波野イクラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 09:58 UTC 版)
「サザエさんの登場人物」の記事における「波野イクラ」の解説
(なみの イクラ) 声 - 声優なし(効果音のみ)(1970年3月15日 - 1971年4月18日、1971年5月23日)→ 桂玲子(? - )、冨永みーな(不明)〈代役〉 演 - 加藤小桜→鈴木もも→稲葉友、桂玲子(観月ありさ版 声のみ) ノリスケとタイ子の実子。波平と海平の大甥で、サザエとカツオとワカメのいとこ甥で、マスオの義理のいとこ甥、タラオのはとこである。 人物 タイ子の実家である入江家の初孫で男の子(原作では当初「女の子だった」という説がある。後述「イクラの性別」を参照)。タイ子同様、原作にはあまり登場しない。 年齢は1歳半くらい。 主要キャラクターの中では、最も原作と外見の差が大きい。 髪色は茶色。初期においては、髪色は黒色で現在よりも丸々と太っていた。 アニメでは、タラオと同様に特殊な足音をたてる。 性格 好奇心旺盛で様々な物事に興味を持つが、同時に熱が冷めるのも速い飽きっぽい性格。一度興味を示すと周りの人間が「ダメ」と言っても熱が冷めないうちは、怒ったり泣いたりして聞き入れない。興味を持つきっかけは様々で、子供らしいきっかけもあれば、大人の行動を見たことがきっかけになることもある。たまに意外な物に興味を示した時などは、両親とタラオをはじめとする周囲の人間が、イクラの行動に驚かされたり振り回されたりする。イクラの暴走を押さえ込める人物はカツオぐらいである。 また、人間観察に優れており、興味を持った人のマネすることも周囲を困惑させる原因の一つになっている。 その反面、まだまだ幼く怖がりで、寂しがり屋なため泣くこともある。また、家族旅行で知らない土地へ行った時はノリスケかタイ子のどちらかがいないと不安である。この時は、ノリスケが八尾に大学時代の後輩に会いに行って先に富山に着いていた為、八尾に行ってノリスケと合流する事になっていたが、「タラちゃんと一緒にいたい」と意思表示をした為、タイ子とサザエが口裏合わせをしてイクラを置いて行き、道を渡って車が通った間に隠れた。イクラは戻って来ると思っていたのにいない為、不安がって戻って来たタイ子の胸で泣き、タラオと一緒にいたのを諦めた。 普段人見知りをしないが、時々人見知りをしたり、タイ子らから人見知りをしているように見える時がある。 気性が激しく、自分がだまされたと分かると自分をだました相手に対して(イクラのために思った行動でだましたつもりはなくても)容赦ない仕返しをする。その手口は1歳児と思えないものである。仕返しが済んでもその相手と同席しないなどかなり強硬な態度をとり続けるが、波平やフネの一言によってとたんに機嫌が良くなる。 コミュニケーション アニメで発する言葉は「ハーイ(挨拶、および会話中に使うと「そうです」の意味になる)」「チャーン(カツオ、ワカメ、タラオの名を呼ぶ時)」「バブー(不機嫌な時、「ちがう!」と否定する意味も兼ねる)」しかしゃべれず、イクラの両親と年齢の一番近いタラオのみ理解可能。それ以外の人物がイクラの言いたいことを理解するには、タイ子たちに通訳してもらう。あるいは、イクラの表情と言い方・動きなどで予想し、その都度イクラに「ハーイ」「バブー」でイエスかノーを判断してもらうしかない。 イクラはほとんど話せないものの、相手が言うことは簡単な言葉なら理解できるようで上記のようにコミュニケーションをとっている。 イクラは言葉が話せるか否かについて アニメでは、基本的に上記の「ハーイ」「チャーン」「バブー」しか話せない。ただし、「お帰りなさいイクラちゃん」(作品No.2433)以降、いくどかしゃべったことがあるが、不評だったことにより翌年頃までに元に戻った[要出典]。その時のセリフは、波野一家が引越し前にタイ子・ノリスケが磯野家に「東京に帰る」旨の「テープレター」を送り、一家で聞いていた際テープの中から聞こえた「カエル?」の声。それを聞いたサザエは驚いたが、カツオの早とちりとして扱われた。 しかし「ママ」は呼べるようで、公園で遊んでいた場面ではちゃんと「ジャンケンポン!」と言っていた(もっとも、勝っても負けても関係ない)。はっきりとした意思表示をしたこともある。 好奇心旺盛なエピソード 「金太郎」の腹掛けに興味を示したときは、タイ子がサザエと電話している最中に腹掛け姿で勝手に家を飛び出して、タイ子を困惑させた。ただし、近所の人からは「五月人形みたい」と評された。 また、台所の床下収納戸に興味を示した時は、裏のおじいちゃん宅や伊佐坂家の台所の床下収納戸を勝手に開けようとした。 ペンキ屋に興味を示してハチの小屋のペンキ塗りをした際に、ペンキ屋のおじさんの作業服が汚れていたのをマネをして、イクラ自ら服にペンキを塗ってしまい、タラオを困らせた。 時に、お茶やらっきょうの酢漬けなど、主に大人が好む食べ物や飲み物をおいしく食べたり飲んだりするため、周囲を驚かせる。 うなぎが大好物である。 磯野家と一緒に阿蘇に旅行に行った時に以前、家族で阿蘇に旅行に来た時に馬に二時間も乗っていたと馬に乗せてくれた「江藤ファーム」の主人に覚えられていた。 消防自動車に凝っていた時期があった。 タラオについて タラオとは年が近いこともあり非常に仲が良く、家族に連れられてお互いの家に行くといつも一緒に遊んでおり、二人でどこかへ勝手に出掛けてしまうこともしばしば。また、昼寝などで2人が同じ布団で寝る場面が幾度もあり、イクラが磯野家に泊まることもあるが、夜中にホームシックになったりして朝まで一緒に寝ていることはない。イクラのワガママなど些細なことでタラオとケンカをすることもあるが、結局は「ケンカするほど仲がよい」という感じでほどなくして仲直りする。仲の良さは凄まじく、ノリスケの仕事の都合で名古屋に引っ越す事になった時も別れる際、大泣きした程である。しかし、その三ヵ月後にノリスケが新雑誌の立ち上げで東京に呼び戻されて、東京に戻った為、またすぐに会えるようになった。 悪いことや危ない行動を起こそうとする時に「やってはいけない」と言い聞かせるのに時間がかかる。タイ子がいる時は「いけません、イクラ!」と注意されたり、タラオといる時はタラオがお兄ちゃんらしく注意して止めようとする。しかし、イクラはほぼ言うことを聞かないで行動を起こしてしまうため、両親も手を焼いている。 イクラの性別 アニメではイクラは男の子となっているが、原作のイクラは当初は女の子だったのではないかという説がある[要出典]。 その理由は、原作のイクラの出産時のエピソードとして、役所に出生届を出しに行くノリスケの手には“ナミエ”と書かれた紙を所持しているからである。当初その名前で届けるつもりであったが、たまたますれ違ったかっぷくのいい女性が「ナミエ」と呼ばれていたため「考え直そう」と途中で引き返すという話がある。また、タイ子が雛人形を買おうとするエピソードもある。 ただ、途中から「ボーヤ」と呼称されるようになっているため、それ以降は男の子の設定になった。 名前の初期設定について アニメ「サザエさん」の脚本を担当している雪室俊一によると「原作で名前がなかったノリスケとタイ子の子供が「イクラ」と付けられたのは、(自身の)娘の好物からきている」と語っている。 実際には原作者の長谷川町子は、ノリスケとタイ子の子供に対して「チドリ」という名前を付けている。しかし、アニメ版に「チドリ」の名前が採用されることはなかった。 この「チドリ」という名前の存在は、朝日新聞朝刊に「読者と新聞」という読者の質問欄があり、そこに読者から「サザエさん一家の家族構成を教えて欲しい」という質問が来たことで明らかになっている。これに対して長谷川から詳しく回答されており、本人直筆による各登場人物の似顔絵と名前が描かれたイラストが掲載された。そのイラストにはサザエさん一家の横にノリスケ一家も描かれ、「波平のオイ、いそのノリスケ」と「妻、タイ子」、そしてタイ子に抱かれた「チドリ」と名前が明記された赤ん坊が描かれていた。
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