波野村・国土法違反事件とは? わかりやすく解説

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波野村・国土法違反事件 (1990年5月〜10月)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 07:35 UTC 版)

オウム真理教の歴史」の記事における「波野村・国土法違反事件 (1990年5月10月)」の解説

オウム真理教国土利用計画法違反事件」を参照 1990年平成2年5月日本シャンバラ化計画一環として熊本県阿蘇郡波野村(現阿蘇市)に15ヘクタール土地購入しシャンバラ精舎」を建設するために進出する進出目的は、波野村武装化拠点とすることで、ヴァジラヤーナのための兵器として生物兵器ボツリヌス菌とそれを散布するための風船爆弾数千単位製作する計画や、毒ガスホスゲン製造計画された。また1990年4月にはボツリヌス菌プラント第一上九に建設した教団ドライブインだった土地対し5000万円提示、しかし相場より高すぎるので県が警戒する恐れがあるとして3000万円で虚偽申告行なったその後抵当権がついていたため地権者負債1500万円教団支払代わりに負担付贈与にすれば国土法届け不要教団青山弁護士から言われ3500万円即金支払われた。負担付贈与契約5月24日締結されると、即日建設資材搬入された。土地入手する教団プレハブ建設着手し大型トラックが通るために村道勝手に広げられた。 人口2千人オウム信徒450人が住民票移したら、「麻原村長」が誕生し乗っ取られる不安に駆られた村民1990年6月に「波野村を守る会」を結成し教団建設計画説明求めた教団拒否した8月には信徒村民もみ合い十数人のけが人出た右翼団体暴力団雇ったともいう。他方波野村送り込まれ信徒は、石垣島セミナー後に出家した新人がほとんどであり、耐えられずに逃走する者も少なからずいた。1990年6月麻原家族と共に大分県宇佐市大字蜷木8月には別府市汐見町住民票移している。 1990年7月熊本県大分県死者行方不明14名の大水害が起きると、麻原は、波野村水害は「神によって悪業(カルマ)を清算させられたとしか言いようがない」とビラ主張村民激怒したチラシには「オウム関連カルマ返しの例」として「坂本弁護士一家神かくし」と記載されていた。 1990年7月頃に麻原は『南伝大蔵経』などパーリ語仏典翻訳開始した最初は『阿含経』など北伝経典翻訳試みたが、ブッダ本来の教えとは思えない内容だと感じたらしく、南伝経典翻訳することに方向転換し編集部から多く人材経典翻訳部門まわして、『南伝大蔵経』をパーリ語原典から翻訳するチーム結成された。教義編纂中心だった編集部から主要な人材移動させるほど、麻原は『南伝大蔵経』の翻訳重要視した1990年8月波野村役場信者300人の住民票受理しなかったが、8月中旬麻原マハームドラー修行者全員は、波野村移住開始した波野村シャンバラ精舎に幾棟かのプレハブ棟が建つ頃には、富士山総本部多く部署波野村移動することになった富士山総本部から波野村への移動には、ワゴン車使われた。富士山総本部を出る時刻は、秒まで正確に決められていたが、麻原カルマ落としとして「大宇宙真理占星学」で割り出した凶日・凶時を選んだ建設途中シャンバラ精舎過酷な環境だった。夜は富士より寒く昼間蒸し暑く火山灰多く含む土地は、降ればひどくぬかるみ、乾けば砂が舞い上がったシャンバラ精舎多く部署分かれており、一番人数の多い「建築班」をはじめとして洗濯食事担当する「生活班」、水道がないため、毎日タンクローリー汲みに行く「班」、動物飼育する動物班」、石垣島セミナー出家増えた子供構成される「子ども班」、「修行班」、「南伝翻訳チーム」などがあった。隔絶され環境であるため、食堂一角には食の戒律守れないサマナのために、頼めば食べたいものを作って提供する場所が設けられていた。麻原はそこを「動物コーナー」と命名し許可し利用する信者もこっそりと利用するという感じだった。 県は教団国土法届出指導したが、教団は従わなかったために8月16日に県は県警告発した土地取得難航し地権者に更に500万円負債判明したため、地権者届け出をしようとすると、教団側は拒否し京都信者からの借入金あるよう見せかけるために虚偽借用書サインさせた。8月28日には麻原自らが地権者自宅訪れ以前薬事法違反で逮捕された時)20日自白せずにいたが、自白してしまい、その後大変な目に遭ったとして、「自白をしないよう頑張ってください」と説得したが、地権者実際負担付贈与でなく、売買だったと警察打ち明けた。すると青山弁護士は「自供はいつでも覆せるので、他の土地代金ということにして、この件は負担付贈与通してほしい」と言ってきたが、地権者は「(嘘をつくことは)できない」と回答した。すると、教団豹変し、「5千万返すなら土地返すが、これまでの開発費用4〜5億円を賠償せよ」と迫ってきたので、地権者交渉打ち切り警察全ての事情話した9月5日教団地権者証言変えなければ14億円の損害賠償求めるという内容証明郵便送り、さらに売買差益3500万円教団貸し付けたものとして返還求めた1990年9月にはホスゲン爆弾による無差別テロ計画した強制捜査前日1990年10月21日教団代々木公園で「守ろう信教の自由集会開き麻原は「(中東へ自衛隊派遣触れて)私が予言したように再軍備始まった国民靖国神社参拝させるような国家神道の道を歩ませるしか軍国主義とれないこのような国家意図からすればオウムは反国家的団体であることは間違いない権力者にとってオウムは邪魔で、どうしてもつぶした宗教である」「キリストモハメッドへの弾圧仏陀釈迦牟尼対す誹謗中傷世界的に発展した宗教は、必ず国家弾圧受けている。そして今、オウム真理教への弾圧が行われている。私も近々逮捕されるだろう。だが、これを機にオウム真理教世界的に名を残す宗教へと発展していく」と演説した10月22日熊本県警山梨県警が、波野村土地売買に関する国土利用計画法違反道路運送車両法違反などの容疑オウム真理教強制捜査開始した以後教団幹部続々逮捕された。しかしオウム熊本県警内の信者から情報入手しており、強制捜査1週間延期していたので、武装化設備隠蔽することができた。会見教団は、波野村土地お布施贈与されたもので、地権者負債肩代わりして融資した主張した幹部早川出頭する日には、ワイドショーが始まる午後3時麻原報道陣の前で熊本地検電話し県警早川らを逮捕しようとすると、早川は「痛い、痛い」と激しく抵抗し女性幹部が「マスコミ皆さん警察の暴力です!」と実況した。一方教団江川紹子らに暴力ふるっており、波野村では見張り役の信者押し倒され代々木公園では江川引き倒され信者母親小突き回された。また、写真をとった弁護士の腕を捻じ上げてフィルム奪い取ったりした。強制捜査後、麻原は「戦前状況とそっくり。まさに宗教弾圧」(大本教弾圧)と批判し信者二人公務執行妨害容疑逮捕されると「オウム社会迷惑をかけることをしたか。何か法に触れることをしたか」と声を荒げた教団地権者に対して1991年5月金銭返還請求裁判起こし法廷教団土地地権者からの布施だと主張したが、地権者否定した1992年4月波野村との裁判教団側が和解申し立て和解金20億円を請求した1993年10月波野村住民票受理拒否をめぐる裁判教団側が勝訴すると、1994年波野村オウム5000万円手に入れた土地和解金9億2000万円買い戻すことで合意した年間予算24億円のでこの額を支払うことについては村民同士でのトラブルもあった。 1992年6月熊本市春日の土地長野松本市男性購入後、94年7月オウム教団に所有権移った男性教団松本支部長で、素性隠して購入だった。91年にも長野県松本市オウム食品会社偽って土地購入し訴訟となった一方教団波野村に先がけて土地入手した山梨県上九一色村では許可なくサティアンなどの施設の建設進め住民衝突した92年12月には、反対する住民信者が「あんたにも家族がいるんだろう」「坂本弁護士のように(行方不明に)なってもいいのか」と脅したり、住民襟首つかんで「みんな拘束しろ」と叫んだりした。。上九一色村住民は「我々も最初から反対叫んでいたわけじゃない。しかし、オウム融和しようとしないそれどころか、通学畑仕事のために前の道路を通るたびにカメラを向ける。車のナンバー控える。汚水垂れ流し周辺牧草枯らす。畑の中にトラック停める深夜2時、3時まで大音響工事をやる。教団の車はやたらとスピード出してあちこち事故起こす抗議に行くと「バカヤロー」「コノヤロー」「テメー」「帰れ」の四語しか言わない信教の自由わかります。でも私たち平和に生活する権利はどうしてくれるんですか。自分たちの青春をかけて開拓した土地が、連中乗っ取られるのを黙って見てろっていったって、そりゃ無理ですよ」と述べている。しかし、1992年5月上九一色村信者転入届受け入れ山梨県富沢町でも和解成立した

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