アクロス関係者
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エクセル(EXCEL) 声 - 三石琴乃 秘密結社アクロスの構成員で、本編の主人公。コードカラーは黒と緑。 イルパラッツォに絶対の忠誠を誓い、日々征服活動に意欲を燃やす。真面目ではあるが、単純で猪突猛進型の性格でもあるため、空回りして色々とトラブルを起こすことが多い。 日々の生活費と活動経費とを稼ぐため、バイト三昧の日々(経歴は3桁におよぶ)を送ってきており、驚異的な身体能力とどんな仕事もこなす手際の良さを持つ。 浪費を許さない倹約家だが行き過ぎた吝嗇家ぶりがさらなる災厄(貧乏)に拍車をかける。一時、贅沢な金銭感覚を持つエルガーラとことあるごとに対立していた。大金を所持しているときは尋常でない緊張と恐怖に襲われる。 先端恐怖症であり、尖った物を見ると冷や汗をかいて忌避する。また、温泉が苦手という描写が数度にわたってなされている。 イルパラッツォへの心酔度は3人の女子構成員中最も強い。作中で何度か、自身の過去か前世を匂わせる不思議な夢を見ているが、その中にはほぼ必ずイルパラッツォが登場する。 任務に失敗する度に、イルパラッツォに落とし穴(よく嫌なものが入っている)に落とされるシーンが中盤までは良く見られていた。 「エクセル小林」「ドスコイ花子」などの偽名を持つが、普段は「エッちゃん」で通している。イルパラッツォは「エクセルくん」、エルガーラは「センパイ」とそれぞれ呼称する。 ハイアットが銃の達人、エルガーラが剣術の達人であることを知り、自分には何の特技もないことでショックを受け、一時修行の旅に出たことがある。そのおかげで全身凶器(自称)の格闘の達人になったが、イルパラッツォの許可なく勝手に旅に出たのでいつものごとく落とし穴に落とされてお仕置きされた。 一時期記憶を失くし、四王子研究所で遠縁の“四王子照葉”(しおうじ てりは)として生活していたこともあったが、イルパラッツォと再会することにより記憶を取り戻した。 本人はまったく自覚していないが、超科学の産物による攻撃を完全に無効化する能力がある。 元々は『市立戦隊ダイテンジン』の一キャラである。 ハイアット(HYATT) 声 - 南央美 イルパラッツォが出した新聞広告に応じて参入したアクロスの構成員。コードカラーは赤と黒。エクセルの後輩に当たる。 初登場時は腹黒い言動が目立ったが、後にぼんやりと儚げでありながらもたまに黒い発言をするキャラとして定着した。 極度の虚弱体質であり、常人なら普通にこなす程度の日常行為ですぐ倒れ、完全な死亡状態になる。そのさい大量吐血・心停止・チアノーゼ・半乾燥状態の脱水症状などを起こし、見ている方が心臓に悪い有様を呈して周囲をパニックに陥れるが、当人はやがて平然と蘇生する。特に吐血に関しては彼女の代名詞とも言える症状であり、登場するエピソードで吐血しない話はほとんどない。 その体質の為、万が一を考慮して、失態を犯してもイルパラッツォに落とし穴に落されることは無い。初登場回でエクセルを引き上げようとして一緒に落ちた事などはある。 仮死状態は、積文をはじめとする医療関係者にも見破れない。なお、重度のやけどを負った箇所が脱皮のように剥け、より健康な皮膚が再生するなど、彼女の虚弱体質・再生能力には不自然な点が多い。ガス爆発などの外的障害に対しても、仮死状態を経るものの、エクセル並みの耐久性を持っている(曰く、ハイアットは「死んでいる時が一番タフ」)。 常備薬を山ほど持ち歩いているが、他人が服用すると幻覚を見たり、場合によっては死の危険に晒されたりする代物である。酒を飲むと少しも酔わずに体調が良くなる。また、カプセル・錠剤型のものを見ると、無条件で服用しようとする癖がある。 また、彼女の吐血した血液、剥がれた皮膚などにはなにか得体の知れない毒性があるらしく、エクセルがバイオハザードマークを記して処分することもあった(血液を口にしたメンチとエルガーラは軽く臨死体験した)。 エクセルについては、何でもできる器用さと前向きな性格を非常に尊敬しており、特に前向きさに関しては自分もそうなりたいと願っている。「戦闘員」としては射撃が得意で、本編中では「ゴルゴ13なみ」と言われており、単行本版では実際に狙撃を行っている。 同じアパートの住人の渡辺通に惚れられているが、当初はハイアット自身、隣人以上の感情は抱いておらずなかなか彼の名前を覚えなかった。 一時期、記憶喪失になった際に成り行きで渡辺と同棲している。その後再びアクロスに戻り敵対するものの、ハイアット本人にも渡辺に対する感情が生まれており、最終的に渡辺との関係には結末が用意された。 エクセルからは「ハッちゃん」と呼ばれることが多い。日常生活を営む際の偽名は「綾杉千早(あやすぎ ちはや)」。 アニメでは第2話にて、睡眠カプセルで眠っている状態で初登場。(経緯は不明だが)プチュウの宇宙船の中に収容されていた。エクセルや宇宙執事、ナベシンらの騒動のドサクサで地上に落ち、大雨で浸水していたアクロス本部に流れ着く。そこで目覚め、アクロスの構成員となった。なお、その際イルパラッツォは彼女を「本部からの増援」と解釈したが、真偽は不明。 作者の六道神士は自身の同人誌『FOURTH』で、アニメーション版制作時点で、作品中では一番の美人キャラとして設定したと述べている。 エルガーラ(ELGALLA) ハイアットの後、だいぶ遅れて参入してきたアクロスの戦闘員。アニメには未登場。紫色で縦ロールの髪型が特徴。別任務を受けて単独で行動することもある。コードカラーは黄色。 社交的で愛嬌のある性格だが価値観はドライであり、仲が良いはずのメンチを非常食として使うことにも抵抗がない。しかし、3人のうちもっともメンチの世話を焼いているのも彼女である。 思考内容を気づかないうちに声に出してしまう、本人曰く「隠し事のできない体質」であり、モノローグで思考しても全て台詞として扱われてしまうサトラレ体質である。 初登場時はイルパラッツォに指定された集合場所を間違えてオーナーの経営するホテルに行ってしまい、そのまま成り行きで雇われていた。その為、支配人に「むーちゃん」と呼ばれる謎のメイドとして登場した。また、その性格の為に口止めをされており、当初は無口で感情表現が希薄に見えるキャラであった。同じく集合場所を間違えたエクセル達によってホテルが崩壊した後は改めてアクロスに参入。以後、エクセルの部屋に住みつく事になる。 エクセルに負けず劣らず色々と器用であり、バイト先のホテルやマグロ漁船で重宝されていた。服・装飾品・ぬいぐるみなどを好み、体型を気にするなど、一般的な女性らしい趣味をしているが、そのぶん浪費家でありエクセルによく怒られている。悪酔いする体質であり、3人で酒宴をしたときには、酔った勢いで1000万近くの現金を失くすなどの致命的なミスを犯している。また、ハイアットとは違い、失態を犯せばイルパラッツォに容赦なく落とし穴に落されている。 エクセルと同様イルパラッツォに心酔しており、若干エクセルに対して対抗意識を持っている。ハイアットは「先輩」「ハイアット(綾杉)先輩」と呼ぶが、エクセルに対しては「センパイ」と呼ぶ事から分かるようにあまり尊敬の念を抱いていない。 「戦闘員」としての特技は剣技で、たまに居合いを好む。本人曰く、濡れ藁5本くらいなら一刀両断とのこと。作中では「封印していた奥義」を使用して熊を斬殺していた(ただし、本人の回想の中の出来事なので、どこまで本当かは不明)。 エクセルからは「エル」と呼ばれることが多いが、大きな女っぽく聞こえるので嫌がっている。日常生活を営む際の偽名は宗像香住(むなかた かすみ)。 作者の六道神士は自身の同人誌で、エルガーラの登場によってこれまで築いてきたエクセル&ハイアットの掛け合いが崩れてしまい、構成を組みなおすのに苦労したと述べている。結局「3人の中におけるエルガーラの発言力を低下させる」。なお単行本22巻にてエクセル曰く「序列はヒエラルキー外で常にメンチの斜め下辺り(奴隷以下)」ということになった。 エルガーラがレギュラー化したのは単行本8巻 MISSION2 からだが、8巻中は立ち位置が今ひとつ定まらず、9巻全編を通して徐々にエクセルにコキ使われるようになっていき、10巻ラスト、先述の「大金紛失事件」で3人組の中での彼女の発言力は地に堕ちている。 イルパラッツォ 声 - 子安武人 秘密結社アクロスの総帥。「この世界は腐っている」と宣言し、市街征服を目論む。部下が失敗すると、粛清と称して落とし穴に落とす。 聡明さと冷酷さを併せ持つ支配者だが、計画の目的や内容は不明瞭な形で描かれており、出自の知れぬ超ハイテク技術を持っているなど、とにかく謎が多い存在となっている。 まれに言動や記憶の食い違いが見られる。これは2つの人格を宿していたためで、肝心の征服計画について、一方は行動的な性質を持ち、もう一方は受動的である。エクセル達は終盤までそのことに気づかなかった。これは時折後述する「ピオラ」の人格が出ていた可能性があるほか、作中では時折ダミーがエクセルらの相手をしていた事が明確にされている。 相互の人格間において記憶は共有されていない様子である。行動的な方は四王寺天満宮のコントロール下にあったが、どの時期からは不明。 六本松三式の体に乗り移ったフィオに「ピオ…」と呼ばれていることから、この世界を構築した「何か」(『Holy Brownie』での呼び名は「神様」)の使徒《ブラウニー》の一体であり、『Holy Brownie』の主人公の一人ピオラである可能性がある。また『とり急ぎご挨拶を!』では、作者が「他作品とリンクしている」と明言している。ピオラは遥か昔に本体とも言える「何か」から切り離されてこの世界に追放された状態だった。 途轍もなく長い時間の中「壊れて」しまい、四王寺天満宮と同化した事で修復されたが記憶は戻らなかった。 アニメでは肩書は総帥であるものの上位組織である「本部」が存在する為、実質的には支部長に過ぎない。恋愛育成ゲームに熱中したり、21話で本部連絡員のKEYに心の中で悪態をつく等、原作に比べてかなり人間臭い一面がある。終盤、冷酷で征服に邁進する人格に彼自身が『征服』されてしまう。エクセルを拳銃で撃つなど酷薄な行動を取るが、冷酷な人格との間で葛藤していた。この時、冷酷でない方の人格は自らを「アクロス司令」と呼称している。後にエクセルと再会した際に、彼女に自分ごと冷酷な人格を倒すように命令。彼女の拳で冷酷な人格から解放され、要塞が崩壊する中、彼女を落とし穴を兼ねた脱出ルートに落とした後、自分も後を追って脱出した。 メンチ 声 - こおろぎさとみ エクセルらに非常食として飼われている動物。いつ食われるかと戦々恐々とする日々を送っている。性別はメス。 作中では犬として扱われており、外見もただの白い犬そのものだが、作中のTVニュースではメンチと同じ外見の生物が「非常な希少動物」であると報道されていた。密輸されて高値で取引されており、非常に高い知能を持っているらしいが、エクセル達はその事実を知らない。 エクセルたちが日々の食事に困るたび、身の危険を覚えてストレスを溜めている。何度も脱走を試みるがそのたびに必ず連れ戻され、捕獲された際には自暴自棄になって、食ってくれといわんばかりの態度を取る。 事故で記憶障害を起こして知能が後退していた時期など、普通の仔犬として無邪気に振舞っていたこともある。 エルガーラが来てからは非常食という立場こそ変わらないものの、彼女が良く世話をしてくれる為、多少は元気になった。
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