マインド・スポーツとは? わかりやすく解説

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マインドスポーツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/01 06:25 UTC 版)

一例・チェス

マインドスポーツとは、高い思考能力を用いて競われるゲームを一種の「スポーツ」と見なしたもの。頭脳スポーツとも呼ばれる。

概要

1996年に教育コンサルタントトニー・ブザンによって、バックギャモンが記憶能力や判断能力などのの肉体的能力を使う「スポーツ」であると呼ばれ始めたのが起源である。ブザンは1997年からマインドスポーツオリンピアードという複数のボードゲームやカードゲームで競う大会を毎年開催し、「スポーツ」といえば運動競技という考えが定着しているヨーロッパに、新しい「マインドスポーツ」の概念を導入しようと試みた。

2005年には、国際チェス連盟チェス)、国際ドラフツ連盟(チェッカー、ドラフツ)、国際囲碁連盟囲碁)、世界ブリッジ連盟(コントラクトブリッジ)の4つの国際競技団体が結集し、国際マインドスポーツ協会(IMSA)が創設された(2015年に世界シャンチー連盟(シャンチー)、2017年に麻雀国際連盟(麻雀)、2018年にカードゲーム連盟(トランプ全般)が加盟)[1]。国際マインドスポーツ協会による国際オリンピック委員会(IOC)への働きかけ[2]ワールドマインドスポーツゲームズ(WMSG)第1回大会が2008年北京オリンピック後の中国北京市で開催されている。WMSG組織委員会の名誉会長には当時のIOC会長ジャック・ロゲが就いた[2]スポーツアコードワールドマインドゲームズ国際競技団体連合とIMSAによって北京で行われている。

また、頭脳スポーツ財団(brain&mind-sports foundation)主催の「国際頭脳スポーツフェスティバル」が東京体育館で2004年から開催され、2回目が2013年に横浜で開催されたがトラブルとなった。なお、アジア・オリンピック評議会(OCA)が主催するアジア競技大会では、カタールドーハ2006年アジア競技大会チェスが、中国広州2010年アジア競技大会囲碁が、インドネシアジャカルタ2018年アジア競技大会コントラクトブリッジが正式種目となっており、同じくOCAが主催するアジアインドアゲームズでは中国・マカオ2007年アジアインドアゲームズからチェスとシャンチーが正式種目となった。

日本でも頭脳スポーツ財団が総合の競技大会の開催を目標に活動しており、文部科学省も頭脳スポーツふれあい体験会などを開催している。「頭脳スポーツ Mind Sports[3]」、「Mind Sports[4]」は、日本国において頭脳スポーツ財団が登録商標を取得している。

代表的なマインドスポーツ

伝統的なボードゲームカードゲームの大半がマインドスポーツに含まれる。丁半ルーレットなど運が支配的なカジノゲームギャンブルゲーム)は除外されることが多いが、運要素のあるゲームであってもポーカーバックギャモンのように戦略・競技性が高ければマインドスポーツに分類される。

国際マインドスポーツ協会が主催するワールドマインドスポーツゲームズでは、2008年の第1回大会ではチェスシャンチードラフツチェッカー)、囲碁コントラクトブリッジの5競技が実施され、その後、麻雀トランプポーカー(仮加盟)の国際団体が国際マインドスポーツ協会に加盟し、2018年現在8競技となっている[1]

1997年に始まったマインドスポーツオリンピアードでは、60を超える様々な競技が実施されている[5]が、このうちチェス、ドラフツ、囲碁、リバーシ、コントラクトブリッジ、マスターマインド、クリエイティブシンキング、メモリースポーツ暗算、インテリジェンス(IQテスト)の10種目の合計点を競う十種競技としてDecamentathlon英語版が花形競技となっている(2008年からはコントラクトブリッジに代わってバックギャモンが追加された)。

このほか、日本では桑名七盤勝負という名前でチェス、将棋、どうぶつしょうぎ、囲碁、五目並べ連珠)、リバーシ(オセロ)、バックギャモンの7種目をプレイする大会が毎年開催されている。

運要素の有無、プレイ人数、使用用具などによってさまざまな分類方法が可能であるが、上記に採用された代表的なマインドスポーツ競技を分類別に挙げると以下のようになる。

偶然の要素を含まない2人制ボードゲーム

チェスシャンチー将棋ドラフツチェッカー)、囲碁五目並べ連珠)、リバーシなどの二人零和有限確定完全情報ゲームに該当する伝統的ボードゲームは、マインドスポーツの代表例として取り上げられる。

偶然の要素を含むテーブルゲーム

ボードゲームではバックギャモン、タイルゲームでは麻雀、カードゲームではポーカーコントラクトブリッジなどは、偶然の要素が含まれるが戦略性が重要であり、マインドスポーツに含まれる。

思考や記憶などの能力自体を競うもの

メモリースポーツ数学の能力を競う競技IQテストなどもマインドスポーツの一種として扱われることがある。

脚注

  1. ^ a b History - International Mind Sports Association”. 2021年4月3日閲覧。
  2. ^ a b 「第1回ワールドマインドスポーツゲームズ」参加5競技6団体「WMSG チームジャパン」結成”. 日本棋院 (2008年5月16日). 2017年4月11日閲覧。
  3. ^ 商標登録第4906585号
  4. ^ 商標登録第5842865号
  5. ^ About - Mind Sports Olympiad”. 2021年4月3日閲覧。

関連項目

外部リンク


マインドスポーツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 14:22 UTC 版)

団体戦」の記事における「マインドスポーツ」の解説

将棋 プロには、公式戦としては団体戦棋戦はないが、アマチュアには職場学校などを単位とした団体戦大会がある。 プロ棋士将棋ソフトによる将棋電王戦は、2013年から2015年は5対5の団体戦形式開催されていた。 囲碁 麻雀

※この「マインドスポーツ」の解説は、「団体戦」の解説の一部です。
「マインドスポーツ」を含む「団体戦」の記事については、「団体戦」の概要を参照ください。

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