十津川班
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西本明(にしもと あきら) 演 - 【土曜ワイド劇場】友金敏雄(#1,2-) / 森本レオ(#5-68) / 【火曜ミステリー劇場】阪本良介 / 【月曜名作劇場】高杉瑞穂 /【月曜プレミア8】笠松将 警視庁捜査一課所属。十津川、亀井に次いで登場する機会が多く、主に日下とコンビを組んでいる。年齢は27歳。周囲の評価は「頑丈な身体つきで頼りになる」。ハンサムとは言われたことがなく西本自身も「自分を美男子と思ったことはない」(東京―旭川殺人ルート)。しかし顔立ちは悪くないとされる。後に「ハンサムだが刑事らしくない外見」と十津川・亀井に評されている。 趣味は旅行。高所恐怖症で飛行機が苦手であるため(『特急しらさぎ殺人事件』より)、主に車や鉄道を利用している。鉄道には比較的詳しく、子供の頃は先頭車で前方の景色を見ることが好きだった。また、旅行で訪れた場所の地方の金融機関で通帳を作り、訪れるたびに1000円ずつ預金するという趣味も持つ。近年ではパソコンも嗜んでおり、2年前からホームページを開設している。兄を深く愛しており、殺人容疑をかけられて自殺未遂で入院した折、十津川の許可を得た上で濡れ衣を晴らそうと行動した。 十津川、亀井が殺人事件の捜査で動けない時は捜査本部で指揮を執るなど、班の中でも頼りにされている。また亀井から内密に別件の捜査を頼まれ、最初は渋々だったが犯罪の匂いを嗅ぎ取ると途端にやる気を見せ、単独で容疑者を逮捕し解決に導いている。 友情に厚く、悪に対する怒りを持つ熱血漢。監禁されている女性を助けるため犯人一味を殴って白状させたり、日下や北条たちを守るために犯人を殺してしまったこともある。いずれも生死に関わる非常事態であり問題にはされていない。 相棒の日下とは信頼し合う仲。北条には何度も部屋に招かれているが、お互いに恋愛感情はなく仲のいい友達同士。三田村とも関係は良好。 『高山本線殺人事件』では、父親が事件に巻き込まれて死亡している。もう一人の主人公として仇討ちのため単独捜査をしたり、行き詰まると日下の助力を得て捜査を続けた。誤った推理をしたものの、十津川の導きもあって真犯人と動機を突き止めた。 『恋の十和田、死の猪苗代』で結婚したが、新婚旅行中に新妻が殺される。その後、殺人事件の容疑者にされたりもした。以後も何人かの女性に恋したり、見合いをしたりしている。しかし好きになる女性にどうしても妻の面影を感じてしまい、破局を続けている。 『十津川警部 絹の遺産と上信電鉄』では一人の女性のために行動した結果、毒を盛られ命を落とす。享年28。しかしその後の作品にも行動している。 鳥羽笙子のコミカライズ版では、主に亀井の立場に置き換える形で描かれるためたびたび主人公として登場する。また日下とコンビを組む展開が多い。原作に登場した「亀井の姪」は「西本の従妹」となっている。 日下淳一(くさか じゅんいち) 演 - 【土曜ワイド劇場】長谷川弘(#1) ⇒ 森川正太(#7) ⇒ 森山祐嗣(#23) ⇒ 茂賢治(#26-#39、#41、#45-#52) / 【火曜ミステリー劇場】川崎麻世 / 【ザ・サスペンス】三ツ木清隆(#1) ⇒ 金田賢一(#3-#5) / 【月曜名作劇場】伊東孝明 / 【女と愛とミステリー】坂上忍 警視庁捜査一課所属。西本とコンビを組んでいる。年齢は28歳。身長は175cm、体重65kg(『殺人列車への招待』より)。 JR武蔵境駅からバスで15分のマンションに住んでいる(『城崎にて、死』)。 福島県の実家に、父・晋平(しんぺい・59歳)、母・君子(50歳)がいる(『尾道・倉敷殺人ルート』より)。このほか、既婚者の妹・京子(きょうこ)がいる。 読書が好きで、大学時代は同人サークルに参加したことがある。しかし自分で作品を作るのは苦手と自覚し、結局全く作品を書かないまま半年で脱退している(「恋と幻想の上越線」)。また、テニス部に所属したり、演劇サークルに大道具係として参加したこともある。 「恋と幻想の上越線」では親友の森田が殺されたため、十津川と組む形で捜査に参加する。しかし亀井のようにはいかず、随所で十津川からフォローされる有様となった。また積極的に推理や捜査方法を提案したりせず、洞察力に関しても劣る。最終的には十津川の配慮もあり、森田を殺した犯人を自身の手で逮捕した。以降の作品では主人公として描かれる時は、抜群の推力を発揮すようになった。 どちらかと言えば西本以上に熱血で向こう見ずなところがあり、殺人の容疑者に恋をした時は「自分がやらなければ」という使命感を抱いて事件解決に奔走した。以後も色んな女性に恋するが、ハッピーエンドで終わることもあれば死別することもある。またそれらの設定は特に引き継がれていないので、その場限りのものとして描写されている。 別の事件で警察官が連続して殺された時は、自ら囮役を買って出た。このため様々な事件で殺されかけたことも一度や二度ではなく、西本に何度も助けられている。 コンビニ店員の女性に恋した時は、夜遅くに後を付けるなどストーカーまがいのことをやっている。その女性が殺された時は、犯人に挑発されたこともあって銃撃してしまい危うく殺すところだったが西本に止められた。 プロ野球は巨人のファン。 ドイツ語とフランス語の両方が堪能で、十津川と一緒に海外へ捜査に出かけたこともある。 なお、『終着駅殺人事件』には、亀井と同年代で、上野署所属の日下刑事が登場する。また短編『夜の殺人者』に登場した容疑者の名前が日下であるが別人である。 鳥羽笙子のコミカライズ版では十津川・亀井の立場を日下に置き換える形で描かれるためたびたび主人公として登場する。また西本とコンビを組む展開が多い。原作に登場した「亀井の息子(健一)」は「日下の甥」として登場しており名前も変えられている。大舞キリコのコミカライズ版では亀井とコンビを組む形で活躍する。また「学生時代に同人誌を作っていた」という原作設定からか「ヘタレなオタク」というキャラクター性が設定されている。 三田村功(みたむら いさお) 警視庁捜査一課所属。早苗や清水とコンビを組んでいる。作中では、「大柄な刑事」「背が高くて格好はいいが頼りない顔つき」という描写が見られる。年齢は27歳。 四国 高知県出身。幼い頃に両親を亡くしており、姉の友子と共に叔父夫婦に育てられた。 相棒の北条には「頭の回転は悪くないと思うけど思い込んだら一直線なところがある」と評されており、三田村自身も肯定している。捜査班の中では推理力よりも直感力が優れているタイプ。十津川と亀井が犯人ではないと考えていた人物を怪しみ、本当に犯人だったということもある(ただし動機に関しては間違っていた)。 血気盛んで猪突猛進でケンカっ早いが、任務に失敗することが多く、目を離した隙に護衛対象が襲われてしまったことがある。この時は十津川から静かな怒りを買ってしまい、言い訳しようとしたため「もういい」と言い捨てられてしまった。これに限らず失敗すると言い訳をしようとする傾向にある。しかし別の事件で犯人の一味を捕まえた時は、ヤクザ(あるいは殺し屋)の振りをして拷問に掛けて白状させたことがあり、荒事に関しては得意分野のようである。 『L特急しまんと殺人事件』で従妹の吉田あやかと結婚し、短編『石勝高原の愛と殺意(最終ひかり号の女所収)』にて新婚一年目の休暇を北海道で過ごす。しかし思わぬ犯罪に巻き込まれ夫婦そろって命の危機にさらされた。その後の作品では、また独身に戻っている。 西本や日下より刑事歴は短い。心配した西本に怒鳴る、絡んできた二人組をボコボコにしてしまうなど少々短気。特に後者に関しては酷い逆怨みを買ってしまい、危うく殺人犯に仕立て上げられるところだった。 短編『愛と殺意の中央本線(最終ひかり号の女所収)』では、直子の甥に「三田功(みた いさお)」というよく似た人物が登場している。 北条早苗(ほうじょう さなえ) 演 - 【土曜ワイド劇場】山村紅葉(#4-#7、#11-) 警視庁捜査一課所属。誰からも好かれる美人の女刑事。現在は三田村とコンビを組んでいる。年齢は26歳。身長160cm。刑事歴は約三年半。東京都出身(『草津逃避行』より)。 射撃が得意であり、射撃訓練では高得点を取っている。愛用拳銃はベレッタ22口径。敬語で話す時は「~ですわ」というお嬢様口調になるが、これは著者の作品に登場する女性全般に見られる傾向である。 綾乃という大学生の妹がいる。 『特急「富士」に乗っていた女』では、殺された被害者の婚約者ということにされてしまい、同じ特急に乗っていたため容疑者として福岡県警に逮捕されてしまう。 武蔵境のマンションで一人暮らしをしている。ペットはシャム猫の「メイ」とメイが産んだ仔猫。このエピソードでは西本を部屋に招き入れるなど仲が良いが、互いに恋愛感情はない。 『臨時特急「京都号」殺人事件』で初登場した時の名前は北原 早苗(きたはら さなえ)であった。 元々はトラベルミステリーシリーズから逆輸入されたオリジナルキャラクター。ドラマ化するにあたって原作に女性の配役がいなかったことから誕生した。テレビシリーズで設定された愛猫や愛用銃など細かい設定なども原作に反映されている。 瀬畑純のコミカライズ版では十津川に代わって主人公として描かれている。原作と比べてもかなり気の強いキャラクターになっている。 清水新一(しみず しんいち) 演 - 【土曜ワイド劇場】速水亮(#1) ⇒ 井川晃一(#2-#30、#32-#57) / 【火曜ミステリー劇場】高岡健二 警視庁捜査一課所属。27歳。北海道出身。早苗や三田村とコンビを組んでいる。 『急行もがみ殺人事件』で征子という女性と見合い結婚するが、新婚間もなく殺されてしまった。 『西の終着駅の殺人』では、帰郷の際に居合わせた女性から命を狙われているという話を聞き、守れなかったことから犯人逮捕に奔走する。十津川にも相談せず無断で休んだことから「困った奴だ」と呆れられたが、犯人に繋がる手掛かりを得て戻り、事件解決に貢献した。 『十津川警部・怒りの追跡』では寝台特急・北斗星の車内で刺殺され、『奥能登に吹く殺意の風』では壮絶な爆死を遂げた。この矛盾点に関しては、西村京太郎編『十津川を解剖せよ』では「同姓の刑事が複数いる」と説明されている。『奥能登に吹く殺意の風』では、死体を目の当たりにした十津川は「絶対に犯人を捕まえてやる」と激しい怒りに駆られ、亀井も声を殺して嗚咽を漏らしていた。以後は登場しなくなる。 大舞キリコのコミカライズ版では、「お祭り好きの熱血漢」という性格付けがされている。 田中大輔(たなか だいすけ) 警視庁捜査一課所属。小田原出身と長浜出身の2人の田中刑事がいる。 後述の片山とは同じ大学でラグビーをやっていた仲であり、当時からコンビを組んでいた。ラグビーチームではFWをやっており、一番の巨漢で身長は190センチ、体重は100キロを越す。片山との身長差もあって班の中では凸凹コンビと呼ばれる(『千曲川に犯人を追う』より)。車ごと崖下に落ちた容疑者の生存を確認しにいったりなど外見通りパワフルな行動派。 一部作品では、鈴木という刑事が登場し、鈴木とコンビを組んでいることになっている(片山が事件に巻き込まれて死亡したため)。 短編では帰郷中に足を狙撃されたのを皮切りに、病室にダイナマイトを送り付けられたり自宅を放火されたりと災難に巻き込まれてしまう。 片山明(かたやま あきら) 警視庁捜査一課所属。福井県小浜市出身。『十津川警部「故郷」』で殺害されたが、その後の作品にも登場している。 相棒の田中とは大学時代からラグビーでコンビを組んでいた間柄で息もピッタリ。身長160センチと小柄で、ラグビーをやっていた頃は俊敏なスタンド・オフで鳴らしていた。 その他の刑事 『終着駅殺人事件』では、早川という警部補が登場している。 『寝台特急カシオペアを追え』では、大野と森という刑事が登場している。 『恋と裏切りの山陰本線』では、小田という刑事が登場している。 『若い刑事への鎮魂歌』では、崎田という刑事が登場している。 この他、複数の作品で小川(『寝台特急「紀伊」殺人行』では亀井の相棒役)、桜井という刑事が登場する。
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