政治 政治的相互作用

政治

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/07 02:29 UTC 版)

政治的相互作用

政治過程とは政策の決定を巡る各集団の利益の対立や合意の形成などの政治的な過程を言う。アーサー・F・ベントリーが1908年に『統治過程論』で従来の制度論的な政治学を「死せる政治学」と読んで批判し、より動態的な現象として政治を分析することを論じたことに始まる。例えば利益団体の活動は制度的な規定を受けていないにもかかわらず、現実には政治的な影響力を行使している。政治過程論はこのような実態に着目して政治に対する入力や出力を明らかにしようとする。

政治文化

政治システムは比較政治学に分析の基盤となるモデルを提供したが、そのことによって政治システムにとっての外部環境が政治システムに相違をもたらすことが考えられる。これが政治文化である。アーモンドとヴァーヴァによって著された『現代市民の政治文化』では一般の文化には政治的側面があり、それらの集合体が政治文化として政治に影響していると論じた。そしてアメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、メキシコの調査から構成員の認知や評価の志向から未分化型政治文化、臣民型政治文化、参加者型政治文化に類型化された。ただしすべてがこの類型に従うわけでもなく、アーモンド自身がイギリスのような臣民型と参加者型が複合された政治文化があることも重視し、これを市民文化として評価した。

政党

政党とは政治的な理念や目的を共有し、それを達成するために活動する団体を指す。政党は基本的には私的結社であるが、議会に参加する意味で公的主体でもあり、多くの国が政党の活動に助成金を出している。政党にはさまざまな政治的な機能がある。個別的で多様な国民の意志をまとめあげて議会に媒介する利益集約機能は最も代表的なそれである。さらに政治的指導者の選出機能、意思決定の組織化機能、市民を政治的に関与させる機能、政権担当および批判機能の機能などもあり、民主主義体制においてはこのような政党が十分に機能することを想定している。

政党の分類についてはウェーバーが『商業としての政治』で論じている。ウェーバーは政党が貴族主義的政党から大衆政党に発展していくと論じた。これは政党を目的から区分したものであり、イギリスの政治史とも合致する。またデュヴェルジェは少数の有力者の下に緩やかに組織されている政党である幹部政党と共産党を典型として一般の有権者を基盤として厳格に組織された大衆組織政党という分類を述べている。政治的な思想傾向を反映して保守政党、中道政党、革新政党包括政党という類型もしばしば用いられる。

政党が社会において存在している形態を政党制と呼ぶ。デュヴェルジェは政党がいくつ存在するのかによって一党制、二党制、多党制と類型化した。そして『政党社会学』で政党が歴史や社会構造、宗教教義、人種、民族対立などに起因するものである一方、政党制は選挙制度と深い関係があることを論じている。またサルトーリは『現代政党学』で競合的政党制と非競合的政党制を提示した。そしてそれまで二党制は安定的な政党制をもたらすと考えられていたが、サルトーリは二党制は例外的な政党制であると論じ、二大政党制よりも二大ブロック制を推奨することで「二党制の神話」を否定した。

政治意識

政治意識は政治への関心、態度、行動の様式を示す概念であり、政治的社会化によって獲得する。この政治意識は普通選挙の導入による政治参加の拡大を通じて人民の意識が注目されることとなった。特にこの非合理性というものについてウォーラスが論じており、人間が常に合理的に行動するという主知主義の立場を批判し、非合理的な側面、例えば愛情、恐怖、憎悪、疑惑、忠誠などの感情、が重要な役割を果たすことを指摘した。したがって民主主義は常に非合理性により自滅する危険性を持ち、このような政治意識は大衆操作に利用することも可能である。政治教育によって政治意識を合理化する必要性もウォーラスは述べている。

マスメディア

マスメディアは政治社会において人々を政治参加や政治活動に向かわせる。マスメディアは市民社会において議論された公共的な意見である世論を反映し、政府が行う政策を社会に紹介する、媒介者としての役割を担っている。マスメディアの機能は大きく分けて環境の監視、社会部分相互の関連付け、社会的遺産の世代間伝達の三つであるとラスウェルは論じている。マスメディアの問題はさまざまであるが、まず商業主義の弊害が指摘される。マスメディアは中立的な立場を保持しようとしても、企業体である限りは不利益な情報を報道できない場合がある。さらにマスメディアの発達によって政治社会に印象が実体に先行する場合が生まれ、政治的能力と無関係な基準で選挙で選出される政治状況も見られるようになっている。

圧力団体

圧力団体とはキーによれば公共政策に影響力を及ぼすための私的な団体である。具体的には、業界団体、労働組合、消費者団体、宗教団体、環境保護団体、女性団体などである。圧力団体は利益集団や利益団体と区別される。利益集団とは単に政治に関心を持つあらゆる集団を指し、利益団体は職業的な利益に基づいて組織化された集団であり、圧力団体は利益集団がさらに自己の利益を維持、増大させるための圧力を備えた集団である。

圧力団体の機能には利益表出、代表性の補完、政治のフィードバック、情報提供、政治教育などがあるが、圧力はエリートに限定された手段であり、また一部の利益が過剰に政治に影響を与えるなどの逆機能を併せ持つ。ローウィは『自由主義の終焉』においてアメリカ政治において圧力団体が野放しにされている状況を非難しており、これを利益集団自由主義と称した。アメリカでは圧力団体は議員、官僚との密接な関係を作り上げ、この関係は「鉄の三角形」とも呼ばれ、業界団体、族議員、官僚が特定の権益のために政治に影響を及ぼす強い政策ネットワークが構築されていた。

利益集団は多元主義の考えでは競争関係にある。多元主義とは政治を国家の外側に存在する世論や圧力団体などから説明する考えである。利益集団間の協調によって社会秩序が形成されるという考え方があり、これはネオ・コーポラティズムと言う。つまり政策決定の際に主要な利益集団と官僚が協議することにより遂行されている政治状況であり、オーストリアやスウェーデンが具体例として挙げられる。コーポラティズムとは団体協調主義とも言われ、職能別の代表が政治に参加することで政治的な調和を生み出そうとする思想である。ネオ・コーポラティズムは各分野において一元化された全国組織が存在していることが必要となる。これは政府機関との協議を行う慣行を形成するために不可欠な要件である。


  1. ^ これを書き換えると、政治は広い意味において人々が生活する上で従うルール支配統治を創造し、維持し、修正し、また破壊することを通じて行われる活動だ、ということになる。政治の概念をめぐる論争については後述する。
  1. ^ a b 宇野p1-5
  2. ^ 広辞苑第六版「政治」
  3. ^ ブリタニカ百科事典「政治」
  4. ^ Andrew Heywood.(2002)Politcs(2nd ed.)(N.Y.: Palgrave Macmillan)で採用されている定義。







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