小麦生産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 10:40 UTC 版)
「ノースダコタ州の地理」の記事における「小麦生産」の解説
ノースダコタは春に種を播く春小麦地帯の中央に位置し、春小麦の収穫が全米で一、二を争う。小麦の作付け面積は1162万5000エーカー(1997年)。全小麦の収穫では全米2位(835万トン)であるが、これは春小麦よりも単位面積当たりの収量が大きい冬小麦地帯の中核州カンザス州(856万トン)が存在するためである。春小麦の播種は4月中旬から始まり、5月上旬に繁忙期を迎える。7月上旬に収穫できる地域も存在するが、多くは8月中旬から9月上旬にかけて収穫する。なお、冬小麦は9月から10月にかけて播種し、5月から7月にかけて収穫している。 小麦の栽培品種は2つに大別できる。いずれの品種もノースダコタ州に栽培地が特に集中している。 粒の硬い外皮が赤みを帯びたハード・レッド・スプリング(春小麦)は、州の小麦作付け面積の約3/4を占める。平年収量は33ブッシェル/エーカー。タンパク質含有比率が高く13.5%から14%に達するために強力粉に製粉される。強力粉はパンの原料として適する。ハード・レッド・スプリングは、病気に対する抵抗性、タンパク質含有比率、収量の組合せによってさらに30種類以上の品種に分類されている。世界市場での需要、競合諸国の動向、天候の予測、より優れた品種の登場などにより、数年ごとに栽培品種はめまぐるしく変わっていく。 ハード・アンバー・デュラム Triticum durum は外皮が琥珀色に輝いて見える。デュラム種は作付け、収穫とも春小麦より1週間ほど遅い。作付け面積では全小麦の1/4を占める。平年収量は25ブッシェル/エーカー。栽培種としては唯一の四倍体コムギであり、粒が大きく、小麦としては最も硬い。デュラムは粒が荒い状態デュラムセモリナに製粉され、マカロニやパスタなどの原料となる。デュラムも15種類以上の品種に分かれる。デュラム種の栽培品種もハード・レッド・スプリング同様、移り変わりが激しい。 州では全土の農業生産地域を井の字形に9つの地区に分けて管理している。春小麦の生産が最も盛んなのは、タウナー郡、ラムジー郡、ネルソン郡、グランドフォークス郡などを含む北東部である。この地区だけで春小麦作付け面積の20%を占める。グリッグス郡、トレイル郡、キャス郡、バーネス郡などを含む東中央部が次ぐ。中央部とグレートプレーンズに属する南西部も作付け面積が広い。 デュラム種は降水量の少ない西部に集中しており、西部3地域で8割の作付け面積を占める。
※この「小麦生産」の解説は、「ノースダコタ州の地理」の解説の一部です。
「小麦生産」を含む「ノースダコタ州の地理」の記事については、「ノースダコタ州の地理」の概要を参照ください。
- 小麦生産のページへのリンク