小麦粉 小麦粉の概要

小麦粉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/18 05:28 UTC 版)

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小麦粉
小麦粉、白、無添加[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 1,523 kJ (364 kcal)
76.31 g
糖類 0.27 g
食物繊維 2.7 g
0.98 g
飽和脂肪酸 0.155 g
多価不飽和 0.413 g
10.33 g
ビタミン
ビタミンA相当量
18 µg
チアミン (B1)
(10%)
0.12 mg
ミネラル
リン
(15%)
108 mg
マンガン
(32%)
0.682 mg
セレン
(48%)
33.9 µg
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

原料に使用する小麦の性質、使用する部位、挽き方により異なる呼称があり、適した用途も異なる。主なものとして、形成されるたんぱく質のグルテンの量と性質により、強力粉、中力粉、薄力粉などに分類される。強力粉はパンや麺に、中力粉はうどん、お好み焼き、たこ焼きに、薄力粉は菓子や天ぷらに適する。全粒粉は精白されていない小麦を用いておりその分栄養に富む。グラハム粉は、同じく全粒だが精製法が違い、表皮と胚芽の部分が粗挽きである。

歴史

古代エジプトの壁画にも小麦の収穫の模様が描かれるほど、人類と小麦の歴史は古く、人類初の作物のひとつとされる。

収穫された種子は基本的には粉にして小麦粉として使われる[3]。初期のコムギはのようにして食べられていたが、穀粒が硬く軟らかくするのに長時間加熱しなければならなかったこと、小麦粉の生地には特有の粘りと弾力性があり食感が好ましかったこと、表皮のふすま(麩・麬=コメでいう)が硬いため取り除こうとすると内側の胚乳部が砕けてしまうことから粉食が基本になった[3]

紀元前3,000年頃の古代エジプトでは、既に無発酵のパンが食べられていた記録が残っている[3][4]

産業革命以降、蒸気機関の利用により、製粉はより大規模となり、世界に流通し、19世紀には、現代でも使用されている製粉機が誕生し、効率・品質ともにより向上した[5]

日本列島では縄文時代石皿磨石を用いて植物や堅果を粉砕し食すという、粉食習慣が行われていた。弥生時代稲作農耕が開始されると石皿・磨石が消失し、米や大麦雑穀などの穀物は粒のまま食する粒食に変化した。小麦は弥生時代以降には日本列島に伝来し、古代には麺類も貴族の間で食されている。中世前期には、こね鉢・すり鉢などの加工具が再び出現し、さらに中世後期には石臼も出現し、僧や武士、庶民の間でも粉食習慣が復活した。江戸時代にはうどん・蕎麦などが食されている。

近代には、戦後の食糧不足対策としてという名目ではあるが、アメリカの小麦戦略から余剰分を援助物資として供給され[6]、学校給食でパン食が取り入れられたことなどからパン食の食習慣が広まった[7]

生地の利用

小麦粉に水を加えて調製したものをドウ(dough)という[3]。小麦粉は液体を加えることにより状態が変化し、粉100に対し水60でパン生地、水45でうどん生地となる。

ドウを応用した料理は、英語では、薄く伸ばして餡などを包んだ料理(ダンプリング、dumpling)と、切る、伸ばす、ちぎる、穴や型から押し出すなどの方法で成形した料理(ヌードル、noodle)に大別される[3]。一方、漢字の「麺」は本来は小麦粉そのもののことで、のちに小麦粉を練って作った食品を指すようになった[8]。日本語の「麺」は中華麺やうどんなど英語のnoodleに相当するものを指すようになっている[3]

また、粉の2倍の水または卵を加えて混ぜた緩やかな生地はバッター (料理)英語版と呼び、天ぷらの衣やケーキに使われる。5-20倍の水を加えて加熱しながら混ぜるととなり、合板の接着にも使われる(等級の低い末粉が適する)。同量のバターと共に炒るとルーとなり、ソースやシチューのとろみをつけるのに用いられる[9]


  1. ^ [どれ?]米国農務省食品成分データベース (英語)
  2. ^ #メリケン粉とうどん粉の違い参照
  3. ^ a b c d e f 吉田宗弘. “うどん類の歴史と分類”. 関西大学. 2020年11月8日閲覧。
  4. ^ 小麦粉の歴史・文化、小麦粉百科」日清製粉グループ、閲覧2017年5月30日
  5. ^ 粉砕部分に着目した製粉機の分類、製粉の歴史」木下製粉株式会社、閲覧2017年5月30日
  6. ^ 学校給食の歴史、学校給食について」全国学校給食会連合会。閲覧2017年5月30日
  7. ^ 「コメよりパン」になった日本人の食卓」ニッポンドットコム。閲覧2017年5月30日
  8. ^ 豊田実「最近の麺事情について」『調理科学』24巻 1号 1991年 p.36-42, doi:10.11402/cookeryscience1968.24.1_36
  9. ^ a b c 長尾精一『粉屋さんが書いた小麦粉の本』三水社、1994年。ISBN 4-915607-68-2
  10. ^ ジェフリー・ハメルマン 2009, pp. 36-38.
  11. ^ 東京都火災予防条例
  12. ^ 長尾精一編 『小麦の科学』朝倉書店、1995年、p.62。ISBN 978-4-254-43038-7
  13. ^ 小麦・小麦粉の商品知識、小麦粉のおはなし」製粉振興会。閲覧2017年5月30日
  14. ^ 小麦粉のはなし、小麦と小麦粉のはなし」木下製粉株式会社。閲覧2017年5月30日
  15. ^ プレミックスとは?」日本プレミックス協会。閲覧2017年5月30日
  16. ^ 長尾精一編 『小麦の科学』 朝倉書店、1995年、pp.187-188、ISBN 978-4-254-43038-7
  17. ^ 『広辞苑 第五版』岩波書店、1998年。ISBN 978-4000801119
  18. ^ 第10回 メリケン粉、洋菓子の世界」日本洋菓子協会連合会。閲覧2017年5月30日
  19. ^ a b c 藤原 逸樹. “粘土遊びの指導法に関する一考察”. 安田女子大学. 2019年11月11日閲覧。


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