キャリア・コンサルタント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/03 04:59 UTC 版)
![]() | この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
キャリアコンサルタント | |
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略称 | キャリコン、CC |
実施国 |
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資格種類 | 国家資格 |
分野 | キャリアコンサルティング |
試験形式 | 講習、学科、実技 |
認定団体 | 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会 |
認定開始年月日 | 2016年4月 |
等級・称号 | キャリアコンサルタント |
根拠法令 | 職業能力開発促進法 |
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資格
資格創設の経緯
日本においては、2002年に厚生労働省が計画決定した「キャリア・コンサルタント5万人計画」がきっかけとなり、民間資格としての「キャリアコンサルタント」の資格講座や認定試験が開始された。「官民合同で5万人のキャリアコンサルタントを養成すること」を目標とし、独立行政法人雇用・能力開発機構が養成講座を最初に開始した。その後、人材派遣会社、コンサルティング会社、専門学校、カウンセラー養成講座を実施する各種団体などが、それぞれ厚生労働省の認可を受けて養成講座と認定試験を行うようになり、それらの資格の中から後述する標準レベルキャリアコンサルタントが生まれた。
国家資格キャリアコンサルタント(入口レベル)
2016年4月に、キャリアコンサルタント国家資格が創設された。国家資格化までに標準レベルキャリアコンサルタントの資格を取得していた者は、国家資格キャリアコンサルタントとして登録申請を行うことができる[1]。2018年現在、キャリアコンサルタントという名称を名乗るためには、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会が実施する国家資格キャリアコンサルタント試験に合格したうえで、その資格登録の申請を行ない、キャリアコンサルタント名簿に登録される必要がある。[3]なお、資格のレベルとしては、国家資格キャリアコンサルタントはあくまでも「入口レベル」と位置付けられており、上位資格として2級キャリアコンサルティング技能士(熟練レベル)、1級キャリアコンサルティング技能士(指導レベル)が存在する。
標準レベルキャリアコンサルタント(入口レベル)
2016年にキャリアコンサルタントが国家資格化される前まで、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会により指定された機関の試験に合格した者等を標準レベルキャリアコンサルタントと呼んでいた。この資格の保有者は、2015年3月末現在で42,131人であった。標準レベルキャリアコンサルタントの対象となる団体の講座を受講し、一定の条件を満たす(試験の合格など)と、各団体が定めた資格を得られると共に、標準レベルキャリアコンサルタントと名乗ることができた。 2016年4月の国家資格化に伴い、標準レベルキャリアコンサルタントであった者は、キャリアコンサルタント名簿に登録されることで「キャリアコンサルタント」と名乗ることができる。この標準レベルキャリアコンサルタントも、資格のレベルとしては国家資格キャリアコンサルタントと同様に「入口レベル」に位置付けられている。
2級キャリアコンサルティング技能士(熟練レベル)
2007年にまとめられたキャリアコンサルティング協議会の報告書「キャリアコンサルティングに関する実態調査結果報告書」[4]は、「過半数の会社で資格呼称や内容に団体のばらつきがあることに疑問が呈された。業界として扱いづらく、キャリアコンサルタントとは何かということになってしまうという恐れも一部では語られた。」と指摘した。また、厚生労働省が発表した「キャリアコンサルタント制度のあり方に関する検討会」報告書[5]は、「『職業能力形成システム(通称「ジョブ・カード制度」)』参加者に対し、実施されるキャリアコンサルティングの担い手としてのキャリアコンサルタントの充実の必要性が生じている。(中略)専門的なキャリアコンサルタントの養成へ向けた質量両面で充実を図る取組みが不可欠となっている。」とする一方で、「キャリアコンサルタントのレベルアップと試験の統一を図ることを目的とするのであれば、参入規制を伴う業務独占資格のような制度ではなく、技能検定のような、一定の能力水準にあることを公証するシステムを用いることが考えられる。」と指摘した。
これらの答申等を踏まえ、国の技能検定制度の一種としてキャリアコンサルティング技能士が2008年に新設された。試験は、特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会[注 1][6]が実施する[注 2]。
2級キャリアコンサルティング技能検定を受検するには、原則として5年以上の実務経験が必要だが、標準レベルキャリアコンサルタントの者は3年、標準レベルキャリアコンサルタント養成研修と同等若しくはそれ以上の養成研修を受講し修了した者は4年の実務経験でよい[7]。そのほかにも、大学や大学院にて規定の単位を取得した者も実務経験年数が短縮される。検定試験は実技試験と筆記試験からなるが、標準レベルキャリアコンサルタントは「特例講習」を受けることで、学科試験が免除される。
1級キャリアコンサルティング技能士(指導レベル)
(作成中)
ジョブ・カード作成アドバイザー
かつてのジョブ・カード制度では、ジョブ・カード講習を受講したうえで、厚生労働省または登録団体に登録された者で、標準レベルキャリアコンサルタントおよび産業カウンセラーなど、一定の資格を保持する者のことを登録キャリアコンサルタントと呼んでいた。なお、ジョブ・カード講習は2019年3月31日で終了することが決定しており、[8] 2015年10月、ジョブ・カード制度は、新ジョブ・カード制度に移行し、それに伴い登録キャリアコンサルタントはジョブ・カード作成アドバイザーに名称が変更された。
活動
主な活動場所
キャリアコンサルタントの主たる活動領域は、大別すると以下の3つである。
- 需給調整機関領域
- 教育機関領域
- 企業領域
- 一般企業、人材派遣会社、人材紹介会社、職業紹介会社など
注釈
出典
- ^ a b 「キャリアコンサルタントWebサイト|厚生労働省」2018年1月24日閲覧。
- ^ 「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント |厚生労働省」2018年1月24日閲覧。
- ^ 「キャリアコンサルタントになりたい | 特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会」2018年1月24日閲覧。
- ^ キャリア・コンサルティングに関する実態調査結果報告書(キャリア・コンサルティング協議会、2007年3月)
- ^ キャリア・コンサルタント制度のあり方に関する検討会概要(厚生労働省)
- ^ 当協議会がキャリア・コンサルティング技能検定の指定試験機関として指定されました(非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会)
- ^ 受検案内(非営利活動法人キャリア・コンサルティング協議会)
- ^ 「ジョブ・カード講習案内」2018年5月27日閲覧。
- 1 キャリア・コンサルタントとは
- 2 キャリア・コンサルタントの概要
- 3 脚注
キャリア・コンサルタントと同じ種類の言葉
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