しん【信】
読み方:しん
[音]シン(呉)(漢) [訓]まこと
2 まことと思う。疑わない。「信条・信託・信任・信念・信用・信頼/過信・確信・誤信・自信・所信・盲信」
3 神仏を信じて帰依する。「信教・信仰・信者・信心・信徒/狂信・篤信」
4 遠くまで届く合図や便り。「信号・信書/音信(いんしん・おんしん)・交信・私信・書信・通信・電信・発信・返信・来信」
しん【信】
信
信
姓 | 読み方 |
---|---|
信 | しん |
信 | のぶさき |
信 | のぶたか |
信
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/21 09:48 UTC 版)
信(しん)は、一般的には真実で偽りのないこと[1]。信用。信仰。宗教・倫理の分野においてさまざまに用いられる。
儒教における「信」
儒教においては、五常(仁義礼智信)の一徳目であり、友情に厚く、人をあざむかないこと、誠実なことをいう[1]。孔子は「民、信なければ立たず」(人間は信がなければ生きていくことができない)と「信」の重要性を指摘している[2]。孟子は、人が守るべき「五倫」の道のなかに「朋友(ほうゆう)信あり」として「信」を守るべき徳のひとつとして掲げている。また、孟子の四端説における「仁義礼智」の四徳に対し、前漢代になって、五行説にもとづいて董仲舒により「信」の徳目が付け加えられ、合わせて「仁義礼智信」の「五常」と称された[3]。
仏教における「信」
仏教用語 信 |
|
---|---|
パーリ語 | saddhā |
サンスクリット語 | śraddhā |
チベット語 | དད་པ (Wylie: dad pa THL: dat pa) |
ベンガル語 | শ্রাদ্ধের |
中国語 | 信(T&S) (拼音: xìn) |
日本語 | 信 (ローマ字: shin) |
朝鮮語 | 믿음 (RR: mid-eum) |
英語 | Faith |
クメール語 | សទ្ធា (satthea) |
シンハラ語 | ශ්රද්ධාව (shraddhawa) |
タイ語 | ศรัทธา |
ベトナム語 | đức tin |
仏教においては、サンスクリット語のシュラッダーŚraddhā もしくプラサーダPrasada の訳語で、開祖仏陀(ゴータマ・シッダールタ)の教えを信ずることによって、心が清らかに澄みわたることをさしている[1]。
- 五根 (三十七道品)のひとつ
- 解脱への道において、最初の段階。象跡喩小経などで示される[4]。
- 世親は『倶舎論(阿毘達磨倶舎論)』において「信とは心をして澄浄ならしむ」と記し、世親の学統を継ぐ倶舎宗にあっては万象を75種の実体に分別し、それを5つに大別した分類法(五位法)のひとつ「心所法」において、その一部としている[1]。
カーラーマ経において釈迦は、聖なる権威、伝統などであったり、または自分の師匠だからといった理由での盲目的な「信」に反対している[5]。そして何が諦(saccaṃ)であるかを自ら判断するための、10つの判断基準を述べている[5]。
Etha tumhe kālāmā mā anussavena, mā paramparāya, mā itikirāya, mā piṭakasampadānena, mā takkahetu, mā nayahetu, mā ākāraparivitakkena, mā diṭṭhinijjhānakkhantiyā, mā bhabbarūpatāya, mā samaṇo no garū'ti.
カーラーマたちよ、あなたがたは、風説(anussavena)によるなかれ。伝承(paramparāya)によるなかれ。伝聞(itikirāya)によるなかれ。聖典(piṭaka)記載によるなかれ。推論(takka)によるなかれ。公理(naya)によるなかれ。類比(ākāra)によるなかれ。見解(diṭṭhi)からの推論に対する受容によるなかれ。有能な外見(rūpatāya)によるなかれ。自分の師(garū'ti)である沙門という理由によるなかれ。
- 風説,口伝 - 仙人が神々から聞いたとされる言い伝え[5]。
- 伝承 - 親から子、師匠から弟子へ伝えらえる教え[5]。
- 伝聞 - 世間ではこのように言われているといった情報[5]。
- 聖典,聖書 - テキストに記載されている情報[5]。
- 推論 - 一般的前提をもとに思考する、演繹法が成り立つということ[5]。
- 公理,推測 - それぞれのデータをもとに、普遍的な法則を見出す帰納法[5]。
- 類比 - 話術、プレゼンテーションのうまさ[5]。
- 見解からの推論 - 同じ見解を持っているからといった理由[5]。
- 有能な外見 - もっともらしいこと[5]。
- 師である沙門 - 聖者であること[5]。
イスラム教における「信」
イスラム教では、コーランに記された「信ずべきもの」を指している。
の6か条がそれであり、これは「六信」と総称される。
脚注
参考文献
- 中村新吉・杉原安・工藤文三『倫理、政治・経済用語資料集』駿台文庫、1987年7月。ISBN 4-7961-1973-6
- 小川宏「信」小学館編『日本大百科全書』(スーパーニッポニカProfessional Win版)小学館、2004年2月。ISBN 4099067459
- 廣常人世「五常」小学館編『日本大百科全書』(スーパーニッポニカProfessional Win版)小学館、2004年2月。
関連項目
信(しん)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/17 14:45 UTC 版)
「月の蛇 〜水滸伝異聞〜」の記事における「信(しん)」の解説
趙優(飛虎)が拉致された盗賊団の少年部隊の隊長。自身も拉致され賊に組み入れられた過去を持つ。優の兄貴分的存在となるが、ある城を襲撃した際、怖気づいて動けなくなっていた優を庇い致命傷を負う。これに発奮してその敵を倒した優を「お前はもっと強くなれる」と励ますが、最後は痛みと迫る死への恐怖で錯乱状態となりそのまま絶命。その悲惨な最期を目の当たりにしたことと、彼の死に対する自責の念から優は修羅の道を歩むこととなった。
※この「信(しん)」の解説は、「月の蛇 〜水滸伝異聞〜」の解説の一部です。
「信(しん)」を含む「月の蛇 〜水滸伝異聞〜」の記事については、「月の蛇 〜水滸伝異聞〜」の概要を参照ください。
信
出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 12:58 UTC 版)
発音(?)
のぶ(人名。「信」の音が「伸」〔シン、の-ぶ=の-びる〕や「申」〔シン、の-ぶ=の-べる〕に通じることから)。
名詞
動詞
- (シン)信と思う。うそ偽り無く確かに正しいまことの事だと強く思い込んで受け入れる。
- (シン)信にする。当てにするに足りる頼もしい相手であると見込んで心を寄せる。信を置く。信用する。信頼する。
- (シン)信せる。(この世のことわりを超えた力を持つとされる神や仏などといったものや その教えなどを)うそ偽りなく確かに正しいものとして疑う事無く受け入れ、いざというときに頼るに足りる頼もしいより所であると当てにしてこれに心を寄せて依り恃み、素直に身を任せてそれに従おうとする。信仰する。信心する。
- それぞれ人人は何らかの思想の体系の中に自分を編入したり、されたりしたことを意識しているにちがいない現在、――いかなるものも、自分が戦争に関係がないと云えたものなど一人もいない現在の宿命の中で、何を考え、何の不平を云おうとしているのであろうか。鵜のように人人の首に締った綱を握っているものは世界でただ一人である。また、このものは誰かということも、誰も知ることなど出来る筈はない。合理がこれを動かすのか、非合理がこれを動かすのかそれさえ分らぬ。ただ分っていることは、人人は神を信じるか、それとも自分の頭を信じるかという難問のうちの、一つを選ぶ能力に頼るだけである。(横光利一『鵜飼』 後者の「信じる」は語義2)
活用
語幹 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 仮定形 | 命令形 | 活用型 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
信 | じ | じ | じる | じる | じれ | じろ | ザ行上一段 |
発音(?)
- し↗んじ↘る→(sinzíru)
熟語
信
信 |
「信」の例文・使い方・用例・文例
- 君のことは完全に信用してます
- 数字の13が不運をもたらすと信じるのはばかげている
- 彼は私の信頼を食いものにした
- 説明を信じる
- 彼女の行為は信念と合致していた
- 「それでもあなたの言っていることは信じられない」と彼は付け加えて言った
- 通信社
- よりによってトムが僕に助けを求めてきたなんて信じられるかい
- 理解することと信じることはまったく別のことだ
- 2,3の欠点を別にすれば,彼は信頼できる教師だ
- 人々は,世界がパンケーキと同じように真っ平らであると信じていた
- 自信を持って
- 私たちは最後には勝つと確信している
- 試験に合格する自信が持てない
- 自信に満ちた態度
- 彼は公演の成功を確信している
- 非同期通信
- はじめ彼はイエスと言い,われわれも彼のことを信用した
- 世論調査は政府の信用度の指標だ
- 彼は目先の利益のために信用を失った
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