らし、その日の撮影は中止となった。最終的に抜け落ちる羽がなくなるまでテイクが重ねられ、公開分の映像が撮影された。後にアステアとハミーズ・パンは『フェザー』という『頬よせて』の替え歌を作り、ロジャースにささげてからかった[4]

評価

公開後はアステア=ロジャースの共演作中最高の評価を得、興行的にも大成功を博した[4]。興行収入は300万ドルを超え、第8回アカデミー賞では作品、美術、振付、主題歌の4部門にノミネートされた[5]

1990年、『トップ・ハット』は、「文化的・歴史的および審美的にみて重要な映画である」として、アメリカ国立フィルム登録簿に登録された[6]

2006年、この映画はアメリカン・フィルム・インスティチュートミュージカル映画ベストの第15位にランクインした[7]

舞台

同映画の舞台化作品が、2011年にイギリス国内ツアーで初演。その後2012年5月よりウエスト・エンドでも上演された。同年のローレンス・オリヴィエ賞で7部門にノミネートされ、新作ミュージカル賞、振付賞、衣裳デザイン賞の3部門にて同賞を受賞している[8]

音楽はアーヴィング・バーリンが担当。映画版に用いられた楽曲に加えて、バーリンが生前に手掛けた1200曲以上のヒット曲から10数曲を厳選して用いている[9]

日本での公演

日本では2015年9月から10月にかけて東京・東急シアターオーブと大阪・梅田芸術劇場にて初来日公演が行われた[8][9]

日本版としては、2015年3月から4月にかけて宝塚歌劇団宙組公演として梅田芸術劇場メインホールと赤坂ACTシアターで初上演。脚本・演出は齋藤吉正、主演は朝夏まなとが務め、朝夏の宙組トップスターお披露目公演であった[10]。2022年3月から4月にかけて、花組公演として梅田芸術劇場メインホールにて再演[11]。主演は柚香光星風まどか[11]

また、2018年11月から12月にかけて東京・東急シアターオーブと大阪・梅田芸術劇場にて上演。英国版オリジナルスタッフとなっており、演出・脚色はマシュー・ホワイト。主演は20th Century坂本昌行。ヒロイン役の多部未華子は本作がミュージカル本格初挑戦となる[12][13]

主な配役
配役 2015年 2018年 2022年
ジェリー・トラバース 朝夏まなと 坂本昌行 柚香光
デイル・トレモント 実咲凜音 多部未華子 星風まどか
ホレス・ハードウィック 七海ひろき 益岡徹 水美舞斗
マッジ・ハードウィック 純矢ちとせ 朝海ひかる 音くり寿
アルベルト・ベディーニ 愛月ひかる 屋良朝幸 帆純まひろ
ベイツ 寿つかさ 浅野和之 輝月ゆうま

脚注

  1. ^ a b Richard Jewel, 'RKO Film Grosses: 1931-1951', Historical Journal of Film Radio and Television, Vol 14 No 1, 1994 p55
  2. ^ 渡辺武信『映画史上ベスト200シリーズ・アメリカ映画200』、キネマ旬報、1982年
  3. ^ Astaire, Fred (1959). Steps in Time. London: Heinemann. pp. 205-211. ISBN 0-241-11749-6 
  4. ^ a b Mueller, John (1986). Astaire Dancing – The Musical Films. London: Hamish Hamilton. pp. 76-87. ISBN 0-241-11749-6 
  5. ^ Session Timeout - Academy Awards® Database - AMPAS”. Awardsdatabase.oscars.org (2010年1月29日). 2012年11月9日閲覧。
  6. ^ Films Selected to The National Film Registry, Library of Congress 1989-2009 (National Film Preservation Board, Library of Congress)”. Loc.gov. 2012年11月8日閲覧。
  7. ^ アーカイブされたコピー”. 2011年7月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月19日閲覧。
  8. ^ a b 作品紹介”. ミュージカル「TOP HAT(トップ・ハット)」来日公演. 梅田芸術劇場. 2018年5月1日閲覧。
  9. ^ a b 小野寺悦子 (2015年9月29日). “往年の大ヒットミュージカル映画が舞台に!『TOP HAT』”. SPICE. イープラス. 2018年5月1日閲覧。
  10. ^ 宝塚歌劇団宙組・次期トップスターは朝夏まなとに お披露目公演は『TOP HAT』”. シアターガイド (2014年10月2日). 2014年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月20日閲覧。
  11. ^ a b 小野寺亜紀 (2021年12月13日). “『TOP HAT』再演で、花組・柚香光がアステアのダンスに挑む”. Lmaga.jp(エルマガジェイピー). 京阪神エルマガジン社. 2022年4月1日閲覧。
  12. ^ “ミュージカル「TOP HAT」上演決定、坂本昌行・多部未華子らが出演”. ステージナタリー. (2018年5月1日). https://natalie.mu/stage/news/280384 2018年5月1日閲覧。 
  13. ^ “V6坂本昌行、多部未華子と初共演!多部はミュージカル本格初挑戦”. SANSPO.COM (産経デジタル). (2018年5月1日). https://www.sanspo.com/article/20180501-Z5JMSRJSKRMHXPCXNEGQOGR5S4/ 2018年5月1日閲覧。 

外部リンク

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舞台

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