別巻・月報・付録とは? わかりやすく解説

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別巻・月報・付録

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 10:27 UTC 版)

谷崎潤一郎訳源氏物語」の記事における「別巻・月報・付録」の解説

谷崎訳の大きな特徴一つとして『源氏物語』本文現代語訳以外にも『源氏物語』理解するために役に立つ考えられるさまざまな資料が別巻・月報・付録といったいろいろな形で付されていることがある旧訳では和歌講義上下2巻(第24巻及び第25巻)を、年立系図および各巻の梗概といった資料1巻(第26巻)を費やしている。「和歌講義」までは本文同様に谷崎自身執筆したのであるが、最終巻の「年立系図および各巻の梗概」は、谷崎自身当初自分執筆するつもりであったものの、自身体調不良最終巻の刊行急がれ情勢であったことから自身による作成諦め中央公論社社員相沢正によって作成されたものを使用することとなった説明している。作成に際しては「湖月抄」「すみれ草」「金子本」(金子元臣定本源氏物語新解明治書院1926年大正15年)から1930年昭和5年))の3つ参考作成したとされている。その結果作成され年立系図内容は、年立旧注属する「湖月抄」に付されている一条兼良作成した旧年立」と呼ばれる年立に最も近く系図新注属する「すみれ草」のものに近いという、『源氏物語』注釈史という観点から見ると統一取れないものとなっている。なお、新々訳の年立も、「すみれ草ならって」とあるものの、旧年立である。新訳にも年立系図付されており、これらは「新訳作成手伝った源氏物語専門家である玉上琢弥らが旧訳付録手を加えて作成したのである」とされており、当時最新の研究成果取り入れたものになっている月報として、各配本回ごとに「源氏物語研究」と題され毎回当時様々な知識人による『源氏物語』についての論考掲載された。また2回にわたって同じ中央公論社から出版されることになっていた『校異源氏物語』についての情報掲載されている。この付録源氏物語研究」の最後に「ゆかり抄」というコーナーがあり、編集後記読者からの投書掲載されている。 「源氏物語研究」一池田亀鑑源氏物語主題 -自然及び人間対する愛その他-」 「ゆかり抄」 「源氏物語研究」二窪田空穂紫式部生涯とその芸術今井邦子特別に彩色された『末摘花』」 「紫の家(其の一)」 「ゆかり抄」 「源氏物語研究三舟聖一源氏物語情緒叡智久松潜一古典永遠なるもの」 「紫の家(其の二)」 「ゆかり抄」 「源氏物語研究」四藤田徳太郎源氏物語日本的性格」 「平安時代住宅 -源氏物語風俗その1」 「ゆかり抄」 「源氏物語研究」五長谷川如是閑かくして源語生まれた」 「平安時代家具装飾上 -源氏物語風俗その2」 「ゆかり抄」 「源氏物語研究」六片岡良一源氏物語構成」 「平安時代家具装飾下 -源氏物語風俗その3」 「ゆかり抄」 「源氏物語研究」七今井邦子源氏物語に現はれた女性」 「平安時代乗物 -源氏物語風俗その4」 「源氏物語研究」八五十嵐力恋愛描写に於ける源氏物語優越相」 「平安時代男子礼服 -源氏物語風俗その5」 「源氏物語研究九藤懸静也「源氏物語美術」 「平安時代男子礼服(その二) -源氏物語風俗史その6」 「ゆかり抄」 「源氏物語研究」十青野吉「『宇治十帖』観抄」 「平安時代男子通常服 -源氏物語風俗史その7」 「ゆかり抄」 「源氏物語研究十一塩田良平源氏物語明治文学」 「平安時代婦人礼服 -源氏物語風俗史その8」 「『校異源氏物語刊行に就いて」 「源氏物語研究十二尾上紫舟「源氏物語仮名」 「平安時代婦人通常服 -源氏物語風俗史その9」 「源氏物語研究十三浅野晃古典としての源氏」 「平安時代食物 -源氏物語風俗史その10」 「『校異源氏物語刊行に就いて」 「尾崎紅葉全集刊行に就いて」 「終刊の辞」 「源氏物語研究」というタイトルのすぐ下に『源氏物語』についての古今東西名言掲載されている。 第一号「我が国至宝源氏物語過ぎたるはなかるべし」(一条兼良第二号「紫式部は恐らく最初女流小説家であるが、又最も偉大な作家一人である」(倫敦タイムス第十号「『源氏物語』情熱あり、滑稽あり、はた溢れた喜楽あり、人情風俗に関する鋭利な観察あり、或は自然美対す鑑賞あり。而して文は日本文学最上の軌範たり」(アストン第十二号著者着実な観察深遠な思想とが抱合するところに、この空前絶後の傑作生まれたるなり」(藤岡作太郎新訳以降刊行時にも、以下のようにそれぞれ力の入った月報添付されており、愛蔵本などの形で再刊される際には初刊の時とは異なった新たな月報作成されている。 新訳初刊本) 「紫花鈴香」一山田孝雄「校閲者の言葉池田亀鑑驚嘆すべき偉業」 「内裏の図」 「解説」 「紫花鈴香」二折口信夫「ものゝけ其の他」 「枕草子絵巻」 「源氏物語附図」 「紫花鈴香」三生島遼一「宮廷文学女流作家」 「紫式部日記絵巻」 「官位昇進表」 「官位相当表」 「紫花鈴香」四前田青邨源氏について」 玉上琢弥途上にて」 「扇面古写経平安納経」 「藤壺の宮」 「紫花鈴香」五「行幸の図枕草子絵巻正美源氏物語現れ書生活」 玉上琢弥政治家光源氏」 「紫花鈴香」六吉川英士「源氏物語現れ音楽」 「醍醐桜会」 「琵琶・等のこと」 「琵琶・等・笛・拍子玉上琢弥政治家光源氏」 「紫花鈴香」七井島勤「源氏絵巻の美について玉上琢弥藤原氏人々」 「紫花鈴香」八多屋頼俊「源氏物語仏教」 「平安納経序品」 「宇治網代」 「源氏物語附図」 「紫花鈴香」九家永三郎源氏物語時代婚姻生活」 「源氏物語絵巻」 「紫式部日記絵巻山中裕宇治歴史」 「紫花鈴香」十西田虎之助「源氏物語環境」 「野遊びの図」 「山荘の図」 三条西堯山「源氏香について」 「紫花鈴香」十一年中行事」 「紫花鈴香」十二秋山虔源氏物語作者紫式部新訳新書版付録第一ドナルド・キーン原文と翻詳」 付録第二風巻景次郎藤壺女御 かがやく日の宮付録第三中村真一郎源氏物語現代性」 付録第四阿部秋生現代語訳ということ付録第五号沢潟久孝「私と源氏物語付録第六暉峻康隆源氏一代男付録第七入江相政礼賛付録第八町春草源氏好み新訳愛蔵版付録一号円地文子肉体化した現代訳」 池田弥三郎いろごのみ古代光源氏はなぜ柏木殺したか-」 「年中行事付録二号中村汀女雨音風音玉上琢弥平安朝時代の生活と源氏物語」 「年中行事(二)付録三号五島美代子「心のうた」 久米庸孝「『源氏』の台風」 「年中行事(三)付録四号小山いと子谷崎文学夫人今井源衛源氏物語研究書松平文庫調査余録-」 「年中行事(四)付録五号中村直勝源語の二滴」 奥野慎太郎「人間没落文学」 「年中行事(五)」 新々訳(初刊本付録 : 紫のゆかり尋ねて 一号谷崎潤一郎ハワード・ヒベット対談)「源氏物語めぐって」 「系図二号玉上琢弥源氏物語成立」 「巻二解説」 「系図」 三号秋山虔源氏物語作者紫式部日記世界」 「巻三解説」 「系図四号高木市之助源氏物語風土」 「巻四解説」 「系図五号中村幸彦源氏物語後世文学への永享」 「巻五解説」 「系図六号松尾聰源氏物語本文」 「巻六解説」 「系図七号神田秀夫紫式部生涯」 「巻七解説」 「系図八号土田真鎮「源氏物語時代」 「巻八解説」 「系図」 九号中村義雄王朝貴族一生」 「巻九解説」 「系図十号井上光貞源氏物語浄土教」 「巻十解説」 「系図別巻阿部秋生源氏物語読んだ人々」 「別巻解説」 新々訳(愛蔵新書版月報第1号丸谷才一小枝幸田露伴余沢安田靫彦谷崎さんと源氏」(昭和14年2月6日広告より) 月報第2号金井美恵子魅惑谷崎源氏島木健作一読者として」(昭和14年2月6日広告より) 月報第3号水上勉その頃からの感動月報第4号中里恒子源氏物語について」 月報第5号田久保英夫初めての源氏体験月報第6号向田邦子源氏物語点と線月報第7号中村幸彦近世における小説としての源氏物語月報第8号中村真一郎谷崎と『源氏』と世界文学月報第9号大原富枝谷崎源氏懐かしさ月報第10号ドナルド・キーン谷崎源氏思い出別巻岡野弘彦谷崎源氏と私」

※この「別巻・月報・付録」の解説は、「谷崎潤一郎訳源氏物語」の解説の一部です。
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