レーティングゲーム関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 02:57 UTC 版)
「ハイスクールD×D」の記事における「レーティングゲーム関連」の解説
悪魔の駒(イーヴィル・ピース) かつての戦争で大きく人数を減らした上級悪魔達が、チェスの特性を取り入れた少数精鋭の制度。現魔王の1人、アジュカ・ベルゼブブによって開発された。軍団を持つ代わりに、「駒」として少数の下僕悪魔に強大な力を分け与える。悪魔以外の種族に使用した場合は対象が「転生悪魔」となる。いつ頃から利用されている制度かは不明だが、人間として15世紀末から16世紀初頭にかけて活動した転生悪魔がいることからその頃には既に実装されていたと考えられる。 それぞれ「女王×1」「僧侶×2」「戦車×2」「騎士×2」「兵士×8」の属性が与えられ、各駒の属性に合わせた能力を持つ。通常は一人につき駒ひとつだが、潜在能力値の高い者は複数の駒を消費する(強力な神器を持つ者が多い)。また同じ駒なら「王」同士で折り合いがつけばトレードすることができる。さらにアジュカの趣向でいくつもの隠し要素が盛り込まれている。 「王」の駒は存在せず、眷属の主である上級悪魔自身が魔王領などに設置されている「悪魔の駒」と同じ素材で作られた石碑で登録することにより王になるものとされているが、実は「王」の駒も製造可能であり、その方法は封印されている。これが重要な伏線となり第4章の問題に大きく絡んでいくこととなる。 有名な上級悪魔の下僕になればレーティングゲームに参加し自らが上級悪魔になれる可能生が開ける上、主から直臣として領地の一部が譲渡されるため、下級、中級悪魔にとって下僕悪魔となることは憧れである。 神格はシステムの対象外だが、「王」の資質によっては半神までは転生させることができる模様。「兵士」の駒(ポーンのこま) 通常状態では特に能力を持たない最弱の駒だが、王が「敵の陣地」と認めた場所に行くときに「王」以外のすべての駒に昇格し、その能力を使用できる「プロモーション」という特性を持つ。駒価値は1。 「僧侶」の駒(ビショップのこま) 駒の特性は魔力の底上げ。駒価値は3。 「騎士」の駒(ナイトのこま) 駒の特性は速度の上昇。駒価値は3。「王」の護衛を任されることが多いため、眷属内では女王に次いで多忙な役目とされる。 「戦車」の駒(ルークのこま) 駒の特性は攻撃力・防御力の上昇。また、「王」と位置を入れ替える「キャスリング」という特殊能力を持つ。駒価値は5。 「女王」の駒(クイーンのこま) 「兵士」「僧侶」「騎士」「戦車」のすべての駒特性を兼ね備えた最強の駒。反面、各能力に特化している駒と違って得手不得手に関係なく力が上昇するため使いこなすのは難しい。駒価値は9。多くの場合で王が最も信頼する腹心から選出されるため、眷属の中で一番多く役目を割り振られる。 変異の駒(ミューテーション・ピース) 悪魔の駒における本来、複数の駒を使うであろう資質を宿した転生体を一つの駒で済ませてしまう特異な駒。 作中で使用が明言されているのは、リアスの「僧侶」ギャスパー・ヴラディ(魔神の一部を宿す新規神滅具の保有者)とサーゼクスの「戦車」スルト・セカンド(世界樹を焼き尽くす巨人のコピー体)のみ。その他サイラオーグは「兵士」の「変異の駒」を所有している。主である「王」のレベル向上によって変化することもあり、実際にイッセーの「戦車」の駒は後天的に「変異の駒」となっている。 通常であれば使用済みの普通の駒が変異の駒になることはないが、イッセーの場合は「覇龍」の影響でアジュカのプログラムが上書きされて変質しかけてしまい、それをアジュカ自身の手で調整し直したうえでさらなる成長を遂げたことで「赤龍帝の三叉成駒」「真紅の赫龍帝」「龍神化」が発現し、それに伴い8つの駒全てが変異の駒になる。 「王」の駒(キングのこま) この駒の特性は単純な強化。2倍や3倍どころではなく、少なくとも10倍から100倍以上の強化が可能。才能の無い者であってもこの駒を使用するだけで最上級悪魔級あるいは魔王級の力を手にすることが可能だが、あまりに強すぎる者、あるいは特異な能力を持つ者が使用するとオーバーフローを起こし、最悪命の危険が生じるという重大な欠陥が存在する。 政府に害意や邪な感情を抱く者が出てしまうことを恐れて使用が禁止され、唯一製法を知る魔王の1人アジュカ・ベルゼブブも製造を止めたため初期ロットしか存在しない。しかし、その大半がゲームの運営を行う上層部の悪魔たちに奪われており、彼らの不正によって純血の上級悪魔のトップランカーの一部に供与されている。アジュカは自身の責任において製作された駒の回収を進めているが、20巻においてディハウザー・ベリアルの手で冥界全土に事実を公表される。 レーティングゲーム 勢力を大きく減退させた悪魔が、転生により強力な眷属を増やし、かつ仲間を減らすことなく実戦経験を詰むために行われる悪魔独自の競技。爵位持ちの上級悪魔達が自身を「王」、下僕を文字通りチェスの駒として、あらゆるルールのもと、相手の悪魔眷属たちと競い合う。現政権で優遇されているため、実力主義の冥界ではゲーム成績が爵位や地位にまで大きく影響する。 異空間に使い捨ての戦闘フィールドを創り出し、そこへ両チームが転移して行う。「王」自身が戦闘不能になるか降参を宣言した場合に敗北となる。「王」が双方倒れる前に制限時間が来た場合は、時間内に撃破した駒価値の得点が多い方が勝者となる。その名の通り元となったチェスと同じくレーティング・ルールが採用されており、トップ10はレート3000超え、絶対王者のディハウザーに至っては3500台を独走している。20位からは別次元の実力があり、トップテン以上は英雄だとされている。魔王には参加権がなく、魔王眷属のみの参加は許されているが眷属の総意として参加しないことにしている。 基本的に成人した悪魔しか参加することが出来ない。ゲームではおよそあらゆる戦法が認められており、戦闘不能となった駒は強制的にフィールド外へ除外されて治療を受けるため、死者は出ないようになっている。また、純血の上級悪魔だけが通うことが出来るレーティングゲーム学校が存在する。エンターテイメントとしての側面が強く、公のゲームでは審判だけでなく実況と解説が付きその試合映像も公開される。加えて試合を盛り上げことを優先し、戦術的に不都合な場所へ本陣が設けられる場合もある。 眷属全員がフィールド上に一度に出て戦う形式が基本的な物だが、ダイスの出目で試合に出せる手持ちを決める「ダイス・フィギュア」や、フィールド上の旗を奪い合う「スクランブル・フラッグ」、チェスボードのように区切られたフィールド上で破壊した対象物の数を競う「オブジェクト・ブレイク」、フィールド上にランダムで出現するゴールにボールを入れ駒価値に応じた点数を得る「ランペイジ・ボール」といった特殊ルールも存在するため、ただ「強い」というだけでは勝てないのも醍醐味の1つ。制限時間もルールによって異なり、1時間で勝敗を決しなければならない「ライトニング・ファスト」から、1日がかりで試合する「ワンデイ・ロング・ウォー」やそれ以上の長さまでの幅がある。試合時間が短いルールは短期決戦(ブリッツ)と呼ばれている。 眷属以外に「監督」を雇う制度も存在している。ただし「王」である上級悪魔自身が指揮をとることの方が多いこと、競技人口そのものが多いとは言えないこと、生涯現役を続ける悪魔が多く引退して監督業に専念しようと考える者が少ないこと、などといった理由でほとんど浸透していない非常にマイナーなルールになっている。 三大勢力の和平締結を切っ掛けに各神話体系勢力との緊張緩和・協調体制への移行が進んでおり、将来的には天使・堕天使を始めとした他勢力チームの参加も打診されている。その夢の1つの到達点が後述の「アザゼル杯」である。 上層部の古い上級悪魔が運営しており、「悪魔の駒」の開発者であるアジュカは主要な仕事から外されている。実力さえあれば誰でも大成できるという謳い文句とは裏腹に、運営陣と古い悪魔たちとの間には利権に絡む癒着が生じ不正が当然のように行われている。前述の「王」の駒の無断供与のほか、賄賂や八百長によってマッチメイクにも意図的な作為を加えており、トップランカーの順位がほぼ変動していないのも絶妙なバランス調整が行われているためだった。これらの事実は長らく極秘とされていたが、ディハウザーにより「王」の駒の存在が明かされると同時に公表されることとなる。 30年後の時代では「邪神戦争」の影響でレーティングゲームは中止されている。 アザゼル杯(アザゼルカップ) 「邪龍戦役」後に開催が決定した、戦争の英雄であるアザゼルの名を冠したレーティングゲームの国際大会。優勝賞品は各勢力の神秘の技を使って「あらゆる願いを可能な限りに叶える」という物であり、願いの大きさ次第では複数のことも叶えられる。アジュカとシヴァが中心となって大会を運営し、資金は魔王の遺産やポケットマネーから捻出される。 正式な「悪魔の駒」では転生できない神クラスでも参加できるようルール変更が行われている。チーム構成は正式なレーティングゲームに準拠しているが、転生悪魔の場合は駒のクラスを王の意向で変更することが可能(例:「兵藤一誠眷属」の「戦車」であるロスヴァイセを「僧侶」枠に変えて登録する)で、駒価値の条件も緩和されて複数消費の眷属でも一枠として参加できる。ただし、価値が「1」でありながらプロモーションによって強化できる「兵士」については、王が強者を「兵士」に集中させすぎてゲームバランスを崩壊させないように(多少の仕様変更はあるが)本来の基準のままとなっている。そのこともあって運営からは「兵士」時の駒価値を計測するためのアプリが配信されている。また、神クラスが「僧侶」「騎士」「戦車」に登録する時は、駒を2つ消費しなければならない場合もある。 試合中にフェニックスの涙の支給が行われない代わりに、フィールド上の特定の場所に回復ポイントが用意されているが、わざわざその場所まで移動しなければならないこともあって回復役が貴重ながらも重宝されるのは変わらない。 第1回大会には、あらゆる勢力から総勢1045チームが参加する。ただし、神クラスの実力に恐れをなしたチーム、強い魔物や神滅具に恐れをなした非戦闘系の神のチームが途中棄権しているため、予選終盤では当初より参加数が減っている。 4月半ばから夏頃までかけて行われる予選期間中は、本式のレーティングゲーム同様に初期数値1500からレートのポイントを競い合う形式であるため、必ずしも勝ち星が決め手とはなり得ず、むしろチームの管理の方が重要になる。予選成績上位16チームが本戦トーナメントへと進む。予選では特殊ルールもありで、試合内容は開始前にルーレットで決定される。 トーナメント形式の本戦は、複雑な特殊ルールは一切なく、先に相手の「王」を取るという単純な形式で行われる。試合フィールドは何重にも結界を重ねているため、神々の戦いが繰り広げられて仮にフィールドが壊れても、真っ白な空間で試合を続行できるようにされている。
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