5人のヒロイン
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「RED GARDEN」の記事における「5人のヒロイン」の解説
生前の共通点は、リーズと友達だったこと。彼女たちは5人とも一度死亡したが、ルーラ達から新しい身体を与えられたアニムスとして生き返った。リーズを除く4人の元の身体は、ルーラ達だけが知る秘密の場所(実は学園の地下)にある棺の中に安置されている。アニムスになれるのは死亡した女性のみであり、その体は常人と同じく病気に罹る事もあれば体調不良に陥る事もある。常人より体温が低く、また傷の治りが遥かに早い為、死亡さえしなければ重傷もすぐに回復する。ドロルに対抗できる超人的な能力を有するが、その発現には敵に襲われる、足元に猫がいるなど本人を焦らせる状況が必要。初めにレイチェルが偶然覚醒したが自在に使いこなせはせず、ケイトが覚醒してからはローズも訓練で覚醒し、最も身体能力の高いクレアは最後に覚醒した。漫画版でも語られるように覚醒者が近くにいれば他の者も連鎖的に覚醒する模様。定期的に力を発散しないと体調不良に陥るらしく、戦いはそうした不調を解消する側面も持つ。アニムスは常に激しい渇きに侵されるが、何故かレモンだけはその不調を癒すらしく、生のまま齧っても酸味や苦味を感じる事は無い。前述の通り高い能力や回復力を持つが、唯一「生きる事を諦めた」瞬間が彼女達の死を招く。諦めた者は灰に変わり、二度と蘇生される事は無い。この際、元の体は安置所から運び出され、表の世界で死体となって発見される。 ケイト・アシュレイ 声 - 富坂晶 イギリス系の少女。良家に生まれ育ち、成績優秀に順風満帆なエリートコースを進む。学園では、生え抜きの優秀者が所属するグレース(後述)に選抜された。 プレドラマCDやポーラの発言から、リーズとは特に親しかったとされ、交換日記を交わしていた。両親は仕事で不在がちであり、普段は姉のエマと二人で暮らしている。姉の事は「エマ」と名前で呼んだり「おねえちゃん」と呼んだりする。自分の「死」の影響で遅刻が増えてからは、家族を学校に呼ばれたり、校則を人に注意する方では無い事も相俟ってグレースとして不的確だと(本人の意思で本人不参加のまま)懲罰委員会にかけられた。「ミス・グレース」と呼ばれることがある。6話でレモンを囓ると体内に蓄積された力の暴走が抑えられることを発見し、仲間達に伝える。8話で個性的な味覚の持ち主だと発覚した。10話時点での腕立て伏せの自己記録は0回。真面目で冷めた性格をしていたが、戦闘中に覚醒した能力のコツを掴む為に努力し、それをローズにも教えるなど優しさも併せ持つ。自身の死を通じ、生きる事の喜びを知っていく事となる。 初心な性格ゆえに男性関係はゼロ。姉エマの恋人エミリオを通じて偶然という体裁で知り合ったエルヴェに、彼がドロルとは知らず利用され、後に正体を知ってしまい裏切られた事に失望した。死亡したと思われていたリーズを発見し彼女を取り戻そうとし、エルヴェに交渉を持ちかけるがドロルたちの襲撃に遭う。ヴィヴァレオ製薬に監禁され、失敗したリーズの代わりとしてドロルの血液を輸血されそうになるが、すんでのところでエミリオによって救われた。その際にエルヴェと共に自分達姉妹を裏切った彼を罵倒するも、命懸けで自身を救い出してくれたエミリオを拒絶する事はできなかった。 当初は嫉妬からケイトを調べ回っていたジェシカがやがてケイトたちの秘密に勘付いて心配から打ち明けて欲しいと願い出た際には、なにも心配することはないと笑顔で応える。また、終盤、ポーラがアニムスの件も含めた全ての事情に精通し、社会的に追い詰められるケイトを学園内で庇い続けていたことに加え、自身への同性愛の告白を受けるがそれを素直に受け入れた。最後の日、日中はジェシカとグレースの仕事をこなし、夜はポーラと過ごした。 「呪いを解いた瞬間、それまでの記憶を失い永遠に生き続ける」というアニムスの真実を知るも、「それでも生きたい」と真実を受け入れる。ドロルとアニムスの最終決戦ではエルヴェと対峙。アンナを胸に抱いて正気を失い、アニムスを臭くて汚らわしい死体と罵倒するエルヴェと激闘を繰り広げる。仲間たちの助けで窮地を乗り切り、妄執の虜として暴れ回り、ルーラ、理事長、ルーシーをその手に掛けたエルヴェが発症したアンナに襲われ、やむなくその手にかけた後に力尽きる様をリーズらと共に見届けた。最後はリーズの灰から咲いた花で埋め尽くされたレッドガーデンの上で泣き続けた。 後期OPアニメの学生証によれば、スペルは「Kate Ashley」、番号は「8363h-26585-9546b」。漫画版 アニムスを「絶望の伝染」だと考えており、自分のせいでポーラがアニムスとなってしまった事を悔やんでいる時期もあった。また、エルヴェに裏切られた事で一度は生きる事を諦めそうになるも、仲間達の呼びかけで踏み止まる事ができた。最終的に体を取り戻す事は叶わず、リーズと共に崩壊したルーズベルト島でアニムスとして生き続けている。 ローズ・シーディー 声 - 辻あゆみ 内気で天然だが、料理上手で面倒見の良い少女。父親は事業に失敗し失踪、母親は病に倒れ入院。 そのため毎朝弟妹の世話に追われ遅刻が多く、ジェシカらグレースに目をつけられている。 姉として弟妹たちに辛い思いをさせまいと頑張る。戦いが苦手で自分の存在理由を家族に求める傾向がある。4話時点で男の人と付き合ったことも外国や西海岸に行ったことも無い。8話時点では腹筋運動が5回しか出来ないらしい。努力家で一生懸命勉強して学費の減免を受けており、新しい体の能力も努力の末に開花させ、16話では行方知れずだった父を親友のサラと共に探し出した。戦えない言い訳を重ねていたが本当はそんな自分をもどかしく思っており、臆病な性格を改善したいと願っていた。戦いを通じてそんな性格は改善されて行き、最後には立派にドロル達と戦えるようになっている。ブラックコーヒーが好き。 人生が好転し始めた矢先にアニムスの真実を知ってしまい、その際はレイチェルに対し半ば八つ当たりに近い感情をぶつけた。 1話でジェシカの記入した警告チケットによれば、スペルは「Rose Sheedy」。漫画版 最終的に人間としての体を取り戻し、沢山の孫に囲まれた優しい老婆となっている。 レイチェル・ベニング 声 - 新谷良子 容貌やスタイルに恵まれた華やかな少女。弁護士の父親とモデルの母親を持ち、一見幸せそうな家庭だが、父には愛人がいるなど隠し事が多く、母親がアルコール依存であったり、その家庭内に問題を抱える。大勢の遊び友達と夜な夜な出歩く日が多い。リーズとは一緒に映画を見に行ったことがある。自分の「死」に伴う日常の激変に耐えられず、一度戦いからの逃避を試みた事もある。戦闘ではしばしば肩を噛まれる。最初の戦闘で能力の片鱗を見せるなどしたが、それ以降はケイトが覚醒するまで発揮できていない。ケイトを「ミス・グレース」と呼ぶなどグレースには反発を感じている。ルークと付き合っていたが「死」の事実を隠し続けるため未練を残しつつも別れた。 ルークとの喧嘩に際して校内で泣き崩れていたところを居合わせたニックの配慮で部屋を使わせて貰ったことがきっかけで親しくなり、余計な事情を詮索せず愛妻家であるニックのすすめで読書をするようになる。また、妻の仕事の邪魔にならないようにと夜も帰宅しないニックとコーヒーショップでおしゃべりをして不安な夜を過ごすようになり精神的な安定を取り戻す。コーヒー嫌いの甘党だが、ニックの影響で苦手なコーヒーを口にするようになる。だが、ニックと不倫しているという事実無根の思い込みに加え、コーヒーショップで楽しそうに会話する姿をルークら遊び仲間達に目撃されてしまい誤解されてしまう。ルークはレイチェルが何かを隠していると思い聞き出そうとするがレイチェルの「誰であっても本当のことは言えない」という言葉を聞き、ルークは別れを切り出す。最後の戦いを前にサムからも告白されるが「自分がもうすぐいなくなる事」を理由で袖にしている。 ルークや友達とのいざこざも相まって、アニムスが記憶を失う事に対してはすんなりと受け入れていた。 公式ガイドブックによれば、スペルは「Rachel Benning」。漫画版 最終的に人間としての体を取り戻し、50年経った今でもスキャンダルに事欠かない破天荒なスターとして活躍している。 クレア・フォレスト 声 - 沢城みゆき ヒスパニック系の血が入っている設定で、 いつも強がり、世間を斜に見るクールな少女 。母親と死別し、母の死にも立ち会わなかった仕事だけが生きがいの父親を「家族を一顧だにしない冷血漢」だと誤解して反発。ダウンタウンの安アパートで一人暮らしをしている。そのため生活は苦しく、8話で電話やガスを止められたりしており、自分の「死」の影響でアルバイトもままならない。学園内では粗野な行動や発言でやや浮いており、単独行動かユアンといることが多い。ユアンを「彼氏」とまでは見ていない。後に客観的に二人の関係をケイトたち他の3人に指摘されて意識するようになる。生き残りの能力に秀でており、戦闘時に他の三人を庇ったり、バットや電話機等の武器を用意したり、自分達の「死」の真相を調べたりと積極的な行動をとる。日頃は強気な態度を取るが、精神面には脆さが隠されている。テレビは持っておらず、オンボロの自家用車を乗り回し、クラシック音楽が趣味。外猫を飼っている。細身の体型で、小柄なローズよりも体重が軽い。 兄の事業の失敗と自殺未遂、そしてそれによって明らかになった父の本当の想いを知り、わだかまりを解く事となる。クリスマスにハンバーガー屋を正式に辞め、ユアンとデートの後キスをして戦いに赴いた。 公式ガイドブックによれば、スペルは「Claire Forrest」。漫画版 最終的に人間としての体を取り戻して世界中を巡り、気まぐれで出した手紙でインドまで駆け付けたユアンとその場で結婚した事が語られている。 リーズ・ハリエット・メイヤー 声 - 福圓美里 心優しく流されやすい、儚い少女。本来あまり接点の無かった、ケイト・ローズ・レイチェル・クレアの4人を繋ぐ、唯一の少女。寒がりで猫舌。既に死体が発見されて「自殺」と判断され、葬儀が行われた学園の生徒。アニムスとなった彼女の身体はドロルの一族(後述)に強奪され、ベンダー達の技術によって蘇生した。蘇生後の彼女は記憶を失っているはずなのだが、エルヴェへの好意は残っていた。 実は生前、エルヴェと偶然知り合って恋人同士の関係にあった。その秘密をケイトにだけ打ち明け、エルヴェについては暗号として交換日記に記す。アニムスをおびき寄せるためのエサとして殺害され、エルヴェの屋敷に安置されていたがそのことが失踪した彼女を心配して探していたケイトたち4人を巻き込むことになる。この時にケイトは交換日記を所持しておりエルヴェに持ち去られた。 エルヴェとの会話を通じ、薬で抑圧されながらも記憶を取り戻しつつあったが、実験の結果、ドロルの体液を注入されたが拒絶反応が出てしまい返り血を浴びると一時的に発症するようになる。彼女が使い物にならないと判断されたことがケイトが実験体として狙われる。ドロルを戦いへと駆り立てるエルヴェの謀略により過剰投薬によって記憶を抑圧され、エルヴェとエミリオに拉致される。リーズとエルヴェが最初に出会った浜辺に放置され、エルヴェを追うように心神喪失状態で海に入ろうとしたところをクロードに発見され保護されかけるが、彼女を追ってきたラウルたちにクロードが殺害され、返り血を浴びたことで一時的に発症。拘束後、移送中にドロルたちを殺害して交通事故を起こす。その姿をケイト、ニールに目撃されるがニールもまた殺害され、ラウルに捕まりヴィヴァレオ製薬に移送された。ただし、純粋なドロルと異なり、時間が経つと元に戻る上アニムスや一般人に襲い掛かる事も無い。 ケイト救出作戦の最中、ヴィヴァレオ製薬から単身脱出。その後は術衣のまま生前の記憶に従って街を彷徨い、ドロルとアニムスの血みどろの最終決戦の最中、学園の教室にてケイト達と再会する。エルヴェへの想いを譫言のように繰り返し、彼の死に立ち会った。呪いが解けた後、その体は眠るように土へと還りルーズベルト島一面に咲く赤い花となった。 墓碑銘(3話)によれば、スペルは「Lise Harriette Meyer」。学生証(13話)によれば、番号は「6912h-84511-7548b」。漫画版 他の4人より1年以上早くアニムス化していたとされ、その素質は凄まじいものであったという。ヴィヴァレオ製薬に囚われドロルにされてしまう事は原作と同じだが、その後の戦いで命を落とす事は無く、50年後もアニムスの体のままケイトと共に生き続けている。
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