一年目(一学期)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 09:21 UTC 版)
「銀の匙 Silver Spoon」の記事における「一年目(一学期)」の解説
札幌の私立中学に通っていた八軒 勇吾は受験に失敗。学力競争と高圧的な父の数正から逃れるため中学の恩師白石の薦めで寮制の大蝦夷農業高等学校(通称、エゾノー)に進学する。寮の相部屋はクールなオタクの西川 一と食いしん坊の別府 太郎。実習中に子牛を追いかけ広い校内で迷子になった勇吾は馬で探しに来たクラスメイトの御影 アキに一目惚れしてしまう。 勇吾のクラスには、野球部投手で甲子園を目指す駒場 一郎、養鶏場の跡取り息子で劣等生の常盤 恵次、獣医師を目指すが血が苦手な相川 進之介、何事にもシビアでしっかり者の稲田 多摩子(タマコ)、チーズ好きでしたたかな性格の吉野 まゆみといった個性的な顔ぶれが揃っていた。農家の跡取り娘で馬好きが高じて馬術部に所属するアキも含め、それぞれ夢や将来の目的を抱いて入学していた。夢もビジョンもなく父から逃げるため入学した勇吾は彼らに引け目を感じてしまう。 授業のほとんどが実習で体力勝負。教師も面倒見がよく大らかな勇吾たちの担任桜木や、鶏舎を管理し労働の報酬に炊きたてご飯を用意する白樺、女軍曹だがノリが良く太っ腹な富士、そしてコロポックルのような校長と個性的。寮での生活はさながら収容所といった窮屈なもので勇吾は不慣れな環境に戸惑いながらも徐々に適応していく。ニワトリや豚、牛の世話をする農業高校で勇吾は普段自分が口にしているそうした家畜たちが置かれた厳しい現実をつきつけられる。産卵率の低いニワトリは精肉として処分され、手塩にかけて育てた豚たちはいずれ食肉となる。雄牛も産まれて間もなく去勢され、食肉となるべく肥育される。勇吾は「割り切れない思い」を抱えて葛藤し続けるため、周囲の反対に遭いながら子豚に「豚丼」と名付けて可愛がるのだった。 校則で部活に入らなければならないが文化部が一切ないエゾノー。勇吾はアキに誘われ馬術部に入部する。仏のような顔立ちとは裏腹に煩悩まみれの顧問中島や、手先が器用だがお調子者の部長大川 進英、辛口な副部長豊西 美香、二年生で彼女のプリクラをステッキに貼る依田 勉とここも個性派揃い。だが、ただでさえ当番のために5時起床というのに馬術部は4時起床とさらに過酷だった。一年生部員はほとんどがボロ(馬糞)や馬房の掃除といった雑用仕事ばかりだったが、初めて馬に跨がった勇吾は馬上から見る景色に魅了される。校内清掃の際に勇吾はガラクタの山からピザ石窯を発見する。田舎暮らしで冷凍ピザしか食べたことのない仲間達のため勇吾は石窯を修復し、校内で穫れた食材を使った手作りピザを振る舞う。たまたま様子を見に来ていた白石にもピザを食べて貰う。催しは大盛況となり、勇吾は一躍校内の有名人となる。 夏休みを迎え、実家に戻りたくない勇吾はアキに誘われて彼女の実家である「御影牧場」で住み込みのアルバイトをすることになる。母親へのメールのため、電波の届く場所を探して歩き回った結果迷子になった勇吾は駒場の実家である「駒場農場」に迷い込む。父親を過労死で亡くした駒場は幼い双子の妹たちと共に母親を手伝いながら、作業の合間に野球の練習も行っていた。駒場の意外な一面を知った勇吾だったが結果的に仕事をサボってしまい、その罰としてアキの祖父から鹿の解体作業を命じられる。躊躇する勇吾だったが、感謝の念を込めて鹿を解体し、鹿肉の旨さを知る。 仕事にも慣れたある日、休みを貰った勇吾はアキ、アキの母と共にタマコの実家を訪ねる。タマコの実家は御影牧場とは桁違いの施設を持つギガファームという共同経営の大規模農場だった。回転式の搾乳機など珍しいものを見学する途中、勇吾はアキから将来の進路について悩んでいることを打ち明けられる。そんな中、兄の慎吾が訪ねてくる。東大にストレートで入学し、とことんマイペースな兄に劣等感を感じて苦手にする勇吾に、慎吾はラーメン屋に弟子入りするため大学をやめてしまったと話し唖然とさせる。その後、慎吾は生活費を稼ぐため勇吾の前に度々現れるようになる。アルバイトの最終日にうっかりミスから商品である牛乳を捨ててしまった勇吾はバイト代を受け取れないと断るのだが、アキの曾祖母に説得される。
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