悲惨な最期とは? わかりやすく解説

悲惨な最期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 00:43 UTC 版)

イーピゲネイア」の記事における「悲惨な最期」の解説

アウリスのイーピゲネイア』に描かれる父王の葛藤うら若い王女の話は悲劇として名高いまた、英雄名高いオデュッセウスがここでは非情な謀略長けた武将描かれ義憤から王女救おうとする勇士アキレウス対比されている。 弟メネラーオス頼みによってトロイア戦争参加したアガメムノーン出征前にしてアウリスの港に近いで狩を楽しんでいた。次々獲物をしとめ気分高揚した王は思わず口を滑らせる。 「私の腕前には狩の女神たるアルテミスかなわないであろう。」と 戦を前にして有力な神を怒らせるのは愚の骨頂といってもいい暴挙である。案の定怒り燃えた女神逆風起こし兵団出発できないようにしてしまった。特にアルテミス侮辱する人間に対して猟犬八つ裂きにさせる子供皆殺しにする、疫病はやらせるなど、特に残酷な手段辞さない女神であり、しかも彼女が贔屓にしていたのは敵方トロイアであったため生半可な手段では怒り静まらないことは必定であった。 そこで神託を問うたところ「娘を生贄ささげよとのことアガメムノーン苦悩挙句、娘を犠牲にする決断をして妻クリュタイムネーストラー留守を守る城へ縁談知らせる嘘の手紙を届ける。クリュタイムネーストラーイーピゲネイア手紙を読むと大い喜び美し晴れ着一式持って迎えの船に乗り込んだ。 実はクリュタイムネーストラー溺愛する娘の命を奪うことを承知しまいと、アガメムノーンオデュッセウス献策一騎当千勇将美貌若武者アキレウスイーピゲネイア婚礼挙げると言う名目二人迎えさせたのであった喜び勇んだクリュタイムネーストラが何も知らないアキレウス婚礼挨拶出向いたことで、婚礼の話は嘘ということ判明し母子は幸福の絶頂から不安の底に突き落とされる。 喜びに胸を膨らませて父の元に向かったイーピゲネイア待っていたのは、兵団のためにわが身を犠牲にしろという恐ろしい父の言葉だった。悲嘆暮れ並み居る勇者たちに娘の助命願い出るクリュタイムネーストラー対しイーピゲネイア王女務めとしてわが身を捨て国のために生贄となることを承諾する半狂乱身を投げ出して嘆く母と義憤から勇士たち先頭立って助命を叫ぶ憧れ男性アキレウス宥め気高い王女婚礼衣装を身に着けたまま祭壇命を落とした憎悪を燃やすクリュタイムネーストラーだけでなく、イーピゲネイア呼び出す口実使われアキレウスあまりに悲惨な王女最期憤りアガメムノーン対す怒り深めたという。 この後日談にあたる『タウリケーのイーピゲネイア』では、イーピゲネイア気高い振る舞い同情したアルテミス怒り和らげ最後の瞬間彼女を救い出してタウリケー自分神官にすえたとされる。こちらでは母殺しの罪で彷徨うオレステースとの再会果たしネメシス達の怒り和らいで狂気の発作から解放されオレステースと共に帰国しエーレクトラーとも再会するという後日談付いている。やがて、アポローンによって弟の罪は清められ苦しみ癒え、母の計らい無理やり農民の妻にされていた妹も弟の親友結婚して王族復帰する

※この「悲惨な最期」の解説は、「イーピゲネイア」の解説の一部です。
「悲惨な最期」を含む「イーピゲネイア」の記事については、「イーピゲネイア」の概要を参照ください。

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