しゅう【州】
しゅう〔シウ〕【州/×洲】
読み方:しゅう
[名]
1 米国・オーストラリアなどの連邦国家を構成する行政区画。「—の法律」「—政府」
2 日本で古くから用いた地域単位としての国(くに)。「甲州」「上州」など。
3 古代中国の行政区画の一。漢の武帝が郡県の上に13州を置いたのに始まる。のち、しだいに細分化されて郡との差がなくなり、近代になって廃止。
す【州/×洲】
州
国 1とは通常、国民 2(333-3参照)または民族 2の領域(301-2)である。一つの民族に属する人々は、一般に同じ文化を共有する。国家 3とは政治的主体である。この用語は二つの違った意味で用いられる。最も普通の意味では、国家とはその領域においてそこに住む人々に対して全面的な統治権を有する主体である。しかしながら、連邦国家群 4からなる連邦 4の多くがやはり州 5と呼ばれる小さな単位に分かれており、国家の統治権は絶対的でないことがある(例:アメリカ合衆国、オーストラリア)。領域 6(301-2)なる語は通常、地理的地域について用いるが、時に最近入植した新しい政治的地域を表すのに用いることがある。自治区域 7と非自治区域 8を区別することがある。
州
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/23 22:02 UTC 版)
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州(しゅう)は、行政区画の一種。
州の首都は州都・州府・州庁所在地などと、州の長は州知事・州長などと、州の行政府は州政府・州庁などと呼ばれる。
州と洲・島
洲とも書く。本来は州が中州を意味したが、州が行政区画も意味するようになったので、さんずいを加えて中州の意味を明らかにした字が洲である。しかし、古くから互いに通用できる。特に現代日本では、洲が常用漢字でないため、意味にかかわらず州と書くことが多い。また漢文においては、集落をつくれるほどの大きさのものを州、それよりも小さなものの場合を島として書き分けているが、いずれも「しま」と訓じている。
中国語では、現在でも洲は五大州(例:zh:大洋洲)の意味で使われており、日本語でも以前はそのように使われていた。[1][2]
漢字圏の「州」
中国
古く周代には、2500戸からなる集落を州と呼んだ。
まもなく地域単位として用いられるようになり、一般に全土(天下)を九等分して九州と呼んだ。九州の名は異説が多いが、『書経』によれば、冀州・兗州・青州・徐州・豫州・荊州・揚州・雍州・梁州である。
後漢は3級制を敷き、州・郡・県の3段階の行政区画を置いた。全国を13州に分けて各州に刺史を置いた。その後の王朝も3級制を踏襲したが、隋の文帝は郡を廃止し、州・県の2級制とした。
隋の次の唐は郡を州と改名し、州(旧・郡)の上に道を設置した。その後、最大の行政単位は道(唐)・路(宋)などと変遷したが、その下の行政区分として州は存続した。977年、宋の太宗は全国の州を中央政府の直轄とし、知州事を派遣した。州府(州の役所が置かれた都市)の中には、広州、鄭州、杭州、蘭州、温州、福州など、現在も州の字を名に持つ都市が少なくない。
中華人民共和国の現行制度下では、州は、地区、地級市、盟とともに、地級行政区の一種であり、第一級行政区(省、自治区、直轄市)の下、県級行政区(県など)の上に位置づけられている。地級市は中国の全省および全自治区に設置されているのに対し、地区、州、盟は、分布に偏りがある。すなわち盟は内モンゴル自治区において、地区は黒竜江、貴州、甘粛、青海の諸省およびチベット自治区において、州は、新疆ウイグル自治区と、内地各省の少数民族地方に設置されている。すなわち、州と名のつく地方行政単位は例外なく、すべていずれかの少数民族の自治州となっている。
日本
日本でも令制国を中国風に通称して州と呼ぶことがあった。なお、州と書いて「くに」と訓ずることもあった。
個々の国を呼ぶときは、国名から1文字(多くの場合1文字目だが例外もある)を取り、例えば武蔵国なら「武州」、甲斐国なら「甲州」と呼ぶ。令制時に「前中後」や「前後」の国に分けられたが、前者には「越州」とも呼ぶ越前、越中、越後や、後者には「筑州」とも呼ぶ筑前国と筑後国がある。また、「野州」は下野国のみを意味し、上野国は「上州」と呼ぶ。完全なリストは令制国一覧を参照。
長野県歌「信濃の国」の歌い出し「信濃の国は十州に」の「十州」とは、信濃国に隣接する10国(越後、越中、上野、武蔵、甲斐、駿河、遠江、三河、美濃、飛騨)のことである。また「九州」の呼称も9国(豊前、豊後、筑前、筑後、肥前、肥後、日向、大隅、薩摩)からなっていたことに由来する。日本全土を六十余州と呼ぶのも、明治の改廃まで日本全土の国の数が68であったことに由来する。
日本統治時代の台湾では、1920年から1945年まで、行政区画として5州3庁が置かれた。これは内地の府県相当の行政区画で、州には台湾総督が任命する州知事が派遣された。(日領時代の樺太・台湾の州庁の英訳語は共に都道府県と同じ「prefecture」である。)
その他
西暦757年(景徳王16年)に全国九州が確立し、高麗時代には「州」のつく地名が多数出現したが、李氏朝鮮時代にこれらは「山」・「川」のつく地名に再編された。
現在の韓国・北朝鮮で「州」のつく地名(慶州・光州・新義州など)がみられるのは、この名残である。
満州(満洲)は女真族系の諸国を統一して後金(後の清朝)を建てた建州女直の満洲語による自称国名であるマンジュ (Manju)への当て字「満洲」について、日本で常用漢字外の「洲」を「州」に置き換えた表記であり、行政区画の州とは無関係である。
翻訳語としての「州」
東アジアにおける地方行政単位としての州の用例から転じて、ある国家の中で、国家に直属し、広範な領域を持っていたり、高度な自治権を持っていたりする行政単位のことを、「県」ではなく「州」と訳す場合がある。特に、アメリカ合衆国やオーストラリアのステート (state) 、イタリアのレジョーネ (regione) 、カナダのプロヴィンス (province) 、ドイツのラント(連邦州) (Land) 、スイスのカントン (canton) / (Kanton) 、マレーシアのネゲリ(Negeri)のように一定の主権を持ち、連邦を構成する支国またはそれに匹敵する広域行政区画はほとんどの場合「州」と訳され、「県」と区別されることが多い。
中国の省やフランスの地域圏 (région) も州に相当すると考えられる。ただしすでに述べたとおり、中国の州は省と県の間であり、注意が必要である。
ベルギーではカントンは郡を表す言葉である。このため、各種の文献において訳者によっては、州でなく県と訳している場合がある。いずれにせよカントンは日本やフランスの地方自治とは制度が異なり、一概に州や県にあてはめることはできない。
仏教
州(洲)は、中州の意味から転じて、仏教の世界観において須弥山を取り巻いて存在する四つの陸地(島)を、漢訳して四洲と呼んだ。ここから州は大陸を指す語となり、アジア大陸を亜細亜洲と呼んだり、世界を六大州に分けて大陸を中心にその周辺の島嶼や海域を含む地域を州と呼ぶ。
脚注
関連項目
州(カントン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 05:14 UTC 版)
「スイスの地方行政区画」の記事における「州(カントン)」の解説
スイスの地方行政区画は、まず26のカントン(ドイツ語: Kanton, フランス語: canton, イタリア語: cantone, ロマンシュ語: chantun)と呼ばれる州からなる。これは19世紀半ばまで、独自の軍や通貨を持った主権国家であったものであり、現在の連邦制度は1848年に確立された。 16世紀に、スイス連邦は13の自治州から構成され、これらはカントンと呼ばれた。また、6つの森林州と7つの都市州という異なる州が存在していた。厳密には神聖ローマ帝国の一部であったが、1499年にはマクシミリアン1世を打破し、その支配から独立した。 チューリッヒ、ベルン、バーゼルを含む都市州では富裕層による市議会の寡頭支配がなされる一方、森林州は民主主義共和制であった。 各州には独自の憲法、議会、政府そして裁判所があり、多くの議会は一院制である。議会の議席数は州により58から200迄の幅があり、幾つかは総会 (Landsgemeinden) である。また、州政府は5人或は7人で構成されている。スイスの憲法によって連邦が担当すると規定されている事項以外のすべての事項はカントンが担当する。カントンは自治体の自治権力を定めるが、その幅はカントンによって大きく異なる。州の規模は面積で37km2から7,105km2、人口で14,900人から1,244,400人と様々である。 州の問題に対して、総会による直接民主制を採るのはアッペンツェル・インナーローデン準州とグラールス州のみであり、他の州は投票を用いている。 州の新設は、1978年のジュラ州が最後である。州の数は23と数えられる場合があり、この場合、ウンターヴァルデン (Unterwalden)、アッペンツェル (Appenzell)、バーゼル (Basel) にある準州は半分として数えられる。ウンターヴァルデンはオプヴァルデンとニトヴァルデン、アッペンツェルはアッペンツェル・アウサーローデンとアッペンツェル・インナーローデン、バーゼルはバーゼル=シュタットとバーゼル=ラントの各準州である。この区画は歴史的理由で残されており、州議会での議席数と連邦首相の投票に影響を及ぼすのみとなっている。1999年の新憲法では26州各々が列挙されている。
※この「州(カントン)」の解説は、「スイスの地方行政区画」の解説の一部です。
「州(カントン)」を含む「スイスの地方行政区画」の記事については、「スイスの地方行政区画」の概要を参照ください。
州
出典:『Wiktionary』 (2020/11/25 10:59 UTC 版)
発音(?)
名詞
訳語
- イタリア語: stato, provincia
- 英語: shire, state, province
- スペイン語: estado
- ドイツ語: Land, Staat, Provinz
- フランス語: état, province
- ポルトガル語: estado, província
- ロシア語: область, штат, провинция
熟語
- 州郭
- 州郡
- 州部
- 自治州
手書きの字形について
3つある点は縦に打っても斜め(主に左から右)に打ってもよい。また、上記筆順画像のようにその打ち方は一様である必要もない[1]。
州
「州」の例文・使い方・用例・文例
- 米国大西洋岸諸州
- 砂州
- その川がその2州の境界線となっている
- 米国では州ごとに違う賭博に関する法律がある
- フロリダ州の候補者は200票を獲得した
- 新しいコーチの元でチームは州の決勝まで進んだ
- 合衆国は50州の連合体です
- ナイル川の三角州
- その山脈が2つの州の境界線になっている
- アメリカ東部諸州
- 欧州統合
- 国税と州税
- ミシシッピ川は10の州を通って流れる
- ハワイ州知事
- 欧州共同体には12か国が加盟している
- オハイオ州道路地図
- 州兵は洪水の被害者救出に出場を命じられた
- ミシシッピ川はニューオリンズ州を通り,メキシコ湾に注いでいる
- 彼女は州立大学へ入る奨学金をもらった
- アメリカ合衆国は50州ある
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